色の少年   作:火の車

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番外編:勘違いクリスマス

 “ましろ”

 

 あの日から、色々あった

 

 衛宮君に助けられて、更に好きになって

 

 告白しようと思ってってたら、あの事件が起きて

 

 いろんな苦難があったけど、私たちは全部乗り越えて

 

 私は今、衛宮君とお付き合いしています

 

ましろ「__うぅ......どうしよう......」

透子「し、シロー?どうしたー?」

 

 そんな私ですが、たった今、危機を迎えています

 

 終業式までの数日間、衛宮君と一緒に帰ってないんです

 

 メッセージの返信も遅くなってるし

 

 これは......

 

ましろ「衛宮君が、浮気してるかも......」

透子「ない。」

七深「ありえないね~。」

つくし「絶対に勘違いだよ。」

瑠唯「ないわね。」

ましろ「!?」

 

 皆にほぼ同じタイミングで否定されました

 

 いや、まぁ、そうだよね......

 

つくし「衛宮君がそんな器用なわけないじゃん。」

透子「それな。」

七深「浮気するにしてもこの4人以外にいないしね~。」

瑠唯「彼は誠実な人よ。そんなことはまずありえないわ。」

 

 うん、知ってた

 

 でも確かに、衛宮君が浮気って考え難いよね

 

 仮に本当にしてるとしても、ななみちゃんの言う通り、この中の誰かだろうし

 

ましろ「やっぱり、勘違いなのかなー......?」

瑠唯「100%そうよ。」

 

 衛宮君を信じたい気持ちはあるけど

 

 やっぱり、ちょっと不安になる

 

 こうも今までと違うことが起きると、ね......?

 

透子「にしても、あの衛宮が浮気ねー。」

ましろ「最近、メッセージの返信も10分以上かかってて......」

透子「......ん?」

ましろ「あ、お風呂の時とかは別だよ?でも、それ以外だったら5分以内には返信してくれてたのに......」

透子「いや、そうじゃなくてさ......うん?」

 

 もしかして、何かに巻き込まれてるんじゃ......

 

 浮気をしてないとしたら......

 

 もしかして、何らかの事件に巻き込まれてる!?

 

つくし「ね、ねぇ、他には?何かあるの?浮気したって思う理由。」

ましろ「えっとね、放課後、すぐに帰っちゃうの。」

つくし(あ、それっぽいの来た。)

ましろ「朝は毎日一緒なんだけど、帰りは私のクラスまで来て声をかけるだけで......」

つくし「......へ?」

 

 放課後、人気の少ない道で抱き着くのが楽しみだったのに......!

 

 偶に買い食いとかしてたのに

 

七深「し、しろちゃん~......?」

ましろ「それだけじゃなくて、最近はそわそわしてるし、携帯をよく見るし......やっぱり、浮気なんだぁ......」

瑠唯(......これは。)

透子、七深、つくし(ばっ、バカバカしい......!!)

 

 衛宮君が他の人を好きになったら......

 

 どうしよう、余裕で死ぬ自信ある......

 

透子(メッセージの返信とか、1時間空くとかザラにあるし。)

七深(かえ君、忙しくなったから、本来は一緒に帰れない日の方が多いはずなんだけど......)

つくし(最近ソワソワしてるのは、あれだからじゃ......)

瑠唯(携帯は......そういえば、前に......)

 

 こ、これは、そうだ......!

 

 浮気調査をしよう......!(思い切り〇)

 

 もし浮気してたら......すっごく怒るっ!(可愛さ〇)

 

ましろ「私、行くよ......!」

つくし「どこに!?」

ましろ「行ってきます......!」

 

 私は皆にそう言い残して、アトリエを出た

 

 すごく怖いけど......

 

 浮気調査、しよう......!

_____________________

 

 というわけで今、衛宮君を尾行しています

 

 今日は用事で学校に行ってた衛宮君

 

 今のところは学校を出て

 

 いつも通らない道を歩いています

 

ましろ(ど、どこに行くんだろう。)

 

透子(何してんだよ。)←心配でついてきた

つくし(大丈夫かなぁ......)←同じ

七深(面白そ~。)←面白そうだから来た

瑠唯(何をしてるのかしら。)←何となくついて来た

 

 衛宮君は大通りに行き

 

 その中にあるお店に入っていきました

 

 これはまさか、浮気相手と待ち合わせ!?

 

透子(買い物だろ。)

ましろ(と、とりあえず、私も行こう。)

 

 私は衛宮君の後ろをついて行った

 

 ここは、お人形屋さん?

 

 ま、まさか、ここに......!

 

楓「__あのー、今日予約していた衛宮です。」

お姉さん「はーい!準備できてますよー!」

楓「あっ、プレゼント用にラッピングってできますか?」

お姉さん「はーい♪彼女さんへのプレゼントですか~?」

楓「あ、あはは、まぁ、そんな感じです。」

 

ましろ(楽しそうに話してる......あれが浮気相手!?)

つくし(店員さんっ!!)

 

 あっ、商品貰ったらお店出て行った

 

 あの人は店員さんだ!(当たり前)

 

 じゃあ、浮気相手は他にいる!?

 

ましろ(と、とりあえず、着いていこう!)

 

透子(なんで気づかない......)

七深(これ、あれだよね~。)

つくし(ましろちゃん......)

瑠唯(何を遊んでいるのかしら。)

 

 この調子で、衛宮君を尾行しよう

 

 浮気相手見つけたらどうするか分からないけど......

_____________________

 

 あれから、衛宮君を尾行して色々な所に行った

 

 お花屋さんに行って造花を買ったり

 

 いつも通り、困ってるおばあさんを助けたり

 

 その他にもマフラーとか、手袋とか、スノードームとか買ってた

 

ましろ(う、うう浮気相手への貢ぎ物!?)

 

 こんなにたくさん買うなんて

 

 浮気相手は、すごく欲張りな人!?

 

 衛宮君に貢がせるなんて......!許せない......!

 

透子(ねぇ、ななみ。これさ。)

七深(うん、間違いないね。)

つくし(衛宮君......)

瑠唯(全く......)

 

 えっと、次は公園......?

 

 なんで、ここに?

 

楓「えっと......なんでみんな、つけてるんですか?」

ましろ、透子、七深、つくし、瑠唯「!?」

 

 衛宮君に声をかけられて、肩が跳ねた

 

 って、皆?

 

 え、なんで、いるの?

 

透子「あちゃー、バレてたかー。」

七深「いつから気づいてたの~?」

楓「お人形屋さん出たくらいから、かな?」

ましろ(そんなに前から!?)

楓「声をかけようと思ってたけど、倉田さんが頑張ってる色をしてたから、触れない方がいいのかなって。」

 

 は、恥ずかしい......っ

 

 私、気づかれてるのに尾行してたの!?

 

 声、かけてよぉ......

 

楓「それで、皆は何で僕をつけてたんですか?」

透子「いやー、シロが衛宮が浮気したーって言うから。」

瑠唯「尾行する倉田さんを尾行してたのよ。」

楓「えぇ!?浮気!?」

 

 衛宮君は驚いたような声を上げた

 

 あれ、この反応......

 

 まさか......

 

楓「そ、そんなことしてませんよ!?」

つくし「うん、知ってた。」

七深「だよね~。」

ましろ「皆気づいてたの!?」

透子「言ったじゃん!?」

 

 あ、そういえばそうだった

 

 私、また妄想で......?

 

楓「えっと、なんでそんな話に?」

透子「メッセージの返信が(ry」

つくし「放課後一緒に(ry」

七深「ソワソワ(ry」

瑠唯「......という理由よ。」

楓「あー......」

 

 衛宮君は納得したようにうなずいて

 

 そして、小さく笑った

 

楓「なるほど、そういうことかー。心配しないで、そういうことは全くないから。」

ましろ「じ、じゃあ、なんで?」

楓「えっと、理由はこれかな?」

 

 衛宮君はそう言い

 

 マフラー、エプロン、造花、スノードームを取り出した

 

 さっき買ったのだ

 

楓「これ、皆さんへのクリスマスプレゼントです!」

透子「おっ!さんきゅー!」

七深「ありがと~!」

つくし「綺麗だねー!ありがとう!」

瑠唯「ありがたく使わせてもらうわ。」

 

 衛宮君は、透子ちゃんにマフラー、つくしちゃんにスノードーム、ななみちゃんに造花、るいさんに手袋を渡した

 

 あー、クリスマスプレゼントかー......

 

 ......もしかして私、すごく恥ずかしい勘違いしちゃってた!?

 

ましろ「あ、あう......///」

つくし(ましろちゃん、恥ずかしすぎて、声出せなくなってる。)

楓「あはは、倉田さん。」

ましろ「は、はいっ///」

楓「この後、2人きりになれないかな?」

ましろ「い、いいよ///うん///」

 

 は、恥ずかしさで顔が見れない

 

 ど、どうしよう

 

 私、なんて言えばいいんだろう......

 

楓「じゃあ、僕たちは行きますね。」

透子「おう!」

つくし「頑張ってね!」

七深「また、面白いお話聞かせてね~。」

瑠唯「お幸せに。」

楓「じゃあ、行こうか。」

ましろ「う、うん......///」

 

 4人はそう言って笑いながら向こうに歩いていき

 

 私は衛宮君に手を取られ

 

 ゆっくり歩きだした

_____________________

 

 “楓”

 

 少しだけ歩き、公園の中にあるベンチに座った

 

 ここなら人通りも少ないし

 

 大丈夫、かな?

 

楓「えっと、まず、誤解を解いておくね?」

ましろ「う、うん///」

楓「まず、メッセージと放課後の件は、今日のために短期のバイトをしてたんだ。ケーキ屋さんで。」

ましろ「そ、そうだったんだ///それで......///」

 

 隠してた理由はサプライズしたかったからだけど

 

 やっぱり言った方がよかったかな?

 

 倉田さんに心配かけちゃったし

 

楓「心配かけちゃったみたいで、ごめんね。」

ましろ「わ、私こと、勘違いしちゃって、ごめんね......」

楓「それはまぁ、倉田さんの癖だからね。」

 

 空想に浸る癖は相変わらずだし

 

 僕はもう慣れたかな?

 

楓「まぁ、それで、倉田さんへのプレゼントだけど。」

ましろ「ひゃ、ひゃい!///」

楓「これ。」

 

 僕は倉田さんにプレゼントを渡した

 

ましろ「あ、開けていい?」

楓「うん。」

ましろ「__こ、これ......!///」

 

 倉田さんが袋を開けると

 

 バンドの衣装を着たミッシェル人形が出てきた

 

 これが、僕から倉田さんへのプレゼントだ

 

楓「あのお人形屋さん、オリジナルのお人形を作ってくれるんだ。それで、世界で一つの特別なものを渡そうと思って、先月くらいから準備してたんだ。」

ましろ「か、可愛い......!///衛宮君、ありがとう......!///」

楓「喜んでくれたみたいでよかった。」

 

 倉田さんから喜びの色が見える

 

 色々頑張った甲斐があった

 

 本当によかった

 

ましろ「ずっと大切にするねっ///」

楓「っ!......うん。」

 

 倉田さんは人形を胸元でギュッと抱きしめた

 

 その姿があまりにも可愛らしくて

 

 心臓が激しく動き出した

 

ましろ「......あっ。」

楓「ど、どうしたの?」

ましろ「わ、私、衛宮君へのプレゼント、用意するの忘れてた......」

楓「あ、あぁ、そういう。別に気にしなくていいよ?」

ましろ「だ、ダメだよ!それじゃあ、なんだか恋人っぽくない!」

楓「そ、そう、なの?」

 

 倉田さんは困ったような表情をしてる

 

 別に気にしなくてもいいんだけど......

 

ましろ「......ねぇ、衛宮君?///」

楓「?」

ましろ「その、私たち、お付き合いしてどのくらいかな......?///」

楓「えっと、1年と一か月くらいかな?」

 

 去年の11月28日から付き合い始めたし

 

 大体あってるね

 

 そっかぁ、もうそんなに経つんだぁ

 

ましろ「そっか、もう、1年......///」

楓「?」

ましろ「......じゃあ、そろそろ、時期なのかな?///」

楓「!」

 

 倉田さんの頭が僕の肩に乗った

 

 服越しにほんのり、彼女の体温を感じる

 

 すごく、温かい

 

ましろ「衛宮君......///」

楓「な、なに?」

 

 いつもよりねっとりとした、甘えるような声

 

 それが僕の耳元で発せられ

 

 心臓がさらに激しく動き始める

 

 倉田さんは何を言う気なんだ......?

 

ましろ「......今年のクリスマスプレゼントは......私、なんてどうかな......?///」

楓「え?__っ!!」

ましろ「んっ......♡」

 

 驚いて振り向いた瞬間

 

 視界が倉田さんで一杯になった

 

 唇には驚くほど柔らかい感触があって

 

 数秒して、キスされたということを理解した

 

ましろ「はぁ、はぁ......///」

楓「く、倉田さん......」

 

 倉田さんの頬が真っ赤に染まってる

 

 色も、今までに見たことがない感じだ

 

 ふやけてて、少しいつもよりも紅い

 

ましろ「......今日、お母さんとお父さん、家にいないんだ///」

楓「え、そ、そうなの?」

ましろ「だから、その......私のこと、貰って///」

楓「え、えっと、それは。」

ましろ「はいっ♡」

楓「!?」

 

 倉田さんの胸元に手を誘導された

 

 ドクンドクンと心臓が動いてるのを感じる

 

楓「あの、倉田さん......」

ましろ「......この気持ちは、勘違いじゃないからね♡」

楓「!!」

ましろ「行こ......?♡」

楓「......うん。」

 

 僕と倉田さんはベンチから立ち上がり

 

 そのまま、倉田さんの家に向かった

 

 その間、僕と倉田さんの間に会話はなかった

 

 けど、その分、手を繋いでいて

 

 すごく、幸せを感じた

 

 

 

 

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