オレの周りの女の子達がフルネームを教えてくれない   作:画面の向こうに行きたい

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三連休いかがお過ごしでしょうか?

風邪がなかなか治らない画面です。

今回は鈴谷回をお送りします。


「センパイがそれを言うの?」

鈴谷の高校の文化祭に呼ばれた。

鈴谷のクラスはたこ焼き屋をするから売り上げに貢献してほしいみたいだ。

 

たこ焼き屋はグラウンドかな?

 

「あれ?センパイじゃね?おーいセンパイ!」

 

この前、ファミレスで会った鈴谷の友達の女の子に声をかけられた。というか、君達もオレのことを『センパイ』呼びなのね。

 

「鈴っちょ〜!センパイが来たよ。」

 

「え?もう来たの?」

 

鈴谷はテントの奥でたこ焼きを焼いていた。

 

「ゴメーン!センパイ。後1時間くらいシフトに入ってないといけないんだよね」

 

「いーよ。後はウチらでやっとくから行きなよ鈴っちょ」

 

「いいの?エミエミ?」

 

「いいってことよ!せっかく、センパイが来てくれたんだから、文化祭デートしてきなって」

 

「ありがとー。恩に着るわ」

 

「貸しイチだかんね?」

 

鈴谷はエプロンを外してテントの奥から出てきた

 

「じゃあ行こっか?センパイ?」

 

ナチュラルにオレの左腕に抱きついてくる。

 

 

 

「それで、どこに行こうか?」

 

パンフレット片手に鈴谷に聞いてみる。

 

「そうだ!若菜ちゃんが占いやってるから行ってみよセンパイ!」

 

占いか。特に興味はないが、鈴谷が行きたいなら行くか。鈴谷の友達がやっているみたいだし。

 

「なら行くか」

 

「うん!鈴谷にお任せ」

 

 

元々は空き教室らしい部屋は暗幕で飾り付けられていた。

 

「いらっしゃい」

 

鈴谷の友達は制服の上からローブを着て、机の上には怪しげな水晶が置かれている。

彼女は水晶に手をかざすと、

 

「鈴谷とセンパイの相性は・・・」

 

相性占いって頼んでないんだけど。

 

「むむむ。見えてきた」

 

「ど、どう?」

 

「鈴谷とセンパイは相性ピッタリ」

 

「ホント?」

 

隣に座っている人と相性最悪です。なんて言われたらリアクションに困るからよかった。

 

「鈴谷は遊んでそうに見えて、本当は一途で尽くす系」

 

「へ?」

 

「最近はお料理の勉強もしている。家庭的で料理も床も上手ないい嫁になる」

 

「ちょっと!」

 

鈴谷が顔を真っ赤にして怒っていた。

 

「てゆうか、その水晶って本物?」

 

「ナイルで買ったガラス玉。雰囲気を出すだけの小道具」

 

つまり、話した内容は適当ってことだ。

 

「もう!若菜ちゃん!」

 

「ゴメンゴメン。本当はこっち」

 

彼女はそう言ってタロットカードを差し出した。

 

「そんなのがあるなら最初からちゃんとやってよ」

 

「さぁ1枚取って」

 

鈴谷は裏返しになったタロットカードの中から1枚取った。

 

「センパイも」

 

彼女に言われて1枚取る。その絵柄を彼女に見せると、

 

「うん。相性は悪くない」

 

「ホント?」

 

「ただ・・・」

 

「センパイには女難の相が出ている。センパイの女癖の悪さを治さないと家庭の不和を招くかも」

 

なんだよ。女癖の悪さって!こちとら彼女もいないんだぞ!

鈴谷も『あーあ』みたいな顔しないの!

 

 

占いの後は鈴谷のリクエストでクレープを食べたり、鈴谷の友達のステージを見に行ったりした。

 

「次はどこに行こうか?」

 

なんて話しながら廊下を歩いていると、

 

「鈴谷さん」

 

真正面の男性に声をかけられた。

 

「えっと、隣のクラスの茂手内くんだっけ?」

 

「好きです。付き合ってください」

 

唐突に告白された鈴谷だが、

 

「えっと、ごめんなさい」

 

にべもなく断った。男はその事が信じられないみたいだった。

 

「どうして・・・」

 

「どうしてって」

 

「荷物を運んであげたら笑顔で『ありがとう』って言ってくれたのに」

 

「お礼を言うのは人として当たり前じゃない?」

 

「シャーペン落とした時に拾ってくれたのに」

 

「目の前で落とし物したら拾うでしょ?普通」

 

「ボクが勧めたマンガを面白かったって言ってくれたのに!」

 

「マンガが面白いかとキミが好きかってカンケーなくない?」

 

「でも!」

 

鈴谷は大きくため息を吐くと、オレの腕に抱きついて、

 

「ってゆーか、鈴谷彼氏いるから」

 

「そ、そんな・・・」

 

「そーゆーわけだからゴメンね?」

 

「クソビッチ!」

 

男は捨て台詞を残して去っていった。

 

「おい!!」

 

フラれたとはいえ、相手の子をビッチ呼ばわりとはなんてヤツだ!

 

「センパイいいから」

 

鈴谷が腕を強く抱きしめてくる。

 

「あの男は論外だけど、男って単純だから、鈴谷みたいな可愛い子に少し優しくされると、勘違いするから気をつけろよ」

 

「それは鈴谷も悪かったけどさ」

 

鈴谷は納得いかない表情で、

 

「センパイがそれを言うの?」

 

 

その夜。夕食を食べながら今日のことを響ちゃんと霞ちゃんに話していた。

 

「って事があってさ」

 

「「それは鈴谷(さん)が正しい」」

 

「鈴谷さんも兄さんにだけは言われたくないよね」

 

「ホントクズなんだから」

 

夕食の間、2人から白い目で見られ続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




フィクションでよくあるけど、現実にはない事ランキングトップ3は、

1.文化祭での後夜祭

2.生徒会長に呼び出される

3.屋上でのイベント

ではないでしょうか?
経験ある方は感想にてお聞かせください。
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