ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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第19話 影の薄さ

 須藤とCクラスの話し合いまであと1日。

 俺は朝から、下駄箱から少し先にある階段の踊り場の掲示板を見ていた。

 掲示板には須藤とCクラスに関係する情報を持つ生徒を募集する貼り紙があり、それに目を奪われたのだ。

 感じからすると、これを作成したのはDクラスの生徒ではなく他クラスの生徒のような気がする。

 その貼り紙を見ていると横から声がした。

 

「これは────」

 

 そのことに内心ビックリし、声がした方を見ると綾小路がいた。

 

「おはよう、綾小路」

 

「黒瀬か、おはよう」

 

(俺って、自分から声をかけないと気付かれほど影が薄いのか...)

 

「おはよー綾小路くん、黒瀬くんっ」

 

 貼り紙に引き寄せられた俺たちに声をかけたのは、後ろから通学してきた一之瀬だった。

 

(俺の影が薄くなくてよかった...)

 

「今貼り紙を見てた。もしかしてこれは一之瀬が?」

 

 綾小路にはこの貼り紙を貼ったのが、一之瀬だと思うところがあるらしい。

 

「へえ。なるほどなるほど。こういう手もありだねえ」

 

「え?一之瀬じゃなかったのか」

 

 どうやらこの貼り紙を貼ったのは一之瀬じゃないようだ。

 

(一之瀬の他に、この貼り紙を貼りそうなのは誰だ?)

 

「これは多分────あ、いたいた。おはよう神崎(かんざき)くん」

 

 一之瀬が手を挙げて、1人の男子生徒を呼び止めた。

 それに気付いた男子生徒は静かにこちらへ近づいてくる。

 

(なかなかイケメンですな)

 

「この貼り紙、神崎くんだよね?」

 

「ああ。金曜日のうちに用意して貼っておいた。それがどうかしたのか?」

 

「ううん、彼が誰がやったのか知りたがっていたから。あ、紹介するね。Bクラスの神崎くん。こっちはDクラスの綾小路くんと黒瀬くんだよ」

 

「神崎だ、よろしく」

 

 綾小路に手を差し出し握手したあと、俺にも手を差し出してきたのでその手を取る。

 

「どう神崎くん。有力な情報はあった?」

 

「残念ながら使い物になりそうな情報は無かった」

 

「そっか。じゃあこっちも例の掲示板見てみるね」

 

(例の掲示板?裏掲示板みたいなやばいやつか?)

 

「掲示板?他にも貼り紙を?」

 

「学校のHP見たことあるかな?そこに掲示板があるんだけどね、そこで情報提供を呼び掛けてるの。学校での暴力事件について目撃者がいれば話を聞かせて貰いたいってね」

 

 そう言って一之瀬はこちらに携帯画面を見せてくれた。

 例の掲示板と言われこの裏サイトのようなものかと思ったが、普通の掲示板のようだ。

 

「あ、ポイントのことなら気にしないで。私たちが勝手にやってることだから。それに今の手ごたえだとちょっと新しい情報は難しいかもね・・・・・・あ」

 

「どうした」

 

「書き込み、2件ほどメール来てるみたい。少し情報があるって」

 

 一之瀬は視線を携帯に移しメールを確認する。

 そして読み終えたのか少し笑みこぼす。

 

「こんな感じなんだけど」

 

 気になる情報があったのか、こちらに見えるように携帯を傾ける。

 

「例のCクラスの1人、石崎(いしざき)くんは中学時代相当な悪だったみたい。喧嘩の腕も結構立つらしくて地元じゃ恐れられてたんだって。同郷の子からのリークかな」

 

「興味深いな」

 

(確かに興味深い。喧嘩慣れしてるやつが普通、一方的にやられるか?)

 

 そのあと、目撃者の話や綾小路が一之瀬にポイントの譲渡のやり方(一之瀬と綾小路の距離がめちゃくちゃ近かった)や神崎と連絡先の交換があった。

 そして教室へ行く前に、俺は一之瀬に聞いてみることにした。

 

「一之瀬、なぜお前が目撃者のことを知ってるんだ?」

 

 俺は前に一之瀬に会ったときに目撃者の話をしていない。

 堀北と話したと言っていたが、堀北が初めて会ったやつに目撃者の話をするはずがない。

 それに櫛田や平田は交友があると思うが、あの2人が誰かに内部情報を渡すマネはしないだろう。

 なら、なぜ一之瀬は目撃者がDクラスにいることが分かるのか。

 あり得るとしたらBクラスがDクラスに協力してくれているぐらいだろう。

 

「もしかして聞いてなかった?DクラスにBクラスが協力するって話」

 

(初耳です。まあ、協力してくれるならそれでいいんだがな)

 

「初耳だが、それはありがたいことだな」

 

「ありがとうね。それじゃあ行こっか」

 

「ああ」

 

「そうだな」

 

 一之瀬と神崎と別れ、綾小路と一緒に教室に向かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 ホームルームを終え、茶柱先生が出ていくと、そのあとを追うように櫛田と綾小路と佐倉が出て行った。

 おそらく目撃者の件についてだろう。

 話し終えたのか3人が教室に戻ってきて、堀北と何かの話をし始めた。

 それを横目で見ていると堀北に呼ばれた。

 

「黒瀬くん、あなたに私と一緒に話し合いの場に出席してもらえないかしら?」

 

(開口1番がそれですかい。

 参加しても特に問題はないが、なぜ俺なのかが気になるところだな。モチベーションにも繋がるし)

 

「なぜ俺なんだ?こういった時は、俺よりも平田や櫛田に同行してもらった方がいいと思うんだが」

 

「不服だけれど、あなたがこのクラスで1番優秀な生徒なの。こういった場面では彼らよりもあなたの方が、賢い判断が出来ると思ったからよ」

 

(そんな理由か。少し期待はしたが、残念としか言いようがないな)

 

 賢いという理由以外にも何かがあれば参加は考えたものだが、それだけなら俺なんかよりも平田や櫛田を選んでいる方が賢明と言える。

 話し合いは賢さだけが強さではなく、どれだけ場数をこなしているかが鍵になってくる。

 それが堀北に分かるとは思わないが。

 

「そうか。なら俺は出席しない」

 

「あなたは須藤くんを助けたいとは思わないの?」

 

「おい、黒瀬!俺を助けたくないってどういうことだよ!」

 

 そんな会話を近くで聞き耳を立てていた須藤が割り込んできた。

 妄言でしかないその言葉に呆れながらも応える。

 

「俺は一度もそんなことを言ってない」

 

「いいえ、遠回しにそう言ったのと何ら変わりないのよ」

 

「俺は選ばれた理由に納得がいかないだけだ。理由次第では参加しようと思っていたがな」

 

「そのあなたが納得のいく理由を教えてもらえないかしら?」

 

 自分で考えることすらせずに答えを聞こうとするなど言語道断。

 その程度の人間と一緒に出席するなんて負け戦でしかない。

 

「その理由を考えるのがお前の仕事じゃないのか?」

 

「そう。それなら、これからはあなたにもう何も頼まないことにするわ。席に戻ってもいいわよ」

 

「分かった」

 

 自席に戻る途中、後ろから須藤たちの声が聞こえてくる。

 

「大丈夫なのかよ堀北!あいつがいなかったら、俺が助からねえかもしれねえんだぞ」

 

「大丈夫よ・・・・・・綾小路くん、あなたが彼の代わりに出席してもらうわよ」

 

(頑張れ、綾小路)




次の話で審議が始まります(主人公は参加しないよ)

3章(よう実3巻目)でオリ主のクラスをどうするか悩んでいるのでアンケートをとります(4つともの場合、A,B,Cクラスのは外伝みたいなので出すと思います)

  • このままDクラスで
  • Cクラスで
  • Bクラスで
  • Aクラスで
  • 4つともで
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