神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
「……つまり、マチ、きみはそこのメアリーの分身、妄想の産物だと?」
つうと人魚姫は、夜、血戦ビルの屋上で、マチからメアリーとの関連性を話した。
「たぶん、ね、証拠としてメアリー、すまんな」
マチは手の甲を軽く引っ掻いて傷をつける。
「痛ってぇ!、マジじゃねぇか!」
同じく、メアリーの手の甲にも同じ傷ができている。
「これって……一心同体ってやつなんですか?」
「一蓮托生、まぁマチが傷をおえばメアリーに傷が、逆もしかり、まぁ何も無いとは流石に言い切れないだろ?」
「……確かに、私も前の世界でアリスさんやジャックさんの擬態人間を見たことがあります、完全に同じで、でもマチさん、貴方は」
「……そうだな、同じ人物にしては、容姿がかなり違う、いやもしかしたら、メアリーが育てばマチみたいになるのかもな」
つうと人魚姫が見た感じでは、赤い髪は同じように見えるが、マチは赤い眼、メアリーは平凡な黒い眼、体つきもマチのほうががっしりしており、性格も正反対と言った印象だ、とても同じ人間だとは思えない。
「ま、メアリーから聞いた話だけだな、妄想の自分だと言ってるのは……さて、どうしようね、本当に」
「うん、確かにどうしよう、マチ、傷の共有はかなり痛手だ、その影法師がメアリーを狙ったのは、人質にするためなんだろう、最強と言っていいマチの最大の弱点と言っていいからね」
「だよなぁつう、マチもそれを思ったわ、たぶんメアリーが死ねばマチも死ぬ、とても手放すわけにはいかないな」
「……つまり、俺はお荷物か」
メアリーは一人不貞腐れている。
「まぁ、強くもないから正直に言えばそうだな、だが、今まで狙われることが無かった理由はその影の薄さがあったからだろうな、マチがメアリーを認識したばかりに影法師に視認された感じだな」
「……俺はこれからどうすればいい」
「そうだな……マチとしては、ここにいてほしいが、メアリー、お前には親はいるのか?、それか友人」
「親は……いない、友人、友人は……っ!」
メアリーの頭に、ある姿が映る、大切な、大切な人の姿が、顔も、どんな容姿かもわからない、けど、
「いたんだ……なのに、俺は、なんで思い出せないんだ」
「……ゆっくりでいい、マチはそれを気長に待つことにするよ」
○
翌日、長の部屋のドアが開く、入ってきたのは、赤ずきんとシンデレラ、そしてマチだ。
「……要件はわかっている、
それをマリアチャイルドは立って待っていた、振り向き、赤ずきんとシンデレラを見る。
「いい顔になったんじゃないかな、赤ずきん、シンデレラ」
「御託はいいわ、話してくれないかしら、あたし達が戦ったナイトメア・ガールについて詳しく」
「……まぁ良いでしょう、その前に」
マリアチャイルドは服を脱ぎ捨て、半裸になる。
「ちょっ!?、何してますの――!?」
「ほう、これはまた」
「え、何その……傷」
マリアチャイルドのその身体にはいくつもの傷跡があった、刺し傷、火傷、切り傷と、いろんな傷が身体の至るところに。
「これはドロシーに傷をつけられたものだ、ナイトメア・ガールのリーダー格にして、血戦の裏切り者だよ、それじゃあ話すとしよう、
○
その少女は突然現れた、華やかな美貌、綺麗なピンク色の髪、瞳、少女に合った綺麗な洋服、男も女も、その女神像のような彼女を見た者、恋のようなモノを抱いた。
『なっ、なぁ、あの娘、どこから来たんだ?』
『わからねぇよ、でも本当に綺麗だなぁ、まだ10くらいじゃないか?』
『あぁ、あんな娘がワシにもおったらなぁ』
様々な声が、歩く少女に、集まっていく、その進路を、一人の大柄の男が遮る。
『なぁ姉ちゃん、迷子かよ、なら俺様のとここねぇか?』
「――ごめんなさーい!、アタシ行くところあるのー!、だからおっきなお兄さん、また今度ね」
少女は男の脇を通り抜けて、目的の場所に向かおうとする。
『あっ!、待ちやがれ!』
男は怒り、少女に掴みかかろうとするが、少女はその手に持っていた杖でカツンと。地面を鳴らすと、コンクリートの地面から、男の2倍ほどあるブリキの人形が現れ、男を見下ろす。
『ひっ!、ひぇぇぇぇ!』
男は若干チビリながら、猛ダッシュで逃げ去った。
「ふふ……虚栄心の強いお方だなぁ」
再び少女が杖でカツンと地面を鳴らすと、ブリキの人形は地面に戻っていき、穴の空いた地面は不思議と塞がった。
「皆さん、ごめんなさーい!、それじゃあこのドロシー、目的の場所に急いで向かいまーす!」
少女は杖に腰を下ろすと、杖は不思議と浮き上がり、自転車ほどの速度で移動していった。
『なっ、何だったんだあの少女は』
そのまま血戦ビルまで来ると、杖から降りて、門番に声をかける。
「すみませーん、ここの偉い人と話をしたいんですけど!」
『なんだおま、うわスゲえ綺麗だな、嬢ちゃんマリアチャイルド様に御用でも?、いやもしかしなくても血式少女さんか?』
「うーん、その血式少女がよくわからないけどー、そのマリアチャイルドさんに用があって来ました!」
少女のほがらかな、太陽のような笑顔と言動に、門番の男はだいぶ緊張が緩んでいる。
「ふふ、案内、お願いできますか?、アタシここのことについてよくわかってなくて」
『お、おう!、任せろ!』
門番は少女を血戦ビルに入れ、長の部屋まで案内した。
『こ、ここが長の部屋だ、俺はこの後門番があるから、その今度、お茶でも』
少女の年齢は高く見ても14だ、男は30代であり、明らかに駄目な年齢差だ。
「ごめんなさーい、アタシそういう男の人と一人で会うのは危険だって言われてるので駄目なんです」
『そ、そうか……残念だ』
男はトボトボと、去ろうとする背中に、少女は声をかける。
「でも!、立ち話程度ならしてもいいですよー!」
『そうか……うん!、ありがとう嬢ちゃん』
男は浮き足だって、この場から去った。
「……あのー、入りますねー」
「――どうぞ」
少女はドアを開き、中に入る、小綺麗に整頓された、部屋、奥には机があり、椅子にはマリアチャイルドが静かに、書類を見て、判子を押したり、何かを書いたりと仕事をしていた。
「何か御用でも」
「はい!、アタシはドロシー!、どうかこんなアタシを血戦のメンバーに加えてください!」
――それが、マリアチャイルドとドロシーの出会いだ。