翌日の放課後
僕たちはいつも通り、空き教室に集まった
楓「__あっ。」
教室に来てすぐ、静かに扉が開いた
僕はそっちの方に目を向けた
楓「こんにちは、八潮さん!」
瑠唯「えぇ、ごきげんよう。衛宮君。」
透子(あたしらは無視か!)
八潮さんはいつもの凛とした表情をしてる
立ってる姿にすら品があって、
まるで、芸術品のようだ
七深「それが、バイオリン~?」
瑠唯「そうよ。」
つくし(あれ、いつもの八潮さん?)
ましろ(衛宮君と話してる時と雰囲気が違う?)
すごく高そうなケースだ
一体、あれはいくらするんだろう
......いや、考えるのはやめておこう
楓「バイオリンってどうやって弾くんですか?」
瑠唯「気になるなら見せるわ。自分のレベルを伝えると言う意味でも。」
八潮さんはそう言って、
ケースの中からバイオリンを出した
黒色の綺麗なバイオリン
なんだろう、すごく映える
瑠唯「それでは、始めるわよ。」
楓「頑張ってください!」
瑠唯「!......えぇ。」
八潮さんはバイオリンを弾き始めた
最近は弾いてないって聞いたけど、
ブランクを感じないすごい演奏だ
八潮さんの綺麗な色も相まって、
幻想的な風景が見えてくる
楓(すごいなぁ!)
瑠唯(目が輝いているわ。)
少しして、八潮さんの演奏が終わった
やっぱり、すごい人だ
あの色を持っているのも納得できる
七深「流石だね~。」
楓「うん、流石の演奏だと思う。色の輝きも強くて、周りの景色にすら影響を与えてたよ。」
ましろ「つまり、場を支配する演奏だったってこと......?」
楓「その解釈で間違いないよ。」
音で場を支配できるなんて、
普通の人じゃ絶対に出来ない
つくし「このバイオリンがあれば、いいバンドになれるよ!」
瑠唯「それでは、始めましょうか。」
透子「え?何を?」
瑠唯「練習よ。あの演奏では全く駄目だもの。」
楓「頑張ってね、5人とも。」
七深「うん!」
瑠唯「えぇ。」
ましろ、つくし、透子(やっぱり、この2人、衛宮(君)には甘い。)
そうして、5人の練習が集まった
八潮さんの音楽は超理詰めで
倉田さん、二葉さん、桐ケ谷さんは苦労してた
広町さんは当たり前のようについて行ってた
瑠唯「__こんなものね。」
透子「き、きっつ......」
ましろ「頭パンクしそう......」
つくし「八潮さん、厳しい......」
楓「お疲れ様。すごかったね、八潮さん。」
瑠唯「まだまだよ。もっとレベルを上げるわ。」
八潮さんは涼しい顔でバイオリンを片付けてる
やっぱり、この人はレベルが違う
でも、驚くことはしない
僕はもうわかり切ってるから
七深「かえ君もありがとうね~。飲み物買ってきてくれたり~。」
楓「出来る事がないからね。」
瑠唯「いえ、あなたの献身的なサポートはとても重要な要素だわ。もっと自分に自信を持ちなさい。」
七深「そうだよ~!かえ君は偉いんだよ~!」
八潮さんと広町さんはそう言ってきた
何故か、すごく褒められてる
これと言って何かしたわけじゃないんだけど
透子(なにこの扱いの差!?)
つくし(八潮さんの表情、少しだけ緩んでる......?)
ましろ(気持ちは分かるかも......)
それから、僕たちは教室を出て
鍵を返してから、校舎から出た
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校舎を出て僕達は門に向かって歩いてる
外はもう夕方だ、綺麗な夕日が見える
透子「__あー!疲れたー!虹行こ!虹!」
つくし「全然元気じゃない!」
ましろ「た、体力あるね......」
七深「私は良いよ~。」
瑠唯「私は遠慮しておくわ。」
八潮さんは予想通りかな
あまりこういうのに行くイメージがないし
家に帰って読書とか、勉強とかするのかな
瑠唯「衛宮君。」
楓「はい?」
瑠唯「この後、私とお茶でもどうかしら。」
七深「!?」
楓「え?」
僕は驚いて変な声を出してしまった
偶に、イメージと違う行動をしてくるな
透子「時間あるんじゃん、八潮!」
瑠唯「時間がないとは言ってないわ。」
透子「あ、確かに......」
つくし(え?それで納得するの?)
楓(うーん。)
どうしよう
折角のお誘いだけど......
楓「僕は、遠慮しておきます。」
瑠唯「......そう。」
楓「折角ですし、5人で行ってみてはどうでしょうか?コミュニケーションは必要でしょうし。」
僕はそう言って、断った
出来れば、4人と仲良くして欲しいし
あんまり、僕が邪魔をしちゃいけない
透子「そう言う意味なら、衛宮も来ないとでしょ!」
楓「え?」
透子「え?って、衛宮も仲間じゃん!一緒に行こ!」
つくし「そうだね!」
ましろ「うん、そうだよね。」
楓「そう言ってもらえるなら......」
瑠唯「それなら私も行くわ。」
透子(だから扱いの差!)
僕たちはそうして、
桐ケ谷さんの言う、虹(?)を飲みに行った
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楓「__う、うわぁ。」
虹を飲むの時点で飲み物とは分かってたけど
まさか、そのまま虹とは思わなかった
いや、これ、飲めるの?
瑠唯「......これは飲み物なの?」
透子「当り前じゃん!」
ましろ「確かに、最初は戸惑うよね。でも、味は普通だよ。」
楓「そ、そうなんだ。」
僕は恐る恐るそれに口をつけた
口の中に入ってきたのは普通のカフェラテだ
なんで、こんな色に......?
楓「ふ、普通だ。」
瑠唯「驚いたわ。」
ましろ「色が、これだもんね......」
つくし「倉田さんも、最初は飲めなかったもんね!」
七深「そうだね~。」
何と言うか、倉田さんにシンパシーを感じる
そう言えば倉田さんも外部生だったような
あ、だからか
楓「そう言えば、気になったんだけど。」
つくし「どうしたの?」
楓「いつも、練習してる曲があるけど、何か独自の曲を作ったりしないのかなって。」
透子「......それ。」
楓「!」
桐ケ谷さんが低い声を出した
え?何かまずいこと言っちゃったのかな
透子「めっちゃいいじゃん!ナイスアイディア!」
楓「!?」
つくし「月ノ森音楽祭もあるし、確かに欲しいよね!」
七深「でも、誰が作るの~?」
瑠唯「......作曲なら出来るわ。」
八潮さんが静かな声でそう言った
その声に皆反応した
楓「作曲も出来るんだ!すごいですね!」
瑠唯「任せなさい。」
つくし「じゃあ、後は歌詞だね!」
七深「折角だし~、皆で考えて案を持ちよるのはどう~?」
楓「いいと思うよ。面白そうだし。」
瑠唯「異論ないわ。」
透子「じゃあ、決まり!一週間後に歌詞発表ね!」
そうして、オリジナル曲作りが始まった
八潮さんの作曲にどんな歌詞が入るんだろう
僕はすごく楽しみに思った