色の少年   作:火の車

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お隣の特権?

 勉強会が始まって4日が経った

 

 テストももう目前となった

 

 ここ最近は勉強ばかりしてたけど

 

 私生活の方にも変化が出て来た

 

ましろ「__お、おはよう、衛宮君......!」

楓「おはよう、倉田さん。」

 

 家が隣だと判明してから

 

 僕と倉田さんは一緒に登校するようになった

 

 いや、倉田さんが来るようになったのかな

 

 こんな早い時間に登校しようと思うなんて

 

 倉田さんは真面目だなって思う

 

楓「行こっか。」

ましろ「うん!」

 

 倉田さんが元気に頷くと

 

 僕はいつも通り学校に向かって行った

__________________

 

 気温が段々と上がってきて

 

 桜は段々と緑が目立つようになった

 

 まだ少しだけ遠いけど夏の気配を感じる

 

 そんな事を考えながら歩いてると

 

 横を歩いてる倉田さんが話しかけて来た

 

ましろ「ずっと気になってたんだけど。」

楓「うん?」

ましろ「衛宮君の言う色って、どういう風に見えてるの?」

楓「色?うーん、そうだなぁ......」

 

 僕は少しだけ考えた

 

 色は人によって全く違うし

 

 中には現存するもので言い表せないのもある

 

 例を挙げるとすれば桐ケ谷さんとか

 

 だから、少しだけ迷う

 

楓「倉田さんに限って言うと、藍色の絵の具みたいに見えてるよ。」

ましろ「私に限って?」

楓「人によって全く見え方が違うし、桐ケ谷さんに関しては現存する色で例えられないから。」

ましろ「な、なるほど(?)」

 

 倉田さんは首をかしげてる

 

 あんまりよく伝わってない

 

 でも、あれが精一杯だと思う

 

楓「あと、自分自身の色は見えないんだよね。」

ましろ「そうなの?」

楓「うん。」

 

 これの理由はよく分からない

 

 システム的にそう言う風になってるのか

 

 それとも他の理由があるのか......

 

楓「まぁ、話はこのくらいにして学校に行こうか。」

ましろ「う、うん!」

 

 それから僕たちは話をやめ

 

 歩いて学校に向かって行った

__________________

 

 学校に来た後は倉田さんと別れ

 

 僕は教室に自分の席に座った

 

 周りはテストを明日に控えてるのもあって

 

 少しだけピリピリしてる

 

七深「__やっほ~、かえ君~。」

楓「おはよう、広町さん。」

 

 そんな空気の中

 

 広町さんは柔らかい空気を纏ってる

 

 これはもう流石だ

 

 広町さんの色は月ノ森でも特出してる

 

 テストなんて余裕なんだろうなぁ......

 

七深「テスト明日だけど大丈夫そう~?」

楓「うん、2人のお陰で不安はかなり拭えたよ。」

七深「そっかそっか~、よかったよ~。」

 

 広町さんは笑顔でそう言って

 

 指を一本立てた

 

七深「お礼はお弁当のおかず1つで良いよ~。」

楓「対価があまりに安すぎると思うんだけど?」

七深「かえ君が食べさせてくれてもいいよ~?」

楓「え?」

 

 僕は広町さんの言葉に首を傾げた

 

 突拍子もないから少し戸惑ってる

 

 広町さん、偶に変なこと言うんだよね

 

七深「なんて、冗だ__」

楓「別にいいけど、それでいいの?」

七深「えぇ!?///」

楓「!?」

 

 広町さんが驚きの声を上げた

 

 なんで自分で言って驚いてるんだろう

 

 そんな事を考えてると

 

 広町さんが僕の方に乗り出して来た

 

七深「じゃ、じゃあ!今日のお昼がいい!///」

楓「う、うん、いいよ?」

七深(やったー!///)

 

 広町さん、すごく嬉しそうにしてる

 

 色からそれが顕著に表れてる

 

 何がそんなに嬉しいのか分からないけど

 

 まぁ、喜んでるしいいかな

__________________

 

 そんな事が朝にあってのお昼休み

 

 僕は中庭で5人とお昼ご飯を食べる

 

 気温もちょうどよくて気持ちがいい

 

透子「__おー!倉田と衛宮のお弁当、すっごい美味しそう!」

ましろ「そうかな?」

楓「普通だと思うけど?」

 

 桐ケ谷さんに大きな声でそう言われ

 

 僕と倉田さんは首を傾げた

 

 僕たちのお弁当はオーソドックスな感じで

 

 一般家庭育ちの僕には安心感がある

 

つくし「だって、ウィンナーがタコ型だよ!」

透子「こんなの中々見ないって!」

楓、ましろ(お、お金持ちの感覚だ......)

瑠唯「これは興味深いわね。」

楓、ましろ(八潮さんまで!?)

 

 八潮さんまでこの反応なんて

 

 ウィンナーをタコ型にするのは異端なのかな

 

 いや、中学の時は珍しくなかったはず

 

七深「かえ君かえ君~。」

楓「あ、そうだったね。」

瑠唯「?」

 

 さっき話題に上がったウィンナーを摘まみ

 

 僕は広町さんの方にそれを差し出した

 

瑠唯、ましろ、透子、つくし「!?」

楓「どうぞ。」

七深「あーん♪」

 

 広町さんは嬉しそうにそれを食べた

 

 物凄くいい笑顔で食べてる

 

 美少女のその表情は流石に可愛い

 

七深「おいひい~♪」

楓「いたって普通のものなんだけど。」

瑠唯「......今のは何なんのかしら。」

楓「?」

 

 嬉しそうな広町さんの横から

 

 八潮さんの声が聞こえて来た

 

 いつも通りクールでかっこいいなぁ

 

楓「朝、お勉強を教えてくれたお礼に食べさせてと言われて。」

七深「そうだよ~。」

瑠唯、ましろ「......」

透子(八潮こわっ!)

つくし(倉田さんはなんかすごく落ち込んでる!?)

楓「?」

 

 八潮さんと倉田さんの色が乱れてる?

 

 さっきまで普通だったのに

 

 どうしたんだろう?

 

楓(......あっ!)

 

 そうだ、お礼なら八潮さんにもしないと

 

 根気良く付き合ってくれたし

 

 でも、広町さんと同じで良いのかな?

 

楓「八潮さんも何か食べますか?」

瑠唯「え?」

透子、つくし、ましろ「!?」

七深(気付いちゃったか~。まぁ、そうだよね~かえ君だし~)

 

 僕はさっきと同じようにウィンナーを摘まみ

 

 それを八潮さんの前に出した

 

 流石に失礼だったかもしれない......

 

瑠唯「......いただくわ///」

楓「!」

 

 八潮さんはウィンナーを食べた

 

 よかった、怒られないみたいだ

 

 普通に食べてくれてる

 

ましろ(そうだよね、これはお礼だもんね、私なにもしてないもんね......)

透子「て、てかさ、衛宮ってこういうのに抵抗ないんだ!」

楓「うん、特にないよ。減るものでもないし。」

つくし(そう言う問題なの?)

七深(流石かえ君だね~。)

 

 僕はおかずを1つとって食べた

 

 母さんのお弁当はいつも通り美味しい

 

 何年も食べてるから安心感がある

 

七深「か、かえ君!?///」

楓「どうしたの?」

瑠唯(か、完全に忘れてたわ......///)

 

 なんだろ、広町さんが慌ててる

 

 八潮さんも少しだけ動揺してる

 

透子(ふ、普通に間接キスいった。)

つくし(ためらいなさすぎじゃない......?)

ましろ(衛宮君......)

楓(何が起きてるんだろ。)

 

 僕はそんな事を考えながら食事を進め

 

 横眼で5人の様子を見てる

 

 なんだかみんな慌ててる

 

七深(頼んだの私だけど、恥ずかしいよ~!///)

瑠唯(彼は、何なのかしら......///)

楓(今日の夕飯は何だろう。)

 

 それからも僕はお弁当を食べてた

 

 お昼休みが終わってから広町さんが目を合わせてくれなかったけど

 

 一体、なにがあったんだろう

__________________

 

 ”ましろ”

 

 学校が終わって家に帰ってきた

 

 暗い部屋でベッドに寝転ぶと

 

 今日のお昼休みの事を思い出す

 

ましろ(羨ましかったな......)

 

 2人だけ衛宮君に食べさせてもらって

 

 しかも、間接キスまでしてた

 

 いや、あれは衛宮君がしてたんだけど

 

 でも、羨ましい......

 

ましろ「......あの2人、可愛いもんね。」

 

 広町さんは可愛らしくて、人懐っこくて

 

 八潮さんは美人でクール

 

 それに加えて2人ともスタイルもいい

 

 不公平なくらいのハイスペック

 

 本当に少しくらいくれてもいいのに......

 

ましろ(そう言えば、作曲するんだった......)

 

 私はベッドから体を起こし

 

 アイディアを書いてるノートを出した

 

 そう言えば、私がこうなったの

 

 衛宮君が歌詞を褒めてくれたから

 

 と言うか、意味を勘違いしたからだっけ

 

ましろ(会いたいな......)

 

 私はそんな事を考えながらカーテンを開けた

 

 これを開けたら衛宮君がいたりして

 

 なんて、そんな都合のいい事が起きるわけ__

 

楓『__zzz......』

ましろ「!!??///」

 

 あった、あってしまった

 

 予想外の出来事で顔が熱くなる

 

 私の部屋と衛宮君の部屋は近くて

 

 入ろうと思えば入れる距離にある

 

 疲れからか、ぐっすり眠ってる

 

ましろ(え、衛宮君......///)

 

 背は私よりずっと高いのに

 

 顔はすごく子供っぽくて、可愛い

 

 まだまだ中学生の雰囲気が残ってる

 

 そんな姿を見て、私にある欲望が生まれた

 

ましろ(写真、撮ったらダメかな......?)

 

 もちろん、ダメなことだって分かってる

 

 普通に盗撮だし、バレたら軽蔑される

 

 でも、このチャンスを逃すのは惜しい

 

ましろ「......(パシャ)」

 

 私は携帯のカメラで写真を撮った

 

 欲望に逆らう事が出来なかった

 

 写真フォルダに衛宮君の写真がある

 

 しかも、こんなに可愛い寝顔の......

 

楓『ん......っ?』

ましろ「!?」

 

 携帯を見てると

 

 衛宮君の目が少しだけ開いたのが見えた

 

 私は慌てて窓を閉め、身を隠した

 

楓『あっ、寝ちゃってた!明日の教科の復習しないと!』

ましろ「......(ば、バレてない?)

 

 私は胸をなでおろした

 

 横の家からは衛宮君の声が聞こえてくる

 

 バレてないって分かっててもドキドキする

 

ましろ「......衛宮君......///」

 

 写真を見ると、顔が熱くなる

 

 盗撮になるのは分かってる

 

 けど、絶対にこれは消せない

 

ましろ「衛宮君のせいだもん......あんなに無防備に寝てるから......///」

 

 私はそう呟いてから立ち上がり

 

 アイディアが書かれてるノートを開いた

 

 今なら、良い歌詞が書けそうな気がする

 

 だって、今、すごく気分がいいから

 

 私は張り切って作詞に取り掛かった

 

 

 

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