楓「__んっ、んん......」
透子「衛宮!?」
目を覚ますと、そこはベッドの上だった
横に顔を向けると、皆が心配そうな表情を浮かべてる
あれ、いつの間に......
ましろ「い、いつの間にかコテージの前で寝てたけど、大丈夫......?」
楓「うん、変なところは特にないよ?」
むしろ、かなり調子がいい
寝起きなのに体は怠くないし
頭もなんだかスッキリしてる
七深「ねぇねぇ、かえ君は何を追いかけてたの~?」
楓「え?」
つくし「私達には何にも見えなかったけど......」
楓(......どうしよ。)
流石に神様を追いかけてたとは言えない
なんて説明しようか......
瑠唯「質問攻めはやめておきなさい。彼、困ってるわよ。」
七深「そうだね~。」
透子「じゃ、お昼ご飯用意するから、落ち着いたら降りて来なよ!」
楓「は、はい。(た、助かった......)」
つくし「じゃあ、また後でね!」
ましろ「ゆっくりしてね?」
皆はそう言って部屋から出て行った
なんだか、良い感じに話題が逸れて助かった
楓(それにしても、不思議な体験だった__)
磐長姫「やっと行ったね。」
楓「__~っ!?い、いわさん!?」
磐長姫「驚き過ぎじゃない?」
いわさんは溜息を付きながらそう言った
いや、驚くのも当たり前だよね?
だって、起きたら横でいわさんが寝ころんでるんだよ?
楓「な、なんでここにいるの?」
磐長姫「楓に取り憑いたから。」
楓「そんな幽霊みたいなこと言われても。」
磐長姫「神様だから何でもできるの。」
神様ってすごい(素直)
て言うか、なんで僕は取り憑かれてるの?
楓「なんで僕に取り憑いたの?」
磐長姫「楓のことが好きになったから。」
楓「え?」
磐長姫「あ、間違えた......気に入ったから///」
楓「うん?」
いわさん、変わってるなぁ
神様なのに僕なんかを気に入るなんて
楓「まぁ、いいや。」
磐長姫(そんなあっさり流すの?)
楓「いわさんって、あそこから離れてもいいの?」
磐長姫「それは問題ない。別に土着神じゃないから。」
じゃあ、なんであそこにいたんだろう?
静かだから過ごしやすかったのかな
この辺り、すごくいい場所だし
磐長姫「楓。」
楓「どうしたの?」
磐長姫「お腹すいた。」
楓「......」
神様ってお腹すくんだ
いや、偏見は良くないよね
神様だって、お腹はすくよね
楓「でも、どうやってご飯食べるの?」
磐長姫「そこは楓との感覚共有がある。私は楓で楓は私。」
楓「便利だね。」
磐長姫「これでも神様だから。」
まぁ、取り合えず大丈夫みたいだ
どういう感じなのかは分からないけど
磐長姫「ご飯、あるって言ってたよ。早く行こう。」
楓「あ、はい。(なんだか、子供みたい。)」
磐長姫「......私、これでも楓の何倍も生きてるんだよ。」
楓「!?(心読まれてる!?)」
磐長姫「私達の思考は共有できる。行くよ。」
楓「は、はい。」
僕はそう言ってベッドから出て
皆が待ってるリビングに向かった
__________________
リビングではすごくいい匂いがする
僕がどのくらい寝てたから分からないけど
探してからご飯を作れる時間があったみたいだ
透子「お!もう大丈夫な感じ?」
楓「はい、ご心配おかけしました。」
つくし「ほんとだよ!暴走したら全然止まらないんだから!」
二葉さんはすごく怒ってる
まぁ、皆からしたら見えない何かを追いかけてたもんね
暴走......してるようには見えるね
ましろ「あんまり心配させないでね......?本当に、怖かったから......」
七深「かえ君が行方不明とか笑えないからね~。」
楓「あ、あはは、ごめん。」
磐長姫『やっぱり、楓はタラシ。』
楓「?」
皆と話してると、いわさんの声が聞こえて来た
後ろに立ってるから分かるけど、口が動いてない
頭の中に直接声が届いてる?
磐長姫『モテるんだね。』
楓「いやいや、それはないでしょ。」
瑠唯「どうかしたの?」
楓「あ、いやなんでも。」
磐長姫『頭の中で喋ればいいのに。』
そう言う説明は先にして欲しい
変な男みたいになっちゃったよ......
楓(それで、なんだっけ?)
磐長姫『楓、モテるんだって思って。』
楓(いやいや、それはないでしょ。そんな感じないでしょ?)
磐長姫『えぇ......』
楓「?」
瑠唯(どうしたのかしら。)
いわさんは呆れたような声を出した
え、今、呆れる要素あった?
何もなかったよね?
透子「衛宮、なんか様子変じゃね?」
楓「!」
透子「あたし達が見えない何かが見えてたりして!」
楓「!?(なんでわかるの!?)」
ましろ「や、やめてよぉ......」
つくし「な、何も見えてないよね......?ね......?」
楓「う、うん、何もないよ?」
き、桐ケ谷さん、すごい勘だ
なんで何も言ってないのに分かるんだろう
七深「かえ君なら見えてても不思議じゃないけどね~。」
ましろ、つくし「も、もう!ななみちゃん!」
七深「あはは~、冗談だって~。」
楓「あ、あ、はは、そんな非科学的な事あるわけないよ。」
瑠唯「色の時点で非科学的だと思うけれど。」
磐長姫『それ。』
そうだった、見えるのが普通で忘れてた
これって非科学的なんだ(今さら)
いやでも、いわさんのことはバレてない
そもそも、バレて困ることなのかな
透子「まっ、衛宮が非科学的な話は置いといて!」
楓「僕が非科学的な話って何ですか?」
透子「ほら、ご飯食べるよ!」
桐ケ谷さんはそう言ってドンと丼を置いた
中には海老の天ぷらが大量にのったうどん
すごく美味しそうだ
透子「ほら!たーんと食べな!」
楓「あ、はい。いただきます。」
磐長姫『早く早く。』
いわさんがすごく食べるのを急かしてくる
そんなにお腹すいてるんだ
感覚共有の分、空腹も2倍なのかな?
楓、磐長姫「__!」
うどんを口に入れて、驚いた
これ、すごく美味しい
お店で食べるのよりも美味しいかも
磐長姫『料理はここまで進化してたんだ。』
楓(最後に食べたのいつなの?)
磐長姫『100年前、織衣が持ってきた桜餅。』
楓(あー、それはお腹もすくよね。)
むしろ、100年も耐えられるんだ
いや、取り憑いてないから空腹とか無いのかな?
よく分からないや
磐長姫『楓について行けば、美味しい物がたくさん食べられる。』
楓(まぁ、そうかもね。って、家まで付いてくるの!?)
磐長姫『当然、楓みたいな特殊な人間の生末、見守らないわけがない。』
楓(特殊って......僕は普通だよ。)
僕なんて色が見えるくらいだし......
それ以外は特に特徴はない
何も誇るものもないただの男なのに
七深「どう~?美味しい~?」
楓「うん、美味しいよ。」
七深「よかった~!高級な海老、取り寄せた甲斐あったな~!お小遣い吹っ飛んだんだよね~!」
楓「それはちょっとマズくない!?」
七深「大丈夫大丈夫~!何も問題ないよ~!口座から引き落とせばおっけ~!」
楓「え、えぇ......?」
磐長姫『貢がれてるね。』
貢がれてる......
確かに、そんな気がしてきた
僕、ここに来るまでそんなにお金出してない......
え、マズいんじゃない、これ?
男と言うか人間として
楓「......(ズーン......)」
つくし「衛宮君、どうしたの!?」
楓「いや......僕ってダメだなって......」
つくし「いきなり!?ど、どうしたの!?」
七深「あー。(なるほど。)」
これは、何かしないと......
けど、僕のお小遣いはそこまで多くないし
ど、どうしよう
楓「えっと、何かして欲しい事ありませんか......?」
ましろ「え?(結婚)」
透子「は?(結婚か子作り)」
七深「え~?(自主規制)」
つくし「してほしいこと?(結婚)」
瑠唯「いきなり、ね。(少し進んだ関係に......)」
磐長姫『こんなに欲望が見えやすい人間たち、初めて見た。』
なんだか、色が凄い事になってる
え、そんなにマズい提案だったの!?
まさか、僕程度に出来る事はないってこと!?
七深「かえ君、そういうことは簡単に言っちゃダメだよ~。女の子は獣だからね~。(危ない危ない。)」
楓「え?」
透子「そうだぞ~。そう言うこと言うのは1人だけにしときなー。(あ、あっぶな。衛宮がこう言う奴だって何故か頭から抜けてた。)」
え、どういうこと?
獣?1人だけ?
全く意味が分からない
何かそう言うルールがあるのか?
ましろ(い、今、教会で誓いのキスする所まで見えた......///)
つくし「はぁ~......危ない所だったよ。」
楓「え、今の一瞬で何があったの?」
瑠唯「何もないわよ。問題ないわ。」
楓「え、えぇっと......?」
磐長姫『......』
皆の言ってる意味が分からない......
色も何だかおかしいし
このコテージの中で何が起きてるの?
磐長姫『楓......』
楓(どうしたの?もしかして、いわさん、今何が起きてるのか分かるの?)
磐長姫『いや、楓以外誰でも分かるよ。』
楓「え?」
磐長姫『楓の周りにいる女の子って、大変だね......』
楓(え、え......?なんで......?)
いわさんにまた呆れたようにそう言われて
僕はさらに頭を悩ませることになった
それからは取り合えずうどんを食べ進めて
みんなと一緒に遊びに行く準備をした