色の少年   作:火の車

69 / 86
嫌な予感

 あの出来事から一週間が経った

 

 僕はまだ、夢見心地だ

 

 ここ数日、自分が自分じゃないような感覚だった

 

 まぁ、それも最近は落ち着いて来て

 

 ほとんど、いつもの日常に戻った

 

ましろ「衛宮君!今の歌、どうだった?」

楓「すごく良くなってると思うよ。最近は調子がいいね?」

ましろ「うん!衛宮君に喜んでほしいから!」

 

 倉田さんは最近絶好調だ

 

 声もよく通ってるし、色もいい

 

ましろ「あのね、衛宮君......///」

楓「どうしたの?」

ましろ「その、練習たくさん頑張ったから、なでなでしてほしいな......?///」

楓「ん?いいよ?」

 

 そう言って、倉田さんの頭に手を乗せた

 

 サラサラしてて、触り心地が良い

 

 なんで撫でて欲しいかは分からないけど

 

透子「おーい、そこの2人ー。イチャついてないでこっち来いよー。」

ましろ「い、イチャついてないよ......!///補給だから......(?)///」

七深「むぅ~......(2人、あのビッグイベントから進展してる~......!)」

 

楓「あっち行こうか。」

ましろ「あっ......」

楓「?」

ましろ「あ、なんでもないよ!行こ!」

 

 倉田さんはそう言い、皆が座ってるソファの方に行き

 

 僕もそれについて行った

 

楓「それで、皆さんはどんな話をしてたんですか?」

つくし「そうそう!もうすぐ体育祭だよ!」

透子「あっ!もうそんな時期かー!」

楓「生徒会でもそれについての会議しましたよ。」

つくし「え、そうなの!?」

 

 これは昨日の話で

 

 昨年のアンケートの結果を確認して

 

 今年の企画の案を出し合ったりした

 

瑠唯「まだまだアイデアを出し合ってる段階よ。」

楓「昨年までよりも良くしたいので、色々と考えてます!」

七深「そっか~!偉いね~!」

楓「?」

 

 広町さんはそう言いながら僕の頭を撫でた

 

 な、なんで撫でられてるんだろう?

 

 いや、別にいいんだけど

 

つくし「あ!ず、ずるい!」

透子「あたしらにも撫でさせろー!」

楓「え、あの__」

透子「す、すごい!」

つくし「わんちゃんみたい!」

ましろ「わっ......///」

 

 な、なぜか増えた

 

 なんで......?

 

瑠唯(......可愛いわ。)

楓(八潮さんまで!?)

透子「よし、そろそろやめるか。」

 

 桐ケ谷さんがそう言うと、4人も離れていった

 

 なんだか、変な時間だったなぁ

 

 まぁ、いいんだけどね?

 

透子「でさ、皆は競技何出る予定?」

つくし「私は走るのがいいな~。」

ましろ「私は余ったので......」

七深「なんでも~。」

瑠唯「私も特にこだわりはないわ。」

 

 皆はあんまり拘りない感じなんだ

 

 まぁ、皆はすごいからなぁ

 

 なんでも出来ちゃうんだ

 

つくし「衛宮君はどうするの?」

楓「あー......」

ましろ、透子、七深、つくし、瑠唯「?」

 

 皆の視線が集まってる

 

 そうだ、この事はまだ皆に言ってないんだ

 

 忘れてた

 

楓「僕、競技には出られないんだよね。」

七深「えぇ!?」

瑠唯「なにかあったの?」

楓「ドクターストップがかかってて。この前も先生に怒られまして......」

 

 先生、怒ると怖いんだよ......

 

 母さんが全く怒らない人だから

 

 先生に怒られた思い出の方が多いくらいだ

 

七深「そうなんだ~。残念~......」

ましろ「だ、大丈夫、なの?」

楓「大丈夫。一応だから。」

 

 出来るって言ったんだけど......

 

 まぁ、怒られたよね

 

 『君はたった50mを全力疾走するだけでも危険なんだよ?』

 

 って、すごいトーンで言われた

 

瑠唯「......」

ましろ「あんまり無理しないでね......?」

楓「う、うん。大丈夫だよ。」

透子「じゃ、衛宮は当日は実況な~。盛り上げてくれよ~?」

楓「えぇ!?いや、やる予定ですけど。」

透子、ましろ、つくし(やるんだ。)

 

 まぁ、出来ることがないからね

 

 自分なりの方法で参加しないと

 

 何もしないのはダメだからね

 

楓「あ、そろそろ練習再開じゃないかな?」

透子「お、そうだね!練習しよ!」

ましろ「うん......!」

七深「やろっか~。」

つくし「残りも頑張ろ!」

 

 “瑠唯”

 

瑠唯「......」

 

 最近、彼に違和感を感じている

 

 最初は、彼が入院した日

 

 彼はあれを軽い体調不良と言っていた

 

 けれど、あれはそういうレベルのものじゃない

 

 ただの体調不良であんなに大量の点滴は打たないはず

 

 それに、あの機械の数もすごかった

 

瑠唯(それに......)

 

 あの生徒会選挙

 

 あれも少し焦ってるように見えた

 

 いつもの彼らしくなかった

 

瑠唯(それらに加えて、今回のドクターストップ......まさか......)

 

 ......いえ、これは邪推ね

 

 彼が体調を崩しがちなのは分かってる

 

 私達とは体調不良の価値観が違う可能性は高い

 

 そう、思うけれど......

 

瑠唯(何なの、この寒気は......?)

 

 ちらっと向こうにいる彼を見る

 

 少しだけ、彼は周りに比べて色が薄い

 

 それで余計に不安になる

 

 彼に残された時間は少ないのか

 

 そもそも本当に生きているのか

 

 そんな邪推が頭の中を駆け巡る

 

楓「八潮さん?」

瑠唯「っ!ど、どうかしたのかしら。」

楓「いえ、ボーっとしてたみたいなので、大丈夫ですか?」

瑠唯「え、えぇ。」

楓「そうですか?なら、練習が始まるので行きましょう!」

瑠唯「!」

楓「わわっ!」

 

 向こうに歩いていく彼を抱きしめてしまった

 

 いや、抱き留めたというべきかもしれない

 

 どこかに消えてしまいそうな不安

 

 今の彼はそんな風に思わせる雰囲気を身に纏っているから

 

楓「ど、どうしたんですか?」

瑠唯「......いえ、なんでも。」

 

 大丈夫

 

 彼の心臓は少し早いけれど、正常に動いてる

 

 こうして触れることは出来る

 

瑠唯「ごめんなさい。何でもないわ。」

楓「そうですか?」

瑠唯「えぇ。」

楓「じ、じゃあ、いきましょう!(び、ビックリしたぁ。)」

 

 彼はそう言って、他の4人がいる方へ歩いていく

 

 今日の私はおかしいわね

 

 変なことばかり考えていないで、練習をしないと

 

瑠唯(すべて杞憂よ。そうに決まってるわ。)

 

 そう考えながら、私はバイオリンを手に取り

 

 自身の配置についた

 

 その後はいつも通り練習をこなし

 

 夜7時ごろに終了し、この日は解散した

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。