インフィニット・ストラトス【褐色の魔獣】Rē season1 作:グ・ラン
翌朝 1年生寮内の食堂で朝食を食べていると食堂内にいた殆どの女生徒達がある2人を遠目に見て話していた。
「ねえ見て、彼がISを動かせる男子だって~」
「1人目の方は千冬お姉様の弟だって話よ」
「じゃあ彼も千冬様並みに強いって事かな?」
「それより織斑君の隣に座っているあの子は誰よ?」
「1組の篠ノ之さん。なんでも織斑君の知り合いみたい」
と話題が絶えない一夏と篠ノ之さんに注目が集まり本人達には聞こえていないつもりでヒソヒソと話していたが丸聞こえだけどなあ、それに一夏の様子を見ていると何だか篠ノ之さんに謝っている様子で話しており、当の篠ノ之さんは仏頂面で答えていたが昨日の一夏らしき叫び声と何か関係あるのだろうかそれにしても入学式から1日しか経っていないのにこの短期間でよく情報を集めたものだと感心するくらいだ。
僕は空いていた席に座り、トレーに載せた朝食(ミキシングボウルに山積みしたポテトサラダと受け皿に山積みされたクロワッサンにカフェモカ)を食べていると…
「ガ、ガモン君隣座って良いかな?」
僕は後ろから聞こえた声の方へ振り向くと3人の女生徒がトレーを持ったまま待っていた。
「ああ、かまわないよ」
「「「よしっ!」」」
3人は僕からの許可を貰うと喜びを隠しきれないのかその場で小さくガッツポーズを行い空いた席に座るのだった。そんな様子に間近に見ていた他の女生徒達はというと…
「ああっ、織斑君に気を取られてガモン君を忘れてたわ!!」
「あ~ん!1時間前に早起きした私の努力が~」
「まだよ!これで終わった訳じゃないわ。朝食がダメならお昼があるじゃない!!」
「それだ!!!」
と僕との相席を狙っていた女生徒達の無念に満ちた声が聞こえてきたが、突っ込んだら負けの様な気がして僕は聞かなかったフリをして朝食を食べ始める。
「ガモン君朝からよく食べるんだぁ」
「そうかな?家では普通に食べる量だよ」
「ガモン君の家ってフードファイター育成機関なのかな?」
「これだけ食べればお昼要らなさそうだねー」
僕の朝食の量に3人が多種多様なリアクションを取っていた。これでもまだ抑えている方だけどなぁ…と言ったら流石に引き気味になるだろうと思い僕は口には出さずにいると…
「…私は先に行くぞ、織斑。」
「ん?ああ、また後でな」
篠ノ之さんは朝食を食べ終わると席から立ち上がり、空になった食器を載せたトレーを持って返却口へと向かい食堂から去って行くと残った一夏は引き続き朝食を食べ始めるのだった。
「そういえばガモン君って寮では誰と同席になったの?」
「僕は保険医の東城先生と同席になったんだ。先生とは昔馴染みでね」
「東城先生と同席!?」
「えっ!?昔馴染みってどういう…」
僕の返答に大きく驚いた女生徒が僕と沙苗さんの関係が気になって聞こうとしたその時…
パンパンッ!!
手を叩く乾いた音が聞こえる。
「いつまでのんびり食べているお前達!食事は迅速かつ充分に取れ!遅れたらグラウンド10周走らせるぞ!!」
白いジャージに身を包んだ織斑先生が食堂に現れ、食事中の女生徒全員に聞こえる勢いで言い放つと食堂内は一気に慌しい様子になりさっきまでスローペースでゆっくりと食べていたのが一気に礼儀作法を無視したガツガツした様子で食べ物を口に入れていく。
さて、僕も食後にグラウンド10周走るのはキツいというより昼食までお腹が空くから走りたくないのが気持ちだ。
僕は残っていた朝食を急いで食べるとその光景を間近に見ていた3人の女生徒はまるで手品でも見ているかのような方針状態になり驚きのあまりパソコンがフリーズしたかのように固まっていた。因みにその女生徒達はギリギリ間に合いグラウンド10周する事は無かったそうだが…驚かせてすまない…この出来事が後に学年中に広まりガモン・ショックと噂されるのはまた別の話だそうな…
2時間目の授業も何事も無く進み織斑先生がふと思い出したかのように語る。
「ガモン。明日のオルコットとの試合だがお前専用の機体の完成にまだ時間が掛かる為、学園内の訓練機を用いての試合になる。使用する機体を早めに決めておけ」
「わかりました。今日の昼休みに申請書を提出します」
織斑先生の言葉に教室内が騒めき出す。それもそうか。何せ専用機は本来、自国の試作段階機のテストも兼ねて代表候補生に送られる機体だ。同じ代表候補生でも専用機が無い生徒もいる中でISの稼働経験と知識を持っていない男に専用機が用意されているのだ。流石に騒めくのは無理も無い話だ。そんな周囲の反応に対して一夏は頭にクエスチョンマークを浮かべた様子であったが対戦相手のオルコットさんは何処か勝ち誇った表情を浮かべていた。
「この勝負、最早わたくしの勝ちで決まりですわ。何せこのセシリア・オルコットはイギリスの代表候補生の中でも専用機を与えられたエリートの中のエリートですもの!学園の訓練機でわたくしに挑む貴方の不運を恨むのですね」
「ハハハ、これは手厳しいなオルコットさん。でも勝負をしていないのに勝敗を決めつけるのはいささか早計じゃないかな?」
「ハッ、強がりはおよしなさいな。訓練機は第2世代機の【ラファール】、【
僕は愛想笑いを浮かべてオルコットさんの言葉を受け流すと流された本人はピキッと擬音を立てるような表情で僕を見ていたが鼻で笑い答え返し、僕の発言を負け犬の遠吠えと捉えたのだろう。
「そこまで自信があるなら明日の試合で僕が使用する機体を特別に教えよう。君が第3世代機の専用機持ちだと教えてくれたお礼としてね。僕は明日の試合、【打鉄】を使用する」
僕の発言に教室内は更に騒めく。自分が使用する機体を先に宣言したのだから。僕の行動にクラスメイト達は『正気か?』と言いたげな視線を送るが僕の選択に後悔は無い。それと彼女には身を以て教える必要がある。機体性能と候補生止まりの戦闘経験だけで勝利を確信した様子を浮かべるのは早すぎる事をね。
「まあ、それはご丁寧にどうも。明日の放課後が楽しみで仕方が無いですわ。尻尾を巻いて逃げ出したらタダじゃ置きませんけど」
「その心配は必要無いよ。1度引き受けた事を投げ出すほど僕は薄情な奴では無いから明日を楽しみにしておいてくれ」
「誰がそこまで話せと言った?勝手に話すのは私の授業が終わってからにしろ」
織斑先生は呆れた様子で僕らの様子を見ていたが、許容範囲を超えたのか声に若干苛立ちが混じったトーンで話す様子に危機感を覚えた僕は直ぐに席に着く。
「さて、お喋りが過ぎたな。では授業を再開する。教科書の28ページを開け」
織斑先生の言葉にさっきまでの騒めき声は瞬時に消え去り、教室内は状業に集中するのだった。
そして1日はあっという間に過ぎ去り、翌日 水曜日の放課後第3アリーナにて…
ピット内では試合で使用する訓練機【打鉄】が飾られた甲冑のように鎮座されており、僕は今回の試合で使用する装備の最終確認を行っていた。するとピットの自動ドアが開き様子を見に来た沙苗さんが入る。
「試合開始まであと10分だというのに、最終確認に抜かりがありませんね」
「ええ、コアのリミッターを学園使用に制御されている訓練機とはいえ扱い方を間違えれば事故が発生しますから。それに僕自身、現役の代表候補生と戦える事に高揚感が溢れています」
「本当に貴方は良い意味でバネッサ様に似てきましたね。それからあの方から伝言を預かっています」
沙苗さんの言葉に僕はパッド型操作ディスプレイを操作する作業の手を止めて息を呑む。元はと言えば僕自身がこの流れを作ったものだ。あの方には報告済みとはいえ、少々派手にやりすぎたかもしれないなと考えていたが…
「『思いっきり楽しんで来い』との事です」
僕はその言葉に思わず微笑むと羽織っていた上着を脱ぎ捨てて、鎮座された【打鉄】を装着する。稼働率、PIC異常無し、動作不良無し、機体制御良好、【打鉄】に搭載されたハイパーセンサーを開き異常も無い事を確認し終えてゲート管理を行っている山田先生に合図を送ると閉じ切ったゲートが開いてアリーナ内へ入って行く。するとそこには…
「あら、よく逃げずに来ましたわね。その点だけは褒めて差し上げますわ」
既に自身のISを装着していたオルコットさんがふふんと鼻を鳴らして待ち構えていた。
「第3世代機【ブルー・ティアーズ】…中~遠距離戦闘に秀でた機体か。良い機体だね」
「褒めて頂くのは結構。わたくしから最後のチャンスを差し上げますわ」
「チャンス?」
「この試合、わたくしが一方的な勝利を収めるのは必定ですから、惨めな姿を晒したくなければ今この場で謝れば貴方の名誉を傷つける事無く穏便に許して差し上げますわ」
オルコットさんは余裕と言ったあからさまな表情を浮かべつつも、手に携えているライフルのセーフティーを解除し銃口を下に向けていたが…
「残念だがそれはお断りだ。1度引き受けた勝負をそんな結末で終える程、僕は落ちぶれちゃいない。それとも君の方が僕に負けるのが怖くなって逃げる口実を話しているのかな?」
僕の挑発にオルコットさんは頭にカチンときた表情を浮かべてセーフティーを解除したライフルのエネルギーを充填し始め銃口を僕に向け始める。
「そう…ならここで、その減らず口と共にお別れですわね!!」
キュインッ!!
銃口から発射されたレーザーが僕に当たるかと思われたが、僕は弾道を見切って目では決して追えない筈の攻撃を回避する。
「!?マグレとは言え運が良いですわね」
「今のは早撃ちのつもりだったのかな?すまない、軌道が見えすぎて欠伸が出そうだったよ」
「そう、余程叩きのめされたいのですね…良いですわ、その減らず口いつまで続くかしら!」
僕の言葉にオルコットさんは癇に障ったのか手にしたライフルを構えて正確な射撃を繰り出すが僕は回避しながら
だが、それだけではない。弓の発射速度が増している事に気付きだしオルコットさんは回避するがその隙を見過ごすほど僕は甘くは無い。狙い通りに矢はライフルの銃口に命中し、充填されたエネルギーが暴発し、ブルー・ティアーズの主武装だった【スターライトmkⅢ】は爆散しオルコットさんは戦闘ダメージを受ける。だがISに搭載されている絶対防御が発動し命に別状は無いがシールドエネルギーがごっそりと消費するダメージを受ける事になった。
「主武装であるライフルを破壊した所でわたくしの手札はまだ残っていますわ。光栄に思いなさい!わたくしセシリア・オルコットとブルー・ティアーズが奏でる
オルコットさんの背部に浮かんでいた
「君の特殊武装【ブルー・ティアーズ】は周囲に展開されたビットに指示を送って攻撃をしているが、その間君はビットの制御で身動きが取れないと見たが違うかな?」
「………!」
図星を突かれたのかオルコットさんは目尻を引きつり残った2機のビットを自分の周囲に戻す。彼女の攻撃パターンは読めたがまだ油断は出来ない。距離を詰めようと焦って攻めれば腰部に搭載された武装で間違いなく返り討ちに遭うだろう。勝負を決めるなら焦らさず一気に決めるしかないな!僕は【牡丹】を構えてオルコットさん目掛けて突撃するフリをする。僕の行動にオルコットさんは一瞬ニヤリと笑みを浮かべてビットに指示を送り、迎撃に入るがオルコットさんの読みは見事に外れる。何故なら追いかけていた筈の標的が一瞬姿を失ったからだ。その直後、残っていた2機のビットが後部スラスターを切り裂かれ爆発した。その様子にオルコットさんだけではなく観客席で観戦していたクラスメイト達も驚いていたが間近でその光景を見ていたオルコットさんはハッとなった表情を浮かべる。
「
「その先入観は命取りになるよ」
「!?」
僕の声に気付いたオルコットさんは空中ディスプレイに浮かぶ背後注意の警戒に気付くが遅い!振り返る前に僕は腰部に搭載された武装を【牡丹】で切り伏せた後、腹部に中段回し蹴りを繰り出し衝撃に耐えきれなかったオルコットさんは機体制御を失い地面に叩き付けられる。その光景に観客席で観ていたクラスメイト達から『これはやりすぎじゃ…』、『今すぐ止めないと』とどよめく声が聞こえてくる。だが勘違いしてもらっては困る。これはただの試合じゃないオルコットさんのご希望通り決闘を行っているんだ。スポーツ競技で行われる試合とは違う、自分の命と誇りを賭けた戦いに性別もやりすぎなんて物は関係ない。そんな甘い考えが罷り通るほどこの世は甘くは無い。僕はハイパーセンサーで地面に落下したオルコットさんを見ると彼女の眼はまだ死んでいなかった。絶対防御が作動しシールドエネルギーは残り僅かの筈だが起き上がって立ち上がるのだった。
「ここまで追い詰められたのは初めてですわ…武装を殆ど失い、シールドエネルギーもあと僅か…ですがわたくしは諦めませんわ!ここで尻尾を巻いて逃げ出すほど愚かではありませんの」
「試合前の慢心しきった様子とは大違いだ。良い目をしている…主武装であるライフルとビットは全て失ったがどう立ち向かう?」
「わたくしの武装はまだ残っていますわ、
オルコットさんは声を出して武装の名前を叫ぶと右手に光が集まり、両刃型のショートブレードが展開される。武装名を呼ぶのは初心者が行う動作で代表候補生である彼女にとっては恥を晒しているのも同然の筈だが…どうやらそんな考えは無粋のようだな。
「好きなだけ笑いなさいな。あれだけ自慢していたわたくしが武装1つ呼ぶのに時間が掛かっている事に」
「笑わないさ。自分の恥を受け入れ、勝利を掴み取ろうとするその姿はとても輝いている。その姿に敬意を表して近接戦でお相手しよう」
僕は【牡丹】を構え直し姿勢を低く前のめりにしゃがみ込む。対してオルコットさんはフェンシングの構えでショートブレード【インターセプター】を持ち構える。周囲が静寂の空気に包まれて行くがオルコットさんは渾身の一撃を込めた突きを繰り出す。それに対して僕は突きが当たる寸前まで距離を引き延ばしてがら空きになった胴体に✖状の一閃を繰り出してカウンターを放つとオルコットさんの専用機【ブルー・ティアーズ】はシールドエネルギーが0になり戦闘不能に陥るのだった。その直後、試合終了を告げるブザーが鳴り響く。
『試合終了 勝者 ヴェリル・ガモン』
第3アリーナ内に搭載された空中ディスプレイが試合結果を映し出す。その結果に観客席からは驚愕に満ちた声や僕の実力に何も言えずに硬直する様子と1人1人各々多種多様な様子と表情を浮かべていた。僕はそんな様子をスルーして自分のピットへと戻って行く。
ピット内に戻り【打鉄】を脱着し終えるとマフラータオルとミネラルウォーターを手にした沙苗さんが待っていた。
「お疲れ様ですヴェリル。汗は早めに拭わないと身体を冷やし風邪を引く原因にも成り兼ねません」
「そんなに僕の身体はやわじゃないですよ」
「その過信が後に大病へと繋がる可能性も有りえるのですよ。バネッサ様からもあなたの体調は常に万全に整えるように厳命されています」
「うっ…」
沙苗さんの言葉に僕は思わず固まってしまう。あの姉なら万が一体調を崩したと知ったら何をされるか分かったものじゃない…あぁ、今までのトラウマがフィードバックされて来る。僕は全身に悪寒を感じて沙苗さんの言葉に従いスポーツタオルで汗を抜き取る。
「それであなたはセシリア・オルコットに何を望むのです?」
「あぁ、それなら既に決まっています」
「あなたの事ですから、何か企んでいるのでしょう?」
「人聞きの悪い事を言わないで下さいよ。それに今日の試合は彼女にとって大きな分岐点にもなった筈です」
僕はそう確信を持って沙苗さんに答えると沙苗さんは僕の表情を見て納得した表情を浮かべていた。そんな沙苗さんを見た僕はピット内にある更衣室へと向かう。
試合終了後、人手が賑わう前の食堂内で待っているとオルコットさんが覚悟を決めた様子で近付いてくる。
「今回の試合はわたくしの完敗ですわ。約束通り敗者は勝者の指示にな、なんでも従います…」
「あぁ、そう怯えないで欲しい。僕は君が嫌がるような事は決して強要したりはしないさ」
オルコットさんは僕の外見等で警戒いや、何をされるか分からないのか声が震え怯えた様子で話すがそう警戒されると少し心に刺さるな。いや、自分でも外見の悪さは理解しているが…今度傷痕だけでもファンデーションとコンシーラーでメイクして隠してみるか。おっと話が逸れそうだ、早速本題に入るとしよう。
「僕から聞いてもらう事は2つあるよ、これは必ず実行して貰う。1つ目はこの前のクラス代表を選抜する際に君が言った件をクラスメイト全員に謝って貰う事さ」
その言葉にさっきまで怯えきっていたオルコットさんは一瞬ポカンとした表情を浮かべていたが直ぐにハッとした表情で頷いた。
「承知しましたわ。ですがそれで良いのですか?もっとわたくしに恥辱を味わせたり屈服させる事等幾らでもあった筈じゃ…」
「あのね、そんな事をしても何の意味も無いでしょう?僕は君に対してマウントを取りたくて決闘を受けた訳じゃない。君の今後の学園生活と日本の素晴らしさを改めて認識して欲しかったからあの時決闘を受けたんだ」
「わたくしの為ですか?」
ここで僕はあの時何故オルコットさんの決闘に応じたのかその経緯を話す
「ああ。ここIS学園は世界各国から数多くの生徒が留学しているがそれでも日本人が多いのは紛れも無い事実だ。他所の国から来た人間が我が物顔で自分の祖国を馬鹿にされたら君だって良い印象は抱かないだろう?そんな中で君があのままクラス代表になっていたらこの先、どうなっているか分からないだろうし何より後から入って来るまだ見ぬ後輩に嫌な印象を与えたく無い、その内君は孤立する可能性だってある。その可能性を前以て防ぐ為に決闘を引き受けた」
「そこまで考えていたのですね…」
「それともう1つ、僕が訓練機の中で【打鉄】を使った理由は【打鉄】を製造したのは日本の倉持技研だ。IS生産シェアでは上位に入ってはいないが洗練された技術・物造りへの強い思い・操縦性の高さは世界でもトップクラスに入る。そんな世界に通用する技術を持った企業が文化的にも後進な国とは言えないだろ?」
「自分が負けるかも知れないリスクもあったのにたったそれだけの為にわたくしの決闘を受けたのですか…これは人の器としても完敗ですわ」
オルコットさんは僕の経緯を知ると自分が如何に身の程知らずであったのかを悟ったような表情を浮かべるも憑きものが落ちたような清々しい様子だった。
「それともう1つはどんな事を望まれるのですか?」
「それも簡単なモノさ、週明けの月曜日の放課後改めてクラス代表決定戦を引き受けて貰いたい。今度は慢心し切った様子を一切捨てた本気のセシリア・オルコットと勝負がしたいのとオルコットさんに1人見極めて貰いたい人物がいるんだ」
「その人物とは何方ですの?」
「織斑一夏。彼が今後この学園いやこの世界に何をもたらすのか見極めて貰いたい。僕としては彼こそが今の世界を変えるきっかけになると捉えている」
「貴方にそこまで言わせる何て…良いですわ、このセシリア・オルコット!織斑一夏が貴方のお眼鏡に掛かる人物か否か全力で見極めますわ」
「あと僕の事はこれからヴェリルと呼んで貰って構わないよ。貴方だと僕を言ってるのか一夏を言っているのか分からないだろ?」
「それもそうですわね、ならわたくしの事はオルコットさんではなくセシリアと呼んで頂いて構いませんわ」
「ではお言葉に甘えてそうさせて貰うよ。セシリア」
「改めてよろしくお願いしますわ。ヴェリルさん」
そして翌日…1限目開始前
「皆さん3日前はわたくしの発言で不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした」
教室内ではクラスメイト全員に向けてセシリアが頭を下げて謝罪していた。そんな様子に一部のクラスメイトは納得していない様子だったが真摯に謝る様子に他のクラスメイトからはセシリアの謝罪を受け入れる声が挙がっていた。その様子にクラスメイト達の人当たりの良さが伝わってくる。それから授業開始を告げるチャイムが鳴り皆、自分の席に着席すると織斑先生が教室に入り教壇に立つと開口一番にある事を告げる。
「おはよう諸君、授業を開始すると言いたい所だがこの前話したクラス代表を誰にするかだが匿名の提案で候補に挙がったガモン、オルコット、織斑の3名による総当たり戦で決定する。勝負は週明けの月曜日、放課後第3アリーナで執り行う」
「はぁ!?」
織斑先生の言葉に一夏は衝撃が走り、耐えきれなかったのか大声で驚きの声を漏らすのだった…
To Be Continued…
今回登場した訓練機【スターズⅡ】はオリジナル版にも登場したオリジナルISです。作品内でも登場させるので今後の活躍にご期待ください。そして原作ブレイクとなった展開を繰り広げましたが果たして一夏はどうなるか否かはお楽しみに