ポケモン能力持って転生したら様子がおかしい   作:イベリコ

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 イベリコです。一度データが全て消えて心が折れてましたが、更新再開です。不定期になりますがよろしくお願いします。


第二話 職探しとロリコン

「嘘……だろ……」

 

 

 僕は膝から崩れ落ちた。目の前には、「絶望」を体現したものが広がっている。

 

 

 僕こと神代(かみしろ)(あおい)は、この世界でもポケモンの力でなんとか生きていけそうだと考えていた。

 

 思えば、それが伏線だったのかもしれない。

 

 

「何でこんな……馬鹿なことがっ……!」

 

 

 口に出しても仕方のないことだとは分かっている。けれど、叫ばずにはいられない。

 

 

「何でっ……何でっ……!」

 

 

 嗚呼、本当に何故。

 

 

 

 

「何で、お金も食料も無いんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 神代葵。肉体年齢約五歳。

 

 目の前には0しか書いていない通帳と、何も入っていない冷蔵庫。

 

 

 

 転生初日、生活の危機です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジエンから何とか逃げきった(違います)後、テレポートを行使出来ないことに少しパニクった。が、良く考えてみれば光しか出なかった(全然違います)が僕がとっさに叫んだのは“ときのほうこう“。もしあれが正しいのであれば、1ターン動けなくなる反動があるのかもしれない。

 そして体内時間で一分ごとにテレポートと言っていたら、やはり10分程経つとで普通に使えた。つまり反動がある技を使うと10分間は他の技が使えなくなる……ということになるのか?まあ後々確かめればいいか。

 

 ということはあの富竹フラッシュモドキが本当にときのほうこうなのか……ディアルガェ……(全く違います)。

 

 

 閑話休題(その話は置いといて)

 

 

 結局普通にテレポートで家に帰り、疲れていたので、もう寝ようとした時に事件は起きた。

 

 僕のお腹が鳴ったのである。

 

 無論、些細なことだ。しかし、意識してしまうと空腹感を我慢出来なくなってくる。

 寝る前に軽いものでも作って食べようと思い、冷蔵庫を開けたが何も入っていない。気が利かない神様だと呟きながら何か買ってこようかと思ったが財布がない。嫌な予感を感じながら家の中を漁っていると通帳を見つけた。ほっとしながら通帳を開けると無慈悲な0の文字。

 

 現在に至る。というわけだ。

 

ーーーくきゅぅ

 

「うぐぐぅ……」

 

 状況説明で誤魔化しても空腹は紛れない。本当に気が利かない神様やでぇ……肉体年齢五歳の奴にどんな仕事をしろというのか……。

 悩んでいる中、そういえばとあやふやな現在知識を引っ張りだす。

 

 確かこの世界にははぐれ悪魔とかいう存在がいたような。んでもってそいつらを狩って生計を立てている賞金稼ぎ(バウンティハンター)とか何とかいうのがあったような……。

 

 こ、これだ!これしかない!確か原作二巻でヒロインの兄が魔王か何かだった。多分魔王様に言えばなんとかなる……はず!よし、そうと決まれば!

 

 

「テレポート!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーside  転生者ーー

 

 

(ククッ……スゲェ上手く言ってるぜ……)

 

 俺の名前は釜瀬(かませ)犬史郎(けんしろう)。転生者だ。

 

 何かクソッタレな神のせいで死んじまってこのハイスクールD×Dの世界にチート付きで転生した。最初はふざけんなって思ってたが、今なら少しは認めても良いかもしれねぇ。

 後ろを振り返って幼少期の原作でのメインヒロインであるリアス・グレモリーと将来生徒会長になるソーナ・シトリーが光を失った瞳で俺に付いてくる姿を見てほくそ笑んだ。

 

 俺が選んだチートは、

 

・俺の言葉で催眠、洗脳をかけられる

・ダイヤモンド並の堅さ

・どんなに傷つけられても一瞬で再生する

 

の三つだ。

 

 最初のチートで少しでも俺の言葉を聞いたら言いなりになり、後2つのチートでその時間を稼ぐ。しかも最初のチートには色々な種類がある。その一つを今この二人にはかけている。それは『自我を残したまま俺の言いなりになる』というものだ。ただ、俺が死ぬ位の傷を負うとそれまでの催眠、洗脳が解けてしまうが、そもそも俺を即死させられる奴なんてほとんどいない上に俺は魔力や光の力を察知するのが非常に得意だ。

 

 ハイスクールD×Dの世界には可愛いヒロインが多い。そいつら全員この俺の能力を使ってハーレムを作ってやる。心をぐちゃぐちゃにして俺に依存させてやる。サーゼクスやセラフォルーにももう俺に逆らえないっていう洗脳をかけてある。現にもうこの二人がいなくなっていることに気付いているのに誰も追手がやってこない。このままオーフィスなんかも洗脳して俺のボディーガードにしてもいい。

 

 全てが順調に運んでいたんだ、この次の瞬間まで。

 

 

 

「ーー“ねこにこばん“!!」

 

 

 その言葉と共に一瞬意識が途切れ、その後頭に走る激痛によって意識が目覚めた。頭を吹き飛ばされて即死したんだと分かった。初めて与えられた『死』の痛みに頭を抱えたが、心の中はそれ以上の焦りと困惑に包まれていた。

 

(なんっ、どういうことだ!? 俺が一撃で死んだ!? 魔力も光の気配も無かったぞ! 神器(セイクリッド・ギア)持ちか? ドラゴンか?だが俺を狙う理由が無い! クソ、こいつのせいで今までの洗脳が全部パアだ! 絶対に楽には殺さない!!)

 

 俺はその憎い相手を睨みーーそして、硬直した。

 

 そこには黒髪を肩で伸ばし、真っ赤な服を着て中性的な顔立ちをしたーー五歳ほどの子供がいた。

 

(……あんな、あんなガキに俺は殺されたのか? ふざけんな。ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなふざけんな!!)

 

 この時、俺は目の前のガキの異常さに気付くべきだった。そうすれば、もう少しイイ死に方が出来たかもしれないのに。そして、

 

「このクソガキィ!てめぇはさっさと死」

 

「“ねこにこばん“!」

 

 俺が強制力を持った洗脳をしようとした時、俺はまた意識を失った。

 

 

 

ーーSide outーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テレポートした後、僕の視界に入ったのは木。木。木。魔王様がいる城は僕の想像よりもずいぶんエキセントリックなお住まいだった。

 

 

 うん、テレポート失敗したね。

 

 

 やっぱりどこの人の所に行きたい、ってのは駄目なようだ。まあそれでも充分過ぎるほど便利だから何も言わないけど。

 はぁ、と溜め息を一つして僕は走り出した。さっきのジエン相手の特訓で大分慣れたけど、まだ本気で走ると制御が出来ない……というか酔うので流すように走る。しかし僕も早くなったな。前世と比べてるからだろうが、軽く走っても音速超えてるような気がする。

 

 さて、魔王城はどこかな?

 

 

 

ーー少年探索中ーー

 

 

 

 五分位経過した。だけどそれっぽい建物どころか人の手が入ったものも見つけていない。

 

 

ーーーくきゅうぐぎゅぎゅぎゅぎゅ

 

 

「……ごふっ」

 

 加えてこの五分、軽くではあるものの走り続けた結果、僕の腹の虫が暴走している。もしかしたらこのまま僕の腹を喰い破って僕の死体を元に増殖して世界中に広まってあばばばば、ってなんでやねん。……いかん、混乱してきた。

 

 というか思ったのだが、食べ物かお金が欲しいなら“ねこにこばん“って技があるのでは?

 

「……凄く、時間を無駄にした気が……」

 

 絶対に気のせいだ。

 

 ところで“ねこにこばん“って一回でいくらくらい貯まるのか。ゲームだと百円単位だったけどポケスペだったら普通に小判落ちてたよね。まあ試せばいいか。

 

 振りかぶってー、あ、ほいっ。

 

「“ねこにこばん“!!」

 

 パァン!

 

 そんな音と共に、ザクロのような赤い液体が飛び散った。

 

 えっ、と思ったらそこには傷一つない銀髪のイケメンが。あぁ、何かの幻覚?一瞬殺っちゃったかと思ったぜ。まあねこにこばんがそんなに強いわけないか。

 

 そうしてると銀髪のイケメン君(オッドアイだった。悪魔って凄い)がこっちを睨んでいた。もしかして当たっちゃったかな?謝らない……と……

 

 銀髪の後ろに見える幼女二人。どちらも僕でなく銀髪君の方を怯えた目で見ている。

 

 ………ほーん。これはまあ、あれだな。

 

 

 幼女☆誘拐

 

 

「このクソガキィ!てめぇはさっさと死」

 

「“ねこにこばん“!」

 

 銀髪が何か言おうとしていたが関係無い!変態に人権はないのだ!

 

 ロリコンは死ね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 哀れ転生者。
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