神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
……シンデレラの意識は奥深くに、沈んでいく、殺意と自己嫌悪の波に呑まれて。
「……あら?、ここは……確か、ジェイルの繁華街エリアでしたっけ」
シンデレラは、確かに繁華街エリアにいた、しかし、何処か違うような気がするが、シンデレラにはそれが何かわからない。
「まずは、歩いてみますか」
歩いていくと、角を曲がった辺りで、それを見た。
「―――これ、は」
赤い血液が地面を濡らす、その中心には、シンデレラが知ってる人物がいる、チルだ、そして、もう一人立っている、小さなシンデレラだ、しかし、その顔は、すぐにメルヒェンへと変貌する。
「!?、メルヒェン!」
「そう、メルヒェン、わたくしに化けた、メルヒェンですわ」
シンデレラは同じ声の者のほうに振り返ると、景色が変わる、シンデレラの黎明での自室だ、そしてその奥には、白の少女隊の服を着た、シンデレラが立っている。
「わたくしが、マチ、あの人がいない場合、どうなると思います?」
「どうなるって……黎明から逃げ出していたんでしょうね」
「そう……それが、全ての始まりなのです」
もう一人のシンデレラは、瞳をピンク色に変えて、話し出す。
「わたくしも後で知りました、わたくしが逃げたことで、博士がわたくしの偽物を使い、チルさんを殺し、それの影響で、親指姫 眠り姫 白雪姫が、教団に帰り、かぐや姫を脅迫しました、それが影響で、様々な不運が起こりました、そして最後には……つうと人魚姫を残して、皆死んでいきました」
「………」
シンデレラは悲しげな目で、もう一人のシンデレラを無言で見つめている。
「わたくしが、わたくしが逃げなければ、皆を生きているはずです、マチという人がいれば、こんなことには……だから、もう一人のわたくし、あなたはどうしたいんですか?」
「どうしたい、とは?」
「わたくしは、あなたと同じです、同じ人物ですから、ですからあなたも、この先失敗することがある、言い切れます、あなたは自己嫌悪するでしょう、それでも、これから生きていこうと思いますか?」
ここで死のう、ということなのだろうと、シンデレラは理解する……しかし。
「そちらのわたくしは失敗したわたくしなのですね……わたくしも失敗はありましたとも、マチ姉と赤ずきんさんが行ったとき、一人残ってしまい、ナイトメアと戦うマチ姉の姿を見ることすら、一緒に戦うことすらできなかった、確かに自己嫌悪はわたくしの性です、しかし、それでも、わたくしはそれ以上にマチ姉を……赤ずきんさんを慕っているのです、あの人達のためにも、わたくしは死ぬわけにはいきません」
もう一人のシンデレラは、驚き、苦笑をする。
「そちらのわたくしは、随分と、良い姉を持ったみたいですね、羨ましいかぎりです……あぁ、わたくしも、そこまで慕える人がいればもしかしたら……」
もう一人のシンデレラの身体が光の粒子になっていく。
「――あなたに、わたくしの全てを差し上げます、それでもブラッドスケルター化の危険があります、つまり失敗です……それでもあなたは」
「やりますわ、恐れはありますけどね」
「正直でよろしいですわ――では、あなたの旅路に幸あらんことを――」
もう一人のシンデレラは完全に光の粒子となり、部屋もまた、光の粒子となって、シンデレラに入り込んでいく。
その時に、もう一人のシンデレラの記憶が流れてくる。
「……そういうことですか」
シンデレラは記憶からあることに気づく……しかし、今は胸にとどめる。
「さて……これからが大変そうですね」
シンデレラの意識は現実へと帰っていく……