神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
「……ほんっっと、美味しいわぁ」
「うん、美味しいね、グレーテル」
私はグレーテルとヘンゼルと一緒に血戦都市一番の甘味処にやってきた。その端の席の畳の上で、テーブルを挟んで3人で来ていた。
「……まぁそれもいいけれど、マリアチャイルドでしたっけ、本当に平和ね、メルヒェン、更にはナイトメアが監獄塔以外にもいる世界なんて、随分と物騒なのに、よくこれだけの人がいるわね」
グレーテルは辺りを見渡す、何十人の客が笑顔でなんの心配もなく甘味を食べている、本当に平和だよ、うん。
「そちらのナイトメアは核から離れないのが多いようだね、まぁこちらからすればそれが珍しいのですが。えぇ、平和ですよ、
私は唇を噛みしめる、あぁ、思い出すだけで吐き気がする。でも、思い出さないといけない、そうしないと語れないから。
「死体の上、ね、戦闘によってにしては、反応が違うわね、話してくれないかしら、この血戦都市の前のこと」
人の心情を知らずか知ってか、なるほど、サイコ(パス)ガールね。
「まず、一つ言うべきことだけど、あのフユっていうの、あっちではどんなことをしてるか知らないけど、こっちではクソ女とだけ言っておくわ」
「クソ女ね、まぁブラッドスケルター化や、メルヘンスケルターとか、こちらの知らない、いや、知ることができなかったことから、その存在すら無かったことまで知っていたわね、常々聞いてきたけど全てあしらわれてきたわ、そのフユがどういうのかも、教えてくれるのかしら」
「えぇ、ところで、貴女達もここのを食べに?」
私は前の席の人達に話しかけた、バレバレの気配ね、わかってることだけど、3人とも、私達と同等か以上ね。
「結構すぐにバレましたわね」
シンデレラに
「やっぱりでしたわね〜」
かぐや姫
「あはは!、こういうのやっぱり向いてないわねあたし達」
赤ずきん、そして、
「マチは堂々と行こうって言ったんだが、誰だよスパイごっこしようって言ったの、マチか!」
マチ、
「貴女達も聞きます?」
「是非、マチも聞きたかったし、この異様な平和な都市について」
「じゃあ、語りましょうか、私の出生から、あのフユについて」
○
私がいたのは暗い洞窟、そこでは弱肉強食がルールだった、弱いメルヒェン、ナイトメア……ベイビメアとも言われるものは喰われていく、私も例外ではなかったが……いや、今にして思えば
もはや洞窟にある食料は尽きて――気づいたときには私はメルヒェンを喰らっていた、腹が裂けた、メルヒェンを。
「おい!、そこのキミ!、大丈夫でありますか!?」
女性の声が聞こえる、軍服?というモノを着て、何人もの人を連れて、その中に、幼い少女――フユもいた。
「誰……?」
「わたくしですか?、わたくしはあんというであります!」
元気ではつらつに自己紹介をした、本当に元気で、私はつられて笑みが浮かぶ、
『ほ、本当にあったぞ!』
『これが、あのメルヒェンか、子供の戯言だと思っていたぞ』
「よかったねぇ、で、近くのメルヒェン、早いとこ調べてー、あ、フユだよ」
小さいけど、どこか達観していて、こんな状況なのに緊張感などなく、余裕で満ちている。そんな印象を受けた。
「あの、どういう集まりなんですか」
「ふむ、よく喋るね、推定年齢3歳と言ったところか、ワタシ達かな、そうだね……
○
「……ふむ」
ワタシは研究室で、あの子供の血液を調べていた、すると、研究班からワタシの予想とは反対の結果を聞かされた。
『報告します、あの少女の血液を調べた結果なんですが、どうやら、メルヒェンを血液を破壊する効能が現れました』
……なんだって?、ワタシはこちらに来て初めての驚きに直面したのかもしれない、メルヒェンを破壊する血液だって?、こんなこと
「それは確かなのか」
『はい、先程、辺りにいたメルヒェン全てを調べましたが全てに血が付着した部位から広がるように血液が破壊されておりました』
「ふむ……ワタシの目で見ます、案内を」
ワタシは実験室に向かった、扉を開き、メルヒェンの死体が安置されている場所までくる。
「ふむ、確かに血液が黒く変色している、残ってるのは鉄分だけって感じだね、見事に破壊とも言うべきことが起きてる、そういえばきみ誰だっけ」
『はい、間宮といいます』
「ふーん、そ、それにしても破壊の範囲はだいたい人の頭一つ分か、ふふふ、これからの実験が楽しみだね、間宮くん」
『はい』
ワタシが知らない血式少女、いやはや、