マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート すずね☆マギカチャート(マギウスの翼チャート)   作:鰯のすり身太郎

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Part.14/x

 イベント攻略に全力RTA、はぁじまるよー。

 

 前回はオリチャーでアザレア組を救出して帰還しました。

 どうせまた大ガバやらかすと思ったか、ざまあみろ! このままカンペキに散花愁章をクリアして見せますよ。

 

 

 さて、それではさっそく調査を始めましょう。

 信頼度イベントが封印されている以上、今更多少魔法少女と協力したって大丈夫。

 

 とはいえ、この状況で見ず知らずの魔法少女に協力を持ちかけたって疑われるのが関の山。

 使うべきはこれまでに得たちょっとのコネ! そういうわけでまずはやちよさんに連絡します。

 

「もしもし。……あぁ、昨日はありがとう。このはさんからも連絡があったわ、おかげで無事隠れられたって」

 

 それは何より。

 ところで他に協力している魔法少女とか、いらっしゃらないんですか?

 

「仲間ってこと? それならそうね……常磐ななかという魔法少女に協力を打診する予定よ」

 

 よしよし。それなら、協力を取り付けられたなら今日会いたいんですが。こっちでも協力した方が手っ取り早いですから……一緒に伝えてみる? 追って結果を伝える? 

 分かりました。よろしくお願いしますね。

 

 はい次。雫にメールします。

 今回は相方枠のあやかが昏倒食らってるので内容も楽ですね。心配してる旨を入れて送信、と。

 

 これで朝やることはいったん終わり。あとは拠点を彼女らから連絡が来るまでに移動します。

 

 

 

 ではでは、移動中特に代わり映えすることがないので、今のうちに計画をお話しします。

 

 

 まず今の拠点移動。これは出来ればやりたくなかった安全策です。

 それでもやってるのは前回、更紗帆奈に間接的にせよ襲撃されたため。

 

 普通、更紗帆奈は『暗示』で他魔法少女との仲をひっかきまわすのを好むので、魔女をけしかけるという、割と直接的な嫌がらせは珍しいんですが。

 まあ、数週間誰とも連絡とらないヤツにそういう嫌がらせをする気にはさすがにならなかったのでしょう。試走でも度々あったことなのでそこは気にしません。

 

 で、これの何がまずいかって言うと、最悪拠点ごと補足されてる可能性があるってことです。気まぐれ次第では今度はこっちが魔法少女に襲撃されます。

 

 そんなん面倒もいいところなので、とっととずらかるのが吉ってわけですね。

 移動先のアテはありませんが、数日くらい完全に野ざらしでもなんとかなるのでそこは適当に。試走時の別拠点をあたりますが、それがちゃんと使えるかは運次第なので期待せずにいきます。

 

 

 次。やちよさんを通しての組長への連絡。

 

 散花愁章ではほぼ確実に、アザレア組、ななか組、団地組、十七夜、やちよさんが動きます。

 それらプラス、被害を受けた魔法少女それぞれの仲間も調査しますがこれは割とランダム。

 そしてクリアに導いてくれるのは基本前者の人たちです。他は正直言ってフヨウラ!

 

 そういうわけなので、ホタルちゃんのやるべきことは前者の人たちをスムーズに動かすこと。

 何もしないとグループ同士の連絡不足によって無駄に時間が掛かるのでこれをカットし、詰まってるところがあればそこを補助する。

 これだけでも調査パートはだいぶ短縮できます。

 

 具体的に言うと、アザレア組とななか組はやちよさんと互いに協力してるのに大体これを知らない。

 十七夜と団地組が会うことでシナリオが進行するのに、それまで時間が掛かったり、最悪それが起きないまま時間切れでイベント失敗したりする。

 その他、調査中に推理が行き詰まって無駄ロス。

 

 その辺を防ぐ第一歩が、やちよさん経由で組長と会うことです。

 今回は一応、組長とは面識がありますので多少スムーズに進めそうですネ。何より。

 

 

 ラスト。雫への連絡。

 

 雫はさっきでいえば後者の、たいしてクリアに必要の無い子です。

 じゃあ何でそんなことしたかと言えば、雫じゃなくそのコネでせいか、および団地組に接触するため。

 

 せいかと話す機会はあったんだからそのとき連絡先もらっとけばいいじゃん、回りくどい、という話なんですがまあ、マギウスチャート故。翼以外のは持ってないに越したことは無く。

 ここでコネになるから早めに会っておきたかったわけです。

 

 

 では説明も終わったので、ほんへにもどします。

 

 大体、試走で目星をつけてたところは見てきましたが、水名区内で他に拠点に使えそうな所はありませんでした。悲しいなぁ……。

 仕方ないので適当に野ざらしですね。諸々の回復が遅くなるんですが、まあ雨さえ降らなければ今までと大して変わらないでしょう。寝るときだけビルの屋上にでもお邪魔しますか。

 

 そんなことより散花愁章です。時間的にはもうじき昼なので、学校行ってても早ければそろそろ連絡がかえってきます。

 ……おっと、メール。送り主は雫ですね。

 

 中身は……。うん、基本どおりの内容ですね。何より何より。

 というのも昨日、アザレア組救出の際に追っ払った魔法少女の中に雫がいたので、もしかするとバレたかな、と心配してたからです。

 ここでバレてたら直接大東区に行って団地組を探さなきゃいけなかったので、疑われたり魔法少女と無駄に出くわしてロスったりする危険が生じます。だからこうして通常どおりの反応か確認する必要があったんですね。

 

 これでいったんの確認はオッケー。ある程度調査が進んだら会いに行きます。

 

 

 後は、やちよさんかななか組長から連絡が来るのを待ちましょう。

 

 学校に行ってないと動ける時間が多いのは確かなんですが、こうして他の魔法少女と協力しなきゃいけない時はそっちにあわせなきゃいけないので意外とメリットにはなりません。

 RTAでは午前の交流できない時間を抜ける分、通学してる方が向いてると思います。ホタルちゃんは交流がそこまで要らないぶん、夜の時間を削れるのでいいですけども。

 

 まあそれはそれとして、クリアに必要な情報を抜くため調整屋に行きます。

 何もしなくても組長がやってくれるときもありますが、それでも短縮につながります。では、イクゾー!

 

 

 

「いらっしゃ~い……ってあら、ちょっと久しぶりなお客様ねぇ?」

 

 みたまさんオッスオッス。昏倒事件の進展とかはどう?

 

「あら、調整じゃなくて調査目的ってこと? つれないわねえ……。この時間なら他のお客さんも来ないし、特別にサービスしてあげちゃうわよ?」

 

 (調整で時間ぶっちぎるわけにはいかないので)キャンセルだ。

 それにどうせサービスっていっても特製料理とかだろ、騙されんぞ(3敗)。

 

 みたまさんの料理は要するに毒物です。食べたら最後クソデカデバフが入ったり、ものすごい勢いでソウルジェムが濁ったりします。

 他にはこのはもメシマズ枠ですが、みたまさんは味覚そのものが人外なので(改善は)ダメみたいですね……。チーズケーキに梅干しその他をつけて食べるのはどう考えたっておかしい。はっきりわかんだね。

 

 さて、そんなことより本題に移りましょう。

 みたまさんから情報を抜くときは代金をせびられるので、とっとと渡します。l

 

「あら! 催促したみたいで悪いわねぇ~。それで? 何が聞きたいの?」

 

 ここで聞くのは魔女を操る魔法少女の事です。

 この情報、普通なら組長が聞き出すのですが今回はもう情報を持ってるので代わりに聞いちゃいます。では早速……。

 

 聞こうと思いましたが、電話がかかってきました。多分やちよさんからですね。少し失礼。

 

「ホタルさんですか? お久しぶりです。常磐ななかです」

 

 ファッ!?

 かけてきたのはななか組長でした。番号交換してないはずなんですけど……。え? やちよさんに聞いた?

 

 ……落ちついて。この際直接、組長に協力の申し出をします。

 彼女はその辺頭が回るので、大体受け入れてくれますが……どうかな?

 

 オッケー? よかったよかった。それじゃあ調整屋まできてもらいましょ。では到着まで、流しますね……。

 

 

「お待たせしました。私としても昏倒事件についてみたまさんに伺いたいことがあったので、ちょうどよかったです」

 

 組長オッスオッス。でもその前にいったん情報交換しましょう。

 こちらの情報があれば、組長は確実にみたまさんから欲しい情報を抜いてくれます。

 

「なるほど……ありがとうございます。これで私の考えは確信に変わりました」

「どういうことぉ? 常盤さんにも心当たりがあったの?」

 

 ここで聞ける情報ですが、組長がそれを得るとプレイヤーの代わりに動いてくれます。

 なので、こうして直接聞きに来てくれたならば結果的にロスにはほとんどなってません。安心!

 

 そして情報の内容ですが、『暗示』の魔法少女がいたが、聞いただけで詳しくは知らない、というだけのもの。

 しかし、その魔法少女について教えてくれた十七夜を紹介してくれます。彼女に協力を頼むことでイベントが進行するので、わざわざ会いに来る必要があったんですね。

 

 今回はせっかく組長も来てくれたので、会うのは任せてしまいます。ホタルちゃんには今日のうちにやることがまだありますしね。

 

 ……あぁ、でもちょっと待ってください。別れる前にひとつお伝えしたいことが。

 

「あら、なんでしょう? なにか思い出したりしましたか」

 

 ここで組長に、アザレア組の捜索をやめるよう言っておきます。

 

 何も言わないと彼女らは、アザレア組の状況を把握できた方が都合が良いと考えて捜索します。

 ただ、それをやってもふたつのグループ間で不和こそ起これど、短縮にはならずクリアに必要な情報が出るわけでもないので(やらせるメリットは)ないです。

 適当に言いくるめて、あらかじめ釘を刺しておきましょう。

 ついでに、ななか組が暇になればその分、してもらえることも増えるのでそれを狙います。

 

 ではいったん組長と別れて、雫の所へ行きます。まだ夕方、どしどしいくどー。

 

 

「……あ、どうも……お久しぶりです」

 

 喫茶店へついたぞ。とはいえ一文無しなので店の中には入れませんが。

 

 ここでは適当に世間話をしていればいいです。

 昏倒事件のことから初めて、徐々に話題をひろげていきましょ。

 このとき改めて何か、クリアに役立つ情報が得られればラッキーですが……まあ何もないな!

 

 で、あとは流れでせいかの話をして、彼女の住んでるところを聞き出します。

 大体彼女の師匠のあやか経由で情報が漏れてるので、心配はムヨウラ!

 

「んー……何だっけ、大東団地って言ってたような?」

 

 ナイスゥ! あやかがおしゃべりで助かったぜ。

 

 この『神浜大東団地』は十七夜が『暗示』の持ち主の捜査をしてくれる場所です。

 更紗帆奈の『暗示』は厳密にはコピー品ですが、その元の持ち主が住んでいたんですね。

 

 そしてこれで神浜大東団地に知り合いの魔法少女がいる状態になったので、目的は達成です。

 ついでにせいかの連絡先も聞きます。羽根が入り始めたら携帯なんてろくに使わなくなるので、ここまできたら知ってもオッケー。組長も同じくです。

 

 あばよ! 今度はマギウスの翼で会おう!

 

 

 日もすっかり暮れましたが、まだやることは残っています。改めて組長に連絡。

 

 あ、もしもし組長? 十七夜との話はどうなりました?

 

「そのことですが……『暗示』を使う魔法少女のことは教えていただけました。ただ彼女はすでに消息を絶っているらしく……十七夜さんも気になることがあるそうで、彼女について代わりに調査していただけるそうです」

 

 順調ですね。予定どおりです。

 

 じゃあ調べる場所はどこなんですか? えっ神浜大東団地!? 偶然ですねぇ~。そこに住んでる魔法少女に知り合いがいるんですよ。

 そのことを知ったのは今日? なんのこったよ(すっとぼけ)。

 

 ともかく、十七夜をその知り合いと会わせたい旨を伝えます。

 これによって団地組と十七夜が会うまで数日かかるところをショートカットできます。

 

 はい、それじゃあ十七夜によろしくお伝えください。では~……。

 

 そして最後にせいかにメール。

 彼女は人見知りですが、ホタルちゃんは彼女と初対面じゃないのでまだマシです。

 

 それに、今回はあやかが昏倒の被害を受けていてせいかが弟子入りしているので、あやかのことを書いておけば義憤で積極的に協力してくれます。ヘッ、チョロいな。

 

 これでようやく今日の分は終わり! 

 あとは適当に場所を確保して寝ます。では諸君、サラダバー!

 

 

 

 オッハー! せいかと組長からの承諾メールを確認したら行動開始です。

 

 といっても、やることは大体昨日にやってしまいました。みんなは学校に行ってるので、暇な状態です。

 

 あとは適当に寝でもして時間を潰したいところさんですが、一カ所にとどまってると帆奈が怖いのであちこちをうろつきます。

 帆奈は基本的にアザレア組の周りに潜んで彼女らにちょっかいをかけていますが、ふらっと外に出てこちらの邪魔をしてくることもあるので、寝て隙を晒すようなことは極力したくないです。

 

 

 そして散策してる内に時間も潰せたので、そろそろ団地へいざ鎌倉。

 組長いわく現地で合流とのことだったので、速やかに向かうのじゃー。

 

「……む。君が常磐君の言っていた協力者か?」

 

 十七夜さんオッスオッス! 組長と同じく、この人も敵対するとかなり面倒くさい人です。しかもマギウスの翼は東から魔法少女を引き抜きまくるので、神浜の東を統べるこの人と敵対するのは避けられません。

 

 しかも彼女の固有魔法の『読心』は非常に厄介。

 十七夜にはある程度組織が大きくなってから敵対してもらう必要があるのですが、心を読まれて中途半端な時期に敵対されると、マギウスが負けるにせよ十七夜が負けるにせよ、まともにシナリオが進行しなくなります。

 中途半端に知り合いだと『読心』を食らいかねないので、初期から交友があったら再送推奨です。

 

 とはいえ散花に限ってはそうも言ってられません。もし『読心』を食らってもまだ平気なタイミングなので、きっちり協力してもらいましょう。

 

 せいか達団地組は……。

 

「お、おひ、おひさっ、あっ」

「あぁ、いつものが……。えぇと、初めまして! 伊吹れいらです」

「私は相野みとだよ! よろしく~」

 

 ちょうど来ましたね。せいか以外の二人――れいらとみとちゃんは初対面です。

 通常プレイだと、人見知りのせいかよりもこの二人の方が交友を持ちやすいので、なかなかレアな状況ではないでしょうか。

 

 

 とはいえそんなことを言ってる場合でもないので、ささっと本題に移りましょう。

 

 十七夜が調査しに来たのは瀬奈みこと(暗示の魔法少女)について。団地にある日忽然と姿を消した(魔女化した)彼女の手がかりがあるとにらんでカチコミをかけてきたわけですが、実際は何の情報も出ません。

 失踪事件自体は起きていて、団地組もある程度詳しいですが(瀬奈との関係は)ないです。

 

 ぶっちゃけその話はどうでもよく、大事なのは団地組が見せてくれる失踪した家族の動画のほうです。

 この動画というのは、お祭りの開会の挨拶で子供が団地について話しているだけのものなんですが、この子の台詞(団地愛)に共鳴して同じようなことを言っていた瀬奈の記憶がよみがえります。

 十七夜は帆奈の『暗示』で記憶が封じられており、こうすることによって断片的に回復させられるんですね。

 

 よみがえった記憶から、瀬奈と会ったその場にもう一人の魔法少女がいたことが割れるので、今度はこれをみとちゃんの魔法で調べます。

 

 みとちゃんは固有魔法で『心をつなげ』られ、これで記憶の共有も出来ます。あやふやな記憶でも直接見れるなんてサスガダァ……。

 で、団地イベントが成功していないとこれができないので散花愁章は詰みます。だからしょっぱなから運ゲーする必要があったんですね。

 

 それでは十七夜の記憶の中に、イクゾー!

 

「おぉ……ここは……」

「うちの団地の屋上だ……!」

 

 もうついたのか! はやい! きた! 核心きた! これで勝つる!

 

 みとちゃんの魔法で心に入ると、その記憶の中の景色や人物が客観的に見えます。今回は団地の屋上の景色、瀬奈、十七夜、そしてもう一人誰か。

 あとは十七夜が、記憶の中の十七夜に『読心』を撃つのを待つだけ。すると……。

 

「……ぐっ!」

「ふわぁ!」

 

 『読心』と『心をつなげる力』が反発し合って魔法が解除され、記憶空間から追い出されます。

 しかし、これでよし。十七夜が記憶の中から『サラサハンナ』というワードを回収します。

 

 

 そしてこのワードが取れれば、調整屋で十七夜にかけられた『暗示』をといてもらうことが可能になります。

 昨日の今日ですが、調整屋へカカッとバックステッポ。また代金を取られるので、非常に懐が寂しくなります。このままではホタルちゃんの寿命が穢れでマッハなんだが……。

 

 しかしここまで来ればあと一息。

 調整の力でみたまさんと十七夜がボドボドになりながらも、完璧な更紗帆奈の情報を渡してくれます。

 

 

 アザレア組の隠れ家へ行けばいよいよ決戦ですが、最後にもう一度メールタイム。

 

 やちよさんと組長に持っている更紗帆奈の情報を伝え、アザレア組がそれに狙われている可能性が高いことを連絡。これはさっき話を聞きながらやっておきました。

 

 集合場所のアザレアハウス二号店の場所はやちよさんが知っているので、それが届き次第全力で向かいます。

 

 コンディションを確認しつつ今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 ○ ○ ○ ○ ○

 

 

 

 私達魔法少女には、それぞれ固有の能力があります。

 

 あるいは対象の弱点を見つける力。あるいは物事を再現する力。あるいは事実を偽装する力。

 そして、あるいは。『敵を見極める』力……。

 

 魔法少女となり叶える願いは千差万別。そしてこれは、なにも願わず魔法少女となるものはいないということ。

 不肖私、常磐ななかにもキュゥべえさんと交わした願いがあります。

 

 細かな話は省きますが、私はすべてを奪われた常盤家の復讐を自らの手で成す事を願いました。そしてその相手を見誤らないため、『敵を見極める力』を得たのです。

 

 その力で見た、私が復讐すべき相手。

 ある場所へ拠点をかまえては災厄を振りまき、時が経てば場所を移ることを繰り返す。その蝗害がごとき性質から、私達は『飛蝗』と呼んでいる魔女。

 

 志伸あきらさん。夏目かこさん。純美雨さん。

 『飛蝗』を追う中で知り合った3人の魔法少女とともに、長らくそれを追っていました。

 

 ……そして、ある日。ついにその気配をはっきりと感じとることが出来たのです。

 その出元は魔女らしからぬ怪奇事件、すなわち魔法少女襲撃事件。

 魔法少女が次々に襲撃され、昏倒させられるという不可思議な出来事の、その影から……!

 

 

 

 この事件と関わりを持ったのは、神浜の西側の大物、七海やちよさんから解決のため協力を頼まれたのが始まりでした。

 もっとも、一連の事件の噂こそ事前に耳に入れていましたが……、あくまで噂として。これが本当に深刻かつ悪辣な事件であると核心を持ったのはこのときです。

 

 この事件における加害者として疑われている、遊佐葉月さん。そしてその仲間である静海このはさんに三栗あやめさん。(彼女らとは知らない仲ではありませんが、それはいったん置いて)

 やちよさんいわく、彼女らは濡れ衣を着せられているだけで、陰で糸を引く何者かがいる……明白な証拠こそ無いものの、それまでの調査などの感覚から何者かの『作為』がある、と。

 そしてその解決のため、協力して欲しい、と。

 

 これに私は頷きましたが、実のところ、ただ善意のみでそうしたわけではありませんでした。

 この事件には、怨敵『飛蝗』が絡んでいる。そのこと強く感じ取ったためです。

 

 とはいえ、具体的にどうやって絡んでいるのかまでは分かりません。

 裏で糸引くもの自体が『飛蝗』であるのか、『飛蝗』が引き起こした災禍が事件の始まりとなったのか。考えを巡らそうとした折、やちよさんからさらなる言葉が続けられました。

 それは協力者の存在。朝倉蛍さんのことでした。

 

 

 いわく。彼女は以前から昏倒事件の調査でやちよさんらと協力をしていたそうです。

 つい昨日には、追われているこのはさん達を逃がすなどのこともしたんだとか。

 そして、協力者が他にいるならそちらとも手を結びたい、と今朝連絡があったのだとやちよさんは言います。

 

 彼女もこのはさんらと同じく、私は一応の面識があります。

 もっとも、本当に一応のもので、ただ一度きり顔をあわせただけですが……なんであれ、特に拒む理由も無いのでひとまずそれを承諾。改めて連絡を取ることにしました。

 

 

 

「ホタルさんですか? お久しぶりです。常磐ななかです」

「おぉっ!? ななかちゃん、久しぶりだね! やちよちゃんから番号聞いたの?」

 

 学校終わりに彼女へと電話をかけると、以前どおりの陽気そうな声が聞こえてきました。

 

「ちょうどよかった。今調整屋で今回の事件の話を聞いててね。情報を交換したいし、都合がつくならこっちへ来れるかな」

 

 話をしながら、まずひとつ確認。彼女に私の魔法は反応するのか……。

 

 以前会ったとはいえ、今も敵でないかは分かりません。

 協力を持ちかけるフリをしてその実、中から掻き乱そうと企んでいるということもありえるし、本人にその気がなくても利用されているということもあるでしょう。そうした憂いをなくすのに、私の魔法はひどく便利でした。

 

 しかし、結果は白。となると、ひとまず協力して損ということはなさそうです。そう判断した私は彼女へ答えを返しました。

 

「分かりました。調整屋さんですね? 今からそちらへ向かいます」

「ありがとう、待ってるねー。あ、魔女には気をつけて」

 

 電話が切られ、私はあきらさん達へ現状の報告をしながら調整屋へと足を動かしました。『飛蝗』の今回の事件への関わりについて、ひとつ仮説を立てながら。

 

 

「いらっしゃ~い。調整のご利用……ではないわよね。こっちへどうぞ?」

「あ、待ってたよー。よろしくね、ななかちゃん」

 

 調整屋へ着くとみたまさんが出迎えてくれました。中は普段よりもさらに人気がなく、その静けさは普段の神秘的な印象をより強めているよう。

 彼女が手で指した先、ホタルさんはその手のカップをテーブルへ置くなりひびかせたはつらつとした声は、そんな場所にはいささか不釣り合いなようにも、不思議と似合っているようにも感じます。

 

「お待たせしました。私としても昏倒事件についてみたまさんに伺いたいことがあったので、ちょうどよかったです」

「そう? ならいいんだけど……でも、まずはこっちで情報交換しようか。ごめんね、みたまちゃん。もうちょっとだけ待ってて?」

「いいわよ~。調整屋さんはもう代金はもらったし、いまさら文句はないわ」

 

 じゃあありがたく、と言うと、続けて彼女は昨日の出来事の……このはさん達の救出の顛末を話し始めました。

 

 昏倒事件の被害者。確認できた限りの捜索を行っていた魔法少女。

 先んじてやちよさんから聞いていたこともあったものもそうでなかったものもありましたが、とりわけ頭に残ったのは、『魔女を操る魔法少女』の存在。それは私の考えを裏付ける決定的な情報です。

 

「なるほど……ありがとうございます。これで私の考えは確信に変わりました」

「どういうことぉ? 常盤さんにも心当たりがあったの?」

 

 まず、『飛蝗』がこの事件に絡んでいること。しかし昏倒事件はどこか……例えば噂の拡散だとか……人為的であるように思えること。魔女の仕業でありながら、それらしくない。

 その答えとして……。

 

「ななかちゃんが追ってる魔女をその子が操ってる……と?」

「その通りです。『魔女を操る魔法少女』の存在が事実ならば、そう考えるのが妥当でしょう」

「それはまた……そこまでとは、思いたくなかったな」

 

 考えを話す中で『飛蝗』の話にも軽く触れたからか、ホタルさんが顔をしかめる。

 

「とはいえ……ちょうどそのあたりの話を聞こうと思ってたんだ。固有魔法で操作が出来る魔法少女がいるかって」

「そうですか。ではその答えは……」

「……ホタルさんには言ったけど、魔女を操る魔法少女は知らないわ。そんな魔法の持ち主は見たことも聞いたこともないし、調整をした中でそういうのをしてるのを覗いたこともない。ただ……」

「ただ……?」

「思い出したことがあるわ。『暗示をかける魔法』を使っていた魔法少女のこと!」

「……その子は誰?」

「う~ん……申し訳ないんだけど、会ったことはないのよ。ただ、そういう子がいたって聞いただけで……」

 

 そっかぁ、とホタルさんがため息をつく。私も同様に落胆を感じて目を伏せた。

 しかし、それはいささか早とちりで。みたまさんの台詞はこう続く。

 

「だから~……その子のことを教えてくれた人紹介しちゃうから!」

 

 ホタルさんが驚いたように顔を上げる。

 

「それは助かるけども……いいの? その人、お客さんでしょ? 協力してくれるかも分からないし」

「大丈夫よ~。実はお客さんってだけじゃなくて、前からのなじみでね。こういう時には協力してくれるタイプだから!」

 

 そう言うとみたまさんは、その昔なじみ……和泉十七夜さんのアルバイト先を紹介してくれました。

 しかし、いざそのメイド喫茶へ行こうとするとホタルさんの様子がどうも変になったのです。

 

「……? どうしました?」

「あー……いや、人混みってちょっと苦手で。そこって結構混んでる?」

「うーん……今の時間だと、そうね。結構混んでるかも」

 

 顔を覗くと、それはいささか青ざめているようでした。

 調整屋の照明が青っぽい事を考えても、少し心配になるほどに。

 

「では……私が一人で行ってきましょうか。結果は後で連絡させていただきます」

「んー……ごめん。お願いするね。落ち着いたら私は被害に合った子の友達から話聞いてくるよ」

「お知り合いですか?」

「そうだね。昨日も声だけなら聞いたんだけど」

「……まさかとは思いますが」

「撒いた子の中にいたんだよねぇ、多分」

 

 バレてないとは思うけどね、と続けたのを聞いて、内心評価を改める。

 信じ切るのは危険なタイプ。どことなく能天気そうな印象の割に、存外したたからしい。

 

 ……とはいえ。こういうときに便利なのが私の魔法です。

 それが敵でないと伝えているなら、それでよし。味方であるなら多少信用しきれないくらいでいいでしょう。

 それに、相手はこれまで私達の追跡をかわしきっていた『飛蝗』を操る相手。利用できる味方がいるにこしたことはありません。

 

 

「では、私はこれで。無理はなさらないでくださいね」

 

 出口へと歩みを進めながら、考えを頭の中でまとめていく。

 今後の指針を含めて、それを整理していると後ろから声がかけられました。

 

「そうそう、最後にもう一つ、言おうと思ってたことがあったんだった」

「あら、なんでしょう? なにか思い出したりしましたか」

「もしこのはちゃん達を探そうとしてるなら、やめた方が良いよ」

 

 内心、舌を巻いた。まさにその計画を立てようとしていたのですから。

 

「……何故、そう思ったんですか?」

「今回の事件といい、前の事件といい、一番に引っかき回されてるのはこのはちゃん達でしょ?」

「そうですね。犯人の濡れ衣を着せられ、周りとの衝突を余儀なくされている」

「であれば、その周りに黒幕の手がかりがある可能性がある……と考えてる。違う?」

「ご明察。しかしそこまで同じ事を考えているなら、何故やめろというのです?」

「今は互いに不干渉だからだよ。もし敵があの子達を狙っていて……それが人を操ることの出来る魔法を持つ子だとしたら。接触した際に『暗示』で操られる危険はあるんじゃない? 手がかりはまだあるんだし、身の回りから探るのは危険だと思う」

 

 なるほど、道理は通っているでしょう。

 いささか悠長な気もしますが、捜索にリスクがあることも否定できません。

 

「それに……やちよちゃんとこのはちゃんは協力しあってるわけだし、どうしようも無くなったらそこから接触も出来ると思う。だから……」

「えぇ。私もそこまで言われて強行するほど頑固者ではありません。ひとまずそれに従いますわ」

 

 ソファへ座る彼女へ軽く会釈をし、調整屋さんのある廃映画館を出る。変わらず青い顔のまま、こちらに手を振っているのが去り際に見えました。

 

「不気味な人ですね……。敵に回したくはないものです」

 

 快活な印象の彼女。どことなく騒がしく、ころころと表情を変える。

 それでも、話していて感じたのは……こういった状況への『慣れ』のようなもの。

 

 しかしそれでも、今味方であるのは事実。

 頭を振ってそういった考えを振り払いながら、私は十七夜さんの元へ足を進めました。

 

 

 

 その後、アルバイト先のメイド喫茶を訪ね彼女と会い、『暗示の魔法少女』について教えていただきました。

 彼女の名前は瀬奈みこと。『暗示』の魔法を持ち、今は家族ごと消息を絶っているといいます。

 

 正直、ひどく怪しいとしか言えないでしょう。失踪、持つ魔法、すべてが今回の犯人であることを示しているよう。

 しかし十七夜さんいわく、そのみことさんは悪事を働くようなタイプでなかったとか。

 そして、彼女について考えるとどこか違和感がある、というのもあってその件について代わりに調査することを提案されました。

 

 私の魔法では、これまた彼女に反応が無かったのもあってそれを承諾。

 十七夜さんにそのみことさんの住んでいた、『神浜大東団地』を調べていただくことになったのです。

 

 

「ふうむ。言ったとおりに相手を動かす魔法ね……」

「ホタルさんはどう思いますか? 彼女とこの事件の関係を」

 

 十七夜さんと別れると、約束どおり改めてホタルさんと連絡を取りながら、私は今一度その関係を考えていました。

 

「最初に考えるのはその十七夜ちゃんとみことちゃんが通じてるんじゃないかってことだけど……それは無いんだよね」

「はい。私の魔法はこの事件の黒幕を確実に『敵』と見ている。もし彼女がその敵に協力していたならば、間違いなく反応するでしょう」

「となると、操られてるってことも無いわけか……。それはひとつ安心だ」

 

 電話先で、ひとり彼女はぶつぶつと考えを呟いている。そのうちふと、気になったことがあったので聞いてみることにしました。

 

「そういえば、みことさんが失踪したというのにはあまり驚かれていない様子でしたが……」

「それはまぁ……犯人とかの前に魔法少女だからね」

「どういうことですか?」

 

 うぐ、と言う息を詰まらせた音がしました。

 そのまま少しうなったあと、ようやく彼女は口を開きます。

 

「……魔法少女の戦いは命がけ。それは分かってるよね?」

「もちろんです。……ということは」

「結界内の死体は、魔女が倒されれば一緒に消える。だから……そういう可能性もあるかなってね」

「……見たことが?」

「長いからね、魔法少女になって。……でもごめん。あまり話したくはないな」

「いえ。こちらも踏み込みすぎました。申し訳ありません」

 

 ()()を経験したのだろう事はすぐに分かりました。おそらくはお仲間を……。

 私であれば、あきらさん、かこさん、美雨さん……彼女たちを失うというのは、正直考えたくもない事柄です。

 

「あぁ、でも消息を絶ったのは家族ごとなんだっけ……。となると……」

「何か思い当たることが?」

「……いや、分からない。それで、十七夜ちゃんは『神浜大東団地』を調べに行くんだっけ」

「そうです。みことさんが住んでいたということで」

 

 少し強引に彼女が話をもどしたのが分かりました。触れられたくないのだというように。

 私も追求する気もなく、それを受け入れます。

 

「そのことなんだけど、知り合いがそこに住んでるみたいなんだ」

「……みたい、とは?」

「遊びに行ったことがあるわけじゃないからねぇ。住んでるところを聞いただけ。でも、調査するならそこに詳しい子がいた方がいいと思わない?」

「なるほど。そこで、十七夜さんにそれを伝えて欲しい、ということですか」

「あはは。話が早い。……で、お願いできるかな」

「いいでしょう。結果は追って」

「助かるよー。私もその子に連絡してみる」

 

 じゃあね、という言葉で電話はぷつりと切れる。

 ふと辺りを見回すと、すっかり人気はなくなってあたりはひどく寂しいものになっていました。

 

 

 帰路につきながら、一連の事件について浮かんでは消えていきます。

 

 2人の協力者。『暗示』の魔法。そして、『飛蝗』……。

 

 予感がありました。仇敵たる『飛蝗』との決着が近いという、予感が。

 それは魔法ではなく、ただ、なんとなく、というだけのものでしたが……。はたして、それが正しかったことをすぐに知ります。

 

 

 ……ただひとつ、驚いたのは。

 

 それは、思っていたよりもずっとすぐに訪れたということです。

 




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○『読心』
  十七夜の固有魔法。
  接触されたら最後、隠し事も丸裸にされるので、隠し事するプレイスタイルには天敵。
  相手が何かの影響で狂ってたらさすがに無効化される。

○『敵を見極める』
  ななかの固有魔法。キュゥべえも敵と感知できる。
  ものの背後の黒幕や、ひねくれているといった敵意の印象も感じられるなどハイスペック。
  今は敵じゃない。
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