ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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第42話 第一回お料理を食べようの会

 夏休みも残り少しとなった今日、俺の部屋には5人の客が来ていた。

 

「俺は確か神室しか呼んでないんだが・・・・・・。どうなったらこうなるんだ・・・・・・」

 

「そんなことは置いておいて。それじゃあ、黒瀬くんのお料理を食べようの記念すべき一回目をここに開幕~!」

 

 パチパチパチ~。

 

 突然作られた謎の会。

 それは七詩の発言によって開かれることになった。

 

(俺の知らないものが突然開かれてしまったが、それ以上に5人がどうやって集まったのかがだいぶ気になる。

 坂柳、神室、一之瀬、七詩、本城。

 どうやって4人に知られてしまったのかだが、全くもって分からん。

 こいつらがどこで会っているかなんて知らんし)

 

 1人で頭を抱えて悩んでいると、それに気付いた坂柳が答えてくれた。

 

「私はたまたま真澄さんに今日の予定を聞いたところ、あなたの家に行くということを知りまして。2人だけだと面白くないと思ったので、一之瀬さんを誘いました」

 

(なんとなく分かった。

 とりあえず、何ぼろ出してんだよ神室ー!

 そして坂柳も面白くないからって他のやつを呼ぶなー!)

 

 そんなことを心の中で叫び、現実では溜め息を吐いて項垂れる。

 

「そういうことだったんだな・・・・・・」

 

「もしかして私たちお邪魔だった?それならここでお暇するけど」

 

 つい落胆してしまい、一之瀬に心配されてしまう。

 

「いや、折角来てくれたのにそんなことはしなくていい。ただ材料が足りないから買いに行かないといけないだけだ」

 

 これは本心であり、正直人が増えたことに関してはどうでもよかった。

 ただ、買い出しに行かなければならないという現実が辛かっただけだ。

 学生証と携帯を手に持ち、立ち上がる。

 

「材料を買いに行くのは俺一人でいくから、客であるみんなはここでゆったりしといてくれ」

 

 買い物に行くとかついていくなど言われそうだったのでそれを先に封じ、1人でスーパーへと向かった。

 

-----------------------------

 

 今日使うものをスーパーで買い、寮のエレベーターが下へと降りてくるのを待っていると、後ろからひよりがやって来た。

 

「こんにちは、黒瀬くん」

 

「ひよりか。いつもなら図書館にいる時間だが・・・・・・」

 

 時刻的にまだ14時前。

 この時間帯はまだ図書館も開いており、そこで籠っていると思ったが、どうやら違うようだ。

 

「今日は新しい本を探しに書店の方に行っていました」

 

 そう言って、手に持った袋をこちらに見せてくる。

 袋を見るに書店でいい本が見つかって買ったようである。

 

「黒瀬くんはスーパーの帰りですか?」

 

「ああ」

 

 返事と同時ぐらいにエレベーターがやって来たので乗り込むが、ひよりは俺のスーパーの袋を持った手元をずっと見て動かない。

 

「ひより?」

 

「・・・・・・あ!すいません」

 

 慌ててエレベーターに乗り込むひより。

 だが、視線が先ほどと変わっていない。

 

(そういうことね)

 

 見た目とは裏腹に意外にも食欲旺盛なひよりのことである。

 おそらくご飯を食べたいなどと考えているんだろう。

 

「ひより、このあと暇か?」

 

「はい。部屋に戻っても本を読むだけなので」

 

「なら、俺の部屋に来るか?おやつを今から作るが」

 

 それを聞いたひよりの目が変わる。

 俺の感は合っていたようだ。

 

「本当ですか?」

 

「他にも数人いるが、本当だ」

 

「分かりました。行きます」

 

 ひよりも参加することになったので、一緒に俺の部屋のある階で降り扉を開けると、中からドタバタする音が聞こえる。

 

(何か嫌な予感がするが...。中に入るか)

 

 中に入ると、坂柳以外何かを隠しているような顔をしている。

 実際は坂柳も隠しているんだと思うが、顔に出していないだろう。

 

(俺にしか分からない僅かな違い。

 それは全体的に家具が少しだけ動いているということ。

 何かを探していたんだろうな)

 

「部屋で何かを探していたようだが、俺の部屋に面白いものはないぞ」

 

「え?何のことかな?」

 

 そう言う七詩だが、何かを隠すかしているようで目が少しだけ泳いでいる。

 他にも目を配るも、どこか目がおよいでいる感じである。

 

「物を盗らない限り別に漁ってもいいが」

 

「あ、そうなんだ・・・・・・」

 

 部屋の主から許可を貰って肩の荷が下りたのか、ほとんどが胸をなでおろすが、それによって何かを探していたことが分かった。

 

(隠すようなものなんてないが)

 

「それよりも後ろにいる女性は誰ですか?見たところCクラスの生徒のようですが」

 

 俺の後ろにいるひよりに視線を向ける坂柳。

 部屋の違和感に気を取られ過ぎて、ひよりの紹介を忘れていた。

 

「たまたまエレベーターで出会って、料理を食べたいとのことで連れて来た」

 

「Cクラスの椎名ひよりです」

 

 ひよりはここにいる皆に向けてしっかりお辞儀をする。

 

「俺は料理するから、適当にしといてくれ」

 

 そう言って、買ってきたものと事前に買っておいた物を取り出す。

 

 今日作るのはカップケーキ。

 電子レンジをオーブンレンジに変えたのとネットでホットケーキミックスで作れるのを見つけたため試していきたいと思う。

 

 まずボウルに卵と砂糖と牛乳とバターを混ぜてホットケーキミックスを加えて混ぜる。

 良いころ合いになったらカップに生地を流し入れて、少し上から2~3回落として空気を抜く。

 スライスアーモンドをのせて、180℃のオーブンで12~15分焼いて完成。

 

 俺が料理している間、一之瀬と七詩に誘われたひよりは、5人と楽しそうに話していたので連れてきてよかっただろう。

 出来たカップケーキをお皿に盛り付け、テーブルの上まで運ぶ。

 

「できたぞ」

 

「「「「おお~」」」」

 

「おいしそうですね」

 

「そうですね」

 

 普通のカップケーキだけでも良かったが、バリュエーションがある方がいいと思ったので、チョコレートを混ぜて作ったカップケーキもある。

 カップケーキを乗せたお皿をテーブルの上に置くとみんな手を伸ばそうとするが、俺の声で制止する。

 

「ちょっと待て。飲み物がまだ準備出来ていない」

 

 俺は予め作っていたインスタントの紅茶をカップに注いで持っていき、各々の前に置いていく。

 

「もう食べていいぞ」

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

 元気よく手を合わせ、6人ともカップケーキを口にする。

 

「初めて黒瀬くんの料理を食べましたがおいしいですね」

 

「おいしい」

 

「う~ん!おいしい~!」

 

「ふわふわでおいしい~」

 

「おいしいね!」

 

「そうですね。これなら2つぐらいいけそうです」

 

 6人は各々の感想を口で述べながら、いつの間にか20個あったカップケーキが全て無くなっていた。

 

「食べすぎだろ・・・・・・」

 

「何か言いましたか?」

 

「いや、何でもない」

 

 あまりにも無くなるスピードが早くつい独り言を言ってしまった。

 もしそれをはっきり聞かれていたら、リンチにされていただろう。

 カップケーキをいっぱい食べて満足した顔を浮かべていた七詩が何かを思い出したか、急にハッたした顔を浮かべる。

 

「あ、そうだ!この前、約束でカレー作ってくれるって言ったよね!?」

 

(そう言えばそんな約束をした気がする。

 確か、七詩にご飯を食べさせた時に)

 

「それがどうした?」

 

「今日作ってもらってもいいかな?」

 

(絶対、他の奴も食べる気だろ!坂柳なんてニコニコしてるぞ)

 

 狙ったかのような言葉に頭を抱えていると、七詩があざとくポーズを取り、

 

「お願い」

 

 語尾にハートがつきそうなお願いをしてくる。

 可愛くお願いされたのであればそれに答えてあげるが男というもの。

 渋々ではあるものの、それを承諾することにした。

 

「分かった・・・・・・」

 

「ちょろ」

 

 誰かから辛辣な言葉が聞こえたが、この際無視しよう。

 それを聞いた七詩は喜びを露にする。

 

「やったー!みんなも食べるよね?」

 

「もちろんです」

 

「当たり前」

 

「私は大丈夫だよ」

 

「僕も」

 

「私もです」

 

 このあとスーパーに再度材料を買いに行き、晩ご飯にカレーを振舞った。

 

 ちなみに8人前ぐらい作ったが、カレーも白米も綺麗に食べられてしまったので、晩ご飯は抜きになってしまった。

 




スーパーに行っている間の部屋

「そういえば、そこのお2人について知らないので教えていただけませんか?」

 坂柳にとって、神室を除いた中で面識があるのは一之瀬のみ。
 七詩と本城については名前も知らないので聞いて当然である。

「私はBクラスの七詩蒼」

「Dクラスの本城悠です」

「私はAクラスの坂柳有栖です。こちらは神室真澄さんです」

 坂柳は神室も合わせて紹介する。

「よろしくね!坂柳さんと神室さん!」

「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします、七詩さんと本城さん」

 挨拶が終わり、七詩が1つのことを提案する。

「今、黒瀬くんがいないから、部屋の中を漁ってみない?」

「そんなことしたら怒られるんじゃ・・・・・・」

 一之瀬は勝手に部屋を漁るのはいけないと言うが、七詩は大丈夫と言う。

「そんなに隅々まで漁る気はないから」

「それならいいけど・・・・・・」

「坂柳さんたちは?」

「私たちもこの部屋を少し漁ってみたいと思っていましたので」

 坂柳は部屋を漁ってみたいと言っているが、弱みでもあればそれを握っておきたいというのが本音である。
 神室もそれに頷く。

「僕も賛成かな」

「全員賛成ということで、早速漁ろう!」

「その前に1つ提案があります」

 七詩の掛け声のあとに坂柳が待ったをかける。

「同じ場所を探しても非効率的なので場所を分担してやりましょう。その方がより広く探すことが出来ます」

「そうだね。じゃあ私はパソコン周辺で、帆波ちゃんはクローゼット。本城くんは冷蔵庫で、神室さんと坂柳さんはベット周辺をお願い」

 七詩が決めたことにみな頷き、作業を開始する。
 やり始めて20分、一之瀬があるものを発見する。

「こっ、これ・・・・・・」

 一之瀬が手に持っていたのは、避妊具(黒瀬が買えるのか試しに買って、捨てようと思っていたが、毎回忘れていてそのままクローゼットの中に入っている)である。
 全員それを見て固まってしまう。
 すると玄関の扉が開く音がした。

(((((やばい!)))))

 全員急いで、移動させたものを戻して元いた場所に戻ったのであった。

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