色の少年   作:火の車

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オリエンテーション

 月ノ森はやっぱり普通とは違う

 

 中学の時は僕もそこそこ勉強は出来る方だった

 

 けど、ここでは平凡そのもの

 

 やっぱり、レベルが違い過ぎる

 

楓(__つ、ついて行くのがやっとか......)

 

 たいして運動神経がいいわけでもない

 

 なのに、勉強までこれ......

 

 僕はこれからどうなるんだ

 

七深「難しい顔してるね~。」

楓「あ、広町さん。」

七深「どうかしたの~?」

楓「周りとの能力の差に打ちのめされてる......」

七深「あ~......」

 

 いかに月ノ森と言っても、

 

 同じ人間でここまで能力差があるなんて

 

 色が目立たない人ですらあのレベル

 

 八潮さんはどんなレベルだって言うんだ

 

七深「で、でも、今週が終われば合宿だよ~!そこでなら、悩みもパーッと晴れるよ~!」

楓「そ、そうかな?」

七深「沖縄の海はきれいだよ~!」

楓「......綺麗、か。」

七深「?」

楓「あ、なんでもないよ。」

 

 僕は笑いながら軽く手を振った

 

 広町さんは首をかしげている

 

 そして、色も疑念を表してる

 

楓「それにしてもさ......」

七深「?」

楓「すごいお弁当だね。」

七深「そうかな~?」

 

 広町さんのお弁当は、

 

 おおよそ一般人じゃ分からないものが入ってる

 

 こういう部分でも、生粋の月ノ森生との違いを感じた

__________________

 

 あれから数日が経ち

 

 沖縄に旅立つ日になった

 

 飛行機なんて、乗るのは久しぶりだ

 

 まぁ、こんなに高い飛行機に乗るのは、

 

 勿論、人生初なんだけど

 

楓(__飛ぶ前から酔いそう。)

七深「すごい顔してるね~。」

楓「まぁ、こんな大きい飛行機に乗るのは初めてだからね。」

 

 月ノ森のスケールの大きさを感じる

 

 いやぁ、すごいなぁ......(遠い目)

 

七深「あ、そろそろ出発だね~。」

楓「うん、言うのが遅いね。もう、飛び始めてるよ。」

七深「あれ~?」

 

 広町さんは偶に変なことを言う

 

 凡人には分からないだけかもしれないけど

 

七深「いや~、飛行機は楽しいね~!」

楓「まぁ、そうだね。」

 

 空は綺麗だし、座り心地はいいし

 

 なんだか、ワンランク上の人になった気分だ

 

 実際にそんな事はあり得ないんだけど

 

 でも、そう言う風に錯覚する

 

楓(少し、眠たいな。)

 

 座り心地が良すぎて眠たくなってきた

 

 どうしよう

 

七深「ね~、かえ君~?」

楓「ん?どうしたの?__!?」

七深「あっ。」

 

 広町さんの方を見ると、

 

 彼女の顔が近くにあった

 

 僕は驚いて窓に頭をぶつけてしまった

 

七深「ご、ごめん~。」

楓「だ、大丈夫。それで、どうしたの?」

七深「眠たそうにしてたから、寝たいのかな~って。」

楓「気付いてたんだ。」

七深「分かりやすいからね~。」

 

 広町さんは少し笑いながらそう言った

 

 よく人の事見てるんだな

 

七深「まだまだ時間あるし、寝てた方がいいよ~。」

楓「うん、じゃあ、そうするよ。」

七深「おやすみ~。」

楓「うん、おやすみ......」

 

 僕はゆっくり目を閉じた

 

 それからは早くて、

 

 すぐに眠りについた

 

 ”七深”

 

七深(早かったね~。)

 

 かえ君が眠ってから20分くらい経った

 

 余程眠たかったのか、本当にすぐに寝た

 

 かえ君の寝顔は輪にかけて子供っぽい

 

 すごく和むな~

 

楓「......んっ。」

七深「!」

 

 しばらくかえ君を見てると、

 

 こっちにもたれかかってきた

 

 少しだけ驚いたけど、

 

 なんだか可愛く思った

 

七深「ふふっ♪」

 

 こんな風に出来る友達も久し振りだな~

 

 かえ君って、女の子みたいだし

 

 付き合いやすいお友達だね~

 

楓「綺麗......だ......」

七深「え?」

楓「......zzz」

 

 今、一瞬だけ目が開いてた

 

 でも、起きた気配もなかった

 

 寝たまま目が空いたみたい

 

 どうなってるんだろう?

 

七深(そう言えば、かえ君って私の事を綺麗なオレンジ色って言うよね?)

 

 色を見えるっていう発言もあるし

 

 やっぱり、かえ君は普通じゃないのかも

 

 世界が他の人とは違うように見えてる、とか

 

七深(もしかして、かえ君ってすごいんじゃ?)

 

 ちょっとだけ気になってきた

 

 かえ君にはどんな風に世界が写ってるのか

 

 綺麗なのか、それとも......

 

 私は沖縄に着くまでそんな事を考えていた

__________________

 

 ”楓”

 

 僕が目を覚ますと、沖縄についてた

 

 起きた時に広町さんに寄りかかってて、

 

 かなり驚いてまた頭をぶつけた

 

 広町さんは別にいいよって言ってくれた

 

 優しいんだなぁって思った

 

七深「かえ君~、移動するよ~。」

楓「あ、うん。今行くよ。」

 

 確か、1日目はホテルに行ってから海に行くんだっけ

 

 それからは自由時間、と

 

七深「さ~、海だよ、海~!」

楓「楽しそうだね。」

七深「海には中々行かないからね~!」

 

 そ、そうだったんだ

 

 結構な頻度で海とか言ってるイメージだった

 

七深「かえ君は海はよく来るの~?」

楓「一回しかないよ。来る機会もなかったし。」

七深「そうなんだ~。」

 

 まぁ、母さんと父さんが避けてくれてたんだけど

 

 僕があんまり海が好きじゃないから

 

七深「まぁ、行こっか~。」

楓「そうだね。他の生徒も移動していってるし。」

 

 僕と広町さんは宿泊するホテルに向かった

 

 さて、このオリエンテーション

 

 僕はどんな風に過ごすんだろうか

 

 

 

 

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