ゲームの冒頭シーンは舞台の紹介だった
主人公が通う学校の名前は『日野森高校』
伝統的なお嬢様学校で
主人公である仰木冬弥が入学する前年から共学化したらしい
楓「なるほど、こういう世界観なんだ。」
七深「中々すごい設定だよね~。」
ましろ「実際にあったら男子の居心地悪そうだね......」
倉田さんの言う通りだ
僕なら気を遣いすぎて胃に穴開きそう
楓「じゃあ、進めていくね。」
取り合えず、ボタンを押して行く
学校にありがちな入学式や自己紹介
1人、親友って呼ばれてる人が出て来た
名前は佐藤祐司らしい
『__あの、仰木君......よろしくね?』
楓「あっ。」
冬弥が自己紹介を終えると
隣の席の女子生徒が話しかけて来た
この子はヒロインの1人、内倉しろなだ
しろな『えっと、私は内倉しろなです......よろしくお願いします......』
そんな自己紹介の後
しろなと冬弥が会話をしてる
人見知りって設定があったと思うけど
よく喋るなぁ
『そこ!私語は慎んで!』
冬弥、しろな『!』
七深(あ、つーちゃんだ。)
ましろ(つくしちゃんだ。)
次に出て来たのは四葉なつ
ツインテールで小柄で真面目な委員長
この人、誰かに似てるような......
しろな『ご、ごめんなさい。』
冬弥『す、すいません。』
なつ『もう!日野森生の自覚を持ってよね!』
しろな、冬弥『(この人が一番煩い......)』
こんな感じで会話が続いて
シーンがどんどん進んで行く
そして、最初の選択肢が出て来た
『1.少しだけ内倉さんと話してみよう。』
『2.四葉さんに学校の事を質問してみよう。』
『3.今日はもう帰ろうかな。』
七深「おぉ~、選択肢来たね~。」
ましろ「衛宮君?どうする?」
楓「え、これは流石に一択じゃないかな?」
僕はそう言ってゲームを操作し
3番を選択した
七深、ましろ「え?」
楓「初日から喋りかけ過ぎるのも良くないし。この2人の性格を考えると、今日の所は帰るべきだと思うんだ。」
七深(正論!だけど違う!)
ましろ(これ、ゲームだよ......)
楓「?」
多分、これであってると思う
ゲームであっても誠実でいないと
男として最低だよね
七深「まぁ、ここで3を選んでもヒロインと出会うだけだろうし。いいんじゃないかな?」
ましろ「そうかも。」
『__あ~、男子がいる~。』
楓「!」
次に出て来たのは3人目のヒロイン
ミステリアスな雰囲気を身に纏った女の子
名前は、夕霧
2年生らしい
深奈『さっそくボッチ下校~?』
冬弥『よ、余計なお世話ですよ。』
楓「二言目にボッチって言われてるけど、大丈夫なのかな?」
ましろ「大丈夫だよ。私なんてもっと長い間ボッチだったもん。」
七深(何が大丈夫なのかな~?)
倉田さんの話には触れないようにしよう
なんだか、色が少しだけ暗くなってる気がする
この色は多分、相当落ち込んでる時の色だ
『__おーい、深奈ー!新入生に絡んでんのー?』
深奈『あ~、郁実ちゃん~。』
郁実『よっ!新入生君!あたしは及川郁美!よっろしくぅ!』
この人が4人目のヒロインか
どことなく桐ケ谷さんっぽい
初対面でも気さくな所とか
郁実『あれ?暗いね~、新入生君!こりゃ深奈が絡みたくなる気持ちもわかるわ~!』
深奈『そうでしょ~?』
冬弥『あの......』
楓「あ、来た。」
次の選択肢が表示された
さて、次は......
『1.あの、もう帰っていいですか?と言う』
『2.黙って帰る。』
『3.激流のごとき勢いで挨拶をして帰る。』
楓「いや、3番目おかしくない?」
ましろ「激流のごとき勢いって......?」
七深「超すごい挨拶なんじゃない~?」
き、気になる
一体、どんな挨拶なんだろう
けどなぁ......
楓「初対面の人にそんな挨拶をしたら引かれるよね、普通に。」
七深「そうだね~。」
楓「じゃあ、無難に1かな。」
ましろ「私もそれがいいと思う。」
というわけで、1を選択した
まぁ、常識的にね
これはまた機会があればってことにしよう
郁実『え~、もう帰んの?』
深奈『もしかして、意外と忙しかった~?』
冬弥『ま、まぁ。』
そんな会話の後、冬弥は学校を出て行った
そして場面がどんどん切り替わって行き
ある場面で動きが止まった
冬弥『(__あの人は。)』
『......』
楓「!」
その止まったシーンに現れる立ち絵
最後のヒロイン
端麗な容姿にきめ細かい黒髪、見る者を射抜き魅了するような鋭い瞳を持つ女性
夏目瑠亜だ
その人を見つけた時、選択肢が現れた
『1.話しかけてみる。』
『2.もう少し見てる。』
『3.黙って立ち去る。それが男だ。』
楓「やっぱり最後おかしくない?不具合なんじゃないかな?」
七深「ちょっと私も疑わしく思ってきた。」
ましろ「私も。」
さて、これはどうしようか
普段の僕なら3番一択だけど
今回は2にしてみよう
冬弥『(あまりジッと見すぎても失礼だ。帰ろう。)』
楓「選択肢の意味なくない?」
ましろ(え、衛宮君が真顔になってる。)
これだったら3番と何ら変わらないんじゃ
うーん、なんだか釈然としない
瑠亜『......彼は。』
七深「お~?」
ましろ「反応、あったね。」
楓「この時点じゃ正解か不正解か分からないね。」
声が見た目通り静かで感情の判断が難しい
ゲームの中だから色も見えないし
うーん、難しい
楓「これで、取り合えず1日目終了かな?」
七深「そうだね~。(よかった~、1日目からやらかさなくて。)」
ましろ「まだ序盤って感じだけど、良い感じなんじゃないかな?(こ、これからが本番かぁ......)」
これから2日目
物語的に動くのはまだ早いと思うけど
ゲームだからその辺りの勝手がわからない
楓「まぁ、進めて行こうか。」
七深「そうだね~。」
ましろ「衛宮君?これはゲームだからね?」
楓「え、分かってるよ?」
倉田さん、なんで確認したんだろう?
そんな事を考えつつ、僕はボタンを押し
ゲームを再開した
__________________
“七深”
あれから1時間、かえ君はゲームを進めていった
ゲーム内ではいろんなイベントがあって
日常の些細な場面やお祭りとかの季節イベント
その中でかえ君は選択肢を選んでいって
何だかんだでヒロインの好感度は上げていった
けどー......
深奈『__ずっと一緒って、言ってたのに......』
冬弥『うわぁぁぁぁあ!!!』
楓、ましろ、七深「......」
何だかんだでバッドエンドを回収した
バッドエンドってヒロインにそれぞれ1通りしかないんだけどなー?
一番確率低いのに、なんで......?
ましろ「なんだか、ななみちゃんが主人公を殺したみたいだね。」
七深「言わないで!何となく私も思ったから!」
楓(うーん、ゲームって難しい。)
かえ君は理解出来ないって感じで首を傾げてる
うん、だよね
私だって理解できないもん
途中までは結構良い感じだと思ってたのに
なぜかバッドエンドのルートに入ったもん
楓「な、何がいけなかったんだろう。」
ましろ「選択肢じゃないかな......それしかないし......」
楓「うーん、自分ならどうするかって言うのを選んだんだけど......僕がおかしいの?」
七深「そんな事はないよ~?ゲームのシステムと思考があってないだけで~。」
人間ですら理解出来ない事を機械が理解できるわけないよね
これはもう仕方ないよ
理解できるものならしたいし
楓「今まで、いかに自分が色に頼ってたかを思い知ったよ。」
七深「いや~、そこまで頼ってないんじゃないかな~?」
ましろ(鈍感だもん。)
七深(色に頼ってたらあそこまで鈍感にはならないよね~。)
いやほんと、なんでそんなに鈍感なの?
そろそろ私の気持ち位なら気付いて良いと思うけど
て言うか......そろそろ気付いてよー!!
楓「よし、リベンジだ!今度こそバッドエンドにならないように頑張るぞー!」
ましろ(志が低い......!)
七深「頑張ろー!」
そうして、かえ君はまたはじめからゲームを始めた
はてさて、バッドエンドに行かずにクリアするのに後何時間かかるかな~?
これは広町にも分からないよ~