神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
そして更に一年、私に新たな武器が渡された、メアリガン、可愛い名前と裏腹に、銃弾には私の血液を固めたものを使用して、メルヒェン、及びナイトメアに命中すれば中で血液の破壊が行われ、爆散、あるいは苦しみ悶て死ぬ、らしい、恐ろしいものだ。
次に新しい血式少女がきた、まだ名前はわからないらしく、生まれたての赤子だ、それからも何人かの赤子が黎明にくるようになり……それに伴い最近病院の産婦人科の部屋が空いてきた、私は子供ながら退院したという言葉を鵜呑みにしていた。本当に私は純粋だと……今の私は忌避ししていた。
「ふふ、また蹴ったでありますよ、マリアちゃん」
「それ何回目かな、あんさん」
あんさんは病院のベッドの上、お腹が膨れており、それを大事に擦っている、赤子が生まれる、そうあんさんは言っている、正直コウノトリが運んでくると常々言ってきたのにあんさん、自分の子が生まれるとわかったら手のひら返して人間の雄しべ雌しべごっつンゴだと……まぁ、最初こそ驚きはしたけど、もう慣れた。
「うふふ、なんて名前つけようかしらであります、マリアちゃん案は無いでありますか?」
「そういうのは父親と話しなさいな、私がつけたら問題にならない?」
「大丈夫!、もうマリアちゃんは私の子供みたいなもんだし、家族!、つまりアスカも何も言えないキューイーディー!」
「――、ふふ、家族、か」
私はその言葉が大好きだ、自分が一人でないと、そう実感できて。
「だからマリアちゃんも私のことお母さんと」
「言わない!」
「もー、恥ずかしがって可愛いなぁであります」
「だからそういうの――ん?」
ふと、外で何か騒いでる様子だ、ここは3階の病室、聞こえてくるのは入口辺りだ。
『お――子――マービル――返せ!』
そんな声が聴こえてくる、なんだろうと窓を開けて下を見ると……そこには黎明の兵士の銃によって男の頭が撃ち抜かれた瞬間だった。
「――え?」
そのまま死体は、兵士によって担がれて、病院の中に入っていった。
「んー?、何が見えたでありますか?」
「その……」
胸が痛む、声に出そうとしても、空気が漏れるだけ。
「……っ!」
「あ!、マリアちゃん!?」
私は病室から出て、答えを知ろうと、下に向かう。
到着すると小さな騒ぎになっており、先程の兵士が何か言っている。
『ですから、あれは暴徒だったため、仕方なく殺してしまったんです、何時ものことですよ』
『そっかぁ、最近そういうの多いなぁ』
『怖いわねぇ、私も襲われたりしないよう夫と一緒にいるようにするわ』
兵士の言葉にまた胸が痛む、本当になんなのだろう、前々からフユに聞いてもわからないと返すだけ。
「……何なんだろう、いったい」
……それから一ヶ月が経過した夜、寝付きが悪く、目を覚ました私は、外に夜風を浴びに出た。
「――気持ちいいな」
空を見上げる、月、満月だ、そういえばあんも好きだったな、今度団子を買いにいこう、その時はアスカと赤子、四人一緒に。
「……戻ろうかな」
『おい、ちゃんと運べよ、壊れてはかなわん』
遠くに闇夜に隠れるように、何かを運んでいる集団を見つけた、あの膨れ具合は……。
「……あんさん?」
私は急いで黎明のビルに急いだ、研究室にあるメアリガンとメルヒェンから作った刀を取りに。
「……よし、あった」
私はそれらを手にまだ遠くに行ってない、どうか間違えであってほしい、そう思い、研究室から出ようとする。
「おや、マリアか、こんな時間に物騒だね」
突然、フユが現れ、呼び止められる。
「ごめん、急いでいるの」
「……洞窟」
「?」
「お前が生まれた場所、あそこに行ってみるといい」
「……わかった、あの集団のこと知ってるの?」
「前々からね、連続誘拐犯さ、やっと居場所がわかったんだ、ワタシに今黎明を動かす力は無いけど、まぁガンバ」
……また胸が痛む、この人と話すときはいつもそうだ、本当に安心できない人だ。いや、そんなことよりあんだ、病院に確認に行ってる暇は無いだろう。
「それじゃあ、フユ」
私は急いで洞窟に向かった、どうか別人であってほしい、あん!。
「……さぁ、見せてくれ、ニンゲンにどのような効果が、そしてオマエの実力を」
○
急いで私は、野良のメルヒェンを掃討しながら、洞窟までたどり着いた、既にメルヒェンがいないはずの場所には、壁にいくつもの目玉のようなものが生えていた。
「不気味ね」
私は奥へ、奥に進んだ、しばらくすると、広い場所についた、そこには先程の集団がおり、中心には……あんがいた。
「あん!」
私は急いで向かった、次の瞬間、悲鳴のような奇怪な声が辺りに響き、触手のようなものが天井から伸び……あんの胸に刺さった。
「ア――ガァァァァ!」
すぐに変化が起きた、あんからとは思えない怪物のような……メルヒェンのような声が出され、肉が身体からあんを覆う。
「――マリア」
「あん!!!」
あんはそれだけ言うと、あんだった肉塊は……メルヒェンへと変わった。
「ギギィ……ギガァァ!」
『よし!、すぐに銃の……おい、そこにいるのって』
「………何なんだよ、何なのよ!」
私の目がピンク色に輝き、ピンクの光輪が私の後ろに現れる。
『き、貴様!血式少女!』
「何なんだァァァァ!!」
………それからのことはわからない、ただちゃんと記憶してるのは、赤い血に濡れていたことと、あんのメルヒェンによって抱きしめられていたこと。
「ギギ……マリア……オチツイテ」
とてもあんとは思えない高い声だけど、私にはあんだとわかる、心地よさがあった。
「あん……なの?」
私の目から涙が溢れ、目も普通になっていた。
「ゴメン……ネ、コンナコト、ナッテ、ワタシ、ケイカイアマカッタ」
「なに言ってるの!こんなことわかるはずがないよ!、そうだ!、フユのところに行こう!、そうすればそんな身体も」
「ダ……ギギ、ダメ、アノヒトノメイレイ、ダッテ、アノヒトガ……ワタシヲサラワセタッテ、イッテタ」
「え?……それは、それは……そんなまさか」
私は怒りに、憎悪に震えた、これまでのことはまだ許せた、けど、こんなことは。
「……ユルシテ、アゲテ」
「なんで!、あんをこんな姿にしたやつの何を許すって言うんだ!」
「ギギ、アノヒトモ……ジブンガドンナヤツナノカ、サガジデル、クルシンデイル、ギギィ、ダガラ、ギギギ」
あんの声が震え、言葉も汚くなっていってる。あんは私を突き飛ばすと、手を広げた。
「ギギィ、コノマ、マダト、カンゼンニメルヒェンニナル、ソノマエニ……ゴロジデ」
「そんな……そんなことできない!、いくらあんが化け物になっても!、私は一緒にいる!」
「ダメナノ……コンナカラダジャ、オナカノコドモヲ、ギギ、オソッチャウ、ソンナノイヤナノ……オネガイ、マリアチャン!」
「――――!!、あぁぁぁぁぁ、うわぁぁぁぁ!」
私は……メアリガンの引き金を引いた、銃弾はあんの胸を貫き、あんの身体が崩れていく、壊れていく。
「……ありがとう、マリアちゃん、お誕生日おめでとうであります」
そんな声が聞こえたような気がした……既にあんはこときれているのに。
「……さようなら、お母さん」
涙が溢れる、止まらない、あぁ、私は……なんて……無知だったんだ。