朝、僕はいつも通り学校に来た
けど、なんだか昨日今日とおかしい気がする
まず、倉田さんが僕よりずっと早く家を出てた
それと、毎晩10時くらいに来る広町さんからのチャットもなかった
楓(何かあったのかな。)
昨日は別に何もなかったはずだけど
もしかして、自主練習かな?
空き教室はいつでも借りられるらしいし
楓「あれ?」
2人の色に沿って歩いて行くと、B組に着いた
真っ直ぐこの教室に来てるって事は自主練習じゃない
けど、なんでこの教室に?
楓(まぁ、入ってみよう。)
色々と疑問は残るけど
迷っても仕方ないので僕は教室に入ることにした
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七深「__あ、かえ君~。」
楓「ど、どうしたの?」
教室に入ると広町さんが歩み寄ってきた
いつも違って髪を下ろして、いつもより制服が着崩れてる
それに、お化粧?もしてるのか唇がいつもより赤い気がして
何と言うか、大人っぽい
七深「ふふっ、今日の広町はどうかな~?」
楓「制服ちゃんと着ないと八潮さんに怒られるよ?」
七深(そこっ!?さ、流石かえ君......今日は我ながら結構いけると思ったのに~!)
楓「?」
広町さんがうなだれ始めた
な、なんなんだろう?
髪型弄ったり、お化粧したり
うーん......わかんない
まぁ、とりあえず鞄を席に__
楓「......?」
ましろ「......」
楓「あの。」
自分の席に方に目を向けると、何故か倉田さんが机で突っ伏していた
僕は試されているのだろうか?
こういう時にどう反応するか......みたいな
楓「く、倉田さん?どうしたの?」
ましろ「......んっ。」
楓「?」
ましろ「......別に。」
倉田さんは体を起こすとボソッと何かを呟いた
そして、いつもより鋭い瞳を向けてきた
ましろ「べ、別に衛宮君の机で寝たいわけじゃないんだからね!///」
楓「え?」
ましろ「偶々、ここが衛宮君の席だっただけだもん!///別に、衛宮君を感じたいとか考えてないんだからね!///」
楓「うん、そうだよね?」
倉田さん、なんで当り前のことを叫んでるんだろ?
と言うより、机から感じるのは木の匂いだけだと思う
でも、他の人の席じゃなくてよかった
僕なら別に迷惑でもなんでもないし
楓「でも、寝るなら僕の席でよかったね?他の人の席だったら何を言われるか分からないし。」
ましろ「え、い、いや、そうじゃなくて......」
楓「疲れてるならもう少し寝てても良いよ?僕は立ってるから。」
ましろ「......(そうじゃ、ないのに......)」
楓「?」
今度は倉田さんがうなだれてる
この短時間で何かあったのかな?
まぁ、多分、大丈夫だよね?
七深(ま、まさか、何の効果もないなんて。)
ましろ(が、頑張ったのに......衛宮君のバカ......)
楓「2人とも大丈夫?今日はなんだかおかしいけど、何かあった?」
ましろ(お、おかしい......)
七深(これは、失敗......)
楓「??」
なんだろう、2人が落ち込んでる気がする
本当にどうしたんだろうか
女の人の気持ちはやっぱり分からないな
楓(あっ、そうだ。あの2人に聞いてみよう。)
女の人の事は女の人に聞く
僕はある2人にチャットを送り
取り合えず、お昼休みに集まることにした
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お昼休みになり
八潮さんに許可をもらった空き教室に桐ケ谷さんと二葉さんを呼んだ
この2人なら話を聞きやすいし
楓「__と言う事なんだけど、何かわからないかな?」
透子、つくし「......」
僕は2人に朝の事を話した
すると、2人は無言のままうつむき
少しばかり難しい顔をしてる
透子(あ、あいつら、恋愛下手か?)
つくし(そんな、どこかの漫画で見たようなことするなんて......)
楓「2人は何か悩んでるのかな?」
透子「まぁ......」
つくし「そう言えなくもないかもね。」
楓「やっぱり。」
2人は何かを悩んでたんだ
だから、朝みたいなことを
楓「どうしたのかな?そんなに思い悩んでるなら、何か力になれないかな?」
透子(お前のせいだよ!......とか、言えないよね。)
つくし(なんであんなにあからさまなのに気づかないの?)
悩み、か
僕にもないことはないけど
女の人の悩みは複雑だって聞くし
透子「まぁ、あいつらの悩みに心当たりはあるな。」
楓「そうなんですか?」
透子「まぁ、さっきの話を聞いた予想なんだけどねー。」
つくし(ま、まさか、透子ちゃん!)
桐ケ谷さんは何かを知ってるみたいだ
流行りなどに敏感な人だし、きっと信頼度の高い情報だ
これはしっかり聞かないといけn__
透子「__2人とも、衛宮のこと好きなんじゃね?」
楓「......え?」
つくし(い、言ったー!)
透子「だってそうじゃね?朝の事も、衛宮に構ってほしかっただけだと思うし。」
楓「え、え?いや、そんな事は......」
つくし(き、効いてる!?)
あの2人が僕を?
いや、ありえない
だって、そんな素振り無いし(※あります)
そもそも、あんな可愛い人たちが......
楓「ぼ、僕なんて何の取柄もないし、2人みたいな人がそんなのありえないよ!」
透子「いやいや、優しさも取柄っしょ。八潮みたいな血も涙もない奴もいるんだし。」
楓「八潮さんは優しいよ?今日だって、この教室の使用許可は八潮さんが出してくれたし。」
つくし(それは衛宮君限定だよ!他の生徒にはこれでもかってくらい冷たいよ!?)
透子「まぁ、それはいいんだって。それで、どうなの?あの2人。」
桐ケ谷さんは僕にそう言ってきた
どうなのって言われても......
あの2人は友達だし、僕を好きだって言うのは早計過ぎる
でも、桐ケ谷さんの言う事だし......
透子「シロとななみ、可愛いっしょ?」
楓「ま、まぁ。」
透子「衛宮はそんな2人が近くにいて何にも思わないわけ?」
つくし(せ、攻めるね、透子ちゃん。)
楓「可愛いとは思うよ?でも、それはきっと誰だってそう思うし......」
あの2人が可愛いのは一般論だと思うし
僕がそう思うのも当然......それに
楓「可愛いって意味では、桐ケ谷さんも二葉さんも当てはまるし......」
透子、つくし「!」
楓「?」
僕がそう言うと2人は喋らなくなった
あれ、どうしたんだろう?
透子(じゅ、純粋さが眩しい......!!)
つくし(一番かわいいのは衛宮君だよ!!......弟にしたい。)
透子「ま、まぁ、衛宮がどう思うかは勝手だけどさ。」
楓「?」
透子「ちょっと、あの2人のこと意識して見れば?」
楓「意識......」
僕はそう小さく呟いた
今の所、手がかりはそれだけ
だったら、試してみるしかない
この話し合いの結論はこう落ち着き
お昼休みの時間は過ぎていった
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放課後、今日はアトリエでバンド練習の日だ
一応、マネージャー的な立ち位置の僕もアトリエに来てる
けど......
七深「__かーえ君♪」
楓「!!」
ましろ「あ、朝はごめんね......?」
楓「い、いいよ。」
いざ、桐ケ谷さんが言うように意識してみると
本当に好きなんじゃないかって勘違いしてしまう
2人とも、すごく距離が近いし
なんだか他の人と態度が違う気がする
七深「どうしたの~?」
楓「い、いや、なんでもないよ。」
瑠唯「そうかしら?なんだか汗の量が凄いけれど。」
ましろ「だ、大丈夫......?」
な、なんでだろう
今までと2人の見え方が違う
なんだか、八潮さんと似た感じ
だけど、少しだけ違う感じもする
七深「ほ、ほら~!買っておいた桃缶だよ~!」
ましろ「ね、寝た方がいいんじゃ......」
楓「だ、大丈夫だよ。」
瑠唯「無理はいけないわ。」
楓「っ!!」
八潮さんは僕の額に手を置いた
これは、熱を測ってるんだ
だって、ここに体温計ないもんね?
分かってる、分かってるんだ......
楓(なのに、なんで動悸がおさまらないんだ......)
透子(なんか、面白くなったな。)
つくし(なんだろう、このニヤニヤしながら見守りたくなる気持ち......)
瑠唯「す、すごい熱だわ。早く寝なさい。車を出すわ。」
七深「わ、私!濡れタオル持って来る!」
ましろ「ほ、ほら、そこのソファに!」
楓「だ、大丈夫だから、少し落ち着かせてっ!」
意識してみると確かに見え方は変わった
なんだか、今まで以上に可愛く見えるし桐ケ谷さんが言った通りにも見える
けど、まだ勘違いの可能性は捨てられない
これは、経過観察が必要だと思う
楓(でも......)
瑠唯「?」
やっぱり、八潮さんだけ見え方が違う
2人への意識が足りないのだろうか?
これは、僕には全く分からない