時というものは流れるのが早い。
俺と入れ替わってもう1週間が経とうしているが、おれにとっては昨日のような出来事とほとんど変わらない。
あの父親がこの学校に来るのは予想外だったが、俺が生きるために手に入れたかなり先の自分の未来が分かる直感、第六感はそれを見抜いていた。
平穏な暮らしのせいで体と一緒に鈍っていると思っていたが、どうやら大丈夫そうである。
ちなみに次の日ポストを確認したら、父親からの手紙が入っていて回収はしたが、封は開けずそのまま部屋に置いてある。
あれは俺宛のものであって、おれではない。
だから開けずにおいてあるのだ。
話を現在へと戻すが、あともう少しで11月が終わって12月になる。
12月と言えばクリスマスとか冬休みとかがあるが、生憎おれたちはそのようなことの前に退学の可能性がある試験を受けなければならない。
これで退学しなければ楽しい冬休みが待っているが、退学してしまえばどうなるか分からない。
そのため1年生の大半がテスト勉強に明け暮れている。
そんな中、おれは放課後に職員室に訪れていた。
理由は試験に関することで先生にお願いするためだ。
扉をノックし、担任である坂上先生を呼び出す。
「どうかしましたか?」
ちょうど扉の近くに坂上先生がいて、すぐにこちらへ来てくれた。
「坂上先生、茶柱先生を呼んでくれませんか?」
「はあ・・・・・・。そのために私を呼んだのですか・・・・・・」
本当に用事があるわけでもないのに、呼ばれたことに溜め息を吐く坂上先生。
「冗談です。茶柱先生も呼んでくれませんか?お2人方に話があるので」
「・・・・・・分かりました。茶柱先生を呼んできますので、ここで待っておいてください」
そう言って職員室に消えていく坂上先生を見ながらこう思う。
(あの先生、面白い部類に入るな)
冗談を言った時に顔を顰めたかと思ったら、冗談と分かった瞬間に本人は自覚していないと思うが安堵の表情を浮かべていた。
同学年の先生の中で、どこかのヤバそうな先生を除いて1番表情が豊かそうに思える。
坂上先生が来るまで扉の前でずっと立っているのは邪魔でしかないので、近くの壁に背を預け、まだ坂柳に連絡していないのを思い出したため、その連絡を行う。
『坂柳、Aクラスの生徒についてまとめたものだ。参考にしてくれ』
そう携帯用に直したデータと一緒に送ると、すぐに既読がついた。
『要らないと言いましたが、ここはありがたく貰っておきましょう(資料を渡すにしても遅すぎます。今度からは早くしてください)』
グーの音も出ない正論を最後に言われてしまったが、これで不安要素の1つを取り除くことが出来た。
「はぁー・・・・・・」
「こんなところで何をしてるのかな~?」
安心して溜め息を吐いたら、どこかのヤバそうな先生がエンカウントしてしまった。
俺が一度だけ話したことがあるが、その時に見たことないぐらいに嫌がっていたことを憶えている。
俺が喋る前にこちらとの距離を詰めた星之宮先生は指で頬を突いてくる。
「坂上先生を待ってます」
(とりあえず頬を突いてくる指を折ってやろうか、あぁ?)
「へぇー。それにしても頬っぺた柔らかいし綺麗だね~」
「女の子ですから」
「そんな噓私には通用しないよ~。ほらほら、観念して早く吐くんだよ」
そんなにこの肌が羨ましいのか分からないが、指で頬を突くことからぐりぐりと押してくるようになった。正直鬱陶しいにも程がある。
(面倒くさい人だな・・・・・・。ここは1つ芸でも披露して論点をずらすか)
「私は噓を言っていませんよ」
「え?」
突然起こった出来事に星之宮先生は手を止めて目を丸くする。
それもそのはず。
何故なら目の前にいるおれから、似つかわしくない女性の声が聞こえたからだ。
(おれの後ろには壁しかない。
なのに女性の声が聞こえた。
なんて思ってるんだろうな)
「あれ。黒瀬くんって男の子だよね?」
「お前は何を言ってるんだ?」
おれをじっくり観察している星之宮先生の横から茶柱先生が呆れながらやってきた。
その後ろに坂上先生がいないようなので、行き違いになってしまったのだろう。
「聞いてよサエちゃん!黒瀬くんから女の子の声が聞こえたの!」
「はぁー・・・・・・。昨日飲み過ぎて幻聴でも聞こえるようになったんじゃないか?」
「昨日はあんまり飲んでないし、それに幻聴なんかじゃなくて本当なんだってー!」
星之宮先生は必死に本当であることを伝えているようだが、茶柱先生に全く相手にされていない。
むしろ溜め息をつかれているあたり、面倒くさがられているのかもしれない。
「おや、ここに茶柱先生がいらっしゃいましたか」
「聞いてよ坂上先生~。サエちゃんが私の言ってることを信じてーーいたぁっ」
「何をやっているんだ。坂上先生が困っているだろ」
「は、はあ・・・・・・」
職員室から坂上先生がこちらに来た瞬間、星之宮先生がターゲットを変えるが、茶柱先生が手に持っていたクリップボードで頭を叩くことでそれを食い止める。
坂上先生はそんないきなりの出来事にかなり戸惑っている。
その様子をもう少し見ていたい気持ちはあるが、この後用事があるのだ。
今回の話は聞いている先生が増えたぐらいで特に問題はないので、ここで話を進めることにした。
「茶柱先生と坂上先生、と星之宮先生。3人に少し話があります」
「話か。なんだ?」
「この契約書にある契約について、先生方から許可をと思いまして」
「ほう」
「どれどれ~?」
自分で作成した契約書をカバンから取り出して茶柱先生に渡す。
それを星之宮先生が横から確認し、坂上先生は2人が見終わった後に確認する。
少しして坂上先生の確認が終わり俺の手元に契約書が帰ってくると、茶柱先生がこう言う。
「どれだけAクラスがこの契約を結びたいかが分かった。だが、お前たちが開示する試験の内容次第ではこれを黙認するわけにはいかない」
内心で好機と思っている茶柱先生からの意見は教師としては当然だろう。
(この意見はごもっともだ。
なぜなら本来試験というのは、試験で出された部分を分かっているかの確認のようなもの。
だが、もしその試験に出てくる問題が予め分かっていたら?
答えが分かっていたら?
そうなってしまえば、ただの記憶力テストに成り下がってしまう。
簡単に言えば、試験に出てくる内容が最初から分かっていたら、能力が測れないとかだろう。
それで茶柱先生はおれが開示する内容によってはそれを無視できないって感じだ)
この意見に関しては予想できたものなので、事前に準備していた言葉で答える。
「開示する内容はあくまで試験に出すのがどの範囲かぐらいです。それ以上は流石にやりません」
「ふむ、その程度なら私は黙認しよう」
「あまり好ましいとは言えませんが、私も黙認しましょう」
「黙認してもいいけど、なんで櫛田さんに試験の内容を知られたら駄目なのかな?」
2人に許可を取り残り1人となったところで、坂上先生なら聞いてこないだろう質問を堂々としてくる星之宮先生。
あまり立ち話としてこの内容を聞いてほしくなかったが、答えられる範囲で答えることにした。
「より良い結果のために、ですよ」
「より良い結果、ね」
その時に一瞬、視線が茶柱先生の方に動いたことをおれは見逃さなかった。
どうやら茶柱先生と星之宮先生の間には何かがあるようだ。
「私としては満足したし。じゃあね、黒瀬くん。あ、今度からは知恵さんと呼ぶように」
最後に聞き捨てられないことを吐いた星之宮先生は、手を振りながら職員室へと行ってしまった。
(先生というより学生だな。
てか最後に何言ってんだよあの尼)
「どうやら、あいつに目をつけられているようだな。もし、星之宮で何か悩み事があったら何時でも言ってくれ」
「それでは私もこれで失礼します」
茶柱先生と坂上先生はそう言って、星之宮先生の後を追いかけるように職員室へと向かった。
-----------------------------
「放課後に俺を待たせるとはいい度胸してるじゃねえか」
次の予定があるカラオケ店へと向かう途中、昇降口で待ってもらっていた龍園と合流する。
「これでも早く終わらせた方なんだが。まあ許可は貰ったし許してくれよ」
「これで許可が貰えてなかったらお前をここで殴ってるとこだったがな」
割と理不尽なことを言われたが、許可を貰えたのだからここはスルーしておく。
「あと残るはDクラスだけだ。さっさと契約を済ませて帰るぞ」
少々苛立ちながらも目的の場所へと足を運ぶ龍園。
今回カラオケ店にいくのは歌うためではなく、試験について話し合いをするためだ。
龍園を呼ぶ意味はあまりないが、Aクラスのリーダーとして今回のことを見ておいてほしいため呼んだのである。
カラオケ店に着き少し前に連絡をもらった部屋へと向かうと、そこには堀北と平田がいた。
不機嫌そうな1人を横目に、空いている場所に腰を下ろし今回呼んだことについて話を始める。
「今回Dクラスを呼んだ理由についてだが、それはとある契約を結んでほしいからだ」
「契約、ね。あなたが私たちを呼ぶ理由なんてそれぐらいしかないものね」
「今回の契約については坂上先生、そして茶柱先生の許可も貰っている」
皮肉気に言う堀北を無視しつつ、カバンの中に入っている契約書を出す。
それを堀北へと渡すと平田と一緒に目を通す。
「ものすごい契約だね・・・・・・」
「恐ろしいわね・・・・・・」
その内容を見て目を見開く2人。
今回の契約内容はこんな感じだ。
第1条(契約の趣旨)
Dクラス(以下、「甲」という)は、今回の試験においてAクラス(以下、「乙」という)に勝利する。
第2条(契約期間)
契約を行う期間は契約を行った日から期末試験が終わるまでとする。
第3条(契約内容)
(1)甲は櫛田桔梗の過去に受けたテストの結果を乙に開示する。
(2)乙は甲に所属する堀北鈴音及び平田洋介に対して期末試験の内容を開示する。
(3)堀北鈴音及び平田洋介は(1)で得た情報を櫛田桔梗以外のクラスメイトに開示する。
(4)12月に行われる期末試験で、乙は甲に勝利しなければならない。
第4条
甲が(1)を行わなかったまたは、(2)の情報が櫛田桔梗に渡った場合、その時点でこの契約は破棄される。
第5条
乙が(2)を行わなかった場合、乙は甲に対し5000万プライベートポイント(以下、「ポイント」という)を即日までに払わなければならない。
第6条
(2)の情報が誤っていた場合、乙は甲に対し6000万ポイントを即日までに払わなければならない。
第7条
(4)の結果にならなかった場合、乙は甲に対して9000万ポイントを即日までに払い、甲は乙に対して次の試験までに6000万ポイントを払わなければならない。
第8条
乙がポイントを即日までに払われなかった場合、乙は甲に対して追加で7000万ポイントを払わなければならない。
第9条
この契約が成立した場合、契約内容を第三者に故意に教える行為を禁ずる。
第3条である契約内容を破らない限りDクラスにメリットしかないものだが、もし1つでも破ってしまえば恐ろしいほどの賠償を支払わなければならない。
少しやりすぎな感じはあるが、逆にそれぐらいしないとこの契約を結んでくれないと踏んだからここまでしたのだ。
(さっきの先生方からの許可はDクラスとの契約を結びやすくするためのもの。
本来なら無許可でやるようなものだが、無許可だとDクラスはこれを信用してくれないだろう。
だが、先生からの許可を得たという大義名分があれば、こちらは契約違反は絶対出来ないと思わせられる。
そうなればDクラスは結んでくれる可能性が高くなるってわけ)
「龍園くん、あなたはこんな契約に納得しているの?」
「確かにそうだね。君がこんなに自分へのメリットがない契約に納得するはずがない」
「下のサインを確認せずに言ってるわけねえよな?」
そう言われ、2人は再度契約書の下の部分を確認すると、そこには「甲の代表者:龍園翔」と書かれていた。
それに驚き表情を隠せないのは仕方ないだろう。
あの龍園翔がかなりのデメリットがあるのにも関わらず、その契約書にサインをしているのだから。
「契約書にある通り、おれらの代表である龍園には話を通して同意も得ている。あとはお前たちDクラスのサインだけだ」
「私と平田くんだけを呼んだ理由はそういうことだったのね・・・・・・」
「ここに2人だけ呼んだとはいえ、この契約を2人だけの意見で決めるのは難しいだろう」
本城からの情報で堀北と平田が率先して物事を進めていると聞いているが、流石にこの契約を2人だけで決めるのは難しいはずだ。
だから1つのことを提案する。
「それで提案だ。ここに櫛田桔梗を除く4人を呼んでいい。呼ぶのは誰でもいいが、この場で契約を結ぶかの決断はしてもらう」
「私たちに話し合える時間をくれるってことね。分かったわ」
「・・・・・・俺を呼んだ理由はこれか?」
その条件を飲み、堀北と平田は助っ人の話し合いを行い始める。
それを眺めながら、横にいる龍園がこちらに聞いていくる。
「そうだな。Xを探すのに情報を得ることは大事なことだ。だからDクラスがこの提案を飲むことを予想し、それを利用して情報を得る。手間が少し省けていいだろ?」
「Dクラスの情報は確かに大事なものだ。だがな、Xがここでボロを出すとは思えねえ」
「まだそこまで候補を絞れてない状況だろ?それに情報は多いに越したことはない」
「それもそうだな」
未だXの尻尾を掴めていない以上、Dクラスの情報というのは必要なものだ。
それに情報というのは、多い方が事を早く進めることができる武器だ。
それが多くて困ることは絶対にない。
「あと、携帯をおれと通話状態にしてここに置いといてくれ。念には念だ」
龍園がおれと通話状態にして数分すると、須藤、綾小路、軽井沢、
いつもオオカミみたいに嚙みついてきた須藤が嫌悪感を出すだけで大人しいのは意外だったが、幸村が入ってきた瞬間もの凄く睨んできた。
睨んできた理由はおれには分からないが、もしクラス替えのことをまだ根に持っているなら、俺にそれを向けてほしい。
「全員揃ったわね。今から話に入る前に、Aクラスはここから出てくれると嬉しいのだけど」
「それは無理だな。もしおれたちがいない間に契約書が破られていたり、改ざんされる可能性がある以上、おれたちにはここにいる義務がある」
Dクラスはこの話をAクラスに聞かれたくないようだが、こちらとしても譲ることは出来ない。
「それなら私たちは帰るわ」
「・・・・・・分かった。だが、契約書はこちらが預かっておく。データを平田に送るからそれで決めろ」
ここでDクラスに帰られるわけにはいけないため、それを飲むことにした。
契約書のデータを平田に送り部屋から出た後、携帯にイヤホンを刺し片方を龍園に渡して中の声が分かるようにする。
『それじゃあ早速だけど、4人共この契約書に目を通してほしい』
『少し待て堀北。もしかしてその契約はAクラスとなのか?』
『そうよ』
『今まで散々Dクラスを狙って攻撃してきた相手と契約だと?そんなの冗談じゃないぞ!俺は反対だ!』
『俺も反対するぜ、鈴音。こいつらがこんな紙切れに従うわけがねえ』
『私も最初はそう思っていたわ。だけど、この契約書を見てその考えを見直してほしいの』
反論する幸村や須藤に対して、冷静な言葉で返す堀北。
成長していると聞いていたが、目に見えて分かると嬉しいものだ。
『な、なんだこれは・・・・・・』
『・・・・・・鈴音、これって俺たちにいいことしか書いてなくないか?』
『そうね。私から見ても少し腑に落ちない点はあるけれどそう思うわ』
『須藤、オレにも少し見せてくれないか?』
『じゃあその次は私に見せてよ』
話を聞く限り、契約書を幸村と須藤が確認して、幸村が啞然としている状態。
須藤は堀北に質問してこの契約の内容を何となく理解できたようだ。
『うーん、なんで櫛田さんに内容を教えちゃダメなのかな?』
『それは私も思っていたわ。あとで聞いてみるわね』
どうやら櫛田1人だけを契約から外してしまうと、その点が露見しやすくなり、気になる人が出てくるのだろう。
『さっきの契約書を見てもらったけど、この契約についてあなたたち5人はどう思う?ちなみに私は賛成よ』
『俺も賛成だな。特に俺たちDクラスに悪いことは書いてなさそうだし』
『俺は相手がAクラスなのは気に食わないが、結ぶこと自体は賛成だ。これほど縛られていれば、いくらAクラスでも破れないだろうからな』
『オレも賛成だ。今の状況のDクラスにはありがたいことだからな』
『私も賛成かなー。せっかくのチャンスだし、それを棒に振りたくないっていうか』
『僕は反対かな。櫛田さんだけに内容を教えられないのは不平等だと思うんだ』
助っ人枠である4人は賛成を示すも、平田だけはクラスメイトの1人が仲間外れにされることを理由に反対する。
それを聞いた堀北は自分の主観を平田に伝える。
『それはそうかもしれない。けれど私たちがそんな悠長なことを言ってられる状況じゃない。それに櫛田さんのことだから点数がボーダーを下回ることはないはずよ。彼女には申し訳ないけど、ここは犠牲になってもらうしかないわ』
『けど・・・・・・』
『私もその点に関しては納得いかないわ。だから試験が始まるまでに解決策を見つけ出すわ』
『・・・・・・分かった。それなら僕も賛成するよ。だけど、解決策を見つけるのを途中で投げ出すようなことだけはしないって約束してほしい』
『もちろんよ』
中での話し合いは終わり、俺の携帯に『終わったよ』と平田からの連絡が入ってから中へと入る。
「話し合いは終わったようだが、結果はどうなった?」
「私たちは契約を結ぶことにしたわ。けれどサインする前に1つ。どうして櫛田さんだけに内容を教えてはいけないのか。その理由、教えてくれないかしら?」
本日2度目となる質問。
おれは星之宮先生の時と同じ解答をすることにした。
「より良い結果のために。それが理由だ」
「より良い結果ね・・・・・・」
堀北はそう言って考え込む姿勢を取り、黙り込む。
(思い当たる節はあるがここで言えば、Dクラスは更に悪化する。
といったところか)
Dクラスからこれ以上質問はなさそうなので、契約書とペンを前に出し、堀北にサインをしてもらう。
「これで契約完了だ。これが今回試験で出す範囲、これ以上は先生方から止められているから無理だ」
「分かったわ」
契約書を回収し、今回の試験に出す範囲が書かれた紙を堀北に渡す。
「おれたちはこれで失礼する」
荷物をまとめて龍園と共にカラオケ店を後にする。
寮へと着く前、おれは龍園に1つ尋ねる。
「どうだ、Xの予想はついたか?」
「全くだ。だが、今回来やがったやつらの中にXに通じるやつは絶対いるはずだ。そいつを見つけ出してXを潰す」
X本人が参加していたが、龍園にバレるようなボロは出していなかったようだ。
「もう試験のことは終わったんだろうな?」
「ああ」
「なら明日からXを探すためにDクラスの接触していく。だが黒瀬は参加するな」
「了解」
己の力でXを探し出すのは変わらないようで、おれはお呼ばれされなかった。