廊下で十数分くらい正座して
僕は控室に戻ることが出来た
正直、さっきまでここで着替えしてたんだと思うと、すごく気まずい
けど、気にしないようにしてる
モカ「お~、ほんとに可愛い~。」
リサ「なんか、男子と女子の間みたいだね~!」
巴「あはは!そうですね!」
楓(お、男なんだけどなぁ......)
最近、こんな感じのこと言われるの多くないかな?
一応、れっきとした男なんですけど
......生物学上は
あこ「なんでマネージャーとかしてるのー?」
楓「えっと、最初は広町さんについて行って、そのまま成り行きで。」
あこ「へー!そうなんだー!」
ひまり「男の子がマネージャーって珍しいね?自分はバンドしたりしないの?」
楓「あまり激しい活動は出来ないし、マネージャーが楽しいので。」
紗夜「確かに、こういうのも失礼かもしれませんが、細いですよね。」
す、すごくジロジロ見られてる
やっぱり、端から見ればそうだよね
情けない......
リサ「ちなみに、体重はどのくらい?」
楓「よ、45㎏くらいですね。」
リサ、ひまり「よ、よよ、45㎏!?」
あこ「軽っ!?」
まぁ、普通はあり得ないよね......
相当な減量してもキツイだろうし
ひまり「......私より、余裕で......」
リサ「そんな事ある......?あたしより身長あるのに......」
友希那「2人とも、どうしたの?」
紗夜「色々あるんですよ。」
蘭「まぁ、ひまりはよく食べるから。」
ひまり「蘭~!言わないで~!」
蘭「ご、ごめん。謝るから泣かないで。」
な、なんか、ごめんなさい
申し訳ないけど、この話はスルーしよう
僕には荷が重すぎる
楓「そ、そういえば、皆さんは最初に演奏されるんですよね?それってお手本......みたいな感じですよね?」
友希那「名目上はそうなってるわね。」
透子「流石はこの辺りを代表するガールズバンド!」
楓(やっぱり、有名なんだ。)
僕は最近バンドに触れるようになったし
あんまりバンドのこと知らないんだよね
まぁ、色を見ればどれだけすごいかはわかるけど
楓「あの、湊さん?ですよね?」
友希那「えぇ。どうかしたの?」
楓「湊さんは、プロの方ですか?」
友希那「どうしてそう思うの?」
楓「すごい色をしていらっしゃるので。言葉にするのは難しいんですけど、まるで粉雪が降ってる日の夜空みたいな、そんな色をしてるんです。しかも、すごくはっきりと見える。」
友希那(色......?)
湊さんが首を傾げた
あ、そっか
皆さんは初対面だから色のこと知らないんだ
ど、どうしよう、僕、変な男になっちゃう!?
友希那「褒めてくれるのは嬉しいけれど、私はまだプロではないわ。」
楓「そ、そうなんですか。」
よかった、あまり気にしてないみたいだ!(※してる)
ここは、何食わぬ顔で会話を続けよう!
友希那「けれど、いずれはプロの世界に行くわ。Roseliaはそこに行ける力はある。」
楓「......はい。僕もそう思います。」
友希那「あら、初めて会うのにかなり高評価のようね。」
楓「見ればわかりますから。皆さんがどれだけすごいかは。」
色は嘘をつかない
重ねた努力も過ごした時間も
何もかも、正直に教えてくれる
Roseliaの色は綺麗で、重厚感がある
ただ5人で過ごしただけじゃ、あんな色にはならない
友希那「委縮させてしまったかしら?あなたのバンドの子たち、表には出していないけれど、緊張しているわ。今も、それを紛らわせるように気丈にふるまってる。」
楓「はい、そうですね。皆、やっと初めてのライブですから。どうしても緊張はすると思います。」
緊張の色が少ないのは、広町さんと八潮さんかな
この2人はいい緊張感を持ってる
けど、他の3人は内心ガチガチだ
倉田さんと二葉さんはわかるけど、桐ケ谷さんは少しだけ面白く感じてしまう
だって、いつもと色が全然違うんだもん
友希那「それにしては、あなたは余裕そうね。」
楓「はい。むしろ、少し安心しました。」
友希那「安心?」
湊さんがそう聞き返してきた
そう、僕は今、すごく安心してる
具体的には、Roseliaを見てから、安心したかな
楓「練習を始めてから4か月。僕は知識も何もないまま、八潮さんと色に頼って練習のアドバイスなどをしていたので、この方向性が高いのかって、不安だったんです。けど、よかった。」
友希那「......どういうこと?」
楓「皆が目指していた方向は間違ってなかったみたいです。」
友希那「!」
僕がそういうと、湊さんは目を見開いた
それを見て僕は立ち上がり
座ってる湊さんに軽く頭を下げた
楓「ありがとうございました。出来れば、皆のこと、少し見てあげてください。きっと、楽しめると思います。」
友希那「えぇ、期待しておくわ。あなたにも。」
楓「僕はマネージャーなので......」
そういいながら、僕は皆のほうに歩いた
そろそろ、3人の緊張ほぐさないと
うーん、ちょっと大変そう......
“友希那”
友希那(彼は、何者なのかしら?)
向こうに歩いていく彼を見て、疑問に思った
一見すれば可愛い感じの男子高校生
けれど、かなり違和感がある
妙に推測を確信したような態度で言うところとか
あとは......
友希那(色......とは、何なのかしら?)
彼が所々出す、色というワード
私のことを粉雪が降る日の夜空と言っていた
空想と切り捨てることは簡単だけれど
彼にはそうさせない違和感がある
リサ「ゆーきな☆」
友希那「リサ?どうかしたの?」
リサ「いやー、友希那が後輩君と楽しそうに話してたからさ!何の話してるのかなと思って!」
友希那「バンドの話よ。」
彼には一体なにが見えているのか
何を見て、バンドに繋げているのか
少し、興味があるわね
リサ「あの子、不思議ちゃんな感じするよねー。」
友希那「そうね。」
リサ「まっ、可愛いと思うけどね!他のバンドメンバーの子も、可愛い後輩だよ!」
友希那「そうね。」
彼がいるあのバンド
確か、ツキノモリ(仮)だったわね
今年結成されたバンドらしいけど......
友希那「リサ。」
リサ「ん?どーしたの?」
友希那「今日、ライブが終わったら帰ろうと思ってたけれど、あの子たちは見ていきましょう。」
リサ「えぇ!?急にどうしたの!?」
友希那「単純に興味があるのよ。」
彼女たちの演奏を見れば、わかる気がする
彼が彼女たちにどのくらい影響を及ぼしているのか
彼女たちのとって、それほど大きな存在なのか
友希那「今日はAfterglowが先ね。美竹さん、せいぜい場をしらけさせないようにすることね。」
蘭「はぁ?むしろ、空気にのまれないように気合い入れてほしいんですけど。」
ひまり「もー、相変わらずだねー。」
モカ「すいませんねー、うちの蘭がー。」
リサ「いやいやー、いつものことだしね。」
......いつも、こんな感じかしら?
あまり覚えてないわね
まぁ、いいわ(切り替え)
巴「じゃあ、行くかー。」
あこ「頑張ってね!おねーちゃん!」
巴「おう!」
紗夜「羽沢さんも頑張ってください。」
つぐみ「はい!もちろんです!」
モカ「行くよー蘭ー」
蘭「う、うん。」
ひまり「今日も頑張ろうー!えいえいおー!」
Afterglow「......」
ひまり「__もー!なんでー!!」
そんなやり取りをしてから
Afterglowは控室から出て行った
それを見送って、私はふぅと1つ息をついた
楓「最後の打ち合わせですが、まずは__」
友希那(さぁ。)
正直、今日はライブをしてすぐに帰るつもりだったけれど
もしかしたら、来た甲斐があったと思えるかもしれないわ
まぁ、それも、彼女たちのライブ次第だけれど