ようこそ2人の最高傑作がいる学校へ   作:クリッピー

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後半だいぶグダグダです


第8話 Aクラスとの交流

 5月初日から1週間が経ち、この日本史の授業が終われば昼飯という時間に、

 

「たうわ!?」

 

 そんな声が静かな教室に響いた。

 俺は脳内1人将棋中で、さっきの声のせいで相手が何故か、将棋板をひっくり返してしまい1からになってしまう。

 

「どうした綾小路。いきなり大声をあげて。反抗期か?」

 

「い、いえ。すいません茶柱先生。ちょっと目にゴミが入りまして・・・・・・」

 

 さっきの声の犯人は綾小路らしい。

 クラスメイトは綾小路に向けて冷たい視線を飛ばしているので、俺も同じような視線を飛ばす。

 ほとんどのやつが視線に「ポイントを失ったらどうするんだ!?」という意味をこめているだろう。

 だが、俺はそんな理由で飛ばしていない。ただ周りに合わせただけでも無い。

 そう、この視線にこめたものは、

 

(俺の連続勝利数5桁目、通算勝利数7桁目になるはずの勝負がーーー!おめえのせいで1からじゃねぇか!今日は祝いに初めての有料定食にしようと思ってたのに!クソがーーー!)

 

 という理不尽な怒りのようなものだ。

 俺は今日の授業の間、たまに同じ視線を飛ばしつつ、1人将棋を楽しんだ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 昼休みになり、各々が昼飯のため席を立とうとし始めた時、平田が口を開いた。

 

「茶柱先生の言っていたテストが近づいてる。赤点を取れば、即退学だという話は、全員理解していると思う。そこで参加者を募って勉強会を開こうと思うんだ。もし勉強を疎かにして、赤点を取ったらその瞬間退学。それだけは避けたいんだ。

 それに、勉強をすることは退学を阻止するだけじゃなく、ポイントのプラスにも繋がる可能性がある。高得点をクラスで保持すれば査定だって良くなるはずだよ」

 

 そしてこう続ける。

 

「テストの点数が良かった上位数人で、テスト対策に向けて用意をしてみたんだ。だから、不安のある人は僕たちの勉強会に参加してほしい。もちろん誰でも歓迎するよ」

 

 平田は須藤の目を見つめ、そう優しく話しかけた。

 

「・・・・・・ちっ」

 

 だが、須藤はすぐに目を逸らし、腕を組んで目を閉じてしまう。

 平田と須藤の関係はあまり良くないようだ。

 

「今日の5時からこの教室でテストまでの間、毎日2時間やるつもりだ。参加したいと思ったら、いつでも来てほしい。もちろん、途中で抜けても構わない。僕からは以上だ」

 

 そう言った途端、3バカ以外の赤点組が平田の元へ向かう。

 俺は教室に残る理由がないので、ぼっち飯をしに食堂へと出向く。

 普段なら今ぐらいに座って、「いただきます」を言っているぐらいだろう。

 食堂で山菜定食を買い、いつも座っている奥のテーブルの場所に腰を下ろす。

 そして手を合わせ、感謝の気持ちを込めて、

 

「いただき────」

 

「隣よろしいですか?」

 

 どこからか声が聞こえたので、そちらを見てみると、そこには銀髪の少女とサイドテールの女の子がいた。

 銀髪の少女は片手に杖を持っているのを見る限り、足が悪いんだろう。

 

「別にいいぞ」

 

「ありがとうございます」

 

 そう言って、2人は俺の前の席に座る。

 少女が俺の前に座って、その隣にもう片方の女の子が座る。

 

「何か話でもあるのか?」

 

「そうですね。察しが良くて助かります」

 

「気付いて普通だと思うが・・・・・・。ここは食堂でもだいぶ奥の方。それに周りの席もだいぶ空いている。ここに来るってことは、何かあるってことを表しているのかと思っただけだ」

 

 いつも同じ場所で昼を過ごしているが、ここに来るのはだいたい上級生の暗い感じの男子ばかり。

 そんなところに女子、それもそこそこ可愛い部類に入りそうな人たちが、何も理由が無いなんておかしな話だからだ。

 

「流石ですね」

 

「それで?」

 

 俺はそう言いながら、山菜を食べる。

 

(うん、山菜の味が口に広がって美味い)

 

「私はとある人を探していまして。その方とお話をしたくてここに参りました」

 

「その人は恋人とかか?」

 

 人を探していると聞くと、運命の相手か幼馴染ぐらいしか想像がつかない。

 

「いえ、その人は何でもDクラスの人で」

 

 この少女は俺のクラスの人を探しているようだ。

 俺はその話に耳を傾ける。

 

「前回の小テストで満点、毎日昼に山菜定食を食べている方で、入学1週間後に女子生徒をお姫様抱っこをしただとか。知っていますか?」

 

(うん。それ俺です。

 それにしても、何であの事件知ってんの!?誰かに盗撮されてたの!?

 うん?なんか微笑みながら携帯見せてきてるし。よく見たら、あの事件の写真じゃん!絶対分かって言ってきただろ、こいつ。

 それにしても味噌汁うま)

 

「知ってるも何も、それは俺だ。てか、今の話のほとんど俺をからかいたかっただけだろ」

 

「バレてしまいましたか。もう少し面白い反応が見れるかと期待しましたが、残念です」

 

(今日初めて会った人に、そんなのを求めてくるのは酷くない?)

 

 そんなことを思いご飯に手をつけていたら、前の少女が口を開く。

 

「そういえば、自己紹介がまだでしたね。私は1年Aクラスの坂柳 有栖(さかやなぎ ありす)です。杖を使っている理由としては、先天性心疾患だからです。

 そして隣にいる方は神室 真澄(かむろ ますみ)さんです」

 

 そう言われて、神室が少し頭を下げる。

 

「俺は1年Dクラスの黒瀬神威だ」

 

「黒瀬くんですか」

 

「それで結局、わざわざここに来た用は何なんだ?自己紹介だけをしに来たわけじゃないだろ」

 

「自己紹介だけというのもいいことですが、折角の機会ですので1つ頼みごとを。それは私たちと手を組んでAクラスを負けるよう、仕向けてもらいたいのです」

 

 いきなりの発言に俺は顔を顰める。

 

「Aクラスを?」

 

「はい、もちろん結果によっては報酬を出します。それと動きやすくなるなら、真澄さんも貸します」

 

「ちょっとあんた。一体何言ってんの?」

 

 神室も先ほどの言葉は初耳のようで、坂柳の方を睨みつけている。

 

(神室の反応を見る限り、初めて聞かされたのか、それとも使われるのが嫌なのかのどっちかだな)

 

「俺も同意見だ。言っている意味がよく分からん。自分のクラスを負かしてメリットなんてないぞ」

 

 この学校は実力主義。

 自クラスを負かせてしまうのは自殺行為に等しいと言える。なのに、この坂柳は自クラスを負かしてほしいと願うのだ。

 

「メリットはあります。それは、私たちのクラスには派閥のようなもの2つあり、その片方の派閥を潰すことが出来るからです。その派閥というのが、私の派閥と葛城(かつらぎ)という人の派閥です。それと、単純にDクラスとAクラスとの差が縮まります」

 

 Aクラスには派閥が出来ており、坂柳が率いているのと葛城というやつが率いているのがあるようだ。

 ついで程度にクラス間の差が縮まることを言ってくる辺り、優先順位はもう1つの派閥解体がメインだろう。

 

「・・・・・・何となく分かった気がする。その葛城ってやつの地位を無くせばいいんだな?そのためなら、坂柳の派閥は力を貸すと」

 

「そうですね」

 

 1つのクラスで仲間割れ。

 上手く使えば、一気にAクラスに上がることができる。

 

(面白そうだな。俺もこんなことがあるなら、Aクラスが良かったなー)

 

「面白そうだし手を貸してもいいとは思うが、その前に1つ。Bクラスに落ちてもいいんだな?」

 

「別に構いませんよ。Aにずっといても退屈ですから」

 

(Aってそんなに暇なのか...?)

 

「分かった。俺個人として手を貸そう」

 

 こんなことにDクラスの人を巻き込めば、確実に双方ともに悪影響が出てしまう。

 それなら、単独でやる方がこちらに来る被害は最小限にでき、費用もそこまで掛からない。

 

「俺らDクラスはだいぶ大変だが、Aクラスも大変そうだな」

 

「あなたたちに比べたらそこまで大変ではありませんよ。1か月0ポイントからしたら、小さいことですからね。そういえば、黒瀬くんはどれくらいポイントを残していましたか?」

 

「全額残して、そこからポイントを増やしたとだけ言っておこう」

 

「それは興味深いですね。もしよければ今のポイントを見せてくれませんか?見せたくないのであればいいですが」

 

「見られて減るもんじゃないからな。はいよ」

 

 そう言ってポイントが表示されている画面を見せると、2人は目を見開く。

 

「何よこれ・・・・・・どれだけ持ってるのよ・・・・・・」

 

「凄いですね・・・・・・」

 

(現在は先生と交渉して1200万ぐらいになっている。まあ、来月には1400万近くになってると思うけど)

 

「報酬でポイントをくれるならありがたいが、一応これだけ持っていることを覚えておいてくれ」

 

「ポイントを多く持っているとはいえ、流石に報酬はしっかり払いますよ」

 

 こういった感じだと報酬はくれないかと思っていたが、律儀な坂柳はしっかりと報酬を払ってくれるようだ。

 前提条件として、結果を残さなければならないが。

 

「それでは今回の件、よろしくお願いします」

 

 そう言って坂柳が右手を前に出してくる。

 

「こちらこそ」

 

 俺はそれを握り返し、おぼんを持って戻る準備を始める。

 

「俺はもう教室に戻るが、もう用件はないか?」

 

「協力関係になったということは、私たちとの連絡手段が必要となってきます。なので、ここは連絡先を交換しておきましょう」

 

「分かった」

 

 俺の携帯をもう1度見せて、2人と連絡先を交換した。 

 

(部活以外で女子と交換したのは初めてだな)

 

「それじゃあ」

 

「期待してますよ」

 

「ああ」

 

 俺は食堂を後にし教室に戻ると、綾小路が3バカに何か話をしていた。

 そして、綾小路は自分の席に戻って堀北?と何かを話し始めた。

 おそらく、3バカに関係することだろう。

 俺はそれを横目に、自分の席で寝ることにした。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 放課後になり、勉強会に参加しようと準備していたら、綾小路が櫛田を廊下に連れていくのが見えた。

 

(何か企んでそうだから後で聞いてみるか)

 

 帰る準備が終わり、昨日に作り終えたプリントの束を持って平田のところに行く。

 

「テスト対策プリントを各教科5枚ずつ作ったんだが、勉強会に参加する人に渡してくれないか?」

 

「どれを渡せばいいんだい?」

 

「これだ」

 

 そう言ってプリントを渡す。

 このプリントは、各教科で基礎を1、2、3枚目でして4、5枚目で過去問の問題を少し変えたのをするというやつだ。

 

(これなら赤点の心配はほとんどないだろう。心配なら過去問をあげればいいし)

 

「これは凄いね。このプリント、全て黒瀬くん1人で作ったの?」

 

「そうだな。対策プリント自体は中学から自分で作ってるけど、他の人に見せるのは初めてだから心配だが」

 

(ちなみに的中率は割と高く、8割以上は当たる)

 

「それじゃあ、これを使って勉強会を進めていくよ」

 

「ここに各問題のヒントを教卓に置いとくから説明しといてくれ。あと、俺の名前は伏せてくれよ」

 

「分かったよ」

 

 それ以上のことを模索することなく、俺が渡したプリントを参加者に説明し始めた平田。

 

(説明の時に、しっかりと俺の名前を伏せたのはありがたい)

 

 説明のあとから今回の参加者が俺の作ったプリントをやり始める。

 俺はその間暇なので、先日図書館で借りた植物図鑑を読んで時間を潰す。

 

(読むと言ってもほとんど見る何だが)

 

 借りた理由は、またサバイバルした時に生存率を上げるに必要かなと思ったからである。

 

(こんな図鑑を読んでるせいで、質問とかがほとんど平田の方に流れていっているみたいだが。まあいいか)

 

 植物図鑑を読み始めて約1時間。

 図鑑を読み終わり周りを見ると、何人かが帰る準備をしている。

 俺はその集団に紛れて図鑑と鞄を持って、平田に帰ることを言ってから図書館へと向かう。

 この図鑑を返してから、前に見つけたサバイバルに使えそうなことが書いてある本を借りる予定である。

 予備知識はいくらあっても無駄にならないはずだと思いたい。

 

 図書館に着き、植物図鑑を返却して、サバイバル関係の本を借りる。

 途中でマニアックな本を読んでる女の子を見たが、テスト前なのによく本を読むなと思う。

 あとは、勉強をしている人が数人いるぐらいだ。

 図書館を出て、帰路に着いてから坂柳に小テストと1学期中間テストの過去問を送る。

 本当なら、食堂にいた時に聞いておけば良かったのだが、忘れていたので今にしておく。

 

(と言っても送ったのはテストだけで、他は何も送っていない。これで相手がどう出るのか見ることが少しはできるだろう。多分)

 

 ついでに綾小路にもメッセージを送る。

 こちらには、フォルダーに入れてパスワードをかける。

 パスワードは「ホワイトルーム」。

 

『何か企んでるのか?』

 

 と言葉も添えておく。

 それから20分ぐらいして、綾小路から返信が来る。

 

『堀北主催の勉強会に池と山内と須藤を誘うのを手伝っている。それより上のフォルダーは何だ?』

 

『フォルダーの中身は今回のテストに関わるものだ。パスワードはまた今度教える』

 

 

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