「ここがラストダンジョンの入口か……」
「パパ。ここにいたボスを最初に倒したのはシュウさんで間違いないのですが、今日、私たちが来る二時間前にボスを倒したパーティーがあるみたいです」
「へぇ………翌日には復活たぁ。人海戦術は侮れんな、この世界。いや、人的資源が無くならない訳だからその人数を毎度集めることが出来るシャムロックを褒めるべきか?」
「って、おいおい!これはマズイんじゃねぇのか!?」
「まぁ、攻略度で言えば負けているだろうな。確実に」
シャムロックに先を越されていると分かり、取り乱すクラインと、対照的に一人冷静な終夜。その終夜に疑問をぶつけたのはリズだった
「ねぇ、シュウ。あんた、ずいぶんと冷静ね」
「そうか?」
「シャムロックに抜かれたってのに焦ってすらないからよ」
「ああ。人海戦術ならそこまで進行は進んで無いだろうと踏んでだ。正直な所、シャムロックの人海戦術が効果的かというとそうではないからな」
「……というと?」
「あとはダンジョンを進みながらな」
珍しく反応したエギルに少々驚きつつ、ダンジョンに入ってからとダンジョンの中に向かう終夜。他の面々も追従し、全員が中に入ったのを確認してから、先ほどの続きを話す
「人海戦術ってのは、強いように見えて究極の個に弱い場合がある」
「究極の個?」
「そうだな……良い例えがあるしシャムロックで話そうか。このダンジョンに、スメラギを含めたトップランカーが10人。中堅層が30人。あとは強さがまばらなクラスタが40人の計80人で挑んだとする。では、問題だクライン。この場合でこのダンジョンの中ボスに挑んだときにはどうなってると思う?」
「俺かよ!……うーん」
全員に聞こえる声量で先頭にたって戦う終夜とシノン、リーファの後方支援であらかたの敵は倒せており、漏れたのもキリトたちが倒すことで、それほど会話は中断せずにダンジョンを進むことが出来ていた。そんな最中に急に話を振られ真面目に考え込むクライン。それを尻目に到着したボス部屋らしき部屋のドアを開ける。
「これが答えだな」
「なっ!………」
予想通りだと、顔色を変えない終夜と裏腹に驚愕に顔を染めるキリトたち。ボス部屋の中には多数のリメインライトに姿を変えたプレイヤーが広がる光景があり、どんなことがあったか一目で判る状態だった
「とまぁ、こんな風にそれほどの実力がないやつが集まっても強力なボスに殺られるって訳だ」
「この状況で話続けるのかよ!」
「仮に壁に30人いたとしても、全員がスメラギ等のトップランカーなら話は別だが強さもまばらなクラスタが混ざればその分強度は落ちるし、被ダメージも増える。さらにワンパンが増えれば更にだ。それを毎度続けれる訳も無いからな」
クラインのツッコミも無視して話を続ける終夜は、辺りに転がるまだ実体を保つ瀕死のプレイヤーを放置してボス部屋を進む。が、ある一人のプレイヤーの遺した言葉に足を止めた。それはキリトたちも一緒だった
「俺達は……セブンを助けるんだ……セブンちゃんの為に………ラストダンジョンの攻略を…」
「…!!」
「あんたらはそこまでしてセブンのことを」
「当たり前だ。俺達の女神、俺達はあの子の為なら……うっ」
「セブンの為……ね。……ステンノから聞いた彼女達の孤独がどういうことかよく分かる」
「シュウくん?」
瀕死プレイヤーの最後の言葉に各々違う反応を見せる中、終夜はかつてカルデアでステンノと一度だけ交わした会話を思い出し、遠い目をしていた。そんな終夜をレインが心配そうに顔を覗きこんでいた
「どうする?キリトくん。これだけの人数がやられたのはボスだけじゃなくってきっと大群だったんだと思う」
「一度引き返す?」
「先に進もう、キリト君。きっと、シャムロックのトップランカー達がもっと先にいってる筈だから」
「どうした、レイン。今までと違って随分積極的だが?」
「えっ!?そ、そうかな〜」
返事しづらそうな反応のレインだが、終夜もからかいの意思しか無いので、すぐに会話は終わり。ボス部屋の奥に檻で阻まれた部屋があり、既に部屋の中にいるボスの姿も確認できた
「さて。ボスがいることだしさっさといくかぁ」
「軽いわよ!って言いたい所だけどアンタの場合は諦めるわ。文字通りさっさと倒しちゃいそうだし」
「うんうん。ボクもそう思う!」
「リズだけでなくユウキまで……まぁいいか」
「さて、シュウに負けないようにボスに挑もう!」
「いや、キリト?それどういうこと?」
深刻な雰囲気とは打って変わり、終夜を弄りつつ士気を高めるキリトたち。事実、終夜が常人でない動きでボスのHPを削っており、その事実で弄るため終夜も反論できず、放置して好きに言わせることにしたのだった。
そして、ボスに挑む終夜たち。ボスの攻撃は、クラスタが壊滅したことが納得できる程の苛烈さを誇る。が、悲しいことに、騎士型のボスだった為か終夜が一人で真っ正面からボスの攻撃に対応出来てしまい、力任せの薙ぎ払いもユイの攻撃タイミングの連絡に合わせてキリトたちが下がると共に終夜は受け流し、ヘイトを全て自分へと集める。結果的にはキリトたちがボスの横や後ろから攻撃するだけでボスが倒せる構図になってしまい、あっという間にボスのHPは0になってしまった
「ホント、シュウが居るってだけで反則っぽいわ〜」
「ダメですよ、リズさん。シュウさんがいることでボス戦が楽なのは事実ですけれど」
「いや、それだとユイが最も反則だろ。ボスの攻撃がわかるとか普通にチートだろ。………と、そろそろそちらに反応した方がいいかな?セブン」
「扱いが何か釈然としないけど、いいわ。ようやく来たわね、キリト君。それにアスナちゃんにリーファちゃん。それにレインとシュウも!」
「セブン?なんでここ…「おい、シュウ!セブンちゃんに呼び捨てされてるたぁどういうことだぁ!ぶはぁっ」
「話があるなら続けて?うるさいやつは黙らせたから」
クラインを黙らせた終夜は話の続きを二人に促す。ホントに大丈夫かと困惑するセブンだったが、クラインのせいで中断した話を再開する
「キリト。先程の質問だが、この攻略にはセブンがこなくては行けなかった。それだけだ」
「ほんとは怖いんだけど、ALOで行いたかった実験の最終段階だからね」
「実験?最終段階?」
「あたしたちはね、ここで『クラウド・ブレイン』をここで実現させてみせるの」
「クラウド…ブレイン?」
「その話をするため、セブンはここで貴様らを待っていたんだ。せめてもの償いにな」
「償い?」
「クラスタの件だろ。ダンジョンクリアを奪おうとした。ただ、立ち話もなんだ。エギル、店使わせてもらうぞ」
「いや、勝手に決められても困るんだが」
「いいわね。マスターのお店のケーキ。美味しいから好きなの」
「まぁ、いいか」
話し合いの結果、エギルの店で話の続きをすることになった。両者が退いたあとも、他のプレイヤーが同じ地点から始められる可能性もあるが、シャムロックとキリトたちの他にここまで到達できるプレイヤーは少なくとも今新エリアにいるプレイヤーのなかにはいないとの結論付け、全員で街へと帰還するのだった
更新が大変遅くなり申し訳ありません!
最近、趣味の遊戯王に時間を裂いておりました
まぁ、勝率は0とかいうクソザコなんですがね。
ハハハハハ……(ーдー)、
次話はほぼ原作のゲームと変わらないのですぐに投稿できると思います