色の少年   作:火の車

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1日目の夜

 ”ましろ”

 

 衛宮君とキスをしてしまった

 

 頭がフワフワして、現実感がなくて

 

 逃げたくなるくらい、恥ずかしかった

 

 けど、それと同じくらい離れたくなくて

 

 帰りには、指先だけだけど、手を繋いだ

 

ましろ(ど、どど、どうしよう......///)

 

 こう言うのって、どうすればいいんだろ

 

 衛宮君、気にしてる雰囲気じゃなかったけど

 

 本当は結構気にしてたりしないかな......

 

ましろ(気にしてるのは、私の方なんだけど......///)

七深「シロちゃーん?どうしたの~?」

ましろ「!///な、何でもないよ!?///」

瑠唯「うるさいわよ、倉田さん。」

 

 お風呂の中で考え事をしてると

 

 ななみちゃんとるいさんに声をかけられた

 

 驚いて変な声出しちゃった

 

透子「この感じ、衛宮と何かあったでしょ?」

ましろ「!?///」

透子「図星だな~!」

ましろ「な、なんで、分かったの......?///」

つくし「あんな絶好のシチュエーションがあって、衛宮君が何もやらかさないわけないからね~。」

 

 衛宮君へのイメージ、酷いね

 

 今日のお昼のことを考えたらそうなるけど

 

 いつもはまとも......だと思う

 

透子「で、何があったの?」

ましろ「えっと、手を繋いで、森を歩いたり......///」

七深「それだけ~?」

ましろ「目的地の大樹の所で、躓いて転んで......キス、しちゃって......///」

七深、透子、つくし、瑠唯「なっ......!?」

 

 4人とも、大きく目を見開いた

 

 皆、元の顔がいいから、ちょっと怖い

 

透子「ま、まさか、衛宮のやらかし体質がそこまでとは......」

つくし「ましろちゃんに、先越された......」

七深「......今、シロちゃんとキスしたら間接キスになるんじゃ。」

瑠唯「虚しくなるだけよ、やめておきなさい。」

ましろ「わ、私も流石に勘弁かな......」

 

 お友達とのキスは嫌だな......

 

 私にそんな趣味はないし

 

 ここは海外でもないし

 

七深「はぁ~、シロちゃんに初めて取られちゃったか~。」

透子「まぁ、これは仕方ないんじゃね?あたしは、最後さえ貰えればいいし。その間に衛宮が何しようが何も言わないよ!」

つくし「私もかな。」

七深「キスは付き合ってからたくさんすればいいしね~!」

瑠唯「そうね。」

 

 皆、すごい自信......

 

 って、それはそうだよね

 

 皆かわいくて、お金持ちだし

 

 断る男の人なんて、相当鈍感な......

 

ましろ(あ、衛宮君は鈍感だった。)

透子「とーにーかーく!まだ負けてないからな!」

ましろ「え、いや、別に勝ち負けを争うものじゃないし......」

七深「キスした人は余裕が違うね~。ちなみに、どんな感じだった?かえ君の唇って、どんな感触でどんな味だった?」

ましろ「えぇ!?///そ、そんな事言われても......///」

つくし「私も気になるな。」

 

 そんな質問をされて、顔が熱くなった

 

 てゆうか、突然すぎて詳しくは言えないし

 

 そもそも口に出すのも恥ずかしいし......

 

透子「教えてよ!減るものでもないし!」

ましろ「え、えっと......柔らかくて、頭がフワフワして......///」

つくし「な、なるほど///」

ましろ「それで......秋みたいな、味がした///」

七深「秋......かぁ。」

透子「想像つかないな。」

 

 だって、私も何となくだもん

 

 あー、顔が熱いよ......

 

 このままお風呂に入ってたら茹で蛸になっちゃう

 

ましろ「も、もう私出るから!///(恥ずかしい恥ずかしい!///)」

透子「あはは、シロ、真っ赤じゃーん!」

七深「初ね~、シロちゃん~♪」

ましろ「もう、もう!///」

 

 私は叫びながらお風呂場を出た

 

 後ろからはからかってくる声が聞こえたけど

 

 無視した

__________________

 

 ”楓”

 

楓(__はぁ......気持ちよかった~。)

 

 僕はお風呂を出て、今は部屋でのんびりしてる

 

 お昼に川で遊んで、夜は肝試しで森で歩いて

 

 結構な量の汗もかいてたし、すごく気持ちよかった

 

 コテージで男湯女湯が分かれてるのは驚いたけど

 

 まぁ、もう気にしないことにした

 

楓「さて、これから何をしようかな。」

 

 特に遊ぶものは持ってきてないし

 

 夜も遅いから寝た方がいいかな

 

 明日もあるし

 

楓(寝ようかな__)

 

 そう思った瞬間、コンコンと部屋のドアが叩かれた

 

 僕は首を傾げながらドアの方を向いて、返事をした

 

楓「はーい、誰ですか?」

瑠初『私よ、衛宮君。』

楓「八潮さん?」

 

 結構、意外かもしれない

 

 あんまり人の部屋に行くイメージはなかったな

 

 いや、来てくれたのはすごく嬉しいんだけど

 

楓「あ、どうぞ、入ってください。」

瑠唯「えぇ、お邪魔するわ。」

 

 八潮さんは静かにドアを開け、部屋に入ってきた

 

 服装は紺色のパジャマで、あまりにも似合いすぎてる

 

 てゆうか、着こなし的にパジャマには見えない

 

楓「えっと、どうかしましたか?」

瑠唯「少し、あなたと話したかっただけよ。」

楓「そうなんですか?じゃあ、どうぞ。飲み物はお茶でいいですか?」

瑠唯「そんなに気しなくてもいいわよ。」

 

 そう言われても気になるし

 

 八潮さんには椅子に座って貰って

 

 それから、部屋に備え付けてあったお茶を淹れた

 

楓「どうぞ、八潮さん。」

瑠唯「ありがとう。いただくわ。」

楓「部屋に備えてあった物なので、大したものではないんですけどね。」

 

 僕は苦笑いをしながら八潮さんの向かいに座った

 

 それにしても、何のお話をするんだろう

 

 バンドの事かな?それとも学校のこと?

 

 どれにしても、八潮さんと話すのは楽しいと思う

 

瑠唯「急に来てしまって悪いわね。」

楓「いえいえ、僕も八潮さんが来てくれて嬉しいですから。」

瑠唯「......そう///」

楓「?」

 

 八潮さんの色がふやけた

 

 喜んでる色も見える

 

 どうしたんだろ?

 

瑠唯(不意打ちでこんな事を言われたら、敵わないわね......///)

楓「八潮さん?」

瑠唯「い、いえ、なんでもないわ///」

楓「そうですか?」

 

 今日の八潮さん、落ち着きがない気がする

 

 どこか顔も赤いし

 

 目もちゃんと合ってない

 

 僕はそんな疑問を持ちながら、目の前の八潮さんを見ていた

 

 ”瑠唯”

 

 彼の部屋に来たけれど、緊張で上手く話せない

 

 思い切って来てみたのは良かった

 

 けれど、夜の密室で2人きり

 

 しかも、目の前には好意を持ってる衛宮君

 

 こんな状況では、いつもの様にいる事なんてできない

 

楓「それにしても、八潮さんは凄いですね。」

瑠唯「え?」

楓「だって、どんな服装でもかっこよくて、本当にすごいですよ!」

瑠唯「そ、そうかしら......?///」

 

 彼はいきなり何を言うのかしら

 

 別に私はそう言うのではないのだけれど

 

 でも、彼に褒められるのは、悪い気はしないわね

 

楓「はい!僕には決して真似できません!」

瑠唯「ただ、身長が高いから、そう見えるだけじゃないかしら?」

楓「そう言えば、確かに背が高いですよね?僕と1㎝しか変わらないですし。」

瑠唯「......」

 

 今まで言われた褒めの決まり文句を詰めたけれど

 

 彼はそんな事を関係なく褒めてる

 

 全く、変な人ね

 

楓「僕も、八潮さんみたいにカッコいい人間になりたいです!」

瑠唯「カッコいいの定義を何にするかは分からないけれど、女性に好意をもたれるという意味では十分じゃないかしら。」

楓「え?そうですか?別にそんな事はないと思いますけど。」

 

 彼は一体、どこまで鈍感なのかしら

 

 広町さん辺りは気づいてもいいと思うのだけれど

 

 まぁ、彼にそれを求めるのは、難しいわね

 

瑠唯「......いえ、十分、その条件なら満たしてるわよ。」

楓「え__!?」

瑠唯「......///」

 

 私は彼の目の前に移動し

 

 そのまま、ゆっくり彼に抱きついた

 

 動悸が激しくて、心臓が破裂してしまいそう

 

 こんなの、初めて

 

楓「や、八潮さん!?」

瑠唯「......倉田さんとキ......接吻をしたのでしょう?」

楓「え、なんでそれを!?」

 

 隠し事が下手ね

 

 それだけ信用出来るという事だけれど

 

 少し、心配になるわね

 

瑠唯「それで、彼女はそれを嫌がった様子は無かった......はずよね?」

楓「えっと、目は合いませんでしたけど、手は繋いでましたね?」

瑠唯「そう言う事よ。」

楓(ど、どういう事だ?)

 

 彼は理解できないと言った表情をしてる

 

 ここまでしても分からないのね......

 

瑠唯「あなたに好意を持つ女性は、案外多い、と言う事よ......///」

楓「え?」

瑠唯「......私も、あなたなら......///」

楓「あ、あの、どういう......?」

 

 止まれない

 

 もうここで彼と一緒になれば......

 

 そんな事を考えてしまう

 

 駄目だと分かってる

 

 けれど、それでもいいと思ってしまう

 

瑠唯「衛宮君、よければ、私と__」

透子「__ちょーっと待ったー!!」

楓、瑠唯「!?」

透子「お前ら、何してんの!?」

楓「き、桐ケ谷さん!?皆も、どうしたの!?」

 

 流石にバレていたようね

 

 残念ね

 

 もう少しだったのに......なんて、流石に思わない

 

 正直、止めてくれてよかったかもしれない

 

瑠唯「......ただ、話してただけよ。」

七深「ただ話してただけでそうなるわけないよね~?」

瑠唯「......」

つくし「何してたか、説明してくれるよね?」

ましろ「そ、そうだよ......!」

 

 皆、攻めるような目で私を見てる

 

 どうしようかしら

 

楓「えっと、長旅疲れを癒すための措置だよ?」

瑠唯「!?」

透子、七深、ましろ、つくし「え?」

楓「前にネット記事でハグは疲れを癒すのにいいって書いてるのを見て、それを実践してたんだよ!」

 

 私は驚いて目を見開いた

 

 なぜ、彼は私を庇っているの?

 

 彼には何のメリットもないというのに

 

楓「偶々、八潮さんとその話になって、試してたんだよ!」

透子(ど、どうしよ、盗み聞きしてたから全部知ってるって言いずらい......)

七深(かえ君がいい子過ぎて自分の汚さが......)

つくし(胸が痛い......)

ましろ「えっと、ごめんなさい......」

 

 多分、彼女たちは盗み聞きでもしてたでしょう

 

 でも、彼の訴えで何も言えなくなってるわ

 

 なんて影響力なのかしら

 

楓「あ、折角だし、皆もしますか?(?)」

透子、七深、つくし、ましろ「!?///」

楓「(あれ、何かおかしいな?)あ、やっぱり__」

透子「仕方ないなー、あたしがしてやるよー!///」

つくし「いいよ!私、委員長だから(?)///」

七深「親友だからね~、やっぱりハグくらいするよね~///」

ましろ「わ、私も......///」

楓(え、な、何故......!?八潮さんへの敵意の色は収まったけど......何が起こったんだ?)

 

瑠唯(......た、大変ね。)

 

 それから、彼は全員とハグをしていった

 

 私のせいでこうなったのだけれど

 

 かなりいい思いも出来たし......

 

 戦果とすれば、十分ではないかしら

 

 

 

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