「ぎゃははははは!ばっか、お前それ面白すぎだって!」
2時間目の数学の授業中、今日も池が大声で談笑していた。
相手は山内で、入学してから3週間、今の2人に須藤を合わせて3バカトリオなんて呼ばれているらしい。
その近くでは、女子グループが放課後の約束をして盛り上がっていた。
「うーっす」
「おせーよ須藤。あ、昼飯食いに行くだろ?」
授業も後半に差し掛かろうかという頃に須藤が登校してきた。
こんなうるさい中、俺は真面目にノートをとっている。
というのは建前で、実際には脳内1人チェスで苦戦していた。最近脳内CPU(自分)が強くて負けてしまうのが多々ある。
ちなみに、これがDクラスの授業風景である。
生徒の大半が喋っていて、ごく少数であるが真面目に勉強している生徒もいる。そして先生は全てを黙認している。
(まあ実力を測るのにどうやって測るのかを言ったら、素が見られないからね)
━━━━━━━━━━━━━━━
3時間目の社会、担任の茶柱先生の授業である。
「ちょっと静かにしろー。今日はちょっとだけ真面目に授業を受けてもらうぞ」
「どういうことっすかー。佐枝ちゃんセンセー」
「月末だからな。小テストを行うことになった。後ろに配ってくれ」
そう言って、1番前の席の生徒たちにプリントを配っていく。
テスト用紙は1枚、主要5科目の問題がまとめて載った、それぞれ数問ずつの小テストだ。
「えぇ~聞いてないよ~。ずる~い」
「そう言うな。今回のテストはあくまでも今後の参考用だ。成績表には反映されることはない。ノーリスクだから安心しろ。ただしカンニングは当然厳禁だぞ」
(成績表にはってことは、他の何かには反映されるのか?)
そして小テストが始まり、問題を解いていく(脳内1人オセロ中)。
一科目4問、全20問で、おそらく各5点で100点満点。
ラスト3問くらいは少し桁違いだったが、オセロを途中で中断してやれば何とか解くことが出来た。
小テストの点数なんて貼り出されるわけがないし、100点を取っても問題ないだろう。
授業チャイムが鳴るまで、俺は脳内1人オセロを楽しんだ。
━━━━━━━━━━━━━━━
「お前らさ、正直に言えば許してやるぞ?」
「何だよ正直にって」
「俺は怒られることした覚えないぞ」
昼飯を終えた俺は、綾小路たち(池、須藤、山内もいるよ)と一緒に自動販売機傍の廊下に座り込み雑談をしていた。
俺は最近、須藤と仲良くなったおかげで池や山内とも仲良くなれたのだ(綾小路は仲良いのか分からん)。
そんな中突如、池が俺たちに、にじり寄って来たのだ。
「俺たちは友達だよな?3年間苦楽を共にする仲間だよな?」
「あ、ああ。そうだけど」
「そうだな」
「当然・・・・・・彼女が出来たら報告するよな?」
いきなりことに俺と綾小路は?マークを浮かべる。
「は?彼女?そりゃ、できることがあればな」
「俺は彼女なんていないぞ」
「嘘をつくなよ黒瀬、こっちには証拠があるんだぞ」
そう言って、池は俺に携帯を見せてきた。
そこには週刊誌のように隠し撮りされた、女の子をお姫様抱っこする俺の姿。
(あの日、お前教室いたはずだろ。誰が撮ったんだよ、これ)
「これについて聞かせてもらうぞ」
「なんだなんだ、ってめっちゃ可愛いじゃんこの水色の髪の子!何お姫様抱っこしてんだよ!この子が誰か教えろ!」
山内が池の声に反応し、こちらに寄ってきた。
「俺はこの子について一切知らん。この写真についてだが、彼女は膝に怪我(擦り傷)をしていて、可哀想だったからお姫様抱っこをしただけだ」
「なんだそのお姫様抱っこしただけって!入学していきなりお姫様抱っこするとかおかしすぎるだろ!絶対この子と付き合ってるだろ!」
「本当なんだがな・・・・・・」
困っていると、須藤が助け舟を出してくれた。
「それはねえと思うぞ。こいつバスケ部によく来るけどよ、最後まで練習付き合ってくれるんだよ。普通彼女がいたら、最後まで練習付き合うと思うか?それに、こいつに彼女がいたら絶対見に来てると思うけどな」
思いがけない須藤の援護に内心びっくりする。
「そ、そうだけどよ・・・・・・」
「あ?まだ疑ってんのか?」
「いや、もう疑ってないって全然。そ、それより綾小路!
須藤の援護によって池の旗色が悪くなり、攻撃対象が綾小路に変わる。
(てか堀北って誰?まさか綾小路の隣人の名前?)
堀北について考えているうちに、話がまた変わっており平田の話に変わっていた。
その後、綾小路が自販機に向かった時に山内がココアを要求していた。
なんでも山内は、残り2000ポイントぐらいしか残っていないらしい。
(お前らゲームに金を使うのはいいけど、もっと計画的に...「山菜定食とかいうやつだろ?あーやだやだ、草食ったり水飲む生活とか送りたくねー」
は?いつかはお世話になるかもしれないものに対して、それは失礼じゃないかな!?)
そんなことを思いながら、俺は先に教室に戻ると言い教室に戻った。
━━━━━━━━━━━━━━━
『今日、櫛田ちゃんたちと遊びに行くけど、お前も行く?』
午後の授業中、メールが来たので確認したら遊びのお誘いだった。
正直嬉しいがこの後、陸上部にお邪魔するので断っておく。
『誘いは嬉しいが、今日は用事があるから断る』
とメールを送ったら、彼女いる疑惑を持たれてしまっているせいで、また疑われてしまったが、
『俺がいても邪魔だし、池や山内のためを思って断る』
と送ったら何とかなった。