楓「__わぁ......!」
綺麗な景色を見ると、感動すると思う
今、僕は正にその状態だ
鬱蒼とした木々、その間から差し込む日光
そして、ゆったりと流れる川にその音
まるで絵に描いたような景色だ
楓「すごい......」
そんな景色の素晴らしい所はもう1つあって
全く、色がないんだ
つまり、頻繁に人が来るわけじゃないって事で
都会では絶対にありえない
なんて、目に優しい空間なんだろう
七深「嬉しそうだね~、かえ君~!」
楓「うん、全く色がなくて、綺麗な景色だから。」
透子「だって、あんまり人が来ないとこ選んだんだもん!衛宮は人が多いとこ、苦手だしね!」
楓「桐ケ谷さん......」
やっぱり、気を遣ってくれてたんだ
優しいなぁ......
僕もこういうところを見習って行かないと
七深「『桐ケ谷さんの優しさを見習わないと。』って顔してるね~。」
楓「え、なんでわかったの!?」
七深「分かりやすいからね~。」
ましろ(衛宮君がこれ以上優しくなったら、人間くらいなら溶かせそう。)
つくし(むしろ、るいさんを見習って厳しくなるべきなんじゃ......)
楓「?」
なんでだろ、皆に見られてる
え、何かおかしなことあったかな?
いや、何もないよね?
透子「じゃあ、まずはコテージに入ろ!それから荷物置いて、川で遊ぼ!」
七深「そうだね~。」
楓「八潮さん、寝起きですけど、大丈夫ですか?」
瑠唯「えぇ、大丈夫よ。ありがとう、衛宮君。」
楓「いえ、気にしないでください。」
透子「ほら、行くよ!」
桐ケ谷さんにそう言われ、僕たちはこれから泊るコテージに移動した
結構な山奥だと思うけど、どんな場所なのかな?
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桐ケ谷さんに案内されたのは、新しくはないけど綺麗なコテージだった
明るい色の木造建築で大きさは普通の一軒家くらい
バルコニーもあって、すごくいい建物だ
つくし「結構、綺麗だね。」
透子「当り前じゃん!流石に汚い所に泊まりたくないし!」
瑠唯「そうね。」
内装も綺麗で
吹き抜けのある開放的な空間
一階はテーブルにソファ、大きなテレビ
そして、お金持ちの家によくあるような気がする鹿の頭の飾りがある
2階はまだ見えないけど、多分いくつかの部屋があるんだろう
透子「じゃあ、どの部屋使うか決めよ!」
ましろ「でも、どこも一緒じゃないの?」
つくし「まぁ、そうだよね。」
楓「僕も、どこでもいいかな。」
二葉さんの言う通り、どこでも一緒だし
極端に汚い部屋なんてないだろうし
七深「もう右から、シロちゃん、とーこちゃん、私、つーちゃん、るいるい、かえ君でいいんじゃないかな~?」
瑠唯「異論ないわ。(車での隣はあんなに争ったのに、部屋は良いのね。)」
透子「この後は、それぞれ部屋で着替えて、川で遊ぼ!」
つくし「うん!」
ましろ「じゃあ、部屋に行くね!」
透子「よし!部屋行こー!」
皆は荷物を持って階段を上がって行った
さて、僕はどうしよう
楓(皆は着替えるから、時間もかかるだろうし......あ、川で遊ぶ準備をしよう。)
僕はそう考えて
皆より一足早く、川の方に行くことにした
まぁ準備って言っても、そんなにないんだけどね
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川岸に着くと、僕は準備を始めた
取り合えず、シートを敷いて、パラソルを立てて
後は椅子、テーブル、クーラーボックスを置いた
準備ってこれだけなんだよね
楓(空気が美味しいなぁ......)
気持ちが落ち着く、自然の匂い
車の音とか、騒がしい色や声もない
いいなぁ、こんな場所に住んでみたい
椅子に座りながらそんな事を考えた
楓(それにしても、クーラーボックスって重いんだなぁ。あれを軽々持ってたあのお手伝いさんって何者なのかな?)
僕はここまで何回も休憩を挟んだし
クーラーボックスを持っただけで腕も痛い
本当に、なんでこんなにひ弱なんだろう
七深「__かえ君~!」
楓「あ、広町さん。」
しばらく椅子に座ってると、コテージの方向から広町さんが走ってきた
水着は、オリエンテーションの時のだ
オレンジ色の水玉模様のビキニ
元の容姿の良さもあって、相変わらず似合ってる
七深「あれ?着替えてないの?」
楓「うん、準備を先にしようと思って。」
七深「お~!ありがとう、かえ君!」
楓「これくらいはしないとだしね。(う、うーん......)」
七深「?」
広町さんは距離が近い
しかも、身長差的に、話すときは目線を下に落とさないといけない
そうすると、見ちゃいけないものが目に入って
何と言うか、罪悪感で死にそうになる
楓(出来るだけ、見ないようにしないと。)
七深「かえ君~?どこ見てるの~?」
楓「えっと、自然、かな。」
七深(さっき、体チラチラ見てたけど......興味持ってくれてるんだ......///)
は、早く他の皆も来ないかな
桐ケ谷さん辺りが来てくれると安心だ
いい意味で空気の読めない人だし
透子「__ななみ~!はやいよー!」
つくし「抜け駆け禁止って言ったじゃん!!」
ましろ「ず、ずるい......!」
楓「あ、来た(抜け駆け?)」
広町さんが来て1分ほどで他の皆も来た
けど、何だか慌ててる気がする
抜け駆けって何のことだろう?
七深「何もしてないよ~。」
透子「ほんとにー?」
つくし「ななみちゃん、平気な顔で嘘つくし。」
七深「えぇ~!?」
楓(広町さん、嘘なんて吐くかな?)
あんまりそう言ったイメージはないな
僕は特に嘘をつかれたこともないし
透子「まぁ、いいや。衛宮!」
楓「は、はい。(び、ビックリした。)」
透子「ほら、あたし達の水着だぞ~!目に焼き付けとけよ~!」
楓「え?」
ましろ、つくし「......///」
みんなそれぞれ違う水着を着てる
桐ケ谷さんの説明を聞く限り、
桐ケ谷さんがオフショルダービキニ
倉田さんがコルセット
二葉さんがワンピース、らしい
こんな種類あるんだね
全然知らなかった
透子「ほらほら!同級生の女の子の水着だよ~!」
楓「ちょ、桐ケ谷さん!?」
つくし「透子ちゃん!!」
ましろ「な、何してるの......!?」
七深「広町も突撃~♪」
楓「広町さん!?」
左右から、桐ケ谷さんと広町さんに抱き着かれる
二の腕当たりに異常に柔らかい物があたってる
てゆうか、この状況は何!?
透子(や、やったはいいけど、恥ずかしっ///)
七深(かえ君の肌の感触......///)
つくし「ふ、2人とも!///」
ましろ「あ、あわわ......///(い、いけない事してるみたい......///)」
どうしよう
周りに知らない人がいないのが幸いだけど
このままの状態でいるのもどうかと思う
楓「あ、あの、2人とも、離れt__」
瑠唯「__何をしているのかしら、あなた達は。」
楓「あっ、八潮......さ、ん......?」
瑠唯「......大変そうね、衛宮君。」
楓「え、は、はい。」
瑠唯「?」
歩いてきた八潮さんを見て、僕は言葉を失った
オリエンテーションの時は必死で、水着なんて見てる余裕はなかった
だから、全く八潮さんの水着姿は知らなかった
楓(な、なんでだ?目が離れない......)
ましろ(え、衛宮君の視線がるいさんに集中してる。)
七深(むぅ~!)
透子「衛宮!ルイをジロジロ見すぎだって!」
楓「は、はい!ごめんなさい!!」
瑠唯「!///」
って、謝っちゃったよ
ここで謝ったら暗に八潮さんを見てたのを認めることになる
やっちゃった......
楓「ち、違うんです!えっと、何が違うのかは分かりませんけど!」
瑠唯「い、いえ、構わないわ///」
今日の僕はどうかしてる
いつもはこんな事ないのに
おかしい......
透子「もう!今から遊ぶぞ!衛宮も着替えて!」
楓「は、はい、分かりました。」
透子「行くぞー!シロ、ふーすけ、ななみ、ルイ!!」
七深「お~!」
ましろ(透子ちゃん......)
つくし(『もうやけだ!』って顔してる。)
瑠唯「騒がしいわね。」
桐ケ谷さんの言葉の後、5人は川の方に行って
僕は着替えるためにコッテージに向かった