後誤字などの指摘があれば教えてもらえると嬉しいです。
15/8/22
ちょっと大幅に修正
次回予告を本文に持ってくるとともに後書きには補足なんかを入れていこうと思います。
16/10/10
後の話と辻褄を合わせるために更に大幅修正
一話 序章
〜1996年〜
有明――先のGメルトダウン事件とデストロイアによる破壊活動の爪痕が生々しく残っているこの地で、我々Gフォース・自衛隊は共同で事後処理に当たっていた。
消えたジュニア捜索に人員を割いてる為か中々進んではいない。そんな中である。
奇妙なことが起きたのは……
「隊長、報告があります」
「うむ、内奥は?」
「デストロイア残骸の件なのですが少々不可解な事が――」
そう……奇妙なことであった。
「残骸の数が合わない?」
「蒐集したデータから算出した質量と回収された肉片とではどうやっても一致しません」
「あれだけの熱量を至近距離で浴び続けたのだ、大部分が溶けてしまったのではないのか?」
「G対策センターによりますと、回収したサンプルからはデストロイアの皮膚が耐熱性に非常に優れていることが判明したので[溶けた]のではないとの見解でした。それともう一つ、メルトダウンしたGの残骸も同じく一致しないとの報告が出ています」
「なにッ!? Gもか!」
「現在Gフォース・自衛隊総出で捜索チームを編成中ですが人員が足りません」
「……まずいな。人も足りない、スーパーXⅢは装甲の一部が剥離してオーバーホール中で動かせない、そして謎の消失現象」
隊長は頭が痛くなってきた。
ジュニアも行方不明。Gとデストロイアの残骸も相次いで消滅。虎の子のスーパーXⅢは整備中。何も起こらないというのが不思議なくらいだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
意識が浮上する。
(もう学校の時間かー、昨日は夜更かししちゃったからもうちょっと寝てたいや……)
そんなことを考えながらもとりあえず大音量で安眠を妨害する予定の目覚ましを切ろうと無意識に手が伸び……
草の感触が返ってきた。
(??????)
昨日はきちんとベッドの上で寝た筈だ。断じて路上で寝てしまう系女子ではない。
ならこの手のひらの感触はなんなのか?
突然の事態に意識がはっきりしてくる。それにしたがいぼやけてた視界がクリアになっていく。瞳に映った光景、それは――草原。
(!?!?!?!?!?!?)
まるで意味がわからなかった。一瞬夢の続きかと錯覚したが風と地面の感触が夢にしてはやけにリアルだった。
寝てるうちに誰かに連れ去られてしまったのではないかと。途方に暮れるほかなかった。
しかしいつまでもボーッと風景を眺めててもしょうがなかったので、立とうと足に力を入れたのだが……立てずに転んだ。
「ゴガァ!!(いてっ!!)」
「グァガア!?!?!?(声がッ!?!?!?!?)」
(なんで日本語が話せないの!? なにこの怪獣みたいな声!? 上手く立てないしなんで~!?)
無我夢中でジタバタしてたらなんとか起き上がれた。一体私の体どうなってしまったのか。声は怪獣、背中とお尻には妙な感覚があるときた。
(ん?周りに散らばってる緑色の金属片はなんだろ?ん~陸上自衛隊って書いてあるような~?どこかで見た記憶があるようなないような――緑色だからメーサータンクかスーパーX系統かしら)
その考えには迷いがなく、まるで実物を見てきたかのような応えがあった。
(ん?今なんで対G兵器だなんて思ったんだろう……あっそうだ、この金属片の光沢を利用して自分の姿が反射してわかるかも知れない。)
そう思い金属片を覗き込むとそこに映し出されていたのは明らかに人間の姿ではなく、怪獣だった。
(……?これ怪獣のデストロイア完全体じゃないの?なんで私、デストロイアの姿してるの?やっぱまだ夢なの!? も~夢なら早く覚めてよ~いくら夢だからって体が怪獣になるなんて私嫌だよ……ッ!!)
デストロイアと認識した瞬間、突然頭に激痛が走り、思わず短い腕で頭を抱えながらのたうち回った。
残念ながらわちゃわちゃするだけで届いてないが。
上からデータが上書きされていくような感覚。何者かが内側に入ってくるような感覚。
それらが数十分続き壊れてしまったと錯覚する痛みと感覚は不意に静まった。瞬間、脳裏に記憶がなだれ込んでくる。そんな中であるのに――あるが故か冷静だった。
(これは……ゴジラ?いや、デストロイアの……記憶?)
図鑑を見たものなら記憶の片隅に残ってるであろう、アノマロカリスと思しき生き物が泳いでるのが見えた。確か先カンブリア期の生き物だったか。
そこからしばらくして視界が闇に閉ざされたかと思いきや、場面は地上で自衛隊と死闘を繰り広げるとこになったりゴジラと対峙したりとまちまちだった。
これは記憶の整理なのでは?正しくは走馬灯なのかと。
デストロイア視点の記憶を全て見終わったとき気づいた。自分の記憶が摩耗していることに。自分の名前、出身地などなど大切なことなはずなのに何一つ思い出せなくなっていた。
思い出せることと言ったら地理やあらゆる歴史といったものと、ゴジラ作品に関する詳細な設定なんかと性別しか思い出せなかった。どうやら私はこの体になってしまう前はゴジラマニアの歴史学者になるつもりだったのかも知れない、等とのんきなことを考えてても何一つ解決しないのでやめた。
(体に魂が引っ張られてるっていうやつなのかな?どうにも思考が定まらない……うん、そうだと思っておこう)
デストロイアという記憶を上書きされたせいなのか体が自然と動くようになっていたのはほんの少しだけ嬉しかった。
(だって怪獣になったんだよ♪空想上の産物でしかない怪獣になったんだよ♪嬉しくないはずないじゃない!!)
数分くらい舞い上がってしまった。
(周りに人がいなくて本当に良かった~。いたら大騒ぎ間違いなしだもん、うん。でも色々と踏ん切りがついたわ。体や失ってしまった記憶はどうしようもないからこの場所がどこなのかと、体の再認識をしないとね)
見渡して近くに湖があったからそこなら体の全体像が分かると思い急行そして確認した。でも水面に映った姿は、着ぐるみではなく正真正銘の怪獣、デストロイア完全体――長い尻尾・太い足・悪魔のような翼・腹部から生えてる8本の牙みたいな突起物・短い腕と三本の爪・黄色い瞳に鋭利な角、そして血のように紅い皮膚。
(私昨日まで多分普通の女の子だったと思うんだけどね、ハァ……なにも思い出せないけど)
「ガォ……(これからどうしよう……)」
[次回予告]
少女はデストロイアとして生きていくと誓う
そして気づく
己の中に宿る能力を
次回、能力そして
[今回の設定集コーナー]
~スーパーXⅢ~
陸上自衛隊が所有する大型戦闘機だぜ!
本来は災害時における原発の放射能漏れなんかを防ぐ役割を担ってるけどカドニウム弾や超低温レーザーを搭載してるからゴジラのメルトダウンを阻止するため出撃したぜ。