ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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第25話 楽園

 無人島生活2日目、俺はまだ朝日が昇る前に起きてしまった。理由は簡単。

 それは...

 

(テントの中が狭い!そして臭い!)

 

 狭くて臭い、俺にとってこんな中で寝るぐらいなら木の上で寝る方がマシである。

 次からは外で寝るかと思いつつ、テントの外に出る。

 外はまだ日が昇っていないので暗く、空にはいい星空が見えている。

 

(俺にとって暗いのは障害にもならんわ)

 

 とりあえず、自分から1番近くて頑丈そうな木を選び、その木の枝でもう1度寝ようとした。

 だがしかし、

 

(今って、他クラスを監視するチャンスなんじゃ...)

 

 と思ってしまった。思ったのなら即行動。

 眠ろうとしていた体を起こし、鞄を持って移動を開始する。

 今回の移動方法は、ジャパニーズアニメの忍者のように木々の上を跳んで移動しようと思っている。

 

(これをマスターすれば素早く島を移動でき、尚且つ手に負担がかからない)

 

 そんな移動方法に悪戦苦闘しつつBクラスの拠点を探すために、まずAクラスの拠点を目指す。

 そこから昨日一之瀬と神崎が去った方角に進むためだ。

 数分ほどでAクラスの拠点に着き、そこからは徒歩でBクラスの拠点に向かうことにした。

 徒歩は徒歩で時間をかなり消費してしまうが、かなりいいものだなと思いながら歩いているとハンモックがあるのを見つける。

 どうやら、Bクラスの拠点に着いたようだ。

 無断で立ち入るのは少し気が引けるので、近くの木の下に腰を下ろすことにした。

 それから数分後、俺は目を閉じ動かなくなったのであった...。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「────瀬くん、黒瀬くん」

 

 誰かに名前を呼びながら体を揺らされ、俺はゆっくりと目を開ける。

 そして声のする方を見ると七詩がいた。

 

(新手のモーニングコールかな?)

 

「起きないと点呼に遅れるよ」

 

「マジで!?」

 

 点呼という言葉で反射的に脳が起きて声を出してしまう俺氏。

 

「本当だよ。心配なら自分の腕時計を確認して」

 

 言われた通り自分の腕時計で時間を確認する。

 現時刻7時50分。

 

(や、やべえ。点呼に遅れたら、クラスメイトに怒られてしまう...)

 

「七詩、ここからDクラスのキャンプ地の方角が分かるか?」

 

「私は知らないよ」

 

「そうか」

 

 俺はDクラスの拠点を確認するために、地面にかなり簡略した地図を書く。

 Dクラスの拠点の場所にマル印をし、そこからAクラスの拠点の場所に印をつける。

 そこからBクラスの拠点のある方向に線を引き、おおよその場所に印をつけ、Dクラスの印と結ぶ。

 これでDクラスの拠点の方角はおおよそだが分かった。

 

「今からDクラスの場所に戻るよ。起こしてくれてありがとうな」

 

「全然大丈夫だよ。黒瀬くんにはあの時の借りがあるからね。それに、黒瀬くんの寝顔が見れたし

 

 最後の言葉をもじもじしながら濁す七詩に戸惑ってしまうが、早くしなければ点呼に遅れてしまう。

 

「お、おう。それじゃあな」

 

「またね」

 

 七詩と別れてから7分後、Dクラスの拠点に着くことが出来た。

 ごまかすために首にタオルをぶら下げ、あたかも顔をを洗いに行っていたように見せる。

 

「黒瀬くん。君はどこにいたんだい?」

 

 川の上流から来た俺の存在に気付いた平田がこちらへ向かってくる。

 

「朝早くに起きたから上流の方に行って顔を洗ってたんだよ。そのあとボーっとしてたら、こんな時間になってしまった。すまないな」

 

「それならいいけど・・・・・・」

 

(平田はいい奴だな。それに比べて他のやつは睨んでくるなんて。悲しくなっちゃう)

 

 朝の点呼を無事に終えて、俺は平田の元に行く。

 

「平田、今から単独行動をしたいんだがいいか?」

 

「いいよ。気────」

 

「平田く~ん。あたしたちに手伝えることある?」

 

 どうやら、クラスの手伝いをしたいやつら(ほとんど女子)が平田のところに集まってきたようだ。

 そんな平田に向けてサムズアップをして森に入ろうとしたら、

 

「何だよおまえら!」

 

 突然池が声を上げたのでそちらを見ると、そこには他クラスのやつがいた。

 

(たしか暴力事件の時のやつだった気が...)

 

「いやー随分と質素な生活してんだなDクラスは。さすが不良品クラス」

 

 2人は手にしてるポテチを頬張りながら、ペットボトルをあおる。

 

「朝は何食ったんだ?草か?それとも虫か?ほら、スナック菓子でも食えよ」

 

 そう言ってポテチを1枚取り出し、詰め寄ってきた池の足元に放り投げた。

 

「龍園さんからの伝言だ。夏休みを満喫したかったら今すぐ浜辺に来いってよ。遠慮せず来たほうがいいぜ。このバカみたいなせい────」

 

「その浜辺っていうのがどこにあるのか教えてくれよ。Cクラスのおふた方」

 

 ちょうどいい所に龍園まで案内してくれそうだったので、2人の挑発に乗る。

 

「あ、ああ。いいぜ。ついて来いよ」

 

「おい黒瀬!もしかしてお前、この生活がバカみたいに思えてきたのか!?」

 

 Cクラスの2人についていこうと思ったら池に止められる。

 

(あの池がこんなに成長したなんて・・・・・・泣けるぜ)

 

「それは違うぞ池。俺はただCクラスがどんな生活をしているのか気になったから見に行きたいだけだ」

 

「そ、それならいいけどよ・・・・・・。裏切ったらまじで怒るからな」

 

「それぐらい分かってるよ」

 

 池に軽く手を振って、Cクラスの2人についていく。

 しばらくして茂みを抜けると、そこには浜辺がありCクラスの生徒が遊んでいた。

 

(これが龍園のやり方か。かなり豪遊してるな)

 

 見た感じ150ポイント以上は消費しているだろう。

 それらを一瞥し俺はチェアーに寝そべっている龍園に近づく。

 

「よう龍園、かなり楽しんでるんだな」

 

「何だお前か。随分と俺を探したらしいな」

 

「お前に用があってな。Aクラスとどんな契約を結んだんだ?」

 

「それをどこで聞いた?」

 

(ガチトーンで言わないでくださいよ。怖いじゃないですか)

 

 契約のことを口にするとほくそ笑んでいた顔から一変、こちらを睨めつける形に変わる。

 俺はそれに臆することなく会話を続ける。

 

「Aクラスの生徒が話してるのを聞いてな。その時にそいつらが話してたんだよ。Cクラスと契約を結んだって」

 

「そうか。俺は確かにAクラスと契約を結んだ。だが内容は教えられないな」

 

「俺が知りたいのはその契約でAクラスのポイントがどうなるかだ」

 

「それぐらいならいいぜ。俺の計画では最終日、あいつらのポイントは初日と変わらない」

 

(初日と変わらない?

 ということはCクラスがAクラスのリーダーを当て、ボーナスポイントを無くしてAクラスは-50。

 そして、AクラスはDクラスにいるCクラスの生徒、伊吹によってリーダーを教えてもらい減らされたポイントを0にするってことか。

 なら生活に必要なポイントが0な理由は?契約で物資を支援するってことか?

 そうなると、Cクラスにはデメリットしかない。

 物資を渡して、Dクラスのリーダーを教える。BクラスとAクラスとの差が開くだけのはず。

 もしかしてプライベートポイントが絡んでいる?

 それなら、契約をしてもおかしくなさそうだな)

 

「・・・契約内容は、CクラスはDクラスのリーダーをAクラスに教えて、物資を渡す。AクラスはCクラスにプライベートポイントを渡すってことだろ?」

 

「よくそこまで分かったな。そうなるとお前の評価を改めないといかねえ」

 

 どうやら俺の考察は合っていたらしい。

 

(そうなるとこの契約も利用し甲斐があるな。Aクラスの使用するポイントが0なのは辛いが)

 

 この契約で上手くDクラスのリーダーを操作すれば、Cクラスが誤ったリーダーをAクラスに教えダメージを与えることが出来る。

 予期せぬ産物を手に入れたが、本命は別件なのでそちらの話をする。

 

「まあ、お前に頼みたいのはAクラスのリーダー当てだ。今のところ、Aクラスのリーダーかと思われる人物は弥彦って男だ」

 

「葛城の腰巾着か。それなら納得がいくぜ」

 

(葛城は拠点からして保守的な考えを持っている。だからまず、坂柳派のやつにリーダーを任せない。

 そうなると葛城派の誰かになるが、1番信頼を置けるのは葛城のよく隣にいるやつのはずだ。

 龍園が弥彦のことを「葛城の腰巾着」って言ったということは、よく隣にいるのは弥彦ってことか)

 

 名前ばかり知らされるが相手の顔が全く分からない状態なのは依然として変わらず。

 顔が分からない程度で今回の試験には支障がないが、今後の試験によってはそれが必要な材料になってくると考えると、やはり相手の顔を拝みたいものである。

 

「・・・・・・お前のおかげでいろいろと分かった。そうなるとお礼をしたいが・・・・・・」

 

「お前もプライベートポイントを払うか?少し安くしてやるぜ」

 

「それは遠慮しとく。そうだな・・・・・・龍園。海の幸を食べたいか?」

 

 俺たちがいるのは無人島で海の上にあるのだ。

 それもここは浜辺。目の前には海があるのだから、簡単に潜って海の幸を取れるだろう。

 

「そういえば肉ばっかりで食べてなかったな」

 

(健康に悪いものばっかりかよ)

 

「なら、お礼として海の幸をご馳走してやるよ」

 

「その海の幸ってのはどこにあるんだ?」

 

「そんなの今から捕ってくるのに決まってるだろ」

 

 海に向かって指を指しながら言う。

 

「クハッ。いいぜ、それで手を打ってやる。おい、アルベルト。こいつの手伝いをしてやれ」

 

「OK.BOSS」

 

 龍園に命令されて、近くにいたアルベルトがこちらに来る。

 

「よろしくな」

 

 俺はアルベルトに手を差し出す。

 アルベルトは返事をしなかったが差し出した手を握ってくれた。

 そうなると、まずは海に入る前の準備が必要だ。

 

「アルベルト、俺は銛を作るからその間、捕まえたやつをすぐに焼けるように準備してくれ」

 

 折角、海が近くにあるのに準備で時間をとられてしまい、鮮度が落ちるのでは意味がない。

 その準備をアルベルトに頼み、俺は銛を作る材料を見つけるため森の中に入る。

 そこで俺の身長ぐらいで丈夫そうな木の枝を手に取り、手ごろな石を3つぐらい持ちツタを採る。

 浜に戻ろうとしたら、さっきの場所で龍園と堀北達が話していたので森の中で作業を開始する。

 

 まず、石同士を打ち付けて、簡易刃物を2つ作る。

 この時に返しをしっかり作らないと魚に逃げられてしまうので注意。

 作れた刃物を枝の先端にツタで括ってお手製銛2つの完成。

 

 出来た銛を持って浜の方を見ると、堀北達はもう帰るようだ。

 堀北達が去ったのを確認してアルベルトのところに行こうとしたら、誰かに襟を掴まれた。

 恐る恐る後ろを見ると、綾小路がいた。

 

(怖えよ)

 

「ここで何をしている」

 

「情報を教えてもらったから、そのお礼に海の幸をご馳走しようと思ったんだ。そして今はその準備をしている」

 

 そう説明すると襟から手が離れる。

 

「はあ。紛らわしいことをやらないでくれ。お前がCクラスに寝返ったのかと思ったぞ」

 

 どうやら俺がCクラスに協力していると思われたようだ。

 

「それはすまん。今日教えてもらった情報はあとで教える」

 

「分かった」

 

 そう言って綾小路は森へと消えていった。

 

(脳内メモに綾小路は心臓に悪いって書いとこ)

 

 浜辺で準備を終えているアルベルトと合流し、海に入るためCクラスのテントを借りて2人とも水着姿になった。

 

(あとは捕ったのを入れるものが必要だな)

 

 海に潜って獲物を捕ったのにそれを入れるものがなければ、わざわざここに戻って来てからもう一度海に入ることになる。

 そうなると捕ったものを入れるものが欲しいのだが、生憎とここには1番便利な網袋がない。

 使えそうなものを探していると、テント近くにクーラーボックスを見つけた。

 

「龍園、クーラーボックスを1つ貸してくれないか?捕ったのを入れるために使いたいんだが」

 

「いいぜ。その代わり美味いのを捕ってこいよ」

 

「分かってるよ」

 

 龍園に許可を貰い、使うクーラーボックスの中身を他のクーラーボックスに移動させていると、後ろから声をかけられた。

 

「何をしているんですか?」

 

 俺は声がした方を向き、相手の方を見る。

 そこにいたのはCクラスの女子で、俺がクーラーボックスを漁っているのが気になったのだろう。

 

「海で捕ったのを入れるためクーラーボックスの中身を他のに入れてるところだよ」

 

「私もあなたが海で捕ったものを食べてもいいですか?」

 

「いいぞ」

 

「ありがとうございます。あ、自己紹介が遅れました。私は椎名(しいな)ひよりと言います。あなたは見た感じ、Cクラスの人じゃないと思うのですが」

 

「俺はDクラスの黒瀬神威だ。よろしくな、椎名」

 

「よろしくお願いします、黒瀬くん」

 

 話している間にクーラーボックスの中身は空になり、それを持ってアルベルトのところへ行く。

 アルベルトに水上バイクがあるところまで案内され、俺たちはそれに乗る。

 どうやら水上バイクを貸してくれるらしく、アルベルトがその運転してくれるそうだ。

 水上バイクで浜から少し離れたところまで行き、アルベルトにクーラーボックスを渡してから海の中に入る。

 海底まではだいたい10mぐらいで、海はかなりキレイでだいぶ見渡しがいい。

 

 俺はまず、魚を狙うために岩場のポイントを目指す。

 だがその途中でイシダイを見つけたので、左手で銛を構え、射程圏内に入ったところで銛を投げる。

 銛はイシダイのエラの部分に命中し、それを食らったイシダイは海面に浮上を始める。

 俺はイシダイを突き刺した銛を掴んでアルベルトのところに戻り、イシダイをクーラーボックスに入れる。

 そしてもう1度潜り獲物を探すのであった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 時刻はちょうど昼の時刻。

 その頃Cクラスは海の幸を堪能していた。

 

「このアワビうめぇ」

 

「こっちのサザエもいいね」

 

「カメノテって見た目あれだけど、茹でると美味しいね」

 

「このイシダイの刺身美味すぎる」

 

 この海の幸は全て俺が捕ったものであり、Cクラスの人が思っている彼の印象は、龍園を倒したやばい奴からすごく良い奴に変わったことを本人は知らない。

 

「大成功だな」

 

 俺はバーベキューコンロの前で捕ってきたのを調理している。

 捕れたものの種類は少ないが、量はかなりある。

 なので、ここにいるCクラスの人にどんどん食べていってもらっている状態だ。

 

「黒瀬くん、イシダイの刺身はまだですか?」

 

「もう無くなったのか?」

 

「ええ、このとおり」

 

 先ほどまで刺身があった皿は上に盛られていたものがなくなっていた。

 

「黒瀬さん!俺が手伝えることがあったら、手伝いますので!」

 

 そんなことを石崎(いしざき)が目をキラキラさせながら言ってくる。

 何故か分からないが、接点など皆無な石崎からさん付けで呼ばれている。

 

(本当、浜に戻ったら「黒瀬さん!」なんて言われた時はびっくりした。それも名前も知らない人から)

 

「なら、カメノテが入った鍋を見てくれないか?」

 

「分かりました!」

 

「クク、お前も隅に置けねえな」

 

 炭火で焼いたサザエを食べながらこちらへ来た龍園がそう言う。

 

「お前にやるサザエを無くすぞ」

 

「それは勘弁してほしいぜ」

 

「なら黙っていてくれ。アルベルト、石崎を見てやってくれ」

 

「OK. Emperor」

 

「俺は皇帝じゃない、訂正してくれ」

 

「OK. God of death」

 

「俺は死神じゃない、人だ!」

 

 そんなやり取りを俺とアルベルトが繰り広げている時、少し離れたところで椎名と龍園は何かの話をしていた。

 それを聞けるほどの耳は持っておらず内容は全く分からない。

 そうしている間に、いつの間にか動いていた腕が刺身の準備を終わらせていたので椎名を呼ぶ。

 

「椎名、石崎の刺身ができたぞ」

 

「分かりました」

 

「いや、俺は刺身じゃないですよ?!黒瀬さーん!」

 




「OK. God of death」

「俺は死神じゃない、人だ!」

 そんなやり取りを繰り広げる2人とは少し離れたところで、椎名と龍園は話していた。

「ふふふっ、無人島と聞いて気分があまり良くなかったですが、今日は楽しいです。これも彼のおかげですね」

「ククク、そうだな」

「彼が同じクラスだったら毎日楽しいでしょうね」

「なら、黒瀬をCクラスに入れることを視野に入れておくか。あいつをDクラスに置いておくのはもったいねえ」

「ほ、本当ですか!?龍園さん!」

「ああ。だが、どうするかを決めるのはあいつだ。俺の予想じゃ、あいつは既にクラス替えが出来るほどのポイントを集めている」

「2000万ポイントですか・・・・・・。他クラスにそんな人がいるとは思いませんでした」

「あくまでも予想だ。実際に見たわけじゃない」

ーーーー

 AとCの契約って話したらいけなさそうですが、Aクラスの人間が第三者に言うのはダメでCクラス(龍園)が言うのは別に咎められてないみたいです(アニメで確認済み)
 あとは今回みたいにショートストーリーをこれから書くかもしれないです(主人公目線で全て進んでいるので裏の話を書きたい時とか)


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