NEON GENESIS EVANGELION RETROGRESSION   作:ASNE

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―お待たせ。待った?


Second contact(前編)

シンジとアスカは自分たちの秘密をミサトと加持に打ち明け、共に歩むことになった。しかしながら話したのは概要のみであったため、詳しい話を夕食を食べながらすることに(長くなりそうだったため)。

「実は、まだ色々と話したいことがあるのですが……」

シンジが申し訳なさそうに言うと、本来ならシンジと同じ立ち位置のはずのアスカが少しイヤそうに顔をしかめる。

「えー!?シンジ、また今度にしない?アタシら全員結構疲れてると思うし……。リツコも交えて詳しい所はまた明日話そうよ。アタシ、シンジのご飯食べてゆっくりしたいな……」

シンジはアスカの言葉にそれもそうかと頷くと、立ち上がってエプロンを付ける。

「そうだね。真面目な話はこれで終わり。明日の朝、リツコさんに会って話そう」

「?どゆこと?」

「あ、すみません。実は父さんたちにはもう話してて、味方になってくれました。様子が変わったのは、そのせいですよ」

「ということは、上層部の主要な幹部は全員シンジ君の味方か?」

シンジは先程マンションに着く前に立ち寄ったスーパーで買った食材を冷蔵庫から取り出しながら、苦笑しつつ加持の問いに答えた。

「マヤさんたちオペレーター陣にはまだ秘密ですけどね」

 

その後は実務的な会話はせず、シンジがテキパキと夕食の準備をこなし、アスカが甲斐甲斐しくその手伝いをする。ミサトと加持は優しく見守りながら二人を茶化し、二人は顔を真っ赤にして反応する。そんな前史になかった穏やかな時間が流れる。そうしてシンジがアスカと作った夕食をつつきながら、四人は和やかな夕食の時間を過ごしていた。

「そういえば加持さん、住む場所どうするんですか?僕たちに協力してアルバイト辞めるってことは、ゼーレからも狙われる可能性が……」

そうシンジに言われた加持は、箸を置いてううむと考え込んだ。

「確かにそうだな……よりセキュリティが高い所に引っ越すのが無難かな……」

「―だったら、ここはどう?」

そう何とはなしに提案したのは、ミサトだ。

「ここはアタシが住んでるし、この子たちが住むことになるからさらにセキュリティレベルが上がるわ。碇司令が味方だから、その辺はきっちりしてくれると思うし。……そ、それに……」

加持をチラチラ見ながら、顔を赤らめて俯くミサト。珍しいものを見た、とシンジとアスカがおおーッとなった。

「ま、また一緒に暮らしたいなって……」

加持はミサトの顔を見て珍しく顔を赤らめると、頷いた。

「……そうだな。そうするか。明日の朝、三人を送ったら荷物を取りに行ってくるよ」

この日の真面目な話はここで終わり。その後四人はのんびり過ごし、布団をリビングに敷いて雑魚寝で眠った。

 

 

 

翌朝。シンジの作った朝食を四人で頂いた後、加持はミサトのオンボロルノーを運転してNERV本部のゲート前まで送り届けた。

「じゃあ、俺は荷物を取りに行ってくる。三人とも、リっちゃんによろしく」

「はい。加持さんも、お気を付けて」

「ありがとう。じゃあな、夜にまた会おう」

そう言うと颯爽と車を発進させ、去ってゆく加持。……車がオンボロでなければ完璧だったと言うのは、言わぬが吉である。

「さあて、アタシらはリツコに会いに行かないとねん♪」

ミサトに先導され、リツコの研究室に入った三人。リツコは椅子に座って何かのレポートを読んでいた。

「リツコ、今だいじょーぶかしら?」

「……あら、ミサト。それに、シンジ君に……アスカね」

ミサトに声を掛けられて顔を上げ、初めて三人が居たことに気付いた素振りを見せたリツコ。彼女はアスカに目を向け、眼鏡の奥で軽く目を見張った。

―何故なら、彼女の頭から髪飾りとなっていたインターフェイスがなくなり、髪も下ろしていたからだ。

 

 

 

 

昨晩、アスカはお風呂に入るために服を脱ぎ、洗面所の鏡に映る自分の姿を見つめた。

(……インターフェイス、か)

彼女のトレードマークの一つであった、髪飾り代わりのインターフェイス。これは以前までの自分が、エヴァにどれだけ執心だったか示すものでもあった。

しばらく己の姿を見つめていたアスカは、そっとインターフェイスを置いて風呂に入った。

そしてインターフェイスを付けずに風呂から上がったアスカは、インターフェイスをつまんで持ち上げながらミサトにあることを尋ねた。

「ねえミサト、これ入れる箱みたいなのない?」

「それって、インターフェイスじゃない。アスカあんなに気に入ってたのに……」

「……そうね。でもこれは、アタシがエヴァに依存しきっていた象徴なの。アタシはもう……エヴァに依存するつもりはない。乗る必要がなくなれば、何の抵抗もなくそれに応じれる。……これをするのは、エヴァに乗る時だけ」

「アスカ……」

心配そうに己を見つめるシンジに、アスカは満面の笑みで笑いかけた。

「そんな顔しないでよ、シンジ。……アタシは、前に進みたい。これは、そのための第一歩よ」

 

 

 

「何?」

「いえ……見違えたな、と思っただけよ」

時は戻り、現在。リツコの言葉に、アスカはフン、と鼻を鳴らした。

「別に、そんなに変わってないわよ。……ただ、認めただけ」

「認めた、ね」

アスカの変化を、興味深そうに見つめるリツコ。シンジは苦笑すると、早速本題に入った。

「リツコさん、相談があるんですけど……」

「……内容によるわ。今ちょっと手が離せないから」

「……何を、しているんですか?」

シンジの質問の答えは、少し意外なものであった。

「S2機関よ」

「ああ……確かあの時使徒のコアを喰ってたわよね……」

そう言って身震いするミサト。そのことについて知らされていなかったアスカは、じろりとシンジを睨んだ。

「……アンタ、何やらかしてんの?」

「……す、すいません……」

アスカの感情の籠っていない声に、思わず委縮してしまうシンジ。……時間が巻き戻ってもなお、アスカの尻に敷かれるシンジであった。

「……ま、アタシも弐号機の初陣で取り込むつもりだったからヒトのこと言えないケド。……で、リツコはS2機関で何やってるの?」

呆れた顔をした後、リツコに視線を戻したアスカはリツコに続きを促した。リツコは目を細めながらまたレポートに目を通しつつアスカに説明を始めた。

「……本当に面白いわね、あなたたち。……ま、いいわ。S2機関を獲得したことで初号機は活動時間が無限になった。けれど、委員会に逆らっていることを悟られてはならないからその存在を隠匿しなければならないのよ。だから、S2機関の稼働をアンビリカルケーブルをパージ後にするようにもう一つ電力の伝達回路をエヴァに搭載しなくてはならない。そのための案を、今組み立てているところ」

「……それ、いつまでかかる?」

「おおよそ後二、三週間だけど……」

「……二週間で終わらせて」

リツコの答えを聞いた瞬間、アスカと復活したシンジの顔色がさっと変わる。

「……どうして?」

「……あと三週間弱で、次の使徒が来ます」

「!それ、ほんと?」

「ええ、ミサトさん。だから、それまでに改修を終わらせてほしいんです」

「一回は乗っとかないと、感覚が鈍るしね」

「……分かったわ、なるべく早く仕上げてみせる」

 

 

 

 

翌日、第3新東京市立第壱中学校の二年A組に、二人の転校生が入ってきた。

一人は中性的な、優しそうな少年碇シンジ。そしてもう一人は―”ポニーテール”の赤みがかった茶髪の美少女、惣流・アスカ・ラングレーだ。

二人は名前を書くと、微笑んだ。

「「みんな、よろしく」」

 

 

 

 

NEON GENNESIS EVANGELION RETROGRESSION

EPISODE4 Not the same




加持が引っ越してくることに!コンフォート17のどこに住むのかは、次回以降をお楽しみに。
その他にも、初号機の偽装改造やアスカのポニーテールなど変更点が盛りだくさん。
……だれかポニーテールバージョンのプラグスーツアスカを書いてはくれんじゃろうか……。
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