色の少年   作:火の車

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合宿の終わり

 2日目の夜

 

 僕は何故か1人で夕食を食べてる

 

楓(__一体どうしたんだろう?)

 

 ホテルに帰ってきてから、

 

 広町さんは一切、目を合わせてくれない

 

 近づいたら顔を赤くして逃げちゃうし

 

楓(うーん、僕、何かしたかな?)

瑠唯「__ここ、空いてるかしら?」

楓「え?」

瑠唯「......」

 

 僕が考え事をしてると、

 

 八潮さんがお盆を持ちながら話しかけて来た

 

 いつも通り、凛々しい表情をしてる

 

楓「空いてますよ。」

瑠唯「それでは、失礼するわ。」

 

 八潮さんはそう言って僕の前に座った

 

 僕はその様子を確認した後、食事を再開した

 

楓、瑠唯「......」

 

 けど、この状況は中々に気まずい

 

 話したことはあるけど、親しいわけじゃない

 

 八潮さんは話すタイプじゃないだろうし

 

 かなりシンととしてる

 

瑠唯「......少し、話さないかしら。」

楓「え?はい。(話しかけて来た?)」

 

 かなり驚いた

 

 まさか、八潮さんが話しかけてくるなんて

 

瑠唯「遅れてしまったけれど、昨日の事、感謝してるわ。」

楓「え?......あ、いえいえ、気にしないでください。」

 

 八潮さんは僕にそう言ってきた

 

 それを聞いて、僕は首を横に振った

 

楓「僕は所詮、その場に居合わせただけですから。」

瑠唯「聞いたわ。あの場で私を助けに動いたのはあなただけだったっと。」

楓「何も、特別なことではないですよ。」

 

 僕はそう言って水を飲んだ

 

 八潮さんはこっちを見てる

 

楓「どうぞ、お気になさらないでください。」

 

 僕は料理を食べ終え、席を立ち

 

 空になった食器が乗ってるお盆を持った

 

楓「では、失礼しますね。」

瑠唯「ち、ちょっと、待って。」

楓「はい?」

瑠唯「......いえ、やっぱり、なんでもないわ。」

楓「じゃあ、ごゆっくり。」

 

 僕は八潮さんに一礼した後、

 

 食器を返却して部屋に戻った

 

 ”瑠唯”

 

瑠唯(......少し、遅かったわ......)

 

 話しかけるのを躊躇しすぎたわ

 

 何故か、彼に話しかけようとすると、

 

 足踏みをしてしまって話しかけられない

 

瑠唯(なんなのかしら、この感じは。)

 

 何故か、ショックを感じてる

 

 それは、彼が先に戻ってしまったこと

 

 それも理由の1つではある

 

 でも、何よりも......

 

瑠唯(広町さんといる方が、楽しそうね......)

 

 自分が不愛想なのは自覚してるし、

 

 ああいう態度を取られるのは珍しくない

 

 でも、何故か彼だけショックを感じる

 

瑠唯「もう少し、いてくれても良かったと言うのに......」

 

 私はそう呟き

 

 憂鬱な気分のまま食事を進めた

__________________

 

 ”楓”

 

 お風呂などを済ませて、

 

 僕は自分の部屋の椅子に座っている

 

楓(あっという間だったなー。)

 

 明日にはもうここを去る

 

 オリエンテーションの目的も

 

 広町さんと仲良くなったし(?)

 

 達してると思う

 

楓「これが終わってもまだ始まったばっかりだし、また頑張ろう__」

 

 コンコン、と部屋の戸を叩くとがした

 

 僕は教師の見回りか何かかと思い、

 

 ゆっくりドアを開けた

 

楓「はい、誰ですか?」

七深「やっほ~、かえ君~。」

楓「ひ、広町さ__むぐっ!」

七深「シー、静かに~。部屋、入っていい?」

 

 広町さんがそう聞いて来たので、

 

 僕はとりあえず、首を縦に振った

 

 すると、広町さんは部屋に入ってきた

__________________

 

 広町さんを部屋に招き入れ

 

 僕たちは椅子に座った

 

楓「それで、何か用かな?」

七深「いや~、私が目を合わせなかった事、かえ君が気にしてるかなと思って~。」

楓「あー、なるほど。」

 

 それにしても、どうしたんだろう

 

 昼は普通だったし、

 

 おかしくなったのは、タワーくらいから?

 

七深「ごめんね~、ちゃんと整理してきたから、もう大丈夫だよ~。」

楓「そう。(整理?)」

 

 言ってる意味がよく分からない

 

 けど、何か色々あったんだろう

 

楓「まぁ、元に戻ってよかったよ。」

七深「......元通り、なのかな~?」

楓「え?」

七深「なんでもないよ~。」

 

 広町さんは笑いながらそう言い

 

 そして、ある物を机に置いた

 

楓「トランプ?」

七深「うん~!折角だし、遊ぼうよ~!」

楓「うん、いいよ。でも、僕、ババ抜きしか出来ないよ?」

七深「じゃあ、ババ抜きにしよっか~。」

 

 広町さんはそう言って山札をシャッフルし

 

 すごい速さでカードを配った

 

 手際良いんだなぁ

 

七深「ほら~、引いても良いよ~。」

楓「じゃあ、引こうかな。」

 

 僕は広町さんの手札に手を伸ばした

 

 僕の手札にはジョーカーがない

 

 つまり、広町さんが持ってる

 

楓(気を付けて引かないと__!!)

七深(あっ。)

 

 引いたカードを確認した瞬間、

 

 僕はかなり動揺してしまった

 

 まさか、初手でジョーカーを引くなんて

 

 ”七深”

 

七深(か、可愛い......///)

 

 ジョーカーを引いたかえ君は、

 

 分かりやすく表情に出てる

 

 ポーカーフェイスなんてものはない

 

 子供みたいに唸ってるのが、可愛い

 

楓「ど、どうぞ。」

七深「うん~、引くね~?」

 

 私はかえ君の手札に手を伸ばした

 

楓「!」

七深(......ん~?)

 

 最初に引こうとしたカードに触ると、

 

 かえ君の表情が明るくなった

 

 これを見て、もうわかった

 

七深(これ、ジョーカーだね~。)

 

 こんなにすぐ表情に出ちゃうなんて

 

 かえ君って本当に......

 

七深(可愛い~!///)

 

 私はたまらず、そのジョーカーを引いてしまった

 

 これは仕方ないよ

 

 だって、可愛いんだもん

 

七深「次、かえ君だよ~。」

楓「うん、引くね。」

 

 それから、ババ抜きは進んで行った

 

 かえ君は本当に表情に出やすくて、

 

 ジョーカーのある場所がすぐに分かって

 

 私はかえ君のジョーカーを全部引いた

 

七深「__これで、最後だね~。」

楓「う、うん。」

 

 残りの手札は、

 

 私は1枚、かえ君は2枚

 

 さてさて~、どうしよう

 

七深「ねぇ、かえ君~。」

楓「どうしたの?」

七深「負けた方に罰ゲーム付けようよ~。」

楓「え?罰ゲーム?どんな?」

七深「そうだね~。」

 

 私は少しだけ考えて

 

 浮かんできたアイディアを口にした

 

七深「負けた方は勝った方の命令を一つ聞くで~。」

楓「うーん、まぁ、いいかな。」

七深「じゃあ、決まりね~。」

楓「!?」

 

 私は迷いなくかえ君の手札を引いた

 

 引いたのはハートの2

 

 私はそろったカードを捨てた

 

七深「私の勝ち~。」

楓「はやっ!?」

 

 かえ君のジョーカーの位置は把握してたし

 

 勝つくらいはいつでも出来たんだよね~

 

 でも、罰ゲームを受け入れてくれるなんて、

 

 ラッキーだったよ~

 

七深「じゃあ、罰ゲームだね~。」

楓「仕方ないね。」

 

 かえ君は笑いながらそう言った

 

 さーて、なにしよっかな~

 

 と、私が考えてると

 

楓、七深「!」

 

 突然、部屋の電気が消えた

 

 どうやら、消灯時間みたい

 

七深「もうそんな時間なんだ~。」

楓「そうだね。もう、寝ないと。」

七深「うん~。」

 

 かえ君はそう言って、

 

 ベッドの方に歩いた

 

楓(さてと......)

七深「寝よっか~。」

楓「そうだね__って、何してるの?」

七深「いや~、一緒に寝ようと思って~。」

 

 そんな事を言う私を見て、

 

 かえ君は目に見えて困惑してる

 

楓「い、いや、それはまずくない?」

七深「大丈夫大丈夫~。見回りなんて来ないし~。」

楓(そう言う問題なのかな?)

 

 かえ君は少しだけ考える仕草を取って

 

 それから、こういった

 

楓「まぁ、広町さんがいいなら。」

七深「やった~。じゃあ、寝よっか~。」

 

 かえ君はそう言うと目を閉じた

 

 私はその顔を眺めてる

 

七深(あ~......///)

 

 すごく可愛い

 

 周りよりも幼さを残した顔

 

 いつもの癖なのか、サービスなのか

 

 私の方を向いて寝てくれてる

 

楓「......すぅ......」

七深(え、はやっ......)

 

 かえ君はベッドに入るとすぐに眠った

 

 なんだか、子供っぽいな~

 

七深(これを見てると、あの時の表情が嘘みたいだね~。)

 

 かえ君はきっと、心の強さがある

 

 いざとなれば、自分を顧みない

 

 絶対に他人を優先する、お人よし

 

 現代において、珍しい人間

 

七深(......だからこそ、利用されるかもしれない。)

 

 月ノ森にはお金持ちな生徒が揃ってる

 

 人によるのは当たり前だけど

 

 性格の悪い生徒がいるのも確かで

 

 もし、その生徒がかえ君に気付けば

 

 何かに利用されるかもしれない

 

七深「でも、大丈夫だよ、かえ君。」

 

 私はそう呟いて、かえ君の頭を撫でた

 

 なんだか、嬉しそうにしてる気がする

 

七深「広町が、何があっても守ってあげるからね~。」

 

 私はかえ君を抱き寄せた

 

 すごく胸がドキドキしてる

 

 胸らへんに顔あるし、かえ君に聞こえてないかな?

 

七深(好きだよ、かえ君......///)

 

 私は心の中でそう呟いて、瞳を閉じ

 

 ゆっくり眠りについた

__________________

 

 ”楓”

 

 今朝はかなり驚いた

 

 起きたら、広町さんに抱きしめられてて

 

 中々、離れられなかった

 

七深「~♪」

楓「どうしたの?」

 

 そんな事があったけど、

 

 僕たちは帰りの飛行機に乗り込んだ

 

 それで、さっきから広町さんの機嫌がいい

 

七深「なんでもないよ~♪」

楓「そう?」

七深「うん~♪」

 

 まぁ、嬉しそうにしてるしいいかな

 

 何かいいことがあったって事にしておこう

 

七深(これからの高校生活、楽しみだね~♪)

 

 こうして、僕の最初の行事

 

 オリエンテーションが終わった

 

 まだまだ、高校生活は始まったばかり

 

 取り合えず、頑張ろう

 

 

 

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