ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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第3話 ぼっちに山菜定食

 学校2日目の朝、俺は教室に1人でいる。

 

(なぜ1人かって?

 それはな朝早くから学校に来たからだよ。

 ていうか朝早すぎて、他の生徒見た気がしないんだが...。

 とりあえず暇だ...暇すぎる...)

 

Q.あなたは休み時間が暇な場合、何をする?

 

A.読書をする

 

(えーっと、ここで悲しいお知らせがあります。

 読みたい本を実家に置きっぱなしにして、ゴミみたいな本も寮という...。

 こうなったら秘技を使うしかないようだな...。

 

 秘技!『脳内1人将棋』!

 

 この秘技は、文字通りの意味で頭の中で将棋を1人でするというものである!

 もちろん、チェスとかも出来るぜ!

 

 これは俺の中学生時代、本を読めない授業中に思い付いた技である!

 この技のいいところはな、気づいたら授業が終わっているということだよ!

 えっ、脳内だから1人でしか出来ないから脳内将棋でいいじゃない!と思ったそこの君!

 君は1人で将棋をする時は、将棋じゃなくて1人将棋というだろ!

 そういう意味だ!

 ということでやるか!)

 

 意気揚々と始めた脳内1人将棋を、茶柱先生が教室にやって来るまで楽しんだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 今日は授業初日であり、授業の大半は勉強方針等の説明だけだった。

 授業で分かったことは、先生たちが明るくフレンドリーなこと、寝ていても注意されないことぐらいだ。

 

(一応だが、俺は寝てないからな!

 赤髪のヤンキーが寝てるのが見えただけだからな!)

 

 そして昼休みが始まり、一瞬本城がこちらに話かけて来そうだったが、他の人に誘われてどこかへ行ってしまった。

 あとはイケメン平田くんによる食堂お誘い演説があったが、女子ばっかりだったので諦めた。

 

 そんなこんなで、現在1人で食堂に行って無料の山菜定食を食べている。

 いわいるぼっち飯というやつだ。

 1人で山菜定食を食べる1年生というのは凄く視線を感じる。

 凄く嫌なんだが、これに慣れなければならない理由がある。

 

(それは毎日、食堂で山菜定食を食べるからだ!

 別に昼飯ぐらい自分で作ってもいいんだが、やっぱり面倒くさい。

 それに折角無料なのに、わざわざ昼飯を作るために朝早く起きるのも嫌だし。

 こんな視線程度で俺の精神を削れると思うなよ!

 ...というのは嘘で、これを毎日とかいつか灰になれる気が...)

 

 そんな山菜定食だが、普通の人にとっては美味しくないが、食べられないわけでもない程度かもしれない。

 だが俺にとっては、飯が食べられない時があったりしてそこまで苦ではない。

 

(むしろ毎日無料でこの定食を食べられること自体ありがたくて泣けてくるぜ...。

 一応言っておくと泣いてないからな!

 山菜定食を食って泣いてるやつとかただのヤバいやつ)

 

「ごちそうさまでした」

 

 山菜定食を食べ終わり、食器を戻し食堂を出ようとしたら、放送が流れてきた。

 

『本日、午後5時より、第1体育館の方にて、部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味のある生徒は、第1体育館の方に集合してください。繰り返します。────』

 

(部活の説明会か。

 どんな部活があるのか確認したいし行くか。

 あ、そうだ。

 ついでに本城にも聞いておこう。

 こういうのは、自分から聞くのが1番だからな)

 

 そう思いながら、教室へと戻った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 授業が終わって放課後になり、俺は前の席の本城に声をかけた。

 

「なあ、本城。一緒に部活動の説明会に行かないか?」

 

「全然いいよ!僕も黒瀬くんを誘おうと思ってたんだ」

 

 まさかの即答だった。それも本城も俺を誘おうとしていたようだ。

 

(ボッチ飯食っていたやつにも、こんな天使がいるんだぞ。

 お前らメモしとけ)

 

 時間を見るために時計の方を見ると、説明会まで少し時間があるようだが、ギリギリに動くよりも、少し余裕を持って動くほうがいいだろう。

 

「それなら、少し早いがもう行くか」

 

「うん、そうだね!」

 

 可愛い笑顔を向けてきた本城と雑談(あまりにも雑談するのが久しぶりだったので、ほとんど本城から話を振られたが)しながら、体育館へと向かった。

 

「そういえば、黒瀬くんって今日の昼休み、食堂にいたよね?」

 

 体育館に入った時、本城がそんなことを聞いてきた。

 

「いたが、それがどうしたんだ?」

 

「えーっと、無料の山菜定食を食べてたからもうポイントがないのかな~って思っちゃって」

 

 どうやら、山菜定食を食べていたことによって、ポイントのことを心配をされてしまった。

 

(ここはしっかり誤解を解いておかないと)

 

「俺は別にポイントがなくなったから食べていた訳じゃない。興味があったのとどんなものなのか確認がしたかったからだ。ついでに言っておくと、ポイントはまだ10万残っている」

 

「へー、そうなんだ。黒瀬くんって意外と倹約家なんだね。僕でもだいたい9万ポイントなのに」

 

「俺は倹約家ではないぞ。単純に1ヶ月間、ポイント0生活をしてみたいと思っただけだ」

 

 10万ポイントが残っているのはかなり珍しいようだが、俺は今欲しいものがなかったり、検証をしているだけで、欲しいものがあれば買いに行く、至って普通の人である。

 

「毎月10万ポイント貰えるのに?」

 

「本城、それは勘違いしてると思うぞ」

 

 不思議そうな顔で聞いてくる本城に、それが勘違いであることを言う。

 

「えっ、本当に?」

 

 それを聞いて驚いているが、俺の言ったことを疑っているようだ。

 

「本当だ。さっきお前は「毎月10万ポイント貰える」って言っただろ?」

 

「そうだけど・・・・・・」

 

「まず先生は、毎月ポイントが貰えるとしか言っていない。貰えるポイントが10万ポイントであるなんて言ってなかっただろ?」

 

「確かに言われてみれば・・・・・・。うーん・・・・・・毎月10万ポイント貰えないということは、ポイントは変動するの?」

 

 今までの言葉を聞いて、考える仕草をした本城が質問してくる。

 

「おそらくな。ここからはあくまで推測だが、毎月貰えるポイントは変わるはずだ。10万ポイントから減少するのか上昇するのかは分からないが」

 

「そんなことが分かるなんて、黒瀬くんって凄いんだね!」

 

「あくまで推測だがな」

 

 そうは言ったが、本城はそれでも目をキラキラさせている。

 

「それでも凄いよ!()()()()、黒瀬くんって普通の人とは違うんだね!」

 

「おい、今やっぱりって「1年生の皆さんお待たせしました。────」・・・・・・」

 

(司会のせいで聞けなかったが「やっぱり」って言ったのは、俺の過去を知っているからか?

 俺は小学生の時に1度も家のことを言ったことがないし、先生も知らなかったはずだ。

 なのに、なぜ...?

 俺の思い込み過ぎか?

 いや、それは...)

 

 結局俺は説明会の間ずっと、先程の言葉の意味を考えた。

 

--------------------------------

 

「説明会終わったし、帰ろっか」

 

「ああ、そうだな。うん?あれは・・・・・・」

 

 少し離れたところに、見知った顔を見つける。

 あれは確か綾小路と赤髪のヤンキーとクラスメイトの2人。

 

(何を話してるんだろ?

 ちょっと行ってくるか)

 

「少し寄り道していいか?」

 

「うん、いいけど」

 

 そう言って俺たちは綾小路たちがいるところに近づいた。

 

「よう、綾小路と同じクラスの3人」

 

「なんで綾小路の名前を知っていて、俺の名前を知らないんだよ!」

 

「そうだそうだ!なんで綾小路の名前だけ知ってんだ!」

 

 俺の言葉に、赤髪のヤンキー以外のクラスメイト2人が抗議してきた。

 

「それはすまんかった。自己紹介は最後の方しか聞いてなくてな。名前を教えてくれないか?」

 

 そう言うと、このグループを仕切ってそうなやつから名前を教えてくれた。

 

「仕方ねえな。俺は池 寛治(いけ かんじ)。Dクラスで1番に彼女を作るのが目標だ。よろしくな」

 

「俺は山内 春樹(やまうち はるき)だ。よろしくう」

 

「俺は須藤(すどう)だ」

 

 3人の簡素な自己紹介を聞き、俺たちも同じように自己紹介する。

 

「俺は黒瀬神威だ。3人ともよろしく」

 

「僕は本城悠だよ、よろしくね」

 

 本城が笑顔で自己紹介をすると、池がいきなり俺の首に腕をまわし耳打ちをしてきた。

 

「おい、あの可愛い女の子はお前の何なんだよ!?まさか彼女とか言わねえだろうな!」

 

「それは違う。それに、そもそも本城は女の子じゃなくて男の子だ」

 

 それを聞いた池は数秒だけ放心状態になると、俺の顔を見てきた。

 

「・・・・・・。それは本当か?」

 

「ああ」

 

「・・・・・・リアル男の娘キターーーーーー!」

 

 池の放った咆哮はまだ多くの1年生がいる体育館に響き渡る。

 そのせいで、かなりの生徒からの注目を集めてしまう。

 

(本日2度目ですか...。

 本当に慣れる気がしない...)

 

 そんなことを思う俺とは裏腹に、池は興奮しながら山内や須藤たちにもその情報を共有する。

 

「お前ら、ここにリアル男の娘だぞ!」

 

「な、何言ってんだ、池。本城さんは女性だろ?」

 

 いきなりのことに困惑する山内に、池の言葉に興味がないのか須藤と綾小路は本城を交えて話している。

 

「いやいや、違うって!」

 

「そんなわけないだろ。・・・・・・って、あれ?男子の制服着てるじゃん」

 

「だから言っただろ、男の娘だって!」

 

(何故俺はこんな馬鹿げた話に耳を傾けているのだろうか...。

 本城たちの方に混ざろ...)

 

 流石に、この会話に参加することが俺には出来ないので、本城たちの方に混ざって会話を楽しみ、別れ際に3人と連絡先を交換した。

 




三馬鹿の喋り方がこれでいいのかと思いつつ書きました。


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