ジークフリートを倒し、ダンジョンの残りを進んだ終夜たちは、ダンジョンの最奥の扉までたどり着いた。ただ、シャムロックの姿は最後まで捉えることは出来ず、扉からもただならぬ気配を醸し出していた
「ここがダンジョンの最奥だな」
「さっきのジークフリートよりももっとやばい感じがするわ」
「恐れていても仕方ない。ボスに挑もう」
「プリヴィエート、キリト君にシュウ君」
ボス部屋に入ると、セブンが一人立っているだけで、シャムロック・クラスタの面々、ボスの姿はどこにもなかった
「君だけか?他のシャムロックはどうしたんだ?」
「みんなやられちゃったよ。本当に強かったの。でも、たった今倒したから、ここのラスボスを」
「ほう」
「スヴァルトアールヴヘイムの最深部にいた闇の神を、あたしがたった一人で倒したの」
「一人で?セブン、君のスキルレベルじゃ到底勝てないはずだが、どうやったんだ?」
「あら、以前にシュウ君に言わなかったかしら?ここ、スヴァルトアールヴヘイム限定のOSSの引き継ぎ方があるって」
スヴァルトアールヴヘイム限定のOSSの引き継ぎ方。それは、元の使い手がそのOSSを使えなく変わりに、スキルと共にスキルの熟練度もそのままの状態で引き継げるパターン。キリトに敗れ、キリトたちを見送ったスメラギが行ったのも同様のもので、現在スメラギは自身のOSS『テュールの隻腕』が使えず、セブンが使えるようになっている。シャムロックやクラスタが着けていた羽根飾りがその役割を果たしており、この羽根飾りを着けている場合は遠隔であってもOSSを引き継ぐことが可能であった
「今まさに、あたしは倒れたみんなの力を集めてラスボスに一人立ち向かい、倒したってわけ。今頃、羽根飾りを通じて各所に伝わっているはずよ。壮大な実験!題して《ラグナロク・パストラル》とでも名付けようかしら」
「ラグナロク……北欧神話の終焉、《神々の黄昏》を名前にするとはな」
「《神々の時代》よ、シュウ君。あたしの実験の成功はネットワーク社会の新たな一歩になるの。」
話を聞いていたキリトは憤った様子でセブンに詰め寄る
「セブン……君は…いくらシステムで許されているとはいえ、多くのプレイヤーのゲーム体験を、経験値を摘み取ったんだぞ!?スキルを向上させるためにそれぞれが掛けた時間が、君の実験のせいで無駄になったんだ!その責任の重さを理解してるのか!?」
「やだなぁ、キリト君。熱くなっちゃって。シュウ君なら理解してくれるよね?あたしは一度も強要していない。間違ったこともいってない。みんな賛同してくれただけ」
「まぁ、そうだな。責任が無い……とは言い切れんが、キリトの言い分全てが正しいとは言えないな」
「なんだと!?」
終夜の思わぬ言葉にキリトは思わず終夜を見る。が、終夜はキリトの怒気も意に介さず、涼しい顔で話を続ける
「以前も言ったし本人の前で言うのもなんだが………シャムロック・クラスタにとってもう今のALOはセブンというアイドルを楽しむ為のコンテンツだ。それに熱狂的なファンというのは、その愛を向ける先のための代償は気にしないもんだ。アイドルの握手券を求めてCDを何枚も買う。ファングッズを全て多数買う…とかな。それを行ったファンに対して勿体ないと言うのは自由だが、その行動を止める権利は無いしその行動自体余計な世話だ。更に言えば、大元であるセブンに文句を言うのも筋違いだ。それで言えばさっきのキリトの発言はセブンにはお門違いってことだな」
終夜の発言を機嫌良さそうに聞いていたセブンだったが、終夜の話が終わった途端、突然レインに頬をひっぱたかれて困惑の表情を浮かべ、終夜やキリトも同様に驚いたが、レインの怒った表情を見て、レインに口出ししようとしたキリトを終夜は黙らせた
「セブン。あなた、何を勘違いしているの?」
「レイン……あなたはなんの権限であたしの頬をひっぱたいたのかな?」
「あんたのそのクソ生意気な笑みを見てられなかったからよ。確かにあんたの実験は高尚かもしれない。それで新たな技術が生まれるかも知れない。けど、アンタ仮にもアイドルやってるんでしょ!?皆に夢を与えるのがアイドルの務めなのにアイドルが皆の夢を奪ってどうするのよ!」
「あたしは皆の期待に応え、みんなはその見返りをくれた。これは互いに利益を分け合う純粋な交渉よ!みんな幸せなんだからいいじゃない!」
「セブン、それは…」
「シュウ君は黙ってて!!」
流石にと横から口を出そうとした終夜をレインは一喝する。怒鳴られた終夜は仕方ないと口を閉じ、変わりに二人との距離を少しだけ詰めた
「みんながあんたをチヤホヤするのは、アンタに惚れ込んでるからでしょ!実験なんて関係ないわ!」
「でも、ちゃんとあたしはリアルのことも明かしてる。その上でみんなは付き従ってくれる!その清廉潔白な行いの結果をそんな風に言わないで欲しいわ!」
「だったら、素直に実験のためだったって言いなさいよ!」
「そ、それは………」
「それにね、わたしはここにゲームをしに来てるの!博士だかなんだか知らないけど、もうよく分からない実験に利用されるのはもう御免なのよ!わたし達に用意された大事な遊び場を、アンタの妙な欲望で汚さないで!」
「ッ……………」
デスゲームと化したSAOを生き延びたレインから発せられた言葉に事情の知らないセブンの言葉が詰まる。だが、セブンも決意を秘めた表情でレインに切り返す
「レイン、あなたの理屈を全部否定したりしない。でも……あたしは止まるつもりはない。実験はまだ……続ける」
「なら、セブン。個人的にはその実験の行く末に興味があるが…今回はキリトたちの手前、止めさせてもらう」
「強力なOSSを無数に持つあたしに勝てると思うの?シュウ君」
「君ほどの少女に負けるほど弱くは無いさ」
突如、終夜vsセブンの対決となる。無数のOSSを武器に終夜に向かうセブンだったが、セブンはアイドル・博士であって、戦士でない。対人戦闘の経験どころか、戦闘経験が不足しているセブンが繰り出すOSSを全て捌き、的確にダメージを与えていく終夜。戦う前は余裕の表情だっセブンは一切攻撃が通らず、本気で命を狙う終夜の冷酷な表情に焦りと恐怖が見えていた。圧倒的な差がすぐに埋まる筈がなく、セブンのHPを削り終夜が勝利した
「ハァ……ハァ………嫌、嫌よ。あたしは、スヴァルトエリアを攻略した、英雄になるの。最後の勝利を見せつけて、これからもみんなのアイドルとして、女神として、実験を続けるの……だから、もう一度戦いましょう。今度は……絶対に……勝っテ……ミセ……」
未だ諦めず、戦おうとするセブンの全身が突如狂いだし、次第に姿を変えていく
「どうなってんだ?」
『恐らく、アバターに対して付与されたデータ量がオーバーフローしてバグを起こしたんでしょう』
「……いたのかBB。解決法は?」
『簡単です。ぶっ飛ばしてください。OK?』
「OK!」
データ過多により、バグを起こしたセブンの身体は機構の女神といっても過言でない姿に変わり、終夜達に襲いかかる。無数のOSSにデータ量そのものでの質量攻撃を繰り出すセブンに迂闊に近づくことができない終夜たち
「ごめんね、シュウ君、みんな。最後の最後まで、うちのことで迷惑かけて」
「気にせん!あ、そうさな……」
「ひゃっ」
「謝るなら、まだついている嘘を明かしてくれたら考えるよ」
「なっ……それって」
『心当たりがあるんだ、鎌かけは成功かな』
謝るレインの耳元でそっと囁いた終夜はレインの真っ赤になった顔は見ず、その反応を耳で聞いて何も言わずセブンの元へ特攻した。その背中をリズたちは冷たい目で追うが遅れてセブンの元へと向かい、セブン攻略が始まった
長くなりそうでしたので一旦切ります
5/18日中に次話投稿できるよう頑張ります
今後の展開
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ゆっくりでいいから全編書け
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展開決まっている箇所のみ執筆し投稿
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上記+書いて欲しいのを募集しそれを執筆