神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
まず、前に走り出したのは、シンデレラだった。
そのままの勢いで、蹴りを入れようとするが、軽々と、橋立小女郎は首を横に振って、避ける。
「はん!、その程度のアマチュアな蹴りでうちは倒せへんよ!」
「あら、ならアマチュアなりに習った戦い方でいきましょうか」
「ぬかせ!」
橋立小女郎は、突きや蹴りをシンデレラに連続で放つが、それをシンデレラはこちらも楽々と脚や手で受け流したり、止めていく。
「なっ!、その戦い方、カーレンの……」
「あら、やっぱり知ってるんですわね」
一ヶ月前、ある日、シンデレラが精神の特訓を一時終わらせたとき、カーレンが修行場に現れた。
「……ね♪、シンデレラだっけ、私と同じ足技が得意の♪」
「はぁ……そうですけど、何かわたくしに?」
「一つ、私に鍛え上げられたくない?、正直本気の戦いが処刑台少女以来あまりやれなくてね、試しに他の人に教えてどんくらいなのか見てみたいの♪、良いでしょマリアチャイルドちゃん」
「ご勝手に、自らの修練も大切にね、踊だけではなく」
マリアチャイルドは興味なさげに、座禅を組みながら言った。
「じゃ決定ね♪、シンデレラちゃんも良いよね」
「……良いですわ、強くなれるなら、何でもやりますわ!」
「いい心がけね♪、厳しいわよー♪」
それから、精神修行の合間に、何度もカーレンとやり合い、未熟ながら、それなりの力を手に入れた。
「
「出来ますわよ?」
シンデレラは反撃に転じる、受け流すだけではなく、逆に
受け流した拳で、脚で相手を攻撃していく、そして、右足の蹴りが、橋立小女郎の頬にクリーンヒットして、橋立小女郎はよろめいた。
「ぐっ……なめる」
攻撃しようとするも、横から赤ずきんの蹴りをくらい、柵に激突する。
「二人係っていうこと、忘れてもらっては困るわね」
「――なら!、これならどう!」
橋立小女郎は印を結び、青い炎の玉をいくつも作り出す。
「はぁ!」
それらを、一気に打ち出し、赤ずきんとシンデレラに当たり、爆発が起きる。
「お、おい!、大丈夫なのか!」
メアリーは心配げにマチに聞くが、マチは一切顔色を変えてない。かぐや姫も同様だ。
「大丈夫ですよー、あれくらい」
「あぁ、あの二人なら、いや、
「へ?、それってどういう」
「すぐにわかる」
「は……はは!、なんだ!、この程度かえ!」
橋立小女郎は勝った気でいるが、炎が消えると、そこには赤ずきんとシンデレラの姿は無かった。
「あ……れ?」
橋立小女郎が確認のために、数歩進んだ辺りで、背後から気配を感じた。
「気づくのが遅いわね」
「!?、うし」
赤ずきんとシンデレラは、今度は拳で同時に殴りつける、橋立小女郎は何度かバウンドして、そのまま動かなくなる。
「……勝ったの……かしら?」
「二人とも〜、あまり油断されないように〜」
かぐや姫は手を橋立小女郎に伸ばすと、竹が床から生え、橋立小女郎を包み込み球体となった。
「ほー、バンブーウィーバーか、つうが使う血式能力の」
「まぁ似たようなものですね、わらわも竹の能力ですし〜、ま、これで後は血戦ビルに持っていって」
「―――ゆる――さ」
竹の球体の中から、声が聞こえてくる。
「ま、まさか……」
メアリーが察したのもつかの間、竹を突き破り、《9本の尾》が現れる。
「許しまへんよ!、下等生物がァァ!」
中から出てきた橋立小女郎は、爪が鋭くなり、目の白いところが黒くなっている。
「ふーん、お前も目が黒くなるのか、それに9本の尾か……
「死ねぇぇ!!」
橋立小女郎は、9本のうち、5尾を伸ばし、赤ずきんに向かっていく。
「赤ずきんさん!」
シンデレラは赤ずきんを突き飛ばし、自らに尾を向けた、なんとか避けていくが、柵にぶつかり、尾に絡め取られ、四肢と首を拘束される。
「うぐっ……」
「はぁ!」
橋立小女郎は、尾を燃やして、シンデレラを確実に焼却しようとする。
「やめろぉぉ!!」
赤ずきんは、咄嗟に、鋏、いや、血式能力のボディニッパーにより、切断する。
「た、助かりました」
赤ずきんはシンデレラに駆け寄る、腕や足が青くなり、折れているようだった。
「くっ……うおぉぉ!」
赤ずきんは、一人、橋立小女郎に向かっていく、5本の尾は既に再生している。
「はぁぁあ!」
赤ずきんは今度はボディニッパーを橋立小女郎自身に向けるが、切断はできたが、煙のように、消える。
「陽炎やで」
今度は赤ずきんが橋立小女郎に背後をとられ、振り向いた瞬間、その鋭い爪によって、赤ずきんは切り裂かれた。
「うぁ――」
赤ずきんは膝をつく、多量の血液が、屋上の床を濡らす。
このままでは失血で気絶、あるいは……。
「ははは、うちが本気にかかればこの通りや、うちらはあのマリアチャイルドら血戦と渡り合う集団なんや!、生ぬるい地下で生きてきたあんたらとは格が違うんや!」
「ぐっ……」
「わた……くしは」
赤ずきんとシンデレラは、マチを見た。
「……代わっても良いかな」
マチの言葉に従おうと、そう思った……が、それでは今までと同じだ、自分らが何のために、マリアチャイルドに精神修行をしてもらっているのか、思い出す、マチを守れるほどに強く、たくましくなるためだ。
「……駄目ですわ、まだ、やれますわよ」
「えぇ……このくらい、まだまだ……」
二人はなんとか立ち上がる、しかし、このままでは殺されるだろう……二人は懐に入れていた、小瓶を取り出す、メルヒェンの血液、それをどす黒くした、そんな液体が入っている。
「……賭けるなら今ね」
「……えぇ、やってやりましょうとも!」
赤ずきんとシンデレラは、蓋を開け、それを飲み干す、瞬間、二人から強烈なピンク色のオーラが溢れ出し、橋立小女郎を吹き飛ばした。
「「ガァァァァァ!!」」
「なっ!、なんですかいったい!、いや、これは……ブラッドスケルター化!?」
「「ギギギ……グガァァ!!」」
二人の服が消え、代わりにピンク色の模様と、禍々しい武器が身体と一体化して現れ、目がギラギラとピンク色に輝く。
「ば、バカめ!、そんなことをして自爆のつもりですか!、メルヘン・スケルター化を狙ったんやろうけど、血戦でも限られた人しかなれないというのに!」
○
――二人の意識は奥深くまで眠っていく、殺意と憎悪の波に飲まれて。
「………ここは」
赤ずきんが目にしたのは、黎明、だが、そこは荒れ果て、地面には博士、ハル、視子が死体となっていた。
「――これって」
そして、場面が変わり、元駅構内に変わる、そこには、赤ずきんがいた、長髪だったり、青と白の少女隊だったりと、違うがあるが、赤ずきんがそこに立っていた。
『……博士を失った、視子も、ハルも、黎明の皆を失った……あたしは、こんなにも……無力だ』
その瞳はメルヒェンの血液がついていないのにピンク色に輝き、赤ずきんのほうに近づいてくる。
「あんたは……いったい」