神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
「……よし!、テントよし!、折りたたみテーブル、椅子良し!、具材、調理器具良し!」
マチは一人、近くの(徒歩2時間、走ってマチなら30分)山の頂上の、開けた場所でソロキャンを始めようとしている、夢に見た山でのキャンプ、ふふふ、わくわくが止まらないぜぇ。
「さーて、赤ずきんとシンデレラは珍しく用事があるとかでいないし、本当にソロで……ん?」
動物は軒並みいないとして、虫の羽音が聞こえる、それだけなら良い、それがキャンプの環境音だから、だが何故寝息が聞こえるんだ?、それも
「……何故」
幽霊とかは信じないが、正体は知っておいて良いかもな、マチはその聞こえた方向に、マッチを両手に持って向かった、木々の間を通りながら、奥へと進んでいく、すると、そこには、草を寝床に、眠り姫とその胸の上で寝ているラプンツェル、そして長靴を履いた、猫のような寝方をした猫耳を生やした知らない少女を見つける。
「……おい、起きろ眠り姫、ラプンツェル」
眠り姫を揺すると、胸が右へ左へと揺れる、ぐぬぬ、眠り姫は目を擦りながら、身体を起こす。
「……ふわ……、あ……マチだぁ……」
「うーん、あ、マチ!」
ラプンツェルも起きて、元気な笑顔ですマチを指さす。
マチはため息を吐く、この様子だと別に攫われたとか、迷子なわけではないのか、いや迷子の線はまだあるか。
「うん、マチだが、で、なんでこんな寝ていたんだ」
「うん、それは」
ラプンツェルが言う前に、マチは背後に忍び寄る者を、身体を捻り、蹴りを入れる。
「ニャはは!、怖いにゃあ、別に膝カックンをするだけにゃのに怖い怖い」
猫耳の少女は戯けたように、笑う、その様子に悪意のようなものは感じられない
「ラプンツェル、眠り姫、知り合いなのか?」
「うん!、ペロちゃんだよ!」
ラプンツェルは元気に答える、ペロ、ペロね、血式少女……にしては、何か違う気がするんだよな。
「どうも、わたくしペロって言いますにゃん、どうぞお見知りおきを」
ペロはスカートの裾を持ち、お姫様のようなお辞儀をした、ちらっと見えたが、下は短パンか、いやマチはおっさんかよ、なに確認してるんだ。
「……で、どういう関係で?」
「にゃに、ただのお眠り友達ってだけにゃ、あぁそれとこんなところに来た理由としては」
「
「あら、マチ殿も?、わたくしらも同じですにゃ」
「うん!、なんかへんなにおいがしてて、ぐっすりねむれないの!、みんなにきいてもよくわからないって」
「ん……ん」
ふむ、鼻がきく少女が逃げてきたわけか、確かになにか嫌な匂いだったな、心がざわつくような……似ているものあげるなら、確か前に虫を殺すスプレーがあったな、あれに似ているな。
「……前々から気になってはいたが、あの都市はいろいろと何かありそうだな」
「……へぇ、にゃにかな、マチさん」
ペロは笑みを浮かべてマチの言葉を待っている。
「まず山に来てわかったことだが、ペロ、お前は一回でもこの山でメルヒェン、ナイトメアに会ったか?」
「メルヒェン?、ナイトメア?、随分とファンシーな名前ににゃってるね、汚染動物なら干からび死体なら何度か、それがにゃに?」
「あぁ、この地上にもメルヒェンやナイトメアが跋扈してると思ってはいたが、どうやら一部の遠い村々や、この血戦都市の近くくらいみたいだ、遠いところから来た市民からそう聞いた」
「近く……にゃら、なんで血戦は討伐しないのかにゃあ」
「それがわからないから疑念が生まれているんだ、まぁ近くとは言っても、すぐに討伐されてるらしいぞ、メルヒェンはその遠い場所から来る……まるで吸い寄せられるようにな」
「にゃはは、つまりマチさんはあれかにゃ?、血戦は
笑みを先程からペロは浮かべているが、どこかその声は試している風にも見える。
「……すぅ」
「……うーん、ラプンツェルそういうのよくわからない!」
眠り姫は再び眠って、ラプンツェルはお腹を鳴らして、ジタンダを踏んでいる、まぁそういう考えること苦手そうだもんな。
「ふむ、確かにお腹が減る時間か、二人とも、昼飯食うか?」
「食べるー!」
「わたくしは猫缶でいいですにゃぁ」
「無いわうなもん」
マチは元いた場所にいく、眠り姫を抱っこして運んで、テントの中に入れ、マチは料理を始めた、まぁ簡単なものだが、パンに焼いた肉や野菜を挟んだサンドイッチ、ここの肉も野菜もあるから良かった、肉に関してはようわからないが、まぁ今は食べるか。
「それじゃあ」
「「「いただきます!」」」
――腹も膨れ、夜になり、ラプンツェルもテントの中で眠り、マチはペロと焚き火を挟んで、折りたたみ椅子に座りながら、軽い雑談をしていた。
「ふむ、猫がいるのかお前の家には」
「はいにゃ、皆わたくしの家族ですにゃ」
「いろいろと驚きだが……で、お前は何者何だ?」
マチは本題を切り出した、最初会ったとき、膝カックンとは言っていたが、殺意も悪意も無かった……が、確かに一瞬だったが、後ろに隠していた腰の細剣に触っていた。
「……ニャハ、どうせ全てお見通しそうだにゃね、わたくしは長靴を履いた猫というコードネームで通ってる白月教団の一人にゃ」
「ほう、簡単に吐いたな、このままはぐらかせば、だまし討だっていけたのにさ」
「にゃはは!、それでもマチさんなら反応してたでしょうにゃ、ま、心配せずとも、わたくしはそんな真似はいたしませんにゃ、自らの狭義に反するし、
「あの人ねぇ、秘密かな」
「ですにゃ……それじゃあ最後にわたくしから一つ情報を」
「ふむ?、聞こう」
逆に情報をはくのか、怪しいところだが、まぁ聞くだけただか。
「―――、―――」
「……ふぅん、面白い話だな」
マチはペロの話を聞いた、なかなかに良い内容だ、真偽はどうあれな。
「じゃ、わたくしはこの辺で、また会いましょうにゃ」
ペロはそう言って、木々を猿のように飛び移りながら、山を降りていった。
「……ふぅ、やっと一人だ」
マチは持ってきた魔法瓶なるものに入れたコーヒーをコップ移し、飲みながら、夜空を見ながらゆっくりする。
――夜はまだまだ長そうだ。