「ふむ。それで、私たちを集めた理由は何かな?」
「とある事情により、戦力が必要でな。ちゃっかり『俺の』金で買ってやってたお前らをよん……」
「残念ですな〜拙者、際どい防具を着た女性がいるのを期待したの…ガハァッ!」
「デュフるな、黒ひー。」
街の一角にて終夜は、ちゃっかり遊んでいたカルデアから来たサーヴァントの内の男性陣、アーチャー『エミヤ』ライダー『エドワード・ティーチ』の二人を呼び出していた。真面目に話を切り出すエミヤと違い、残念な表情で周辺の女性プレイヤーを見ていたくろひーに一撃を食らわした終夜は、そのまま集めた理由を話し始める
ちなみに、エミヤの種族はサラマンダー。 黒ひげの種族はノームである
「こっちで知り合った相手のギルドと共にあるボスを攻略するんだが、面倒な予感がしていてな」
「というと?」
「今回のボスは発表当初から実装まで注目を集めていたボスであり、攻略すれば雑誌に載ったりとリターンもかなり大きい」
「つまり争奪戦になると」
「端的に言えばそうだが、そうでもない。生半可な実力では勝てないからな。俺が気にしているのは…」
「ふむ。そういうことか」
不意に言葉を切り、視線を街の方へと向ける終夜。そしてその視線の先にあるものを見て納得するエミヤと、一人いじけているくろひー。その終夜の視線の先には、プーカの羽飾りを着けたプレイヤー、セブンクラスタの姿が。終夜はセブンクラスタ、又はシャムロックによる妨害を警戒していた
「何かと手段を選ばないところがあるからな。そこを警戒しての事だ。先日のこともあるしな」
「先日とは?」
「ハイエナプレイをしたセブンクラスタを全滅させて、最後に煽りました」
「手段を選ばないのはわかったが、その後の対応による問題は自分が招いた結果では?」
エミヤのもっともな返答に何も言い返せない終夜はすっとぼけることとする。その終夜に頭を抱えるエミヤ。そうこうしていると、終夜の元にユウキからボスに挑む準備が出来たと連絡が入る。そのため、終夜は二人と別れ、ユウキから連絡のあった場所まで移動し、残された二人も時間差で終夜を追いかけるようにその場を発つ
「おう、ユウキ」
「お待たせ、シュウ。ごめんね、準備とか長くなっちゃって」
「気にしてないから謝らなくていい。それじゃあ早速いこうか」
転移門前でユウキたちと合流した終夜はそのまま全員と軽く喋り合いながらダンジョンへと向かっていく。またその後ろには察知されない程度の距離でエミヤと黒ひーの二人が付かず離れず、追いかけていた
「イベントボスとは言え、専用ダンジョンではないんだな」
「通常のダンジョンが一時的にイベント専用となっているようですね」
ダンジョンに挑戦すると終夜はヒーラーのシウネーと後衛で雑談をしながらダンジョンを進んでいた。というのも、ユウキだけでなく、ジュンたちの実力もかなり高く、またコンビネーションもいいため、変に混ざる方が迷惑と思ってのこと。決してサボりではない
「しかし、みんなこれ程強いのに俺がいるか?」
「恥ずかしながら、罠に真っ正面に突っ込んだり出会うモンスターを全滅させながら進むため……」
「ああ、なんかわかるわ。ユウキとジュンの二人が何も考えずに突っ込んでる風景が予想できる」
「全くもって、その通りなんです……」
終夜の予想は当たっており、シウネーが恥ずかしそうに終夜の予想を認めて頷く。そんなことは露知らず、ユウキを先頭にどんどん、ダンジョンを攻略していった
そして、ボス部屋の前で終夜の懸念は的中するのだった
既にボス部屋へと到着していたシャムロックのメンバー20人ほどが入口を占拠し、封鎖していたのだ
「あ、あのプレイヤーは……」
「シャムロック…」
「まーた、あいつらか」
「まだ人数が少ないからあれは先導隊だな。本隊もまだの様だし先に挑戦させてもらおうか(門前払いだろうけど)話を付けてこよう」
(話が拗れて戦闘にならないか)心配するユウキをよそに一人、シャムロックの元へ移動する終夜。何者だと視線を送るシャムロックの中から一人の男が終夜の前に立ち塞がった
「なんだ、貴様は」
「俺たちも君らと同じくイベントボスの攻略に来ている。どうやら人が集まり終わって無いようだから先に挑戦させてもらえないか?」
「それは出来ない。ボスに挑みたければ我々の攻略を待つことだな」
「お前たちが終わるまで小一時間以上待てと?準備もろくに出来ないのによく言う」
「ふん、文句はギルドマスターを通して貰おうか」
「ほざけ。例え伝えようが聞く耳ももたないだろうに」
「ね、君」
議論が平行線を辿るなか、終夜の隣に来ていたユウキが終夜と言い争っている男を呼ぶ
「つまり、ボクたちがこれ以上どうお願いしても譲ってくれないってことだよね?」
「当然だ」
「そっかぁ、じゃあ仕方ないね。戦おう」
突然、戦う意思を示したユウキに驚く終夜。その終夜にユウキは無邪気に微笑んだ
「ごめんね、シュウ。けど、結局はシュウも同じことをしてたよね?というか、シュウの場合は不意打ちしてたよね?」
「まぁな」
「だったら良いよね!」
やれやれと、シュウは自身の武器を抜く。その際、スリーピングナイツの面々をチラリと確認すると、誰一人嫌な顔を見せずユウキと同じように武器を構え、戦闘体勢に入っていた
「なら、さっさと道を開けて貰うぞ。シャムロック!」
突如始まった戦闘。人数の差が大きいスリーピングナイツだったが、コンビネーションに関しては圧倒的に分があり、次々にシャムロックメンバーを倒していく。だが、残り数人というところで、シャムロック本隊が到着してしまう
「後方から大勢のプレイヤーが!」
「本隊到着か……」
「はははは!どうだ。これが力の差と言うものだ!お前ら、こいつらに巨大ギルドにたてついた罪を思い知らせてやれ!」
「おおおお!!」
勢いづくシャムロックとは反対に、スリーピングナイツの面々の士気は下がってしまう。そんな中で終夜はスリーピングナイツに一つ指示を出した
「全員、ボス部屋の前で待機。俺に危険が迫ろうが、来るなよ」
「でも、それじゃあシュウが!」
「大丈夫だって」
「メイジ隊。焼いてやれっ!!」
「フッ……『アーチャー』!」
先導隊を全滅させたスリーピングナイツの全員を扉の前で待機させた終夜はそのまま本隊へ突撃しようとする。ユウキが心配だと引き留めようとするが、問題ないとそのまま突撃する。
その光景に格好の獲物だとリーダー格の男が魔法を放つように指示を出すが、その魔法は放たれることなく、待機状態の空中で消滅する
「なっ何が起きた!?」
「流石っ」
「無茶が過ぎるのではないかね?」
「うるせぇ」
魔法が消滅したのは、この戦場に魔法で隠れていたエミヤが放った矢により、魔法の核が破壊されたことで起きたことだった。それと同時に敵陣に突っ込んだのは終夜とエミヤと同じく魔法にて隠れた黒ひげだった
「美少女のために戦えるとは………燃えてきますぞぉ」
「おい、エミヤ!自分で呼んどいてなんだが、こいつ連れて来たの失敗じゃないか!?」
「元からわかっていた事だろう。全く……」
「辛辣ですなぁ……」
黒ひげのテンションに自らの判断を悔いる終夜とそれに呆れるエミヤ。その周りには、黒ひげに殴り倒された者。終夜に斬り倒された者。エミヤに撃ち抜かれた者が転がっていた。また、エミヤの周囲には弓しかないと突貫したシャムロックのメンバーがエミヤによって切り捨てられ、リメインライトと化して、その場に鎮座していた
「うっそぉ………」
「シュウさんもですが、あのお二方もとても強いですね」
「あのシャムロックがもう壊滅かよ……」
この光景にはユウキたちも驚きが隠せず、あんぐりと口を開けて呆けたりしていた。そして、戦闘開始からものの十分程でシャムロックの本隊は終夜たち三人によって壊滅させられた
「手応えのない……」
「仕方ないだろう。それより……ボス攻略の方は良いのかね?」
「………あ、」
シャムロック殲滅で終わった気になっていた終夜に頭が痛いとの素振りを見せるエミヤ。悪い悪いと、反省してない返しをした終夜はそのままユウキたちの元へ戻り、その間にエミヤと黒ひげの二人は回廊結晶を使い、ダンジョンから脱出した
「シュウ。さっきの二人は……」
「リアルでの仲間だ。こんなことがあるだろうと事前に呼んどいた。まぁ、それは置いといて早くボスに挑もうぜ」
ボス部屋へと突入する終夜たちは、特殊フィールドへと転移し、既にそこにはボスが待ち構えていた。史上最強の評価通り、その攻撃は苛烈を極める。スリーピングナイツの面々も必死に対応するが受け止め切れず被弾してしまうこともしばしば。そんな中、終夜はというと……
「クハハハハハハ!いいぞ、貴様!もっと寄越せ。hurryhurryhurry!」
「あ…ジュン!テッチ!急いで下がって!巻き込まれちゃう!」
一人、狂ったように攻撃を捌き、ボスにダメージを与えていく。その様子を見たユウキは前衛にて奮闘していたジュンとテッチを後衛へと下げ、そのまま終夜の行動に巻き込まれないよう一塊に集まるよう指示を出した
「ええと、あれがシュウさん?さっきと全然違うんだけど」
「あはは……」
ジュンはその変容っぷりに困惑し、ユウキはそれに対して苦笑いで何も言えない様子だった。そして、終夜の猛攻を受けるボスも本来あり得ないのだが、どこか怯えているように見えてしまう。だが、そのお陰でボスの攻撃が全て終夜に向かっているため、回復が間に合っていない先程までと違い、終夜の回復にだけ集中すればいい状態の今がチャンスと、シウネーを残し全員で突撃するユウキたち。その状態を知ってか知らずか終夜もボスのヘイトを自身のみに向けられるよう立ち回り、ユウキたちがダメージを負うことが殆んど無くなっていた
「もう少しだよ、皆!」
「「おう!」」
「もうシュウさんへのヒールが追い付きません!」
「頑張れシウネー!」
「あとちょっと!」
「そんな〜」
ボス討伐までもう少しというところで、ボスの行動パターンも変わり、被弾が増えた終夜の回復を担当するシウネーが根を上げる。だが、ユウキとノリの二人が頑張れと声を掛けるだけで何か改善されるわけではなく悲嘆にくれつつ、回復を続ける。そしてユウキのラストアタックでボスのライフバーが0となり、ついにボス討伐を達成した
「ふう、お楽しみもこれで終いか……」
「やったー!やったよー!!」
「おい、ユウキ。ちょいまっ……ガフッ」
武器をしまい、終わったと惜しむ終夜に喜びを全身に出したユウキが抱きつく。終夜も受け止めるが、コート装備の終夜と違い、ユウキは胸当てを装備しているため、通常より威力が高い。そのため思わぬダメージを受けてしまう。が、喜ぶユウキを無下にできず、あやすように頭を撫でる
「みんなもお疲れ様」
「おつかれ!いやー、まさか本当に勝っちゃうなんてなー」
「みんな、すげー頑張ったもんな」
「それ以上にシュウさんがいてくれたのが大きいですね」
「あんなにヒールしたのは初めてです……」
「シウネーには苦労かけたな」
二人がそんなやりとりをしている間に他のメンバーも喜びを露に、話をしながら集まってきた。ただ、シウネーだけは疲労困憊のようで、終夜はシウネーを労っていた
「さて、これでおしまいだな」
「いや、まだやってないことがあるぜ!」
「……宴会か?」
「そう!……ってなんでわかったの」
「大抵はそうだろうよ」
「なんで、遠足みたいになってるのさ!」
「まぁまぁ、ユウキ」
全員でこのあと行う打ち上げのことを楽しく話し合いながらダンジョンを脱出する。そして、後日打ち上げをすることを決めて、ダンジョンの入口で終夜はスリーピングナイツと別れる。ユウキもまだ一緒にいるらしいので、終夜は一人帰路につく。久々の戦闘に満足して
長らく投稿できずらい申し訳ありません
間幕はこれにて一度終わりとなり、本編へと戻ります。
ただ、正月特別編として終夜たちのほのぼのとした日常を書くかもしれません。
これに関しては作者の出来に対する満足度合いによりますので確実にあるとは言えません
(エアコミケでユウキのプレマ情報を見ず、そのまま流してしまった自分が怨めしい)
ゲームでのキャライベントの投稿タイミング、間幕としてだすんですがどちらがいいですか?
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出来上がり次第
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SAO編完結後纏めて