ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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第10話 パツキン

 災難な日から少し経ち、今では3バカも授業を真面目に受けている。

 何があったのか分からないが、勉強を頑張ってやることはいいことだ。

 

(明日からテスト1週間前だしな。それにしても配られたテスト範囲のプリントが過去問の範囲と違うな。これは俺らを試してるのか?

 とりあえず、坂柳に昼休み会えるか聞いてみるか。他クラスがどうなのか知りたいしな)

 

 授業中は携帯を触れないので、休憩時間になってから坂柳に連絡をする。

 

『今日の昼休み空いているか?テストについて聞きたいことがあるんだが』

 

『私は構いませんよ。場所はどうしましょうか?』

 

『食堂で構わないか?』

 

『いいですよ。では後ほど』

 

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 昼休みに変わり、約束している場所である食堂へと向かう。

 いつも通り山菜定食を買って、定位置で待つこと5分ぐらい。

 坂柳が神室ともう1人、テニス部に行った時に見たことがあるパツキンの男を連れてやって来た。

 

「遅れてすみません。それで今回は何か用件でも?」

 

 そう言って3人は座る。

 俺の隣はパツキンの男で、俺の向かいに坂柳、その隣、パツキンの前が神室だ。

 

「本題に入る前に。この男は誰だ?」

 

 隣に座った男を親指で指して坂柳に聞く。

 

「紹介してませんでしたね。彼は橋本(はしもと)くんです」

 

「橋本正義(まさよし)だ。お前が黒瀬だよな?よろしくな。これから手伝うことがあれば手伝うぜ」

 

 坂柳に紹介され、こちらに手を差し伸べてくる橋本。

 

「それはありがたいな」

 

 そう言って差し出された手を握り返す。

 少しだけ、俺のコミュ力が高くなった気がする。

 

「それで今回呼んだ理由についてだが、今回の中間テストの範囲はどこまでだ?これに書いてほしいんだが」

 

 俺は内ポケットに入っている紙とペンを取り出し、それを坂柳に渡す。

 

「中間テストの範囲はここからここまでです」

 

 坂柳はそれを紙に書いて返してくる。

 どうやら、その範囲は過去問の範囲と同じようだ。

 

「この範囲のはずだよな。やはり俺のクラスがおかしいのか?」

 

「Dクラスではテスト範囲の変更について聞いていないのですか?」

 

「範囲の変更?担任はそんなこと言っていないぞ」

 

 もし範囲変更のことを俺が聞いていないだけだったとしても、平田あたりが休み時間にそのことを言及しているはずである。

 だが何もないのは、連絡がしっかり行きわたっていないということだ。

 

(俺らの担任、まじで何考えてやがる)

 

「それはおかしいですね」

 

「間違っているなら、今日の放課後にでも聞いてみるよ」

 

「意外と焦ってないのですね」

 

 坂柳が微笑みながらそう言ってくる。

 

「そこまで問題ないからな。問題があるとしたら、俺の参加してる勉強会に参加してない人ぐらいだ」

 

「何か対策でもしていたんですか?」

 

「単純に過去問を参考にした対策プリントを作って、勉強会に参加した人だけに配ったってだけだ。それに、範囲がもし変更されなくても付け足すだけでいけるからな」

 

「なるほど。その対策プリントを見せてもらってもよろしいですか?」

 

「いいぞ」

 

 俺はそのプリントを坂柳に渡す。

 こういうことも想定済みで、ここには無いがAクラス40人分の対策プリントを用意してある。

 

「確かに、これなら問題はありませんね」

 

「そういう事だ。もしいるなら、後で人数分あげるが」

 

「後ほどいる枚数を送りしますので、その分だけよろしくお願いしますね」

 

「上手くいけば、今回で坂柳派が増えるかもしれないな」

 

「そうですね。葛城くんが過去問の存在に気付いているとは思いませんから、数人がこちらに来るでしょう」

 

 その後雑談をしつつ、昼食を食べて別れた。

 もちろん、橋本とは連絡先を交換した。

 

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 放課後になり職員室に行こうと思ったら、櫛田が教壇に立ってテスト範囲が変更されたことをみんなに知らせる。

 それを聞いたほとんどの人が愚痴を言っている中、俺は気になることがあったので、綾小路のいるところへ行く。

 

「なあ、綾小路。あのファイルを開けることができたか?」

 

「いや、まだパスワードが分からくてな。それでパスワードでも教えてくれるのか?」

 

「分からないならそれでいい。中身については今から送る」

 

 携帯を取り出して過去問を綾小路に送る。

 

「これは過去問か?何で俺なんかにこれを渡すんだ?」

 

「有効活用してくれると思ったからだ」

 

「何を言っているのか分からないが、ありがたく貰っておく」

 

「そう言ってもらえて助かる。それじゃあな」

 

 綾小路から離れ、平田のところへ行き、勉強会の準備をする。

 

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 そしてテスト前日になり、櫛田が過去問をクラスメイトに配る。

 多分、綾小路が櫛田にでも言ったんだろう。

 今日は久しぶりに本城と帰ることにした。

 ほとんどテストの話だったが、聞いている感じだとテストの方は大丈夫そうだ。

 

(まあ、俺が願うことは1つだけ。3バカがいい点を取ってくれることだ)

 




主人公は堀北の勉強会に参加してないのでほとんど書くことがないですね。次で第1章(中間テストの部分)が終わると思います。
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