神獄塔メアリスケルター AnotherFinale   作:謎のコーラX

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(´・ω・`)


9話ハーメルン編① 心病む悪意の嵐

――やめて!、殺さないで!

――いやぁ!化け物!

――お前なんて生まれて来なければよかった

――死んでしまえ!

――怖いよぉ!

 

悪意、憎悪、殺意、恐怖、様々な声が、塞ごうとも、ハーメルンの耳に入ってくる。

 

「ァァァァァ!!」

 

飛び起き、奇声を上げ、荒い息を吐いた、多量の汗が流れ、身体が震えている。

 

「ここは?、われはいったい」

 

部屋は綺麗で、最低限のモノしか置かれていない。

 

「なんだ?……われに何が起きたというんだ」

 

ハーメルンは自分の今の顔を見るために、立てかけられた大きな長めの鏡を見る、そこにはいつもの自分がそこに映っていた……いや、一つおかしな点がある、右目だ、右目の本来白いはずの眼が黒くなっているのだ。

 

「こ、これは……前に聞いたわれがブラッドスケルター化したときの……でもわれは平常だ、なのに何故?」

 

「それは、あなたが普通の血式少女ではないということだ」

 

「何者!」

 

ハーメルンはベッドから降りて、入ってきた少女に敵意を向ける。

 

「一応はじめましてかな、私はマリアチャイルド、地上唯一の都市、血戦都市を守護するものであり、長だ」

 

「マリアチャイルド?……どうやら敵ではにゃいみたいだが、何用だ」

 

「……」

 

マリアチャイルドは黙り、ハーメルンを観察する。

 

「……本当によく似ている、肌も、髪も、瞳も」

 

「な、何を言ってるんだ」

 

「……ハーメルン、告げておく、このまま何もせず過ごした場合、貴方の心は、悪意に侵され、()()と同じ悪夢少女(ナイトメアガール)、人類の敵となるだろう」

 

「なっ!?、何をいってにゅのだ!、われはそんなことには……!」

 

ハーメルンは言い切れなかった、先程の夢、もしも毎日見ることになるとなれば……、ジャックやアリス、マチに危害を加える可能性が、頭を過る。

 

「ならない、とは言えないだろう、関係性がわからないが、もう一人のハーメルンを私は見ている」

 

「もう一人の……われ?」

 

「そう、そいつも前は貴方みたいな性格だったが、いつしか、人類の敵として、私達に牙を剥いた」

 

「……このままわれが、この都市に残る選択をした場合、どうするつもりだ」

 

「何もしないという選択を選んだなら、私が直々に、殺してやろう……一つ、その病とも言うべきモノの治す方法を一つ、教えてあげる」

 

「なんだ?」

 

「もう一人のハーメルンが言っていたことだ、アイツさえ消えれば、アイツを取り込めば、ワレは元に戻れる、と、そのアイツがたぶん貴方なんだろうね」

 

「……今、そのもう一人のわれは何処にいる」

 

「わからない、ただ、最近村の大人が消えたとの情報が入った、村々を辿れば、もしかしたら……ね」

 

「……われは、われは仲間を失いたくない、このままあやつらを手にかけるなら……われはここを去ろう」

 

「……利口な考えだ」

 

 

その日の深夜、ハーメルンは黒い服を着て、手には食べ物や様々な道具が入った袋を持って、都市の外に立っている。

 

「……ではな、皆、帰ってくるときは、われは元に戻れるように」

 

「あら、何処に行くつもりかしら、ハーメルン」

 

ハーメルンは都市に背を向けて、出発しようとした時、後ろから声がかけられた、聞き慣れた声、ハーメルンは振り返る。

 

「グレーテル……」

 

「私もついていくわ」

 

「ぼ、僕も行くよ、グレーテルが行くなら」

 

そこには、グレーテルと、荷物を袋に詰めたヘンゼルがそこに立っていた。

 

「駄目だ、われはいつそなたらに牙を剥くか怪しいのだぞ」

 

「そう、でも私、今の貴方のその状態、とても興味深いと思うの、ここにいるよりも凄くね」

 

「われが怖いとは思わぬのか?」

 

ハーメルンは、失う恐怖があった、地下にいた頃の、メルヒェンを容易く屠ってきたはずなのに、仲間を、グレーテルを失うのがこんなにも怖い。

 

「私を満たすのは未知なるモノの解明、それとお菓子ね、大丈夫よ、もし危なくなったら、ヘンゼル兄さんと一緒に離れるわ」

 

「うん、僕、頑張って逃げるよ」

 

「――こうきゃい、後悔……しないのか」

 

「後悔?、そんなモノにふけるくらいなら、もっと調べることに頭を回すわ」

 

「……良いだろう、われも、一人は寂しいと思っていたところだ」

 

「そ、じゃあ……行きましょうか」

 

ヘンゼルとグレーテル、そしてハーメルンは、地上に出た夜に、血戦都市を離れ、旅を始めたのであった。

 

 

 

 

 

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