ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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第41話 占いブームが来た!?

 夏休みも今日を含めて残り7日となった日の昼。

 インターホンが鳴ったので出てみると、そこには機嫌が悪いであろう伊吹澪(いぶきみお)がいた。

 

「あんた、占いに興味ある?」

 

「は?」

 

 いきなりのぶっきらぼうな発言に俺は呆気を取られる。

 

(開口一番に「占いに興味ある?」って聞いてくるやつが普通いるか?

 親しい仲じゃない限りほとんど有り得ないことだろう!

 そもそも伊吹と接したのは、船内試験の時と無人島試験の時ぐらいだ。

 もしかして、人と話すことが苦手なんだな。

 うん、そう思いたい。そう思わないとやっていけない)

 

「それでどうなの?占い」

 

 伊吹について考えていたら、本人に苛立ちを露にしながら回答を急かされる。

 今日は、というより夏は日が照って外はかなり暑い。

 本人に言われたわけじゃないが、ここは部屋に案内した方がいいだろう。

 

「その前に暑いだろうから部屋の中に案内してやろう。俺は聖母のような優しさを持っているからな。感謝するが良い」

 

「そう。なら邪魔する」

 

 そう言って横を通って部屋の中へとずかずかと入っていく伊吹を、俺は眺めながらこう思う。

 

(スルーするんかい!)

 

 そう心の中でツッコみ、伊吹の靴を直してから部屋の中へと戻る。

 伊吹は色々と物が溢れ返っている部屋をキョロキョロし、こちらを見てこう言い放つ。

 

「こんなのにポイント使うぐらいなら服に使ったら?」

 

 半ば呆れながら言われた言葉にこう返す。

 

「ここにある物のほとんどはポイントを使ってないし、しっかり服も持っている」

 

 そう言ってクローゼットを開け放つ。

 

「パーカーと長ズボンしかない・・・・・・」

 

 中の服たちを見た伊吹は呆気に取られてしまい、開いた口が塞がらなかった。

 そう、俺が現在持っている服は伊吹の言った2つが夏冬ごとに2着ずつ、計8着とシャツぐらいしかない。

 ちなみに今は黒のアンダーに白の半袖シャツ、黒の長ズボンというコーデだ。

 

(色はもちろん黒と白しかない。1番落ち着くから)

 

「はぁ・・・・・・なんでこんなやつがCクラスのトップなのよ・・・・・・」

 

 伊吹はため息まじりでそう言う。

 

(どこかDクラスのやつに似ているが、こいつなりの心配なのだろうと思って受け取っておくか)

 

 伊吹を誰かに重ねながら、クローゼットを閉める。

 

「長居はしないと思うが、適当に座ってくれ」

 

 と言っても、床は人が通れるぐらいのスペースの道しかないため、パソコンを使う時の椅子か窓側のソファーしか座る所はない。

 

(ちょうど断捨離をしてる途中だから散らかっているのは仕方がない。仕方がないんだ)

 

 そんな中、伊吹は一番近くにあったパソコンを使う時の椅子に座る。

 そしてここに訪ねてきた理由であろう占いのことについて聞いてくる。

 

「それで占いに興味あるの?ないの?」

 

「興味はないが、そこまでして俺に聞いてくるのは気になる」

 

 出会って少ししか経っていないが、恐らく1人でいることを好むタイプだと思っている。

 だから、こんなに他人に聞いてくるということは何かしらがあるということだ。

 

「あんたの運勢が少し気になっただけ。珍しい結果が見れそうだったからよ」

 

 それを聞いて納得しかけたが、本当は違うはずであると感ずる。

 そして答えが分かった俺はニヤリと笑う。

 

「な、なによその顔は・・・・・・気持ち悪い・・・・・・」

 

 顔を引き攣らせる伊吹は立ち上がって後退りしながらそう言う。

 心の底から出てきた気持ち悪いだが、それ以上にこれから待っている未来に心を躍らせているため、全く痛くない。

 

「いや、お前がそこまでする理由が分かったからつい」

 

「な、ならそれを聞かせてもらおうじゃないの」

 

 自分から何かを隠していることをバラしている態度に、こちらはドヤ顔を決める。

 

「それはな、夏の間ケヤキモールに来ている占い師の占いに興味があって行ってみたが、2人1組限定だから無理だった。そして誘える相手がいないお前は、占い結果が1番気になる俺を誘いに来たというわけだな」

 

(いやー、先週先輩方に誘われたりして、ケヤキモールに占い師が来ていることを知っていたんだよなー。

 その時に2人1組限定っていうのも聞いたから分かっちゃった)

 

 それが図星だったのか、みるみるうちに伊吹の顔が赤くなっていく。

 

「・・・・・・し、死ねぇーー!」

 

「────っ!」

 

 叫び声と共に鋭い蹴りが脛に直撃し、俺は声にならない声を出して倒れてしまう。

 蹴りを放ってスッキリしたのか、伊吹はブツブツ何かを言いながら俺の部屋を出ていった。

 

「脛はダメだろ、脛は・・・・・・。弁慶の泣き所やぞ・・・・・・」

 

 自分しかいない部屋でかれこれ3分ぐらい同じことを言い続けたのであった。

 

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 その夜、ご飯を作ろうと準備をしていたら携帯が鳴り、それを確認してみるとメールが来ていた。

 

『黒瀬くん、明日ケヤキモールで占いしない?』

 

『黒瀬くん、ケヤキモールに占い師が来ているそうです。2人1組限定で誘える相手がいないので一緒に来てくれませんか?』

 

『明日占いしに一緒に行きませんか?』

 

 上から七詩、ひより、本城だ。

 

(女子の間で占いブームでもあるのかな?

 いや、その前に本城は男だった。忘れるところだった)

 

「占いに興味はないから断っておくか」

 

 俺は3人から来た誘いを丁寧に断り、料理に取り掛かろうとしたらまた携帯が鳴った。

 

「返信か?」

 

 携帯を手に取り確認すると、

 

『黒瀬さん!占いしに行きましょう!』

 

 それは石崎からのメールだった。

 

「飯作るか」

 

 俺はそのままスルーして料理に取り掛かったのであった。

 

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