いつも通りの学校のお昼休み
でも、いつも通りじゃない事がある
広町さんが職員室に呼びだされていない
つまり、僕は今、1人だ
楓(__やっぱり、綺麗だなぁ。)
暇になった僕は中庭を歩いてる
やっぱり、この学校は綺麗だ
校内で散歩が出来てしまう
楓(綺麗な花が咲いてるなー。)
ましろ「__うーん、歌詞かぁ......」
楓「ん?倉田さん?」
ましろ「あ、衛宮君......」
中庭を歩いてると、
困った表情の倉田さんを見かけた
物凄く唸ってる
楓「どうしたの?」
ましろ「いや、その、歌詞のことで困ってて......」
楓「話だけでも聞くよ。」
僕はそう言って倉田さんの横に座った
そして、倉田さんの方に目を向けた
楓「何で困ってるの?」
ましろ「歌詞の案が全然浮かばなくて......」
倉田さんは下を向きながらそう言った
桐ケ谷さんも少し困ってたし、
やっぱり、みんな苦戦してるんだ
ましろ「私、練習で足を引っ張ってるから、歌詞だけでも頑張らないと......」
楓(うーん、そんな事ないと思うけど。)
練習は一生懸命がんばってるし
歌も上手になって行ってる
足を引っ張ってると言う事は決してない
僕はそう思った
ましろ「何か、ヒントになるものでもあれば......」
楓「ヒントかぁ......うーん。」
ましろ(すごく、考えてくれてる?)
ヒントか
作詞してる人たちは何を考えてるんだろ
何をきっかけとして歌詞を考えるんだろう
楓「あっ、あれなんてどう?」
ましろ「どれ?」
楓「あの石碑に書いてる月ノ森の校訓。」
僕は石碑に書いてる文字を指さした
倉田さんはそっちに目を向けた
ましろ「『あなたの輝きが道を照らす。』......どういう意味だったかな......?」
楓「僕も分からないけど、何か素敵じゃない?」
ましろ「確かに、素敵な光景かも......」
倉田さんが妄想に浸ってるときの顔をしてる
一体、どんな世界を見てるんだろう
ましろ「なんだか、出来る気がしてきた。」
楓「良かった。」
ましろ「ありがとう、衛宮君。」
楓「いいよ。」
僕は花壇を見ながらそう答えた
どうやら、役に立てたみたいだ
迷いが少しだけ晴れた顔をしてる
楓「今の倉田さん、すごくいい色をしてる。きっと、いい歌詞が書けるよ。」
ましろ「うん!あ、今から書くから少し見てくれないかな......?」
楓「うん、いいよ。」
倉田さんはノートに歌詞を書き始めた
ずっと、浸った顔で文章を書いてて、
大丈夫かな?と思ったりもしたけど
ちゃんと書けてるみたいで、安心した
そして、しばらくして、倉田さんの顔が上がった
ましろ「ど、どうぞ......」
楓「うん、見せてもらうよ。」
僕は倉田さんからノートを受け取り、
書いてある文章に目を通した
楓「__!」
ましろ「!?」
楓(これは......)
ただただ驚いた
この短時間で歌詞を書いたこともだけど
内容の濃さというか、世界観と言うか
倉田さんの姿がはっきりと見えた
すごい表現力だ
楓「......すごい。」
ましろ「え?」
楓「すごいよ。今、僕にも倉田さんの世界が見えた。」
これは、もしかしなくても
そうなる未来が見えて来た
本当に楽しみになる
楓「僕、好きだよ。」
ましろ「え......!?///」
楓「この歌詞、すごく好き。」
ましろ「あ、そ、そっちか......///」
楓「ん?」
なんだろう、倉田さんの顔が赤いな
色も少しだけ揺れてるし
動揺してるのが見て取れる、のは僕だけかな?
楓「どうかした?」
ましろ「な、なんでもないよ......///」
楓「そう?」
ましろ「うん......///」
なんでもないなら、ないのかな
僕はそう思って、歌詞に目を戻した
ましろ(な、なんで、こんなにドキドキしてるんだろ......?///)
楓(これは、決まりかな。)
僕は小さく笑いながら
しばらく歌詞を眺めていた
__________________
2日後の放課後
今日は八潮さんの曲と歌詞を決める日
僕は教室の椅子に座って様子を見てる
瑠唯「__これが曲よ、衛宮君。」
透子「いや、一番に衛宮なのか。」
楓「な、何かごめんね?」
透子「いや、いーよ。衛宮は気にしなくて。」
楓「う、うん。」
僕は八潮さんが持ってきた曲を見た
なんというか、すごい
僕には全くできる気がしない
楓「やっぱりすごいや。流石です。」
瑠唯「当然よ。」
つくし(すごく嬉しそうだね、八潮さん。)
七深「それで、次は歌詞だね~。」
ましろ「!」
広町さんがそう言うと、
倉田さんの表情が変わった
かなり緊張した面持ちだ
楓「あの。」
七深「どうしたの~?」
楓「倉田さんの歌詞、見て欲しいんだ。」
瑠唯「倉田さんの?」
透子「これは、なーんかあるみたいだね。見してみ!」
ましろ「う、うん......」
倉田さんは鞄から歌詞を出した
そして、それを桐ケ谷さんに渡した
透子「__おぉ。」
七深「お~......」
つくし「!」
瑠唯(......なるほど。)
ましろ「やっぱり、よくないかな......」
楓「そんなことはないよ。」
ましろ「え?」
僕がそう言うと、倉田さんは首を傾げた
その瞬間、3人の声が上がった
つくし「すごい!」
透子「いいよ!これいいよ!」
ましろ「え?え?」
倉田さんが凄く慌ててる
自分に自信がないからこその反応だ
七深「私も、しろちゃんの歌詞、好きだよ。」
瑠唯「悪くない完成度だわ。」
楓「でしょ!本当にいいんだよ!何と言うか、倉田さんが見てる世界が見えてくるんだよ!」
七深、瑠唯(必死に説明してる、可愛い(わ)。)
やっぱり、倉田さんの歌詞は好評だと思った
不思議と心に響いてくるんだ
瑠唯「決定ね。歌詞は倉田さんに決定よ。」
ましろ「え?」
透子「異論なし!って感じ~!」
つくし「私も!」
七深「私も賛成~!」
ましろ「ほ、本当に......?」
楓「うん、本当だよ!」
倉田さんは信じられないと言う顔をしてる
その様子を見て、僕は見た
ましろ「えへへ、そっか......!」
平凡と言われた少女が、今
地から離れ、飛び立って行った
まるで、蝶のように
ましろ「やった、やったよ!衛宮君!///」
楓「うん、よかったね、倉田さん!」
七深(......あれ?)
瑠唯「......」
ん?なんだろう
何かすごい視線を感じる
気のせいかな?
七深(しろちゃんの匂いが......)
瑠唯(......被ってる気がするわ。)
ましろ「衛宮君......///」
楓「く、倉田さん?(何か、すごく近い気が......)」
気のせい、かな?
僕はそんな疑問を残しつつ、
その日の5人の練習を見てた
あのオリジナル曲、どんな風になるんだろう