ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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第2章
第12話 新たな一面


 7月1日になる少し前。

 俺は放課後にバスケ部の練習に参加している。

 なぜ参加しているかというと、夏の大会が近づいているようで、バスケ部3年の先輩に練習相手になってほしいと言われたからだ。

 大会が近づくとどの部活もこんな感じで、練習相手になってほしいと連絡を貰う。

 特に夏は全国大会などがあるため、より一層数が多くなっている。

 まあ、ポイントを搔っ攫うだけで終わりっていうのも人としてどうかと思うので、こうやって参加しているのだ。 

 

(多少なりポイントは貰えるから、全然苦じゃないけどね)

 

 バスケ部に所属している1年Dクラスの生徒は須藤だけで、須藤はバスケ部1年の中でもずば抜けて上手い。確かレギュラー入りするとか何とか。

 そんな須藤が今日の部活終わりに、1年Cクラスの小宮と近藤に呼び出せれ、一緒に帰れなくなってしまった。

 1人で帰ってもいいのだが、俺はあえて須藤の跡をつけた。

 特別棟に入っていくのが見えたので、出入り口が見える場所に身を隠す。 

 

「何か、事件の匂いがする」

 

 数分して特別棟から須藤が出てくるのが見えた。

 だが小宮と近藤の姿が見えなかったので、もう少し待ってみると、凶悪な胸を持った女子が、特別棟から出てくるのが見えた。

 

(あれ、あんな女子が入ったところを見ていないような...。

 もしかして、須藤に告白しようとしたけど、接点がないから小宮と近藤を使って呼んでもらった。

 そして告白したけど、須藤はそれを断ってしまったとか。

 そうなると1年Cクラスの生徒である可能性が高くなるが、小宮と近藤が出てきていない。

 Cクラスの人なら、一緒に出てきていてもおかしくないはずだ。よって、Cクラスである可能性はほとんど無くなる。

 となると、あの女子は呼ばれた人間でも呼び出した人間でもないのか?たまたま特別棟にいた、ということか?)

 

「いや、考えすぎだ。それより、あの2人が出てこないな」 

 

 女子が出てきてから数分が経っているが、なかなか出てこない。

 俺が少しイライラし始めた時に、男3人が特別棟から出てきた。3人のうち2人は小宮と近藤で、何故か3人とも怪我をしていた。

 怪我をしたのなら保健室とか病院に向かうはずだが、あの3人は全く違う方向に向かっていた。方角的に、ケヤキモールのあるエリアだ。

 俺は気になったので3人の跡をつける。

 すると3人はカラオケ店に入っていくのを目撃する。

 俺もバレない距離を保ちつつ、店に入っていく。

 3人は迷わずある個室の中に入ったので、どうするかを考える。

 

(カラオケ店の個室に入るのは流石に...だが、怪我人を放置するのもなー...。

 ここで待つのは嫌だし、ここは入ってひと言だけ言っておくか)

 

 プライベート空間ではあるが、3人が入った個室のドアを開ける。

 開けた先にはCクラスの人らしき生徒が20人以上いた。

 あの3人組は何故かヤバそうな男の前で正座していて、それ以外は皆座っている。

 

(てかカラオケ店広すぎだろ。俺には一生縁がないと思うけど)

 

「誰だ、お前?」

 

 声のする方を見ると、いかにも喧嘩できますよって感じのヤバそうな男だった。

 おそらくこの集団のボスだろう。

 何かやばい場所に来た気がするのは、気のせいだろうか。

 

「あ、部屋を間違えました。それでは失礼────」

 

 ドアを閉めようとしたら、黒人の男がドアを押さえていて閉められなくなっていた。

 

「勝手に入って、勝手に出られるとでも思ってたのか?」

 

 すると黒人の男が片手で俺の胸ぐらを掴まれ、個室の中に放り投げられてしまう。

 それを見ていた一部から笑い声が聞こえる。

 

「誰だかわからねえが、この部屋に入ってきたってことは、分かってるよな?やれ、アルベルト」 

 

「OK,Boss」

 

 ボスの命令によって、アルベルトと呼ばれた男がこちらに向かってくる。

 それに対応するため立ち上がろうとした瞬間、男の右手が俺の顔目掛けて飛んできた。

 まわりの奴らは俺が殴られると思っただろう。

 しかし、それは現実にならなかった。

 

 俺は顔に触れる前に男の右手首を掴み、思いっきり引っ張る。

 その時に発生した力で立ち上がり、男はそれを想定していなかったのか、俺と入れ替わる形で前から倒れ込む。

 だが、想像以上に力を入れていたせいで、男は半回転してしまい尻もち程度のことで済んでしまった。

 

(相手が巨漢だし前から倒れたらいいなと思ってたけど、思った以上に力あったんだな、俺って)

 

 そんなことを思っていると、男の方はいつの間にか態勢を整えており、拳がこちらに飛んできている状態だった。

 

(もう少し時間が掛かると思っていたが、意外に機敏だな。だが、俺にとっては些細なことだが)

 

 俺は片手でそれを受け止め、空いた手で眼鏡を取る。

 そうしたら男はいきなり身震いを始め、後退りをしながらこう言う。

 

This is a God of death!Be killed!(こいつは死神だ!殺される!)

 

(死神、か。殺気を込めようと外したのに、込める前にそんなことを言われるとは...。流石に違うよな?)

 

 まさかと思いつつ、眼鏡をかけ直し周りを一瞥すると、数人が怯えている状態だった。

 

(え、そんなにヤバい?俺の裸眼)

 

 今の俺の目は、あの施設を出てから緋色に染まっており、それが嫌だったので本来の目の色である紫に変わるようにしているのだが、まさか赤い状態、裸眼の状態だと、視線に殺気が籠っているとは思ってもいなかった。

 

「クク。ただの雑魚かと思っていたが、こいつはおもししれぇ。俺が相手をしてやるよ」

 

 想定外のことで少し戸惑っていると、ボスと呼ばれた男は立ち上がり、こちらへと来る。

 

(喧嘩をしに来たんじゃないんだけど...)

 

 ボスは近寄ってきて、回し蹴りを腰あたりに狙って繰り出してきた。

 いきなりのことに避けることも考えたが、ここは前に進むことにする。

 

「なに!?」

 

 そうすることで簡単に懐に入れたので、男のこめかみを両手の手根部で意識を刈り取るぐらいの力で挟む。

 案の定、こめかみを打撃したことで脳震盪が起こり、男は後ろから倒れる。

 これでまだ立っていたら、そいつは歴戦の戦士ぐらいだろう。

 ボスを片付け周りを見渡すと、皆が唖然としている。

 

(それはそうだろうな。自分たちとほとんど変わらない体格の男が、それよりもでかい男を怯えさせて、尚且つボスを倒しちゃったんだから。

 あれ?俺って喧嘩じゃなくて結局、何をするためにここに来たんだっけ...?)

 

「あー、とりあえずすみません。それでは失礼しました」

 

 これ以上居座ると、面倒なことになりそうだったので、足早にこの場を後にした。




手根部は手のひらにある部分だそうです。(手のひらの付け根あたりを医学的に言うと)
間違っていたら申し訳ないです。

3章(よう実3巻目)でオリ主のクラスをどうするか悩んでいるのでアンケートをとります(4つともの場合、A,B,Cクラスのは外伝みたいなので出すと思います)

  • このままDクラスで
  • Cクラスで
  • Bクラスで
  • Aクラスで
  • 4つともで
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