神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
「――ふわぁぁぁ……」
ハーメルンは大きく欠伸をする。
「あら、お早いお目覚めね、よく眠れたかしら」
既に食事場には、ヘンゼルとグレーテルがおり、朝食を食べている。
「んー?、あぁ、シャーロットが寝かしつけてくれたのだ、おかげで今日は全快だにょ!」
「噛んだわね、やっぱり何時ものハーメルンね」
「にゃ、なにを言うかー!」
「………」
ヘンゼルは食べ終えた朝食の食器を片付けず、どこか遠くを見つめている。
「どうかしたの、ヘンゼル兄さん」
「……来る」
「来る?、いったいなにが」
轟音、破砕音、突如として、食事場に響き渡る。
「な、なんだ!?……っ!」
そして、ハーメルンもまた何かを感じ取り、頭痛がする、ハーメルンは直感的に気づいた……きたのだ、目的の人物が。
「外だ、外に……出るぞ!」
ハーメルンは走り出す、それに続いてヘンゼルとグレーテルもついていく。
外は騒然としていた、敵は明らかだった、既に何人かのジェノサイド・ピンクが倒れており、その中心には2名の少年、一人は道化師のような姿、一人は侍のような和服の姿、道化師のほうはハーメルンに、侍の方はマチに似ている。
「あはは!、脆い脆い!、ワレの相手は……お前だよ偽物ぉぉ!!」
もう一人のハーメルンは、黒目となり、3対の翼を背中から生やして、黒い光弾を数発放った。
「ちっ、やはり戦うしか」
「いや、言ったはずだ、戦う必要はないって」
ハーメルンが戦闘態勢に入ったとき、後ろからハーメルンとヘンゼルとグレーテルを護るようにアーサーが現れ、光弾を斬って落とした。
「お前か、噂の騎士様は」
「そっちもな、男のハーメルン」
「ほほ、良い剣筋だ、これは挑まぬのは無礼であろう!」
最後の向かってきたジェノサイド・ピンクを倒し、侍の少年が前に出る。
「行くぞ、エクスカリバー」
「オッケーだぜ、アーサー」
アーサーと侍の少年がぶつかり合う、侍の刀をアーサーは避け、そのまま侍の少年を縦に真っ二つにする。
「ふっ!」
そのまま跳躍して、空にいる男のハーメルンを今度は横に斬り、男のハーメルンは落下する。
「強いわね……流石に」
「うん、でも
ヘンゼルの言うとおり、斬られた二人の身体の断面が脈動し、そのまま分かれた身体とくっついて、起き上がった。
「なるほど、噂に違わぬ化け物ぶりだな」
「ははは!、ワレらは死なぬ!、それにキサマには用はない、用があるのはお前だよ偽物!」
「奇遇だな、われもそなたに用があるのだ」
二人のハーメルンは睨み合う、その間に、アーサーが割って入る。
「別にやっても良いが、やるなら出ていってもらうぞ」
「けっ、余裕ぶって、知ってるぞ?、キサマは誰も死なせないんだったなぁ、なら、見せてくれよぉ、その意志をさぁ!」
男のハーメルンは飛び、先程の数倍の光弾を作り出す、全方向に。
「はははは!一人で守りきれるかぁ?」
光弾は飛び散り、隠れている子供達に向かっていく。
「……ケン、約束は嘘だと違えるなよ」
「わってるよ」
瞬間、光弾が次々と消えていく、否、ケンが猛スピードでその爪で切っているのだ。
「うなっ……!?」
「ふふふ……余裕余ゆ……ぜぇぜぇ」
ハーメルンは驚嘆するが、ケンの疲れた姿から、次はイケると思い、再び光弾を。
「う・そ」
作ろうとした時、放つ前に光弾は消え、3対の翼は切り裂かれ、男のハーメルンは落下する。
「ぐっ、キサマ!、性根が悪いな」
「おまいうー」
「さて、クズどうしだ、ケン、そいつは任せた、ワタシはこのサムライを相手する」
アーサーはハーメルンをケンに任せて、侍の少年と対峙する。
「……一つ提案だ、アーサー、儂はハナサカ、最近
「やらんな、ジェノサイド・ピンクどもはどうでもいいが、子供達を傷つけようとした外道と一緒に共にするほど、ワタシは馬鹿ではないし、愚かではない」
「そうかい……なら死に晒せ」
ハナサカは一瞬で間合いを詰めて、アーサーの視界から消える。
「ふむ、抜き足、いや縮池だったか?」
(とった!)
ハナサカは背後からアーサーを斬ろうとしたが、アーサーはそれを見ずにエクスカリバーで受け止めた。
「ほう、やるのう」
「なんだ?、お前は姑息な手で倒すほど弱いのか?」
「くくっ、ならお望み通りに技で競うか!!」
アーサーとハナサカは向かい合い、剣と刀をぶつけ合う、アーサーの攻撃は当たっているのに対して、ハナサカの攻撃は一撃もかすりもしない。
「ちぃ、やるのう」
「回復身体なんだろ、だが細切れにされれば少しは回復が遅いんじゃないか?」
アーサーは速度を上げる、ハナサカは流石に防御しかできなくなり、じりじりと後退していく。
「くぅ……だが、だが!」
『お姉ちゃん!』
「!」
アーサーが振り返ると、そこには一人の男が、子供にナイフを首に当てていた。
「ふぅん、そういうことするんだ」
「かか!、よそ見してる場合かの!」
アーサーはその胸に深々と、ハナサカの刀が突き刺さる。
「これで儂のか……ぬ、抜けん!?」
ハナサカの刀はそのままアーサーに刺さったまま微動だにしない、その様子を見て、アーサーは笑みを浮かべている。
「すまんな……言ってなかったかもしれないが……
アーサーは連続で切り刻み、ハナサカを文字通り細切れにして見せた。
「……よっと」
刀を抜き、血液が流れるかと思いきや、傷口が光に包まれて、一瞬で治癒された。
「後はお前だよ、下郎」
アーサーはナイフを子供に当てている男のほうに向かう。
『う、動くな!、動けばこいつの命は』
「やめろ」
『へ、へへ、わかってるならその剣を』
「やめろ、別にあんたらは戦う必要はないとね」
『へ?、何を言って』
次の瞬間、男の首が、ヘンゼルの斧によって切り飛ばされた。
「子供、危ない、だから、動いた、悪い?」
男の血液が噴水のように溢れ、子供とヘンゼルにかかる。
「そうだな、悪くはないが、後で洗濯してね」
「うん、頑張って、するよ」
ヘンゼルはうんうんと頷く。
「さて、ケン、まだかかるならワタシが相手するぞ」
ケンと男のハーメルンの戦いはまだ続いており、拮抗しているようだった。
「へっ!楽勝だぜ!」
「なら死ぬまで戦え」
「あっ、嘘……ではないかも!」
ケンは獣の足で、男のハーメルンを蹴り飛ばし、ハナサカのところまで戻された。
「はは、ここまでのは流石に予想外だな、分が悪いって言うやつ……ハナサカ、退散するぞ」
「うむ、わかった」
ハナサカはなんとか人型には再生し、男のハーメルンに掴まり、男のハーメルンは翼を生やして、空を飛んで逃げていく。
「追う?」
「必要ない、子供達のほうが大切だからね」
「……」
ハーメルンは男のハーメルンを睨む。
「……今のわれでは勝てないのだろうな」
ハーメルンは先程までの戦いのレベルを痛感し、拳を握りしめる。