15/8/26
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この地に降り立って、モスラとの邂逅から数日が立った。あれから大きさがどうにかならないか自分の能力である形態を変える程度の能力で色々と試したんだけど成果は余り無く、私が今一番困っていることは
『貴方は今何をしてなさっているのですか、横穴掘って岩でも食べるのです?』
私の頭上にいるこれへの対処だよ。
[回想]
モスラが去っていった後、私は形態を変える程度の能力の応用かなにかで全長が完全体時元々の230メートルにならないか試した……
結論を言うと戻れたには戻れた。
けど一瞬戻っただけで180センチに逆戻り、しかも凄まじい程に気だるく動けなくなるときた。どうやら体を元の大きさに戻すには膨大なエネルギーを消費するみたい――今の私は例えるならすぐ切れる充電池のようだ。事前に蓄えておかないと維持すら出来ないだなんてあんまりだ~。
そういえば劇中や記憶の中でも自衛隊の火炎放射や火力発電所の膨大な熱やゴジラの細胞なんかを取り込むことで進化していったんだっけか。
でもこんな大昔にそんなの無いし、思い当たるとすればマナくらいだけど取り込み方法わかんないし八方塞がりかぁ……
と、諦めてたその時、去った筈のモスラがこっちに戻ってきた。そして戻るなりモスラは私にこう言ってきた。
『先ほど一瞬見えた巨体は貴方の仕業ですね?貴方をあのまま放っておいたらこの大地に危険が迫る気がします。なので貴方を監視します』
[回想終了]
それ以来私が何かするたびにこうしてモスラは声をかけてくる様になっちゃった。暇なのかなぁ?
『話聞いてますか?』
聞いてなかったけど首を縦に振る。
『ほんとですかぁ?で、ほんとに岩食べるので?』
えっ岩!?なんで食べる話になってるのよ!!
違う違うと横に振る。
『違いますか……ふむ。まさか巣穴?』
頷く。間違ってはいないから一応――巣穴じゃなくて隠れるための洞窟だけどね。
来るべきキングギドラ襲来に備えての策が逃げることしか出来ないのが自分でも情けなくなってくる。
いや、だって逃げてればその内未来から来るモスラが何とかしてくれるじゃん?後は地上だと夜寒すぎて体内のミクロオキシゲンがやられかねないから寝床も兼ねてという事。
オキシジェン・デストロイヤー・レイやヴァリアブル・スライサーで掘削するのが一番速いんだろうなーとは思うんだけど、監視されてる手前光線なんて放ったらモスラに何されるかわかったもんじゃないので手で掘っている。私の立場ェ……
『なるほど手で掘るとはなんだかモグラみたいですね。紅いのに』
中々にうっさい。
そんなこんなで夜になっちゃった。モスラは日が暮れる前にどっかに飛んでった。ほんと暇なんだね。
しかしモスラが一々聞いてくるから作業が進まなかったじゃん。予定より4分の1位しか掘れてないし、辺りもすっかり暗くなっちゃったから今日はここまでにして寝よう、おやすみ。
寝る体勢(といっても直立だが)とりながら明日はどうしようかと考えていたその矢先、非常に近場に空から強烈な閃光を発する物体が降りてきた。何事かと思い、見に行くか否か考えたが、私は好奇心に負けて見に行くことにした。
大空より飛来せりし物体は豪快な爆音とともに降り立つ。閃光が消失した先にいたのは――
あれは……キングギドラッッ!?ちょっと来るの早すぎない!?
そう、恐竜を食らいつくし、白亜紀を終焉に導いた存在、キングギドラだった。
キングギドラは閉じてた目を開け、翼を広げる。
すると3本の首を巧みに使い引力光線を吐き、周りに居た原始モスラ(幼虫)を攻撃し始めた。原始モスラ(幼虫)は糸を吐いて応戦するが当然歯が立たず次々に体液を撒き散らし爆散していく
ダメだ!力が違いすぎる……このままじゃモスラ達が……
だが、今の私は巨大化もできず、ただ見ていることしかできない……それにあのキングギドラ、私の記憶にあるキングギドラよりはるかに大きい。
白亜紀に出現するキングギドラは通称ヤングギドラと呼ばれてて身長が小さく引力光線も吐けない。なのにあのキングギドラは大きく、なおかつ引力光線を吐いてる。
なにか、別の要因でああなったとしか考えられない――要因……私がこの世界にいるから?
思考する間にも虐殺は続く。
それを見つめる無力な私。
その時キングギドラの後ろから何者かが体当りをした。
あれは私を監視していたモスラじゃないか!!
モスラはキングギドラを転倒させた後、後ろを向きキングギドラに強風を浴びせながら鱗粉攻撃を繰り出した。
だが起き上がったキングギドラの正面で火花が散るばかりで本体に鱗粉が届いてない。
バリアー?あれは成長しきった個体でしか使えなかった筈。やっぱりなにか変だ。
するとキングギドラは3つの口を揃えて開けた。
あの構えはまずいッ!
「ガアァァァァァァァー!!(モスラ逃げて!!)」
『!』
キングギドラの3つの口から一点に放たれる引力光線、通称トリプルトルネードが放たれる。モスラは私の咆哮に反応して回避行動をとったが至近距離で鱗粉を撒いてた為避けきれず、右羽根に直撃し、空中で激しく大爆発を起こす。
キングギドラは落ちたモスラに興味を無くしたのか放置して破壊活動を再開した。
私は心配でモスラが撃ち落とされた地点に向かった。
着いた先にいたモスラは既に虫の息だった。
トリプルトルネードが直撃した部分は融解し、その余波で右目は潰れ、全身至る所裂けてしまってる。恐らくもう長くないだろう……
『貴方の咆哮が……聞こえたお陰で辛うじ……て……生きて……ます……私の心配を……して……くれてあり……がと……う……』
「ガァア!(喋らなくていいよッ!これ以上力を使ったら死んじゃう!)」
モスラのテレパシーは弱々しい。
くそぅ……私に戦う力さえあればキングギドラと戦えるのに。
自分の無力さを思い知り、思わず地面を拳で殴る。数日ではあったがこの世界で初めてコミュニケーションができた相手が生命の危機にさらされたのだ。
このままキングギドラの破壊を許してはおけない!!
でもどうやってあの巨体を倒せば。
『……一つ……約束……してもら……えないで……しょうか』
「ガァ?(約束?)」
『私が…この…命を…使い…貴方の……力となり……ます』
!?!?!?
その提案が意味するものはすなわち自らを私のエネルギーへとすること……そんなことしたらモスラが!!!
『いい………どう……傷では……長……くあ……ま……せんし……あの…金色の……倒せる……のであ……れば……大地を……あれば……いはあ……りません……この……大地を守れ……るので……あれば……貴方……に託し……どうか…この……を……守って』
モスラは途切れ途切れのテレパシーで言うと光の粒子となり、私の体内に入っていった。消える瞬間モスラの声が聞こえた気がした。
『貴方と会話した日々は何となくですが楽しかった』と
私も――若干うざかったけど――それでも楽しいと感じられたよ
キングギドラ!あなたを私は許さない!!
閃光が暗闇の世界に走る。
キングギドラが何事かと後ろを向くと、そこには不完全ながらに巨大化したデストロイア完全体の姿があった。
今の全長が約200メートル程なのに対してキングギドラは劇中より大きく180メートル位はあるように見える。
そんな……モスラからもらったエネルギーで巨大化は出来たけどそれでも230メートルになるには足りないだなんて。
それでもやるんだ!!!
まずはオキシジェン・デストロイヤー・レイが効くかどうか。
えぇい先手必勝だ!
私は雄叫びと共にオキシジェン・デストロイヤー・レイをキングギドラめがけて放つ。突然のデストロイア出現に驚いていたキングギドラ回避行動が取れず、まともに直撃した。しかしバリアーが働いたようでダメージがまるで通ってない。
またバリアー!?だったら懐に飛び込んで接近戦でぇッ!!
バリアーが思いのほか強力で、光線が弾かれてしまった。だったらと接近戦を挑むためキングギドラの懐に飛び込もうと走る。
だが、キングギドラが私の接近を許すはずもなく、口からは引力光線、翼からは反重力光線が容赦なく放たれる。光線がもろに直撃してるが皮膚が厚いため火花が散る程度で問題はない。
一番の問題は引力光線の火力を集中させて放つトリプルトルネード。あれを食らったらひとたまりもないわ。だから首から潰す!
キングギドラの懐に入った私は中央の首に対してヴァリアブル・スライサーを放ち、切断してしまおうとする。
だがそうはさせまいとキングギドラは3本の首で両腕と首に噛み付き身動きを取れなくしてきた。
引きちぎろうともがくと噛み付き地点から電撃がはしり、完全に身動き取れなくなってしまった。
くぅぅうぅ……この電撃はもしやサンダースパーク。ウゥ…これも使えるなんて、身動きがとれない……一か八か、やるしかないのね。
「ガガァァァー!!(至近距離オキシジェン・デストロイヤー・レイ!!)」
腹部を開き、自爆覚悟でオキシジェン・デストロイヤー・レイを放った。爆発の衝撃でキングギドラは口を離し、両者は後ろに派手に吹っ飛んだ。
至近距離からオキシジェン・デストロイヤー・レイを放ったため、腹部の弱点部位から大量の血が滴り落ちてく。対してキングギドラは至近距離な為バリアーが展開出来なかったようで、腕に組み付いていた首2本の頭の肉が抉れている。
しかしまだ生きている。
至近距離からのオキシジェン・デストロイヤー・レイで……
ぐふッ……なんとかダメージが通ったみたいだけど……体が重い。エネルギーが尽きかけてるのね……ここまでなのぉ……モスラとの約束も守れずにここでッ!?
突如何かが脳裏に見えた。
この、脳裏に浮かぶビジョンは、キングギドラ?いや、違う。これはまさか私の!!いける!!
私は閃光に包まれる。光が収まるとそこにいたのは新しい形態に進化したデストロイアの姿であった。
その姿は、首と尻尾が2本に増え、翼が4枚になり、腕が無くなり目が3眼となり、角が2本ずつ生えている……まるでキングギドラの姿を模したような形態になっていた。気づいてはいないがキングギドラに噛み付かれた際、牙からDNAを無意識に吸収していたのである。
当然色は完全体と変わらない紅色である。
2つの口を揃えて開く。この一撃に全ての力を使う!
「ガァアァァー!!(ツイン・オキシジェン・デストロイヤー・レイー!!)」
放った光線に対してキングギドラはバリアーで防御しようとするが先ほどのダメージの為、バリアーは数秒持った後貫通して直撃、大爆発を起こした。
やっ……たのね。モスラ――約束、果たしたよ。
力を使い果たし、私は180センチの大きさに戻ってしまった。
薄れゆく意識の中で最後に見た光景は、自分の攻撃で大きな傷を負ったキングギドラと未来からタイムトラベルしてきたレインボーモスラが対峙する姿だった。
戦いが終わり、生き残ってた原始モスラの幼虫が、レインボーモスラのついでと言わんばかりにデストロイアに糸をかけていた。
[次回予告]
繭に包まれ眠りについたデストロイア
次に目を覚ましたその時代は
弥生時代であった
次回、目を覚ませば数千年
[今回の設定集コーナー]
~キングギドラ~
三つ首の金色龍だ!
尚、今回のキングギドラは、モスラⅢの現代キングギドラと千年竜王のハイブリットになっております。
なのでデストロイアが傷を負わせなかった場合、モスラ勝てないんじゃないかな?