ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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何だかんだでこの小説を書き始めてちょうど1年ですか・・・・・・

未だに書き方が定まってなかったり、1話1話の終わりが走り気味なのはダメなところですね・・・・・・

こんな作者ですが、これからも見守って下さるとありがたいです。

指摘等々があれば、全然してくださって大丈夫です


第64話 失敗

 小テストが終わり、試験の相手が決まった翌日、朝のうちに対戦相手がクラス全体に知らされる。

 それを聞いた時の教室内はざわめいた。

 問題を出される側が元Aクラスであるため、不満の声が多いのも仕方ないだろう。

 

 それから4時間目になった時にはテストが返却された。

 1日でテストを返すのは骨が折れること。

 先生方も苦労しているんだなと思いつつ、前に張り出された期末試験でのペアを確認する。

 

(えーっと、俺は石崎と、か。

 前回のテストで上と下だったし、一緒になるのは当たり前になるな。

 他のやつらは龍園がアルベルトと、ひよりは山脇(やまわき)で、伊吹が小田と。

 ここの組み合わせは大丈夫そうだな)

 

 少し心配していた龍園とアルベルトだが、英語が得意なアルベルトと英語がそこまで出来ないが他はそこそこな龍園がペアになったのはありがたいことだ。

 他も極端に危なそうペアは無さそうに感じるから、退学になる人はいないだろう。

 

「今回の組み合わせですが、点数の最大点と最小点の差が広い生徒から順にペアを組む形になります。点数が等しかった場合は、ランダムで選らばれることとなっています」

 

 言い方は違うかったが、点数の高いやつと低いやつから順にペアが決まっていったことには変わりないようだ。

 

「私としては自分のクラスに期末試験でのペア組み合わせを理解していた人がいて嬉しいですね。この調子で試験も無事乗り越えてほしいものです」

 

 俺は難しくない試験とは思っているが、先生からしたら厳しいもののようだ。

 相手が相手なので仕方ない。

 

「全員聞け」

 

 いつの間にか教卓に移動していた龍園が俺たちに命令を飛ばす。

 その命令は絶対で、話し声が聞こえていた教室が静かになる。

 

「今回は問題を出してくる側がCクラスになってる。Cだからと言って油断してれば確実に負ける戦いだ。妨害を仕掛けたとしてもどうなるかは分からねえ」

 

 相手はあの坂柳だ。

 妨害程度で臆する相手ではないし、逆に仕返される可能性だってある。

 仮に妨害が成功したとしても、Cクラスより確実に劣っている俺たちが勝てる保障はどこにもない。

 龍園の言っていることは合っているだろう。

 そこに金田は手を挙げて発言をする。

 

「龍園氏、今回も前回の体育祭の同様、勉強の出来ない人たちは黒瀬氏に教えてもらえれば可能性は出てくるかと」

 

「ということだ、頼んだぞ黒瀬」

 

「分かった」

 

 今回の試験で1つの課題である、出来ない者たちをどうするかというのはすんなりと決まる。

 元々やろうと考えていたし、退学者を出さずに負けるためにも必要のこと。それにこの場で龍園が言ったことで、参加してくれる人数も変わるはずだ。

 ついでに俺は問題作成の方も聞いておくことにした。

 

「問題作成の方は誰がやるんだ?」

 

「俺がDクラスのことを熟知してる黒瀬以外に任せると思うか?」

 

「それもそうだな。すまんかった」

 

 それによって、龍園からの言質を取ることが出来た。

 他のやつが反論してきたとしても、これを覆すことは出来なくなった。

 もしここで俺以外のやつがそれを任されていたら、Dクラスに負けるのは少し辛かったかもしれない。

 

-----------------------------

 

 その後大したことはなく、時間は放課後になる。

 今日から勉強会を開始してもいいが、石崎曰く明日は龍園の誕生日で今日はその準備で参加出来ないと言っていた。

 なので明後日から勉強会を開始し、今日はクラスメイト全員に中間テストの解答用紙を全教科分、明日に提出してもらうよう言ってから帰ることにした。

 

「明日は龍園の誕生日か。炭酸を振りまくったやつでも送り付けてやろうかな?それともハバネロ入りケーキの方がいいか?」

 

「私なら両方ともやった上で、更なる嫌がらせを行いますね」

 

 小学生が考えそうないたずらを口にしながら帰り道を歩いていると、いつの間にか隣にいた坂柳が参加してきた。

 どうやら、坂柳に追いつかれるほどゆっくり歩いていたようだ。

 

(最近、長考癖が少し直ってきたかと思ったら、次は近づいて来る人の気配とかが意識しない限り分からなくなってきたとは...。

 やはり平和ボケというのは危ないものだな)

 

 自分の体たらくさに内心で驚きつつ、その言葉に返す。

 

「流石に誕生日にそんなことされたらキレるだろ」

 

「私には振ってある炭酸飲料とハバネロ入りケーキ、どちらも龍園くんならキレると思うのですが」

 

「それなら適当にR18指定の本でも送り付けるか」

 

「では、その本を買う時は私も同行させてもらいましょう」

 

「・・・・・・さっきのは軽い冗談だ」

 

「あら、それは残念です」

 

 手を口にあててわざとらしく微笑む坂柳。

 もし本当に買いに行っていたら、変なレッテルでも貼られそうなのは気のせいだろう。

 話をプレゼントから次の試験であるペーパーシャッフルに変える。

 

「それより次の試験、Cクラスがこっちに仕掛けることになったが、坂柳はそのことを予想してたのか?」

 

「いえ、全くの予想外です。本当ならBクラスを狙おうと思っていましたが、BクラスもDクラスもAクラスを狙うようだったので。私もそれに乗ってみたらあの結果になりました」

 

 どうやら、俺の予想通りのことが起きていたようだ。

 そんな感じで相手を決めないでほしいと思いつつ、それほど余裕があるのだとも考える。

 

「おかげさまで、Aクラスとしては最悪の結果だが俺としては嬉しい誤算だ」

 

「それは私としても嬉しいですね。黒瀬くんに被虐性欲があることを知れたので」

 

「いやちょっと待て、俺はマゾヒストなんかじゃない」

 

 俺の言葉から、どこをどうしたらマゾヒストになるのか教えてほしいものである。

 間髪入れずに返した言葉に、坂柳は少し物理的な距離を空ける。

 

「それよりも上の存在ということですか・・・・・・それは流石の私でも引いてしまいますよ・・・・・・」

 

 変な誤解から、俺がマゾヒストより上の存在になってしまった。

 

(あんな狂ったやつらと一緒にしてほしくねえ...)

 

(「珍しくおれと同意見とは・・・・・・」)

 

 俺が知っているあの施設のマゾ共は本当に気持ち悪い。

 殴ったり蹴ったりしても駄目だし、切ったりしても逆効果だしで本当の変態集団と思っている。

 2度と戦いたくないし会いたくない。

 そんな存在と一緒にされたくないので、俺の目的の1つを話すことにした。

 

「そうじゃない・・・・・・俺はただ、Aクラスが今回の試験で負けるようにしたかっただけだ。他に理由なんてない」

 

「そう言うことでしたか。今のところAクラスは常勝無敗と言ったところですから、そう考えるも無理もないですね」

 

「今の状態にしたのは俺のせい。それをどうにかするのも俺かと思ってな」

 

「ここまでAクラスのために動くとは・・・・・・これは私たちも悠長にしてられないですね」

 

 そう言った坂柳の目こちらをしっかりと見据えている。

 そこから相手として再認識したことが分かる。

 これで俺も退屈になることはないだろうし、明日から楽しくなる。

 

「そうじゃないと困る。俺がもし真面目に今回の試験を取り組めば勝つに決まってるからな」

 

「私たちが手加減されるような言い方ですが、その言葉、そっくりそのままお返しします」

 

「そうか?俺にはどんな問題が出てくるのか全てお見通しだ」

 

「本当ですか?私にはそうとは思いませんが」

 

「・・・・・・」

 

 クスクスと笑う坂柳に、俺は言葉を失ってしまった。

 なぜなら誘導尋問をして、何かを聞き出す予定だったからだ。

 誘導尋問と言われれば、言葉巧みに使って誘導していったりするものだが、俺の場合はあまり言葉を上手く使えないので、こうやってすぐに失敗してしまう。

 

(やはり向かないことはしない方がいいんだな。

 何か似たようなのがコールドリーディングだっけ?)

 

(「自分はあなたのことをあなたより知ってますよ~ってのがコールドリーディングな。用途や条件が違うから一緒にするなよ、おれもできないが」)

 

(できないのかよ!

 まあ、挑戦することは大事よね)

 

 慣れないことでも、数をこなすことが出来ればいつかは使えるようになるはずである。

 今後使う予定は全くないのだが。

 

「やり口が甘いですよ」

 

「俺はそういったのが苦手なんでな」

 

「私をそのようなやり方で嵌めようとしたこと、許せないですけどね」

 

 坂柳のその目は本気で怒っているいうよりも、遊びがいのあるもの見つけたというものである。

 それに対して謝る以外の方法が浮かばなかった俺はその手段をとることにした。

 

「それはすまなかった」

 

「私はそこまで怒っていませんよ。ただ、私を利用しようとしたのはいい度胸だなと思っただけです」

 

「ですよね・・・・・・」

 

 ボソッと嘆いたその言葉は坂柳に聞かれることなく消えていく。

 ここで聞かれていたら、面倒なことになっていただろう。

 その後、色々と言い掛かりをつけられ、ただただ謝り続けたことは言うまでもない。

 

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