色の少年   作:火の車

53 / 86
楓、ゲームをする3

 あれから、かえ君はゲームを続けた

 

 大方のストーリーは頭に入ったから

 

 2周目からは共通ルートのストーリーは飛ばして

 

 初めて見る個別ルートのストーリーは見る

 

 そんな作業を4回は続けた、けど......

 

しろな『もう無理なの......ごめんね、冬弥君......さようなら......』

 

なつ『(結局、迎えに来てくれなかったね......)』

 

郁実『ごめん、あたしこの人が好きだからさ。他の子行きな?』

 

瑠亜『......あなたなら、変えてくれると思っていたのに......』

 

楓、七深、ましろ「......」

 

 バッドエンド全回収を達成した

 

 なんと、バッドエンド率100%!

 

 いや、笑い事じゃないんだけどね?

 

 どうやったらこうなるの?

 

ましろ「衛宮君、実は狙ってたりする?」

楓「狙ってないよ!?真剣だよ!」

ましろ「う、うん、そうだよね。(衛宮君だし。)」

 

磐長姫『楓、このゲームの才能あるんじゃない?』

楓(絶対にないよね?どう考えても。)

 

 ま、まぁ、バッドエンドは全部回収したし

 

 ここからはもう大丈夫(なはず。)

 

 本当の戦いはこれからだよ!(?)

 

七深「バッドエンドになる選択肢はちゃんとメモしてるから、もう一回しよう~。」

楓「広町さん天才!」

ましろ「流石ななみちゃん......!」

七深「普通な事だと思うけど~?」

 

 もうバッドエンドでメンタル削られたくない

 

 このゲーム、バッドエンド結構エグイんだよね

 

 個人的には郁実ちゃんが一番メンタル削られた

 

七深「さぁ、かえ君!ここからは勝ち戦だよ~!頑張ろう~!」

楓「うん!今度こそバッドエンド回避するよ!」

ましろ(相変わらず志低い......)

楓「じゃあ、スタートするね。」

 

 かえ君はそう言って

 

 また、はじめからを押した

 

 まぁ、これなら流石に行けるでしょ?

 

 あー、やっとバッドエンド以外見れる~

__________________

 

深奈『__ずっと一緒って、言ってたのに......』

冬弥『うわぁぁぁぁあ!!!』

 

楓、ましろ「なんで?」

 

 と、思ってた時期が私にもありました

 

 いやー、まさかバッドエンドになる選択肢が一通りじゃないなんてね

 

 しかも、それをかえ君が引くなんてね

 

 笑えて来たよ

 

七深「あの、天才の方ですか?」

楓「凡人の方です。」

 

 いや、かえ君ゲーム芸人の才能あるよ?

 

 もうなんか面白いもん

 

 私似のキャラのバッドエンドも笑えるもん

 

七深「初心者向けって書いてたんだけどね~。」

楓「つまり、僕は初心者という領域にも達してないって事だね!(自虐)」

七深「むしろ上級者なんじゃないかな~?」

楓「え?」

ましろ「今調べた感じ、バッドエンドになるの相当難しいらしいよ?バッドエンド回収が本番とか書いてるし。」

楓「そんな事ある?」

 

 これは困った事態になった

 

 このゲームを通して恋愛を学んでもらう気だったのに

 

 まさか、ノーマルエンドすらいけないなんて......

 

楓「僕、思ったことがあるんだ。」

七深「何を~?」

楓「ゲームって、難しい。」

 

 マズい、かえ君があきらめムードだ

 

 このままじゃ、バッドエンドの印象しか残らない

 

 なんとかしないと

 

七深「も、もう一回だけしよう!次ダメなら、まぁ、降参って事で。」

ましろ(もうやめるとかの領域じゃないんだ、降参なんだ。)

 

磐長姫『信託を授ける。』

楓(いわさん?)

磐長姫『意外とありえないと思う選択肢が功を奏す。人間とは、難解な存在。』

楓(な、なるほど?よく分からないけど、なんだか出来る気がしてきた!)

磐長姫『そう、よかった。』

 

七深「かえ君、ラストゲームだよ。」

楓「うん、任せて。さっきより20%くらいはマシなはずだから。」

ましろ「それって大丈夫?」

七深「さ、さぁ?」

楓「ここまでたくさんの経験を積んだんだ、もうバッドエンドなんてない!」

 

 かえ君はそう意気込んでからコントローラーを持った

 

 今までにない気迫を感じる......!

 

 けど、何故かすごく不安になってきた......!

 

楓「もう失敗しない。行くよ......!」

 

 そう言ってかえ君は初めからを押し

 

 最後のゲームを始めた

__________________

 

 ゲームを始めて10分くらい

 

 最初の方は安定してそれぞれ好感度を上げて

 

 ヒロインの個別ルートに入って行く

 

瑠亜『__あなたは、不思議な人ね。』

冬弥『え?』

瑠亜『なぜ、公園で座ってるだけに私に構ってくれるの?』

冬弥『それは......』

 

七深(流れ、変わった......!?)

楓「新しい選択肢だ。」

 

 ストーリー序盤の中の最後

 

 ここで新しい選択肢が出て来た

 

 まさか、これが正規ルート?

 

『1.気になっちゃって。』

『2.なんだか、放っておけなくて。』

『3.可愛い女の子がいれば、声をかけるのは当然さ☆』

 

楓「やっぱりちょっとふざけてるよね?」

七深「ま、まぁまぁ、落ち着いて。」

ましろ(珍しく衛宮君が怒ってる。)

 

 まぁ、この選択肢は簡単かな

 

 かえ君の性格を考えれば

 

楓「2でしょ。」

ましろ「うん、それでいいと思う。」

七深「3が正解だったら会社訴えるよ~。」

 

 そんな会話をしつつ

 

 当然の如く、2番を選んだ

 

瑠亜『......そう。』

冬弥『夏目さん。』

瑠亜『あなたは本当に不思議で、変な人ね。』

冬弥『えぇ?』

瑠亜『(放っておけない......私を?)』

 

 これは、瑠亜ちゃんルート入ったかも?

 

 い、いやいや、まだ序盤だし、油断できないよね

 

 どこでバッドエンドが来るか分からないし

 

七深(で、でも、良い流れになってきた。)

 

 いい感じにストーリーは進んで行く

 

 どのイベントにも瑠亜ちゃんが出て来て

 

 距離を縮めて、段々と良い雰囲気になってる

 

瑠亜『あなたの元には行けない......私の人生は、私のものではないもの。』

冬弥『そんな事はないよ。』

瑠亜『......えっ。』

 

楓、七深、ましろ(おぉ......)

 

 ストーリーは進んで行って中盤に差し掛かり

 

 瑠亜ちゃんの境遇が明らかになって行く

 

 瑠亜ちゃんは圧力をかけられて無理矢理結婚させられそうで

 

 父親も母親も不本意ながら従ってる状況らしい

 

冬弥『僕が何とかして、瑠亜さんを引っ張るから。だからもう、君の人生は君のものになるんだ!』

瑠亜『......!』

冬弥『この手を掴んで。絶対に、後悔させない。幸せにする。』

瑠亜『冬弥くん......っ!』

 

 瑠亜ちゃんが冬弥君に抱き着いた

 

 けど、冬弥君の顔は強張ってて

 

 確かな覚悟を感じる

 

七深、ましろ(こ、これ、どうなっちゃうの?)

磐長姫『おー......』

楓「......」

 

 それからシーンが進んで

 

 瑠亜ちゃんの家で止まった

 

 そこで、少しのセリフを挟んで

 

 冬弥君と瑠亜ちゃんが手を繋いで、叫んでる様子のイラストが出て来た

 

冬弥『娘1人守れない意気地なしなんて、瑠亜さんには必要ない!!僕が瑠亜さんを守る!!』

 

 そう瑠亜ちゃんの家族と圧力をかけてた家族の前で啖呵を切る

 

 最初の方よりも逞しくなった背中がかっこいい

 

『瑠亜!こっちに戻れ!お前は俺の嫁になる女だろ!』

瑠亜『私は、彼と共に歩くと決めました。』

『なっ......!?』

瑠亜『誰であろうと、私達を引き裂けはしない!私はこの人と......冬弥と結婚します!』

 

 瑠亜ちゃんの力強い言葉と共に画面が白くなっていき

 

 セリフだけが流れていく

 

 その時点で、私の目には涙が浮かんできた

 

 あぁ、やっと、やっと......!

 

瑠亜『__私、今、本当に幸せよ。あなた。』

 

楓、七深、ましろ「き、来たぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 ハッピーエンドだ!

 

 間違いなくハッピーエンドだ!

 

 瑠亜ちゃんと冬弥君が仲良く手を繋いでる!

 

七深「やった、やったね~!かえ君~!」

楓「うん!やっとバッドエンド以外が見れたよ!」

ましろ「志は相変わらず低いけど、よかったね!」

 

 苦節5時間

 

 バッドエンドとかバッドエンドがあったけど

 

 ついにハッピーエンドを見られた

 

 この達成感、普通にクリアする何倍なんだろ

 

磐長姫『感動した。良い物語だった。』

楓(うん、良く出来てたね。)

七深「いや~、お腹すいたね~。」

ましろ「あはは、確かに。お昼ご飯も食べてないもんね。」

凪沙「__その言葉を待ってたよ☆」

楓(ビクッ!)

 

 しばらくすると、お義兄さんが部屋に入って来た

 

 ピンクのエプロンを着けて

 

 何故かおたまを持ってる

 

 無駄に似合ってるな~

 

凪沙「今日は僕が腕によりをかけてお夕飯を作ったんだ!2人も食べて行くと良いよ!」

七深「わ~!ありがとうございます~!」

ましろ「いただきます、先生!」

凪沙「うんうん!じゃあ、リビングにおいで!」

 

 お義兄さんはそう言って先に部屋を出て

 

 その後に私達も立ち上がった

 

 体が凝り固まってるな~

 

七深「あ、かえ君!」

楓「どうしたの?」

七深「恋愛について、何か学べた~?」

ましろ「!」

 

 私はかえ君にそう尋ねた

 

 そう言えば、こんな趣旨でゲーム始めたんだ

 

楓「......ふふっ。」

七深「かえ君?(え、何その笑い方?可愛い。)」

ましろ「どうしたの?(珍しい笑い方だ。可愛い)」

 

 かえ君は笑って

 

 少しだけ考えるような仕草をし

 

 数秒の間を置いて、ゆっくり口を開いた

 

楓「すっかり、忘れてた。」

七深「えぇ~!?」

ましろ(まぁ、衛宮君ならそうだよね......)

楓「ご、ごめんね。」

磐長姫『やれやれだね。』

 

 この後、私達はリビングに行き

 

 お義兄さん特性のお夕飯をいただいて

 

 車で家に送ってもらう事になった

 

 

 ゲームを始めた当初の目標は達成できなかったけど

 

 かえ君やシロちゃんと遊べて楽しかったし

 

 良しとしようかな~

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。