卒業旅行に来たら異世界に召喚されました   作:岸雨 三月

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2章:あのモフモフを倒せなくてもパン焼きレベルは99―③

「ふわぁぁ……」

「よ、ようやくこれでテストも全部終わりですか……」

「疲れたー。こんなに時間かかるし色んなことをさせられるなんて思わなかったよ。こういうのって魔法とかで一発で分かるんじゃないのかよー」

 

何時間もかかったスキル測定が全て終わり、疲れた口調で口々に喋り始める三人。だがその時、試験官役の青山が不敵な笑みを浮かべながらこう言った。

 

「あらあら、これで終わりではないですよ。みなさんがどの職業に向いているか、それを調べるための適性テストがまだ終わっていません。これは実際にみなさんに色んな職業になってもらって試すしかないですね。さあさあ、転職の間へどうぞ、です」

 

「ラビットクロニクル」でもそうであったように、この世界での転職というのは職を司る女神に祈りを捧げることで簡単に出来るものらしい。今のチノはいかにも「ソーサラー」感のある魔法使いのローブ風の格好をしているが、祈りを捧げると自分の服が光に包まれ、一瞬にしてその職業にふさわしい格好に変化してしまうのには驚いた。

 

という訳で、青山の読み上げるリストに従い、次々と女神に祈りを捧げて新しい職業を試していくことになったのだが――

 

「ガンナー」

「二丁の拳銃を同時に操るのは私の器用度では難しそうですね……マヤさんはよくそんなことが出来ますね。それはそれとして、この衣装お腹がすーすーします」

 

「バーサーカー」

「う……ぐっ……ガントレットとレッグガードだけでも結構な重さがあるのに、さらにこんな斧を持つなんて……、メグさん凄いです。あとやっぱりお腹がすーすーします」

 

「踊り子」

「戦闘の役にあまり立ちそうにありませんが、これも冒険者の職業なんですか? そ、それにこんな大胆な衣装、私には似合わないです……」

 

チマメの三人は、ラクス・シャルキ(ベリーダンス)で着るようなアラビアンな踊り子衣装に着替えさせられていた。セパレートの衣装で、腰から下はスカーフを巻いている。頭からは体を覆えるくらい大きいショールをかぶっているが、布地が薄く肌が透けて見えるので、メグ以外の二人の起伏の無い体ですら煽情的に見せていた。

 

「チノさんに似合わないということは無いですが、この衣装はメグさんが一番似合っている気がしますね~」

「そ、そうかな~?」

(何でしょう、この衣装が似合うかどうか、イコール体が成長してるかどうかだと思うと複雑な気分に……というか薄々気付いていましたがメグさんいつの間にこんなナイスバディになってたんでしょう)

 

「では最後の職業行きますね。『遊び人』」

「それもはや職業でもなくないですか!?」

ツッコミながらもチノが祈りを捧げるとアラビアンな踊り子服が光に包まれて次の服に変化する。手品師の使うようなステッキにシルクハット、体のラインがはっきり出る白のレオタードと黒のタイツ。そして頭には大きなうさ耳――何と、チマメ隊の三人はバニーガールに変化した。

「なっ! 何ですかこの衣装!」

「面白れー、バニーガールなんて初めて着たよ!」

「私は元から生えてるうさ耳の上にさらにうさ耳ヘアバンドが着くからなんだかちょっと変な感じー」

「これ、遊び人というよりは、遊び人が好きそうな場所にいる人なのでは……? というかやっぱりどう考えても冒険者の格好じゃない……」

「まあまあ、良いじゃないですか。みなさんを楽しませたり、喜ばせたりする、心を潤すオアシス的な存在……遊び人だって立派な職業ですよ。こんな見目麗しい店員さんたちのいるお店、実際にあれば是非行って私も潤されてみたいです」

「あ、青山さん私の太ももを凝視するのはやめてください……それにこの格好で『他の人を喜ばせる』と言うと、何かいかがわしい意味に聞こえます」

バニーガールといい踊り子といい妙に露出度の高い路線の衣装が多かったですが、まさか単なる青山さんの趣味なのでは?――、そんな疑いがチノの中で頭をもたげてきていた。

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