ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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第66話 眼は第二の武器

 どうも、俺こと黒瀬神威です。

 

 今日は学校に登校してきた瞬間、龍園を筆頭に昨日のパーティーに参加していた大半にボコられました。

 なんでも、昨日のことで喧嘩を買ってしまったようで。

 そこまで痛くなかったので別にいいんですが。

 

 朝にそんなことがあって今は放課後、初めての勉強会を図書室で開いたんですがここで問題発生。

 なんと、大半の参加者の集中力が皆無であるということ。

 中間テストを見る限り、Dクラスほど頭は悪くなかったが勉強に取り組む姿勢があまりになっていない。

 始めて1時間も経っていないのに、携帯を触りだしたり友達と話したり寝たりで、挙句の果てには机の上に足を乗せるやつがいるという自由っぷり。

 そのせいで1人が図書室出禁になり、結局教室で開くことになりました。

 

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「昨日さー。────」

 

「へぇー、────」

 

「俺、昨日オ────」

 

「俺なんて6────」

 

「zzz・・・・・・」

 

「自由過ぎる・・・・・・」

 

「流石にここまで骨が折れることとは・・・・・・」

 

(「なんという怠惰っぷり・・・・・・」)

 

 教室に移動した俺たちはすぐに勉強を始めるように言ったが、参加した13人の中で7人は真面目に取り組もうとせず自由に過ごしている。

 1人では教えきれないと思ったので金田を連れてきたが、この状況ではほとんど意味をなしていない。

 もっとやる気があるかと思っていたが、どうやら違ったようだ。

 

「黒瀬氏、やる気のない人たちは帰らせた方がいいのでは?この状況ではやる気のある人も集中出来ないかと」

 

「そうだな」

 

 金田の言う通りで、このままではやる気のあるやつらは集中出来ず、勉強を放棄してしまい他のやつらと一緒になってしまうかもしれない。

 そうなってしまう前に、やる気のない邪魔なやつらをここから追い出す必要があるだろう。

 俺は溜め息を吐いてから全員に向けてきっぱりと言う。

 

「お前ら、やる気がないなら帰っていいぞ。俺は別にお前らに無理強いさせる気はないし、やる気のないやつらを教える気はない」

 

「いや別に、俺らやる気がねぇわけじゃないし」

 

「それ。黒瀬がポイントくれるなら全然やってあげてもいいけど」

 

「前回の体育祭の時みたいにさ、私たちにもポイント頂戴よ」

 

「お前ら、いい加減に────!」

 

 不真面目組3人の言葉が腹にきた石崎は机を叩いて立ち上がるが、俺はそれを手で制す。

 俺に謝って座る石崎を傍目に3人組の方を見る。

 龍園にごまをするようなやつらで、俺がその龍園やアルベルトを倒したことを忘れているようだ。

 

(見た感じ、勉強をしない理由がAクラスが勝つって思ってるな。

 フッ、笑わせてくれる。

 所詮は甘い蜜を吸ってるだけのモブということか)

 

「何だよ、早くポイント渡せよ」

 

「そうよ、早くしなさいよ」

 

「フッ、何を馬鹿なことを言っているんだお前ら。それはこっちのセリフだ」

 

 それを聞いて3人組は眉をひそめる。

 続けて俺はこう言う。

 

「いいか。お前らは勉強を教えてもらう側、それがポイントをくれだなんて言える立場だと思っているのか?」

 

「はぁ?そんなの当たり前じゃねえか。もしかして黒瀬は俺らを贔屓するのか?」

 

 3人組の1人がこちらに歩み寄って来る。

 それにつられて他の2人も来る。

 それを見ている金田が慌てているが気にしないでおこう。

 

「贔屓も何も、今回は個人的な損害はない。それに勉強程度のことでポイントを払う気にならない」

 

 体育祭の時は最下位を取るとプライベートポイントが減少するが、今回はそんなデメリットはない。

 それにいつも通りのテストとほぼ変わらない、違うとすればテストを同級生が作る程度のことだ。

 それぐらいでポイントを求めてくるならそれ相応の態度を示してほしいぐらいだ。

 

「あぁ?てめえ、ちょっと龍園さんに好かれてるからって調子のんじゃねえぞゴラ!」

 

 そう言って胸倉を掴んでくるモブ。

 正直服が伸びるからやめてほしいのだが、今のこいつを刺激するのはあまり良いとは思えない。

 

(ここは俺を凝視してくるし、見つめといてやるか)

 

 ここには監視カメラがあり、下手な行動はあまり良くない。

 ということで殺意を込めた目で相手の目を見る。

 

「何見・・・・・・あっ・・・・・・ああっ・・・・・・!」

 

 目を見た相手は目を見開き呼吸が難しくなり、服を掴む力も段々と弱まっていき服から手が離れる。

 そして、膝をついて震える片手で喉元を押さえ呼吸を整える。

 近くで見ていた者はその光景に言葉を失う。

 

(抑えはしたんだが、ちょっと刺激が強かったかな?

 やっぱり加減って難しい)

 

(「おいおい、一般人相手に何してんだよ」)

 

(これは正当防衛です。過剰防衛ではありません)

 

(「どう足搔いても過剰過ぎる・・・・・・。もう少し制御してから使えや!」)

 

 やったことを反省しつつ、後ろにいた2人に目をやる。

 

「お前ら」

 

「「ひっ!」」

 

「そいつを連れてさっさと帰れ。他のやる気もないやつもだ」

 

「「「「「「わ、分かりました、黒瀬さん!」」」」」」

 

 勉強会で自由に過ごしていたやつはそそくさと帰っていく。

 それを残ったやつらは啞然としたただ表情で見ていた。

 

「さ、流石黒瀬さん!俺、ずっとついていきます!」

 

「「俺も!」」

 

「俺もです!」

 

 真面目に取り組んでいる組の石崎の声に、近藤、小宮、山脇が続く。

 1番真面目に取り組まなそうな石崎だが、俺の足を引っ張りたくないらしく勉強を真面目に取り組んでくれる。

 この暑苦しさ以外は嬉しい限りだ。

 

「それじゃあ気を取り直して始めるか」

 

「「「「はい!」」」」

 

 この場に残った6人を開いた口がなかなか塞がらなかった金田と一緒に教えていく。

 最初から勝つ気は全くないが、ここでどれだけ覚えられるのか、その人の吸収力を知ることで今後に繋げることが出来る。

 坂柳が狙ってこないであろう部分を中心に、基礎からしっかりと取り組んだ。

 

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「こんな時間にどうした?彼女と上手くいってねえのか?」

 

 同日の夜、寮の外に呼ばれた龍園が茶化してくる。

 こいつを呼び出したのは、今回俺が狙っていることをしっかりと伝えておこうと思ったからだ。

 様子を見る限り、昨日のことは根に持っていないらしい。

 

(報連相大事。彼女がいても絶対龍園に相談しない)

 

「そもそも俺に彼女はいない。今回呼び出したのは試験のことだ」

 

「そのことか、まあいいぜ」

 

 許可を貰ったので簡潔に話していく。

 

「俺が今回狙っているのはAクラスの敗北、Dクラスの勝利、櫛田の計画の邪魔だ。特にAクラスの敗北と櫛田の邪魔は絶対にする」

 

「俺も同じようなことを考えてたところだ。試験が始まる前からな」

 

 その言葉を聞く限り、体育祭後の不気味な龍園はこのことを考えていたのかもしれない。

 そうだとしたら、あまりにも時間を掛けすぎていると思うが。

 

「同意見なのはありがたい。それで俺がやることは2つ。Cクラスに情報を渡し、テストを2つ用意することだ」

 

「それなら櫛田が受けた勝負についても大丈夫そうだな」

 

(櫛田が受けた勝負?

 それはどういうことなのだろうか)

 

 龍園の口から出てきた言葉に疑問を覚え、それに関して聞いてみることにした。

 

「その勝負って何なんだ?」

 

「何でも堀北と数学で勝負するらしいぜ。それで俺のところに泣きついて来やがったってわけだ」

 

 それを聞き大体の予想がついた。

 

(動機は分からないが堀北と櫛田がテストで勝負して、櫛田が勝ったら堀北の退学って感じか。

 それで勝つために龍園にテストの答えを求めたってのが計画かな。予想してたことだからそこまでって感じだけど)

 

 龍園の言葉に誇張はあったとしても、堀北と櫛田が勝負することは変わらないだろう。

 櫛田を勝負に負かし、Aクラスを負けさせる。

 これは少しテストの内容を変えたほうがよさそうだ。

 

「今のAクラスは勝ちを知り過ぎた故に慢心状態。ここで一度お灸を添えないとな」

 

「坂柳とDクラスに負けるのは癪だがこれは仕方ねえことだからな。ここで負けねえ限り、俺たちはAクラスに居続けられねえ」

 

 龍園もAクラスで卒業したいと思うところはあるのか、それともAクラスという王者の席に居座り続けたいのか。

 それは龍園にしか分からないことだ。

 

 俺は遠い空を見る。

 そこには冬の夜空が広がっており、俺の記憶の一部を呼び覚ます。

 

 俺の勘ではこの先に何かが起こる。それもAクラスに大打撃を与える何か。俺はその現場を見ていたいが、その前、近い日に何かがあって見ることはできないと思っている。

 

 俺はだから願う。この空に。

 

 

(このAクラスが卒業するときにもAクラスでありますように)




Cクラスがどんな感じなのかいまいちだけど、頭の悪いやつはいるだろうってことで今回の感じに。

次回は書くか悩んだところですが書きます。
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