次の日も、僕は皆とアトリエに集まってる
そろそろ2学期も始まるし、月ノ森音楽祭もある
その前段階のライブの手配も済んでる、らしい
らしいって言うのは、いつの間にか済んでたから僕は知らなかった
透子「__いやー!ライブがあると思うと気合入るよねー!」
七深「そうだね~!」
つくし「あっち側はそうでもないみたいだけど......」
楓「!」
そう言う二葉さんは少し離れた場所を指さした
そこにいるのは倉田さんと八潮さんだ
ましろ「ライブ......大勢の人の前で......」
瑠唯「そこそこレベルは上がったし、いつも通りの演奏が出来れば問題ないわ。」
と、倉田さんはガチガチに緊張してて
八潮さんはいつも通り落ち着いてる
まぁ、2人のリアクションはイメージ通りかな?
どんな状況でも動じない八潮さんはすごいなぁ
つくし「衛宮君的にはどう?ライブ、大丈夫そうかな?」
楓「うん、大丈夫だと思う。皆、すごくいい色になってるから、多くの人の心に残る演奏ができると思う。」
透子「おぉー!衛宮のお墨付きじゃん!こりゃ行けるね!」
楓「か、過信はしないでくださいね......?」
色はその時の体調や環境次第で変わる
過度に緊張したりすると少し色が暗くなるし
慢心したりすると輝きが失われる
色と言うのは山の天気位、簡単に変わる
透子「で、衛宮!」
楓「は、はい。」
透子「ライブは夏休み最後の日じゃん?そこでさ、ちょーっとシロの緊張解してほしいんだ!」
楓「え?」
桐ケ谷さんにそう言われ、僕は首を傾げた
倉田さんの緊張を解す?僕が?
楓「僕でいいんですか?そう言うのは同性の方が......」
透子「シロは衛宮の方が喜ぶからね!」
七深「えぇ~!ズルい~!」
透子「ななみは別に大丈夫っしょ?」
七深「そんな事ないよ~!あ~!緊張してきたな~!」
広町さんが大きな声で騒いでる
どうしたんだろ?
七深「かえ君~!広町の緊張も解して~!」
楓「広町さんは大丈夫でしょ?良い色してるし。」
七深「そうじゃない~!」
つくし(さ、流石は衛宮君。一切、ななみちゃんの意図を汲まない。)
と、今は倉田さんか......
うーん、僕は器用な方じゃないし
人の緊張を解すなんて、向いてないと思うけど......
透子「ってなわけで、衛宮は明日シロとデートね!」
楓「明日!?」
透子「よし、シロを誘ってこい!」
楓「え、ちょ、急過ぎ__わっ!」
桐ケ谷さんに背中を押され
ソファに座ってる倉田さんの前に行かされた
え、ほんとに今から誘って明日行くの?
それに、これってデートなの?
楓(桐ケ谷さん??)
透子(ガンバ!)
楓「」
桐ケ谷さんが親指を立ててる
もう、行くしかないみたいだ
楓「ね、ねぇ、倉田さん。」
ましろ「衛宮君......?」
楓「ぼ、僕と、デートに行きませんか......?」
ましろ「!?///」
瑠唯「!?」
倉田さんは目を丸くしてる
色もかなり驚いてる
こ、これでいいのかな?
自分から誘った事ないから不安だな......
ましろ「え、えっと、デートって......あの、デート?///」
楓「た、多分、そのデートだと思うよ?(ほかにどのデートがあるんだろう?)」
ましろ(え、嘘!?///あの衛宮君が、デート!?///なんでなんで!?///)
楓(ど、どうしよう。)
倉田さんが固まっちゃった
僕はどうすれば......?
ていうか、断られたらどうしたらいいの!?
ましろ「わ、私でよければ......///」
楓「ほ、本当に!?よかったぁ......(失敗してたら桐ケ谷さんになんて言われるか......)」
ましろ(す、すごくホッとしてる......!///衛宮君、そんなに私と......///)
ひとまず、デートには誘えた
緊張を解すとかは難しいけど
まぁ、頑張ろう!折角の初ライブだし!
楓「じゃあ、明日行こう!」
ましろ「明日!?」
楓「うん。(僕と同じ反応だ。)」
まぁ、急すぎるよね
でも、ライブまで時間もないし
やっぱり、明日が正解なのかな?
楓「えっと、そういう事で!」
ましろ「え、衛宮君!?///」
楓(き、緊張した......)
瑠唯(......大体察したわ。桐ケ谷さんの差し金ね。)
明日は倉田さんとデートか
僕が何をしてあげられるか分からないけど
出来る限り、頑張ろう
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“ましろ”
ましろ「__お、お母さん!///」
ましろ母「あ、おかえり、ましろちゃん。」
家に帰ってすぐ、私はリビングにいるお母さんに駆け寄った
お母さんはソファに座ってテレビを見てて
私に気付くとフワッとした笑みを浮かべた
母「どうしたの?そんなに慌てて。」
ましろ「え、えっと、衛宮君にデートに誘われたの!///」
母「まぁ。」
私がそう言うと、お母さんは口元を抑えた
すごくニヤニヤしてる
いや、いいんだけど
母「ずっと好きって言ってたものね~。」
ましろ「う、うん///」
母「それにしても、もう日本に帰って来てたのね~。どんな大人になってるのかしら~。」
ましろ「え?」
母「え?」
日本に帰ってきた......?
なんで、お兄さんの話?
母「あれ?凪沙君の方じゃないの?」
ましろ「ち、違うよ。私が好きなのは弟の楓君だけど......」
母「弟の......楓君?」
お母さんは困惑したような表情をしてる
今まで衛宮君としか言ってなかったし、お兄さんの方だと勘違いしたのはまだ分かるけど
なんで、こんな反応なんだろ
母「一応、弟君がいる事は知ってたけど......姿を見たことはないわね。」
ましろ「それはお母さんと外に出る時間が被るのが少ないだけじゃ......」
母「いや、そうじゃないのよ。」
ましろ「?」
冗談半分で話してたけど
お母さんが本気で困惑してるのに気づいた
まるで、ありえないことが起きて驚いてる、みたいな
そんな表情をしてる
母「お隣さんの下の子は体が弱くて、家どころか病院からも出られないような子だったはずだけど......」
ましろ「え?」
私はその言葉を聞いて、かなり驚いた
確かに、衛宮君はひ弱な所はあると思ってた
けど、昔はそんなに体が弱かったんだ
ましろ「い、今は元気だよ?普通に学校に通ってるし。」
母「......そう。良かった。」
ましろ「って、この話は止めよ!お母さんには明日着ていく服とか一緒に考えて欲しいの!」
母「ふふっ、分かったわ。(あれ......?)」
私はお母さんの横に座って
明日のデートの相談を始めた
母(噂では、現代の医療じゃ治らないって聞いたけど......尾ひれでもついてたのかしら?)
ましろ「お母さん?」
母「なんでもないわよ~。それで、最初は何の相談かしら~?」
ましろ「明日着ていく服!何がいいかな?」
母「そうねぇ、色々来て考えましょ。」
ましろ「うん!」
そんな会話の後、私はお母さんと部屋に行って
着ていく服を一緒に考えてもらった
衛宮君、可愛いって褒めてくれるかな?
あの鈍感さは天才的すぎるから不安だけど
明日のデート、楽しみだなぁ......