神獄塔メアリスケルター AnotherFinale 作:謎のコーラX
「ぐっ――うぅ、うぅ、ウワァァァァァ!」
思考が淀む、キエル……身体から衣服が消え、背後の光輪が禍々しくピンク色に、トゲトゲしくなっていく、目のピンク色により輝き、殺意が、憎悪が、流れ込んでクル、イタい、ツライ、殺したい、コロス、殺すころす、コロスコロスコロスコロスコロスコロ―――。
―――駄目だ。
「ァァァァぁ!!、こんなところで私は!!、止まっていられないんだぁぁ!!」
瞬間、何かが私から消えていく、いや、
「……は、聖女?、聖女がこんなにも血で汚れているものかよ・……聖女だとしても、私は……そう」
「……さて、思考も明瞭、いや、今までで一番スッキリしている、いろいろと腑に落ちないことも……全てわかる気がする」
推測として、黎明が、フユがやっていたのは私と同じ血式少女を誕生させることだろう、試しに私は……気が引けるが、あんの腹を刀がカッ捌いた。そこにはピンク色の目をした男の赤子がいた。
「……当たりかな」
この一件だけではないだろう、増えていく赤子、消えていく人々、病院前の兵士が殺した男、前々からやっていたことは明白だろう……あぁ本当に、何故私は早くに気づけなかったんだ。そして、あの洞窟の目玉。
「……見ているんだろう、フユ」
私は近くにあった壁の目玉にメアリガンを向ける。
「どうせ貴女のことだ、逃げる算段はついてるのだろう、だが、私は殺さない、それがあんの望みなら、復讐なんてしている暇は……私にはない」
そう、私は……これから黎明を変えなくてはならないんだから。
○
「……はは、ははははは!!」
隠し部屋、ワタシは椅子に座り、監視カメラの映像を見ていたが、監視カメラは全て破壊され、洞窟は、ジェイルは完全に崩れたことが感じた、しかし、しかしワタシは。
「成功だ!、ついにやってくれたよ!マリア!、アナタなら到達してくれると信じていた、これで!、これでワタシは
あぁ、ホントウに、祝福できる、早いところ、あそこに向かわないと。そう思って椅子から立ち上がると、トランシーバーから音が聴こえてくる、ワタシは懐のトランシーバーを耳に近づける。
『おい!フユ!、これはどういうことだね!、何故マリアが黎明に攻め込んでくるのだ!』
その声は聞き覚えがある、黎明の長だ、バックの音から人の悲鳴が聴こえる、どうやら攻めてきた感じのようだ、当然かな。
「ははは、自業自得ですね、あれだけの犠牲がでることを行ったんだ、大人しく死んで下さいな、長殿」
『ふざけるな!!、これも全て貴様が進めてきたことだろう、私はこんなところで死ねないんだ!。もっと、もっと力を、あのマリアのようなちか――』
男の声が途切れ、トランシーバーが落ちる音と、頭が落ちる音が聴こえる。
「ふふ、早いね、ホントウに」
ワタシは白衣を脱ぎ捨て、トランシーバーを捨てて、約束の場所に向かった。
○
「……これで良いんだろ、マリア」
牛若丸は、長の死体を見ながら、哀しそうな目を向けて言った。
「マリアチャイルドだよ、今の私は」
「そうか……これからどうする気だ、お前の話が本当ならフユに復讐するべきだろう」
牛若丸には黎明粛清の前に、今までのことを話した、怒り、憎悪した目をしていたが、すぐに冷静さを取り戻してくれた、良い心の強さだ。
「しないさ、例え私の中が煮えくり返ろうとも、あんのためなら私は鬼になるし、聖女にだってなってやる」
「……お前は本当に強いよ、マリア、マリアチャイルド」
――それから10年、私は15歳を迎えた、最初の頃、私が、黎明、いや、血式少年少女戦線の長になったときは反対する者が多かった、だが、見せしめの黎明の長の首、様々な事業、メルヒェン、ナイトメアの殲滅などで、私は認められ、いや、畏れられた。あの聖女の姿に何時でもなれ、ナイトメアすら倒せるそれは、メルヘン・スケルター、フユの資料にはそんな名前があった。
私は長の椅子に座り、様々な書類を見てははんこを押している、そこに扉を開いて入ってくる子がいる。
「お姉ちゃん!、またメルヒェン狩ってきたであります!」
私には数十の妹、弟達がいた、鉢かづき姫、カーレン、橋立小女郎、双子の妖精、リリー、サリー、……桃太郎、浦島太郎、金太郎3兄弟、ローザ、ジバル、茨木童子に、ドロシー、そして目の前にいる、あんの子供、一寸法師。イッスンの愛称で呼ばれ、私を慕い、私と並ぶほどのメルヒェンを狩ってきた。
「あーはいはい、凄いわね、私仕事中なんだけど」
「別にそれだけを言いに来たわけじゃないであります!、カーレンから面白い話を聞いたであります」
「何?」
「……ここに都市を造ろう!、であります!」
○
「これが、全容だよ」
「まで、つまりジャバウォックのやつらって……お前のところのやつらってことじゃないか!」
マチはかなり驚いている、他の聞いていた5人も、いや、グレーテルとヘンゼルは納得したような表情をしている。
「なるほどね、どうりで童話の名前を使われていたわけね、でも彼女達はナイトメアから生まれたって聞いたわよ」
「間違いではないが正確ではない……やつらは一回死んでいるのさ、その死体に、ドロシーに
「………マジかよ、それかなり重要な内容じゃないのか?、何故皆の前で言わない、あ、そうか……そんなこと言えば」
「そうだよマチ、あの二人が聞けば、必ず精神に異常をきたす……一度知っているからね」
「……ナイトメアの細胞が埋め込まれているのに、殺せたのは、そのメルヘンスケルターがナイトメアを殺せるから、かしら、でもフユの言っていた同じ童話のナイトメアの細胞を取り込むか、既にナイトメアの因子があるかでなれるのに、話からしてあなたはブラッドスケルター化を克服、進化して、なったように思えるけど」
「正解だよグレーテル、本来ブラッドスケルター化を乗り越えた先にあるのがメルヘン・スケルター、その細胞を取り込むのもありではある、何人かはそれでなっているからねこっちも、ただ、出力が段違いだよ、例えるならドアがあるとする、ナイトメアを取り込むのは、ピッキング、ブラッドスケルター化は鍵を使うくらいだよ」
「なるほど、前者だといつも開いているから暴走するリスクがある感じなのね」
「聡明で助けるよ、……ちゃんと聞いてる?」
他の3人はまともに聞いてない感じだ、特にかぐや姫は寝ている。
「……さて、これで話は終わりだよ」
「まで、酒呑童子は何なんだ?、あいつもジャバウォックだったが」
「悪いけどそんな名前は血戦にはいない、が、ふむ……興味深くはあるな、今度調べておく、で」
私は入口のほうを目をやる。何か角が少し見えたような気がする
「どうした?」
「……いや、なんでもないよマチ、さて、この際だからあなた達……メルヘンスケルターを獲得したくない?」
「……まぁね……だが一つ最後に聞きたい、この世界をお前はどう映る、この平和な世界を」
私は俯き、考えた後顔を上げて言った。
「そうね……こんな死体の上の平和な世界、私は嫌だな」
○
「……なぜ邪魔をする――イッスン!」
一瞬のことだった、ワタシのポケットから出てきたと思ったら、大きくなり、牛若丸の刀を、その小槌と刀が合体した武器で受け止めた、これがあの一寸法師……あんの子供、背は牛若丸より頭一つ大きく、ガタイも良く、黒髪を白い布で隠し、法師といった感じ。
「流石に姉さんの決め事を破る行為は許せないでありますよ、兄さん」
「くぅ、だが!、そいつはお前の母を殺したんだぞ!」
「そのとおりだよ、ワタシは間接的に、あんを殺している、牛若丸に切られても構わないだろう、だが死ぬわけにはいかない。ワタシにはやるべきことがあるから」
「やるべきこと?、あんなにも積み重ねた死体の上にあるお前の計画ってなんなんだよ!」
「それは……言えない、
「……なんなんだよ、それは!」
牛若丸は再び激昂し、刀を振り下ろそうとするが……途中で止めた。
「……っ!!!、くそ!」
牛若丸は刀を鞘に戻し、きたドアに向かい去ろうとする。
「マリアから言われているから止めたんだ……そのやるべきことが少しでも僕達を傷つけるものだったなら……迷いなく殺してやるよ」
それだけ言い残し、牛若丸はドアを閉めた。
「……悪かったわね、一寸法師」
「なに、当方も殺したい気持ちがあるでありますから……」
「オメェが話で聞いていた第2戦線の隊長か」
「こちらも聞いております、黎明の武器職人殿」
「へ、そんな大層なものじゃねぇよ……で、そこで何隠れているんだ、ジャック」
ハルは入口のほうを見た。
「……あはは、バレていたんだ」
入口の上にある小さな場所から、ジャックが立ち上がって姿を見せる。
「大方、高い場所に来て、俺たちがきたから出ようにも出れない状況になった感じか」
「……はい」
ジャックは渋々、そこから飛び降りて、こちらに来る。
「ふぅん、お前さんがジャックねぇ、一寸法師であります」
「ぼ、僕はジャックです」
ジャックは一寸法師から差し出された手を握る。
「……ふむ、いい手でありますね、ジャック、お前、当方の弟子になれ!」
「えっ……えぇぇぇぇ!?」
これは……面白いことになってきたね。