今回の話は後に諏訪子視点をやるかもしれない布石でもある。
〜数日後〜
諏訪子に泊めてもらって早くも数日が経過した
(あっという間に数日も経っちゃったけど色々あったね~)
「そうですね~、諏訪大戦はまだ起こりそうにありませんけど」
例えば……
デストロイアと妖子は泊まる部屋へと着いた
そこは畳五畳の二人が使うには申し分ない広さだった
着いてそうそう諏訪子が二人に聞いてきた
「そういえばあの時も聞いたが変化《へんげ》の種類はどれくらいあるのかい?もし良かったらここで見せておくれよ!!」
(あーあの時は流れ的に後回しにしたんだっけ~。減るもんじゃないしいいよね、妖子も)
「私は大丈夫ですよ、デストロイアに任せます」
(なら……一通り見せますか)
「ではまずはデストロイアからどうぞ。私は解説に回ります」
(わかった~)
妖子が諏訪子に説明すると諏訪子は目を輝かせていた
(じゃあこれから変身ショーもどきをはっじめるよー!まずはこれー!)
いつもどうり光に包まれるとそこには何も存在しなかった
「あれ?ねぇ妖子、デストロイアは?」
「心配しないでください諏訪子さん、デストロイアはちゃんとここにいますよ」
妖子は諏訪子の目の前の空間を指さした
「デストロイア微小体…元々小さかったのがさらに小さくなってしまったので見つけるのに苦労しますけど……見えます?」
「いや……指さされてもぜんぜん見えないけど」
「見えないようなので次お願いします」
また閃光に包まれた
「またなんにもないじゃん」
「諏訪子さん、私の手のひらを見てみてください」
妖子の手のひらにちょこまかと動く小さな生物のようなものがいた
「なにそれ蟻みたい」
「デストロイアクロール体…これも本当なら30センチあるのですが今ではこんな小さくなって…あー30センチというのは諏訪子さんが被っている帽子くらいの大きさですね」
「えっこの蟻みたいなの元は私の帽子とおんなじくらい大きの!?」
「次はもっと驚くと思いますよ。次どうぞ」
閃光が広がる
今度はそこに犬ほどの大きさの生命体がいた
「蜘蛛?百足?なんだいこれ?」
「デストロイア幼体…本当なら2メートルから18メートルありますね。まとめて言いますと蟹と蜘蛛が合体したような感じです……2メートルは例えますと部屋の天井に頭がめり込むくらいですね。18メートルの方は例えが思いつかないので想像で賄ってください」
「蟹と蜘蛛ねぇ……そう言われてもなんだかぱっとしないなぁ」
「元々の大きさなら迫力あるのですけどね…次どうぞ」
閃光が広がる
そこには120センチほどの生命体がいた
「うわ触手気持ち悪!!」
「デストロイア集合体…先ほどの幼体が複数集まってなった姿です」
「複数?え、なにさっきのが複数もいるの?」
「そうです。そしてこの集合体も複数に分裂することができます」
「生物としてわけがわからないよ。そんでもってデストロイアの体から何か靄のようなの出てるけどあれはなんだい?」
「あれはおそらくオキシジェン・デストロイヤーと思われます」
「オキシジェン・デストロイヤー?」
「デストロイアの体内に流れてる液体で酸素を破壊、つまり生きる為に必要なものを破壊しているようなものですね。」
「ちょっ……わー止めて止めて止めてー!!!」
「どうなさいましたか諏訪子様!! キャアァァァ妖しーーー!!!」
諏訪子がいきなり大声を出すので何事かとサナが部屋に駆けつけて一時大混乱となった
なおオキシジェン・デストロイヤーは諏訪子が慌ててる間に既に止まってた
「……」
「……」
「さぁ続きを見せておくれよ」
「何事もなかったかのように進んだー!?」
「神様がいつまでも臆病では舐められてしまうからね。ちょうどいいからサナも見ていけば?」
「諏訪子様がおっしゃるのならば見ていきますけど……少し怖いです」
「ここから先はおそらくは大丈夫だとは思いますけどね。完全体と飛翔体は既に披露しているので最後のどうぞ」
一段と大きな閃光が部屋を満たす
そこには完全体より少し大きな体格と二又の首を持つドラゴンがいた
「な…龍?だが神気を感じない?」
「デストロイアギドラ体…デストロイアがキングギドラと戦った際に相手から吸収したエネルギーなどを使い新しく進化した姿なので龍ではありません。似てると言われれば似てますが」
「諏訪子様あれかっこいいですね!!!」
諏訪子は疑問、サナは純粋にかっこいいといった表情であった
「そのキングギドラというのはどういった存在だい妖子?」
「キングギドラは宇宙から飛来した宇宙超怪獣でして、遥か昔の地球で生物をほぼ根絶やしにしてしまいました」
「ウチュウってのがやっぱいまいちピンとこないけどとにかく凄い奴なんだろ?……全くさっきから驚きっぱなしだよ」
簡潔にだが諏訪子にわかる範囲で説明し、とりあえずこの話題は終わったようだ
(今のところはこれらの形態になれます)「今のところはこれらの形態になれます」
「と、いうことは今後更に変化《へんげ》が増えると?」
(条件がありますけどもちろん~)「条件がありますけどもちろん」
「進化に終わりがないとは……すごいね」
デストロイアの変身ショーも終わり次は妖子の流れとなった
「デストロイアが終わったんなら今度は妖子の番だよ。私をもっと驚かすものを見せてくれ」
「妖子さんはどんな姿に変わるのか楽しみですね諏訪子様!!!」
二人共ウキウキしていた
だが
「二人には申し訳ないのですが……私の擬態は今日後1回だけなのです…」
妖子はバツ悪そうな顔でふたりに言った
「え?どうしてさ?」
「聞かれなかったから言わなかっただけなのですけど今のところ3回擬態すると妖力が底をついてしまうのです」
「さらに擬態する種類によっては一撃放つだけですっからかんに……」
(ほえ~そうだったのー)
ようするに何にでも擬態出来る反面燃費が悪いのであった
アブソリュート・ゼロやディメンション・タイドといった高出力兵器は今は使えず、細いメーサー撃つのがやっとのこと
モゲラ時にプラズマメーサーキャノンを撃たなかったのはそのためである
「デストロイアが凄すぎるだけなのかそれが普通なのか私にはわからなくなってきたよ」
「怪獣が規格外なだけです」
(そうだね)
諏訪子が今日はもういいからこれから毎日3回見るからねといい笑顔で言った所でお開きとなった
その後夕食時にデストロイアが集合体になって触手で上手に食事する様をサナが見て仰天したり人里に行く際に完全体のままで行って人々に恐れられたり色々あった
【回想終了】
(いや~諏訪子達になんとも言われなくなってたから忘れて姿を完全体のまま行ったのは失策だったねあれは)
「次からは微小体で私の肩にいてください」
(そうするよ)
部屋で数日の出来事を思い出して色々反省してた二人
そんな時部屋の障子前に誰かが来た
「デストロイアに妖子、今居るかい?」
(諏訪子だね。)
「居ますよ」
声の主は諏訪子だった
諏訪子は二人がいるのを確認すると深刻な顔つきで入っていった
「どうしたのですか諏訪子さん?顔が怖いですよ?」
「いやはや非常にまずい状況になってだね…二人にも話しておこうと」
諏訪子の手には一枚の紙が握られていた
それに気付いたデストロイアはなんなのかを問う
(諏訪子、その手にある紙はな~に?)「諏訪子さん、その手にある紙はなんですか?」
「これかい?読んでみな」
諏訪子が手渡してきた紙にはこう書かれてあった
〈一週間後に私と決闘して頂く
これは国と国をかけた真剣勝負である
こちらが負ければ今まで勝ち取った国すべてをくれよう
だがそちらが負ければその国を貰う
逃げるのは許さないぞ
八坂 神奈子〉
「ガァァ?(八坂?)」
「神奈子?」
「ガゥ?(八坂ってもしかして八坂神のことかな?)」
「でも建御名方神って男ですよね?神奈子だとどう考えても女ですよ」
「ガァ?(じゃあ八坂刀売神?)」
「おーい二人の世界に入らないで私に話させて」
二人は手紙の送り主である八坂神奈子なる人物に対して腕を組みながらあれこれ考察していたが諏訪子が話を聞いて欲しそうな雰囲気だったので中断した
「書かれているとおり一週間後には私はこの国のため戦わなければならない」
「だがおそらく私は負けてしまうだろう」
「相手は祟り神である私より数段格上の神だ……」
「そこで無理を承知で頼む、強くなるための特訓を二人に手伝ってもらいたい!!」
「旅人である二人にこんな事を言うのも厚かましいのはわかる……だが!!」
「何もできずに国を……民を……信仰を取られたくはないんだ!!!」
諏訪子は土下座して頼み込んでいた
(えぇと…とりあえず立とう?)「諏訪子さん、とりあえずは立ちましょう」
「あ、うん……で、手伝ってもらえますか……?」
(こっちの答えは最初から決まってるよ)
「もちろん、手伝える範囲で特訓手伝います!」
「!!! ありがとう二人共!」
(元々諏訪大戦を観るのが目的だし、それに泊めてもらった恩もあるしね~)
諏訪子は嬉しさのあまり泣いていた
〜どでかいクレーター内〜
(人目につかなそうな場所といったらここだね。でも特訓ってなにをしてあげたらいいのだろう?)
「まずは諏訪子さんの攻撃手段を見ないことには始まりませんね……諏訪子さんお願いします」
「はいよー」
諏訪子は意気揚々と二つの鉄の輪を取り出した
「ガ?(鉄でできた輪っかぁ?)」「鉄製の輪っかですか…?」
「こいつをただの輪っかと思っててたら大間違いさ!!」
諏訪子は自らの能力で作った土製の的目掛けてそれを勢いよく投げた
鉄の輪ゆっくりとした速度で飛び、的を安安と切断してしまった
「これが私の鉄の輪だよ」
(なんというか)
「いまいちインパクトに欠けますね」
「凹むわ……」
二人の評価は微妙であった
(1つわかったのは素早い敵の対しては簡単によけられてしまうということだね)
「後は投げて手元に戻ってくるまでに敵に接近されるとどうしようもないということですね」
鉄の輪はブーメランのように投げた輪が戻ってくるので再び使うことができるのだがだがいかんせん速度が遅いのである
「しょうがないだろ、これまで戦ったことなんて数えるくらいしかないのだから!!今の私にはこれくらいの攻撃くらいしかできない」
(祀られてるしねぇ)「神が戦いに出向くなんて稀ですもんね」
確かにこのままではいくつの国を勝ち取ってきたであろう神奈子には経験など色々と負けている
「ガオゥゥ(ならとる道は1つ!!)」
「武器の改造及びあらゆる状況を想定した戦い方ですね!!」
「なんだか凄い事になりそうだけど……大丈夫だよねこれ?」
こうして諏訪子改造計画(なるべく優しくそして厳しく)が始まった
〜1日目・クレーター内〜
(初めに武器を強化しよう)
「でもどうします?いっそのことダイヤモンド・コーティングでもします?」
(ワイヤードランスみたいに紐付けていざという時引っ張れる仕組みの方がいい気がする)
「確かにそれなら手元に戻すことにより素早く回収出来ますね、それでいきましょう」
(強度は……ダイヤモンド・コーティングでいっかー)
「ガァ!(諏訪子!)」「諏訪子さん!」
「あうっ!?蚊帳の外だったからいきなりでびっくりしたよ」
(この辺にキラキラした石が沢山あるような洞窟ない?)「この辺にキラキラした石が沢山あるような洞窟ありませんか?」
「社からすぐの場所に湖があるだろ、そこから少し歩いた先に色々な用途で使う石を掘っている場所ならあるがどうするんだ?」
(ちょっと石堀り行ってきます!!!)「ちょっと石掘りに」
「は……?」
〜2日目・クレーター内〜
(ランドモゲラーで掘りまくった甲斐があったね)
「掘ったのは私ですけどね」
(はい、これが諏訪子の新しい武器よ)「これが諏訪子さんの新しい武器になります」
「すごく形変わった気がするよ……持ち手が付けられてすごく光沢があって祀りものみたいだけど……私の鉄の輪がぁぁぁ」
「ちなみに武器の種類はワイヤードランスというものです」
(コンセプトはヨーヨーのそれとあまり変わらないね。強度も保証するよ~)
「今日はそれになれてみましょう。ささ、諏訪子さん振ってみてください」
「へ~輪っかの部分が持ち手と紐?で繋がってて戻せるようになってるのかってあぶなっ!?」
(ちゃんと考えて振り切らないと変な方向に戻ってくるから気をつけて)「ちゃんと考えて振り切らないと変な方向に戻ってくるから気をつけてくださいね」
「それを最初に言って!!!」
〜3日目・部屋〜
「新武器には慣れましたか?」
「そりゃ1日中振ってればね……何度戻ってきた刃で死にそうになったことか」
(武器になれたことだし今日は武器の応用でも教えようかと)「武器になれたことですし今日は武器の応用でも教えようかと」
「例えば諏訪子さん、弾幕が飛んできた場合どうします?」
「私なら必死に避けるかな。土の中潜るのもありだけど」
「ワイヤードランスは前面に振り回すことにより擬似的な盾として使用する事が可能なのです!!」
「えっそうなの?でも保つかい?」
「そのへんは怪獣の熱戦にも長時間耐えうるダイヤモンド・コーティングなので平気です」
(どちらかというとコーティングてよりダイヤモンドを加工したような感じだけどね~)
「後ワイヤー部分を相手に引っ掛けてバランスを崩させたり逆にこちらに引っ張ってこさせることもできます」
「熱戦に耐えるのか!」
〜4日目・クレーター内〜
(今日から二日間は戦闘訓練だよー)「今日から二日間は戦闘訓練です」
「戦闘訓練たって相手は……まさか……」
「ガァア(勿論私達)」「勿論私達」
「そそそれだけは……私死んじゃうって!?」
「大丈夫偽物の弾にしますから」
「妖子はそれでいいと思うけどデストロイアはっ!?」
(多分大丈夫じゃないかな……?)「おそらく大丈夫だと」
「おそらくっ!?」
「ではいきますよ、まずは追尾ミサイルの弾幕です」
「みさいるってなに?待って心の準備がギャアァァァアア」
(3式機龍の95式470mm多目的誘導弾の雨だ~)
〜5日目・クレーター内〜
「昨日はえらい目にあった……どこまでも追いかけてくる弾幕とか怖い」
「でもああいった事に対しては対処できるようになりましたでしょ?」
「うん……で、今日は?」
(近接での戦闘かな)「近接戦闘ですね」
「近接戦か~苦手なんだよねそれ」
「相手が遠距離ばっかで攻めてくるとも限りませんし。相手役はデストロイアお願いします」
「それはそうなんだけど…ん?」
「ガァ(任された~)」
「大丈夫ですよ、集合体オンリーなので鋏攻撃だけに限定しますから」
「あぁうん……大丈夫かなぁ…」
〜6日目・クレーター内〜
「今日で最後の日なので実践をやろうかと」
「でも明日の相手は私と同じ神だ。実践なら神同士でやらないと少しばかり意味が無いよ」
「ガァオ(なら諏訪子、私に神力たっぷりの攻撃を当てて)」「デストロイアは諏訪子さんに神力たっぷりの一撃を当ててほしいと言っています」
「えぇ!?そんなことしていいの?なら遠慮なくいかせてもらうよ!!!」
「!!??その姿、それにその神気は」
「ガァァァァア!!(これで戦えるでしょ!!)」
「その手がありましたか~デストロイアらしいですね」
「やっぱデストロイアは凄いよ……よーし、全力でいくよ!」
「ガァァア!(この6日の成果を!)」
両者は激突した
そして7日目となった
決戦の日である
戦いの舞台はクレーターからさほど離れていない場所にある平原である
そこに二人の神が向かい合う位置に立ち、怪獣と妖怪の二人が戦いを見届ける為に居た
一人は守矢諏訪子
もう一人は紅の衣装に身を包み、御柱を背中に2本装備した
「あらためて名乗らせてもらう、私は軍神・八坂神奈子だ」
戦意たっぷりの八坂神奈子であった
諏訪大戦の始まりである
[次回予告]
始まりあるものには常に終わりがある
時の中ではほんの一雫だろうと
そこには語り継ぐべき輝きがある
次回、一つの終わりと一つの始まり