神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
『あはは!、待て待てー!』
『わーい!、やっぱりお姉ちゃんはやいー』
「きゃはは、まだまだ遅いね、レナサ、マナリナ」
「………ぬぉぉ」
次の日、ハーメルンは、少し意外な状況を目にしていた、堅物だと思っていたアーサーが、子供達と一緒に遊んでいたのだ、今は鬼ごっこをやっている。
『あはは!――あっ』
レナサと呼ばれた少女が転んだ。
「おっと、はしゃぎすぎたね、待ってね」
アーサーはレナサの膝の砂を懐に入れていた水で洗い流し、絆創膏を貼った。
『ありがとう!、アーサーお姉ちゃん!』
「うん、勝手に剥がさないでよ、レナサ、怒るからね」
『はーい!』
「うん、いい返事、じゃあ今度は何で遊ぼうか」
『おままごと!』
『せんたいごっこ!』
『おてだま!』
『おにんぎょうあそび!』
「わかったわかった、そうだね、じゃんけんで決めようか」
「……」
夕暮れになるまで、アーサーと子供達は遊んだ。
「……アーサー、おぬし、子供が好きなのだな」
「まぁね、純粋で。それが残酷な年頃の子達だね」
大きな食事場で、アーサーと、ヘンゼルとグレーテル、ハーメルンに、ケンとシャーロット、そして多数の子供達が席についていた、ハーメルンとアーサーは今日のことについて少し話している。
「……ところで、一つ私から見たことを聞きたいんだけど」
「言わなくてもいい、大人がいないことでしょ」
「――確かに!」
ハーメルンはグレーテルの指摘、大人がいないことに初めて気づく。
「大人はほとんど血戦都市にいるよ、ここにいる子供達は棄てられたり、親を殺されていたりといった身寄り」
「なるほどね、じゃああのジェノサイド・ピンクでしたっけ、あの子達はいないみたいだけど」
「あいつらは兵士ね、別の場所で食事をとっているよ、警戒も兼ねて」
「ふぅん……」
「はーい!、みんな!、食事が出来上がったよー!」
『『わーーい!』』
イリナが大きな鍋を学校で見る台に置いて、コロで運びながら持ってくる、他に2つ鍋があり、三食揃えられている。
「今回はカレーライスよー」
更に、子供達が騒ぎ出す、嫌いな子がまずいないポピュラーな料理だからだろう、ヘンゼルとグレーテルは知識では知っており、ハーメルンは初めて見るものだ。
「さ、貰いに行くよ」
「お、おう」
アーサーが目の前に置いてあるお皿3つを台に乗せてイリナのところに向かっていく、ハーメルンも見様見真似で後ろをついていく、続いて子供達も、ヘンゼルとグレーテルも並んでいく。
「おぉ……これがカレーライス……」
ハーメルンは皿に入れられた茶色の液体、白米を見る。
「見てないで、ほら、席に座って食べようか」
「おう!」
席に座り、両手を合わせるアーサーとイリナ、子供達。
「さて、おててを合わせて、せーの」
『「いただきます!!」』
「いただくわ」
「いただき、ます」
「い、いただきます!」
遅れてヘンゼルとグレーテル、ハーメルンも同じく手を合わせて言う。
「……めっちゃ美味かったぞ!」
ハーメルンはおかわりもして、お腹いっぱいに、カレーライスを食べた。
「ねぇ、デザートは無いのかしら」
「ない……と、言いたかったが、こういうのを作っていたわけだが、イリナ」
「はーい」
イリナは厨房の奥から、冷えた四角い器を持ってくる、中には白いもの、アイスクリームが入っている。
「へぇ、意外ね、こういうの作っているのね、いただくわ」
「僕も、食べる」
「わ、われも!」
アイスクリームも食べて、ハーメルンは満足して、今日を終える。
「……楽しい、楽しいが……やはり、一人になると、辛いな」
ハーメルンは内から湧き出る悪意の声に寝れずにいる。
「ぐっ……」
狂いそうになる自我を、なんとか保つ、大丈夫だ、昨日も、耐えられたんだ、今日も耐えてみせると、ハーメルンは寝ようとする。
「ふふふ、寝れてないみたいね、ハーメルンちゃん」
ハーメルンの部屋に、シャーロットの声が聞こえてくる、ドア越しに、シャーロットは話しかけてくる。
「入ってもいいかしら」
「……良いぞ」
シャーロットは扉を開いて、中に入ってくる。
「寝れないなら、私が寝かしつけてあげましょうか?」
「む、そうだな……いや……」
ハーメルンは横になりながら、数分思案する、他の子供のようか扱い、少し恥ずかしい、だがこのまま暴走するのは他の人に、アーサーやグレーテルに困らせてしまう。
「よし、お願いしよう」
「じゃあ」
シャーロットは寝台の横の椅子に座りハーメルンの手を握り、歌を歌う、綺麗で、心が安らぐ、ハーメルンは少しずつ眠気がおぼえていき。
「あり……がとうな、シャーロッ――」
ハーメルンは眠りにつくと、シャーロットは誰に言うでもなく、
「うふふ、思い出すわねこういうの……
シャーロットもうつらうつらと瞼が重くなっていき、自らも眠りつく。