オレの周りの女の子達がフルネームを教えてくれない 作:画面の向こうに行きたい
地獄の連勤中の社畜、画面です。
今回は綾波お泊まり回です。
夏休みに入ったある日、
「そうそう。明日、綾波がお泊まりに来るから」
夕飯時に響ちゃんが唐突に言い出した。
「そういうことは早く言ってくれよ。リビングとか掃除しないと」
「昨日霞が掃除してくれてたからそれで充分でしょ?それよりも兄さんは綾波に見られて困るものはちゃんと片付けておいてよ」
「そんなモノはない」
ないったらないのだ。
翌日、
「今日からよろしくお願いしますね。お兄ちゃん。響ちゃん」
鈴木さんに連れられて来た綾波。
「では、明日迎えに来やす。お嬢をよろしくお願いします。アニキ」
鈴木さんはそのまま派手な車で帰っていった。
「綾波、ゲームしよ」
「うん響ちゃん」
「勝ったら兄さんが頭ナデナデしてくれるよ」
「ほんと?」
午前中は3人でゲームして、お昼は響ちゃんのリクエストで宅配ピザを食べた。
「午後はどうしようか?」
「あのね、響ちゃん」
綾波は遠慮がちに、
「この前、調理実習でカレー作ったでしょ?アレ、お兄ちゃんにも食べて欲しくって」
そういえば前にそんな話を響ちゃんから聞いたかもしれない。
「そうだね。午後はスーパーに買い物行って、それからカレーを作ろうか」
「うん!ありがとう響ちゃん」
「というわけで、お買い物に行ってくるから、兄さんは留守番よろしく」
「重い荷物もあるし、付き合うよ?」
「お買い物から調理実習は始まってるんだよ」
「響ちゃんがそこまでいうなら」
黒い錨マークの入ったキャップを被った響ちゃんと、麦わら帽子を被った綾波の2人で買い物行くことになった。
「車には気をつけるんだよ。後、暑いから熱中症にならないようにね。怪しい人に着いていかないんだよ」
「兄さん、ちょっとウザい」
「もう。お兄ちゃんってほんとうに過保護なんですから」
そのまま2人仲良く買い物に行った。
2人が買い物に行っている間、部屋でレポートを進めることにした。
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思ったよりもレポートに集中していたらしい。気づいたら、キッチンからカレーのいい匂いがしてくる。キリのいいところまでレポートを進めると、リビングに向かった。
「あ、お兄ちゃん。もう少しで出来るのでちょっと待ってくださいね」
綾波がカレーの入った鍋を混ぜていて、響ちゃんがサラダを作っていた。
2人の作ったカレーは美味しかった。が、
問題はその後だった。
「やっぱりダメだよ響ちゃん。お兄ちゃんとお風呂だなんて」
「いいかい綾波、妹は兄に髪を洗ってもらうことができるんだよ」
「恥ずかしいよー」
「そう?なら2人で入ろうか兄さん」
「響ちゃん!」
「綾波も困っているし、響ちゃんもいい加減兄離れしような」
「むう。綾波の前だからってカッコつけて。いつも一緒に入っているのに」
「えぇ!!」
「響ちゃんが子供の頃の話だろ。今は違う」
「仕方ないから今日は諦めるよ」
「響ちゃん!!!」
風呂場から綾波の悲鳴が聞こえる。
降りてみると、風呂に入り終わったみたいで、2人共、寝間着姿だった。
「綾波、それ暑くない?」
綾波は着ぐるみパジャマだった。
「これ、夏用だから涼しいんですよ」
「そうか」
「それよりも響ちゃんの格好です!」
響ちゃんはオレのワイシャツをパジャマ代わりにしていた。
「最近暑いからね。それにこれが一番よく眠れるんだよ」
冬は寒いからってモコモコスウェット着てるくせに
「せめてズボンくらい履こうよ」
「私、チビだから、これで充分。暑いし」
そう。ワイシャツの下はパンイチなのだ。
「もう響ちゃんったら」
綾波は呆れた表情だったが、諦めたらしい。
風呂に入って部屋に戻ったら布団がなかった。
泥棒?・・・ってそんなわけない。
「響ちゃん。オレの布団どこに持って行った?」
答えはリビングにあった。オレの布団を真ん中に、響ちゃんの布団と来客用の布団が川の字に敷いてあった。
「今日はお兄ちゃんと響ちゃんとお話ししたくて。ダメですか?」
意外にも犯人は綾波らしい。
「まぁいいよ」
結局、綾波と響ちゃんと川の字になって寝ることにした。
「それで・・・響ちゃんったら・・・」
綾波は疲れたのかそのまま寝てしまった。
「お泊まりが楽しみではしゃぎ過ぎたのかな」
「ほら、響ちゃんも早く寝なさい」
「はーい」
「・・・お兄・・・起きて・・・」
何かがオレの上に乗ってゆさゆさと揺らしてくる。
「響ちゃん。オレの上に乗らないの」
「響ちゃんじゃなくてごめんなさい」
「え?」
上に乗っていたのは綾波だった。
「綾波?」
「お兄ちゃん朝ですよ」
「おはよう綾波。ところで、なんでオレの上に乗ってるのかな?」
「響ちゃんが『兄さんは妹に乗って起こされるのが好き』って言ってたので」
まったく。響ちゃんたら
「それは響ちゃんの冗談だからね」
「そうなんですか?」
とりあえず起きるか。
昨日、スーパーで買っておいた菓子パンを食べながら、
「お昼どうする?」
「お素麺でよくない?」
「いいですね」
「私達特製お素麺を食べさせてあげるよ」
「スーパーで買ってきたセール品じゃないか」
「やっぱりお素麺は中学生にかぎるね」
「意味がわからないよ響ちゃん」
やっぱり午前中ゲームして、お素麺食べて綾波は帰っていった。
最近は本当に日が落ちても涼しくなりませんね。
夏バテにはお気をつけて。